いのまた和雄の視察研修報告 | 1999年12月〜 |
2008年3月〜2015年 | |
視察報告の目次はこちら |
【久喜市議会 教育環境委員会】 12月18日、教育環境委員会の審議終了後、学校給食センターへ移動して、久喜市のアレルギー代替食の実態について説明を受けました。
「運盛り」というのは、「ん」の付く食べ物を食べると運気が上がるという言い伝えらしい。 ニンジン、キンカン、ウ(ン)ドン、かんてん、ナンキン(カボチャ)、レンコン、ギンナン、さて後はどんなものが・・・。 この日の献立には、「ン」が2つ付くものは、ニンジン、レンコン、カンテン、カボチャ、 「ン」がひとつは、ダイコンが入っていました。 |
【市民の政治を進める会】 8月25日、市民の政治を進める会の猪股・川辺・田村、無会派の宮崎議員の合同で視察研修に行ってきました。 1.地球温暖化から地球沸騰化の時代、小中学校の子どもたちにとっても、屋外での体育・運動は、水分や塩分補給に気を配っていても命に関わる危険を伴います。 それは体育館での運動も同じですから、教室と同様に、体育館へのエアコン設置を進めることは必須の課題です。 久喜市では普通教室(平均は64u程度)の空調機設置はほぼ完了しましたが、学校体育館の空調機器設置は進んでいません。 これまで、体育館の1000uを超える空間全体の冷房や暖房効果を維持し続けることは技術的にも経費的にも困難があると考えられてきました。 しかし子どもたちの命に関わる熱中症予防のために、体育館内の必要なスペースを十分に換気しながら冷却することが求められます。 体育館の空調をするかどうかではなく、どのように空調をするかを検討しなければなりません。 これは体育館内での子どもたちの活動を保障するだけでなく、災害時には避難所としての機能も担うわけですから、安全に避難生活を送れる環境を平時に整えておく必要があります。 2.つくばみらい市の富士見ヶ丘小学校の体育館で、これまでの空調機とは発想を変えた、新たな考え方に基づく「換気機能付き次世代体育館空調システム」の実証実験が行われています。 つくばみらい市教育委員会および防災課に、視察研修をお願いしたところ、メーカー主催でシステムの“体感会”を行ってくれることになり、市民の政治を進める会の3人と宮崎議員、さらに近隣の宮代、蓮田、白岡の議員とともに参加してきました。 他市の教育委員会職員の方も来ていました。 7月末にも自治体議員や職員の方を対象に体感会を実施したそうです。 3.システムの設置主体(メーカー)は高砂熱学工業、システム開発と実証実験はグループ会社の日本ピーマックが実施しています。 富士見ヶ丘小学校の体育館アリーナの床面積は約800平方、天井高12mです。空調機設置の基準は100uに1台と設定されていて、8台が設置されています。 まず、夏期の冷房です。 通常の空調機の場合、天井に設置されたエアコンの吹き出し口付近がいちばん温度が低く、室内の空気を循環させながら、空間全体の温度と湿度を下げていきます。 「次世代体育館空調システム」は、暖気が上昇し、冷気が下にたまる原理をもとに、床面に近い位置からきわめて低速で冷気を送り続け、冷気が2m程度の低い位置にたまっていきます。 押しのけられた暖気は天井に上がっていって、高い位置から室外へ排出されます。 通常のエアコンのように強制的に空気をかき混ぜることもしないし、窓を開けて換気する必要はないので、省エネ効果も高く冷房効率が良いそうです。 運転開始から30分程度で冷気が全体に拡がるそうです。 当日の外気温37℃でしたが、体育館内の計測では、高さ1.5m付近で25℃、湿度24%、3m付近で32℃、湿度30%、天井付近は42度、湿度40%でした。普通に体育館の中を歩き回っていても、汗をかくことはありませんでした。 低い場所をゆっくりと進む冷気はたとえば災害時に、避難所でテントやダンボールなどが並んでいても、その間をゆっくりと進んで冷気を満たしていきます。 体育館内で子どもたちが激しく走り回ったり、ボールを投げることも考慮して、空調機器の吹き出し口はクッション性のある壁材をビニルで覆っていて、安全性の配慮もされていました。 4. 暖房の場合は、さらに床面すれすれの位置から、高速で暖気を送り出して床を這わせていきます。 暖気が天井に上がっていく前に床面を暖めるので、「足下が暖かく感じる」そうです。 外気温6.9℃で、高さ1.5mの室内平均気温13.5℃、湿度27%で、意外と暖かく感じるそうです。 今年の卒業式でもジェットヒーターは使わないで済んだそうです。 5.問題は設置費用ですが、現在は実証実験の段階なので正確な設置費用は教えていただけませんでした。(2000〜3000万円くらいかなあ・・・という程度) 説明の中では、現在は通常の空調機設置と同じくらいだが、設置が増えていけば下がっていくだろう、ランニングコストは明らかに低く抑えることができるというお話しでした。 今後、この新型空調機の販売へ向けて、現在は新たな実証実験先を開拓しているそうです。大いに調査、研究、検討する意義のあるシステムだと感じました。 |
【久喜宮代衛生組合議会】 7月28日、久喜宮代衛生組合議会で視察研修を行いました。 (1)PETボトルの水平リサイクル「遠東石塚グリーンペット株式会社」 ペットボトルからペットボトルを再生する、新しいリサイクルルートとして注目されています。 (2) ウイズウエストジャパン清久工場 久喜宮代衛生組合は分別回収の最初の取り組みで、[ビン・カン・PETボトル]の混合回収を1990年から開始しましたが、その最初からになってもらっている会社です。 障害者は特例子会社の社員として、現在28名を雇用しています。 |
【市民の政治を進める会】 久喜市では、昨年の2学期から新学校給食センターの調理が始まりました。 12月20日、Aコースのアレルギー代替食の試食 この日の献立は、
【写真左】 アレルギー代替食は、他の児童生徒と区別して、1人ずつ別容器でカゴに入れて届けられます。
アレルギー対応の申請は、全部で314人、その内、86人に卵と乳の代替食を提供しています。 |
【教育環境委員会の研修視察】 11月18日、教育環境委員会は新潟県十日町市に視察研修に行ってきました。 十日町市の、使用済み紙おむつを燃料ペレットにする事業 十日町市エコクリーンセンター(ごみ処理施設)の一角で、使用済み紙おむつ燃料化事業に取り組んでいます。 |
【教育環境委員会の研修視察】 11月18日、教育環境委員会は新潟県十日町市に視察研修に行ってきました。 「まつのやま学園」の小中一貫教育 十日町市では2010年に「小中一貫教育基本計画」を策定して、14年から全中学校区で本格実施し、10の中学校区ごとに小中一貫教育を進めてきました。 十日町市の学校給食の地産地消推進体制 十日町市は市域が広大で、また市町村合併の経過もあって、学校給食は給食センター5か所(289食〜1279食、合計で3265食)、自校調理方式4校(62食〜298食)に分かれています。 |
【教育環境委員会の研修視察】 11月17・18日に、教育環境委員会で新潟市と十日町市を訪れて視察研修を行いました。 新潟市のスクールロイヤー制度 新潟市の研修テーマは「スクールロイヤー制度について」です。 さいたま市でも、スクールロイヤー活用事業 なお、埼玉県内では、さいたま市が2019年度から「スクールロイヤー活用事業」を取り組んでいます。 |
【地方政治改革ネット】 取手市議会 7月21日、近隣の議員有志で構成する「地方政治改革ネット」で、取手市議会のICT推進の取り組みを視察しました。 会場/取手市議会 議事堂大会議室 |
【教育環境委員会】 秩父新電力株式会社 11月5日、市議会教育環境委員会で、「秩父新電力」の研修視察を行いました。 「秩父新電力株式会社」は、資本金2000万円で秩父市と埼玉リソナが出資して、2016 |
|
秩父市役所の玄関にこんな表示 |
【教育環境委員会】 新学校給食センターを視察しました 8月17日、教育環境委員会で新学校給食センターの現地視察を行いました。 センターは7月に完成し、これまでに機械設備の設置も完了しました。
|
青梅市議会の通年議会制度導入の経過と実績を視察 4月15日、久喜市議会通年議会検討委員会」8名の委員で、青梅市議会の通年議会制度導入の経過と成果について、視察してきました。 久喜市議会は、「通年議会」制度の導入へ向けて、昨年10月に「通年議会検討委員会」を設置しました。 これまで、久喜市議会は年4回、定例議会を開催して、1会期ごとに議案審査や一般質問、調査活動を完結してきました。 議会が災害対策などで緊急の対応が必要な場合には、あらためて臨時議会を招集しなければなりません。 委員会で政策などの勉強会や行政事務の調査を行う場合には、あらかじめ予定しておかなければならないなど、はなはだ機動性に欠けることもあります。 これに対して、「通年議会」制度は、1年間を通して1会期とし、いつでも議会が開いている状態です。 災害や緊急に対応が必要な場合には、すぐに「臨時の会議」を開けます。 また、事前に本会議の許可を取っておかなくても、委員会の判断で調査活動を行う必要があると判断すれば、いつでも委員会を開くことができます。 関東近県で、東京都のあきる野市議会、青梅市議会、神奈川県厚木市議会、茨城県常総市議会、守谷市議会など、通年議会制を取っている市議会が増えてきています。 久喜市議会通年議会検討委員会は、これまで各市議会から資料を取り寄せるなどして、通年議会制度導入のメリットについて研究し、意見交換してきました。 4月15 日には、青梅市議会に現地視察に行って、青梅市議会でのこれまでの経過とメリットや課題について、説明を受けました。 青梅市議会では2013年頃から議会活性化を検討する中で、《通年議会制度》の導入も課題として浮上し、2015年2月市議会で条例を改正して通年議会制に移行しました。 2019年度の場合、5月15日に開会して2020年4月30日に閉会で、会期は1年に1回ですが、その間、6月、9月、12月、3月の「定例会議」は通常と同じように開催しています。 2020年度も、会期は1回でしたが、コロナ禍への対応のために、定例会議の他に、7月、10月、1月に議会主導で臨時の会議を開き、4月にも臨時会議を開催する予定だそうです。 また、定例会議以外に、委員会を柔軟に開催して、年間6回〜15回もの調査活動や視察を実施し、非常に活発に活動しています。 久喜市議会の場合は、定例市議会1回ごとの会期が終わってしまうと臨時議会を簡単に開けないため、昨年が臨時議会を開かず、コロナ対策などの緊急の補正予算案は市長の専決処分で対応せざるを得ませんでした。 委員会も、久喜市議会では定例会以外では、年4回くらいしか開催できていません。 よく、通年議会制になると、議員が定例会以外にも会議が多くなるので忙しくなる、定例会が閉会しても臨時議会があるかもしれないから、他の議員活動がやりにくくなると心配する意見が聞かれます。 しかし実際には、臨時議会がしょっちゅう招集されるわけでもなく、当然ながら事前に日程調整の上で開かれるわけですから、他の活動を犠牲にするということにはなりません。 またもともと、議員は「常勤」に近い給与(報酬)を支給されていますから、議会を最優先にするのもあたりまえで、「議会開催が増えて忙しくなると困る」というのはむしろ本末転倒でしょう。 私たちの「通年議会導入してデメリットはなかったか」という質問に対し、青梅市議会からは「運用により導入後のデメリットは特段に感じられない」という答えが返ってきました。 |
久喜市の新型コロナワクチン接種会場とコールセンターを見学しました 4月15日、市民の政治を進める会の猪股・川辺・田中、無会派の田村議員の4名で、ワクチン接種会場の総合体育館に行ってきました。 久喜市ワクチン対策課、ワクチン接種コールセンターは、3月4日から、総合体育館に設置されています。 ワクチン対策課は現在、課長以下、職員8名プラス臨時職員で準備作業を行っています。 またコールセンターは8名の派遣職員が電話を受けて、市民からの問い合わせなどに応答しています。 1日で約80件の電話がかかっているそうですが、この日、私たちが10時半くらいから見学しているときは(たまたま?)1件もかかってきませんでした。 朝9時ごろがいちばん多いそうですので、時間をずらした方がいいようです。 接種券を発送して以降は、コールセンターは20名体制で電話応答をしていく予定と言っています。 ワクチン接種会場はアリーナに設置されています。 久喜市での接種開始は85歳以上の高齢者を先行して、5月16日にスタートする予定ですが、すでに会場は3月初めから確保して、現在は会場全体のレイアウトを検討している段階だそうです。(したがって、下の写真のレイアウトは今後変更することもあるとのことでした)。 大きく3つのエリアに分けられて、受付を入ると左半分に順番待ちのイスが並んでいます。 受付を済ませると、緑、黄、青、ピンクの4コースに分かれて座り、問診、接種へと進みます。 接種が終わっても、副反応がないかなどの経過を15分以上は観察するために、待機するスペース、その横には救護所も設置されます。 また予約時間よりも早く来た人のために、待合スペースも置かれる予定です。
|
【地方政治改革ネット】 春日部市立江戸川小中学校を視察 9月5日、市民派議員のネットワーク・地方政治改革ネットで、《春日部市立江戸川小中学校》の視察に行ってきました。 小中学校3校を統合して、県内初の義務教育学校を開校 江戸川小中学校は、春日部市庄和地区内の宝珠花小学校、富多小学校、江戸川中学校の3校を統廃合して、2019年4月に開校した、県内で初めての小中一貫校=義務教育学校です。昨年の各学校の児童生徒数は、宝珠花小学校53名、富多小学校41名、江戸川中学校60名でしたが、統廃合して現在は、1学年から9学年まで各1クラスずつで合計168名になっています。 その中には「小規模特認校制度」を使って市内の他の地区から希望して通ってくる児童生徒6名、庄和地区の他の学区から通ってくる児童生徒6名も含まれています。 庄和地区の児童生徒数の減少に対応して統廃合したという側面もありますが、むしろそれを契機にして、義務教育9年間を見通した小中一貫教育、中一ギャップへの対応と学びと育ちの連続性を重視した教育の実践、地域との結びつきを強化した「まちづくりとしての学校再編」を進めるという観点が重視されています。 ジュニアクラス、ミドルクラス、ハイクラス 9年間の一貫教育ですから、6・3制にとらわれずに、子どもたちの発達段階に応じて3段階に分けて、「4・3・2制」になっています。1学年から4学年までが「ジュニアクラス」で、基礎・基本を重視した教育に力を入れていて、学級担任制で45分授業です。 5学年から7学年までが「ミドルクラス」で50分授業になります。 基礎・基本の活用を重視して、5学年から一部の教科に教科担任制を取り入れ、7学年から完全に教科担任制に移行します。 8・9学年の「ハイクラス」は習熟に応じた少人数指導と主体的な学びに重点を置いて、教科担任制で50分授業です。 教室の配置も、ジュニアクラスが校舎増築部分の1階に、ミドルクラスとハイクラスはもともとの江戸川中学区の本校舎の2階に配置されていました。 5学年の教科担任制授業は国語・社会・リカ・音楽・図工・家庭で、学級担任による授業は算数・英語・体育・道徳・総合と学級活動で、 6学年の教科担任制授業は書写・算数・社会・音楽・図工・家庭・体育、学級担任の授業は国語・英語・リカ・道徳・総合と学級活動です。 5学年と6学年で微妙に違っている理由までは聞きませんでした。 江戸川小中学校ならではの特色
◇5・6学年の教科担任制と50分授業、少人数指導 ◇異学年交流の推進・・・タテワリ班活動、運動会など全学年での学年行事、9年生が1年生の教室で保育活動をするなど興味深い取り組みもしていました。 ◇ジュニアクラスからの外国語活動 ◇ジュニアとミドルクラスはスイミングスクールと連携して送迎バスで市内のスイミングでプール指導をしています。 先生がプール指導をしなくてすみ、必ず泳げるようになる、寒くても暑くても雨でもできるというメリットがあります。 これは、もともとの中学校の規定で作られているプールを低学年の児童が使うためには、小学生用に改修しなければなりませんが、改修費をかけて全学年が使えるようにするよりも、スイミングに委託した方が内容的にも、財政的にもいいそうです。
通学は通学区内はスクールバスが2台、2便ずつ走らせていて、学校の近くの児童生徒以外は基本的には全員がスクールバスを利用しています。 校舎は元の江戸川中学校の校舎を、ジュニアクラスのための校舎を増築し、既存校舎もトイレ、昇降口、スロープの増設などのバリアフリー設備を整備しました。 増築した校舎に広〜い放課後児童クラブ(学童保育)の部屋が併設されていて、外からの送迎もできるようになっていました。 久喜市では? 久喜では、児童生徒数の減少に伴い、学校統廃合が進められています。鷲宮地区では、上内小(児童数66名・6クラス)の小規模化が進んでいるため、、鷲宮小(289名・12クラス)、鷲宮西中学校(183名・3クラス)と統合して、鷲宮西中学校の校舎を利用して、小中一貫校を作る方針です。 今回視察した、江戸川小中学校の経過は大いに参考になりそうです。 |
【自治体議員政策研究集会】 1日目は、瀬戸内海の豊島(てしま)の「産廃問題・その後」の視察をしました。 「豊島事件」は、1990年に兵庫県警の摘発によって明らかにされた日本最大(史上最大)の有害産業廃棄物不法投棄事件です。 発端は1970年頃から、悪徳事業者による産廃処理計画が持ち上がって、住民は島ぐるみの反対運動を取り組みました。 1972年、事業者のウラから表から働きかけに、許認可権限を持つ香川県当局が「産廃の中間処理、ミミズ養殖、金属回収」の名目での産廃処理事業に許可を出してしまい、それ以降、許可条件をも無視した形で、約20年間で60万トンの有害廃棄物が不法投棄されていきました。 住民の度重なる要請に対しても、香川県当局は産廃持ち込み・不法投棄を止めさせずに事実上黙認して、かえって、違法の事実を確認していながら「違法操業を合法にみせかけ」、「安全宣言」まで出して、違法行為に加担していた経過も明らかになっています。 結局、許可・指導監督権限を持つ香川県でなく、兵庫県警の摘発によって明らかになって以降、住民は持ち込まれ野積みされたままの産廃の撤去処分を求めて、香川県、国への運動を続けました。 2002年に公害調停が成立して、すべての産廃を剥ぎ取り、直島に建設された廃棄物処理施設に搬出して溶融処理・無害化する事業が、国と香川県の費用負担で始まって、2016年にようやく撤去は終了しました。 しかし地下数十メートルの岩盤中にまで浸透した有害物質によって汚染された地下水の処理は続いており、2022年までて継続する予定ですが、それまでに完全に地下水の処理が終わるのかどうかはまだ見通しが立っていません。 「豊島事件」の最大の教訓は、ある意味では、住民の島ぐるみ、地域ぐるみのねばり強い取り組みだったといえます。 私たちは、「豊かな島を返して」「豊かなふるさと、わが手で守る」の合い言葉で運動を続け、この住民運動の中で中心に立って闘った地元の石井元県議会議員のお話を聞きました。 実は私は2006年5月に、一度この島を訪れています。 あの当時はまだ、産廃の山をはぎとって直島の溶融処理施設への搬出の作業が始まって4年目で、現場は産廃が詰められたフレコンバッグが置かれていました。 今回訪れた現場は、ただ産廃が剥ぎ取られた平らな台地が広がっていて、地下水処理を続けている水処理施設が運転を続けているだけでした。
|
【地方政治改革ネット】 千葉県白井市の障害者支援事業所 参加者は、久喜、越谷、吉川、三郷の議員7名です。 私たちがこの施設を訪問するのは、昨年8月に続いて2回目です。 8月2日のお昼に、千葉県白井市にある《フラットビレッジ》を訪れました。 ここは《社会福祉法人フラット》が経営する“普通のレストラン”で、外光を最大限に取り入れた明るい店内には、たくさんのお客さんたちが食事を楽しんでいました。 お店の一角には、ごろごろスペースという広い部屋があります。 幼児といっしょに保護者(多くはお母さんたち)が靴を脱いで上がって、食事をしながらのんびりとおしゃべりを楽しんでして、子どもたちは絵本を読んだり寝転んで遊んでもいい、そんな空間です。
さらに地域の学生たちが自由に使える自習室、市民団体が自由に使える貸し会議室も備えられています。 実はこのレストランは、障害者の作業所でもあります。 スタッフの支援を受けながら、障害者の皆さんが調理(盛りつけ)やホールの配膳、片付けなどで働いているのですが、お客さんのだれも、食事を運んできた従業員が障害者だとはほとんど気付きません。 そして、レストラン内の相談室では、障害児の発達相談や自立支援相談などの活動も行っています。 社会福祉法人フラットは、障害者生活介護事業所、障害児放課後等デイサービス、居宅介護事業所、児童発達支援事業など、障害児者の総合的な自立支援事業を展開してきています。 理事長さんのお話を聞いてきて、たいへん印象に残ったお話があります。 1つは、法人のホームページに掲載された「ミッション 戦う福祉職員を育てる」という言葉です。 『人の幸せを願い、動き出すためには、福祉業界の風土や制度など、既存のルールや概念と戦わなければいけません』 また、『福祉業界の善意に頼った無償の残業や休日出勤、長時間労働が大きな問題』であって、『その現状を大きな課題として』解決しなければならないとも言います。 言われてみればあたりまえのことですが、現状の障害者福祉の現場ではいかに困難なことか、私たちは知っています。 そして、この法人は、障害者1人1人の尊厳を何よりも尊重し、1人1人の意思を尊重して、自立をめざして“支援”を深めていると言えます。 障害者の意志表明権の尊重…グループホームしろい 今回の訪問の目的は、今年4月にオープンした《障害者生活介護施設ガーデンスクエア》と《障害者グループホームしろい》の視察です。グループホームしろいは、男女それぞれ4室で、すべてが独立したトイレ付きの個室、バス・トイレ付きもそれぞれ1室あります。 他にショートステイの部屋が男女各2室あって、これもすべてトイレ付きです。 共同の浴室も当然ながら男女別で、それぞれに独立した2つずつの浴室があって、その内の一つは介助者がいっしょに入れるようになっています。 グループホームというと、共同のリビングや食堂のまわりに同じ部屋が並んでいるのを想像しますが、ここは各部屋が完全に独立していて、壁も接していないし、窓も別々の方向を向いていて窓から他の部屋は見えません。 他の人と顔を合わせたくなければ、各居室には外から直接に入ることもできるという、特別な設計コンセプトに基づいた“ぜいたく”な造りになっています。 何時に寝て、何時に起きてもいい、食事をリビングでとってもいいし、部屋で食べてもいい、風呂に何時に入ってもいい、事務室のセンサーで在室かを把握し、介助が必要であれば障害者の意志によって職員が支援に入る、そんな体制になっています。 職員は“宿直”でなく、2名が“夜勤”として入っているそうで、かなり手厚い職員体制です。 理事長のお話しによると、障害者を“管理”という考え方を排し、最大限かつ徹底的に“本人の意志表明権と意志決定権”を尊重しているのだそうです。 それによって、障害者自身のストレスが減って、パニックを起こすこともなく(入所以前に比べてほとんどなくなって)、穏やかに過ごせるようになったと言います。 それは障害者にとってだけでなく、支援に当たる職員にとっても喜びだと言います。 入所者の費用は、家賃が月4万数千円プラス食費が必要ですが、補助金もありますから、障害者年金で何とか生活していける、親の援助がなくても暮らしていけて、そこそこの趣味に使える金もあるので、文字通り“自立”してやっていけるのだそうです。 それにしても、これらの手厚い職員体制と施設設備を見てきて、法人が財政的にどうなっているのか心配になって、率直に聞いてみたのですが、何とか経営は成り立っているのだそうです。 |
【久喜宮代衛生組合議会】 常総市の災害廃棄物処理の経験を視察研修 視察目的は「災害廃棄物の処理」についてです。 2015年9月の北関東豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、常総市は市域の3分の1にあたる約40kuが水没し、市役所も浸水するという大きな被害が出ました。 死亡14人、建物は床上・床下浸水が8000戸、全壊・半壊合わせて5000戸が被害を受けました。
大災害が発生すれば、当然のことながら一度に膨大な量の廃棄物が発生します。 日常的な廃棄物処理は、できるだけごみを出さない「発生抑制」と、厳格な「分別」によって廃棄物の減量・資源化が求められ、市民の協力によって支えられています。 しかし災害時、特に水害に見舞われれば、人命と生活再建が最優先とならざるを得ませんから、分別も不十分なままに大量のごみが排出されることになります。 冷蔵庫などの家電や粗大ごみ、タタミ、住宅までがそのまま「ごみ」となって、短期間の内に処分を迫られることになります。 まずごみの仮置き場の開設が急務で、市民が我れ先に持ち込むごみが山積みになっていき、その後に、可燃、不燃、粗大、資源の分別されていない混合廃棄物の仕分け、濡れたごみの処分は簡単に燃やすこともできず特にやっかいです。 しかも水害発生後、数日経って水が引き始め、市民の片付けが始まってから急激にごみが増えていって、市が設置した仮置き場だけでなく、駐車場や空き地、公共施設の周り、道路の路肩等々に無秩序に置かれていきます。 常総市でもまさにそうした事態が現出したのですが、ごみの排出方法を指導したり、規制しようとしてもとてもできるものではなかったと言います。 常総市でも、一般のごみ収集と処理は継続して行いながら、分別が不十分なまま出されてくる災害廃棄物を受け入れて、行政の手で分別作業を行いながら焼却炉で処分していきました。 それでも処分しきれない身分別の「混合ごみ」の一部は、市外や県外の民間最終処分場に搬出して埋め立て、さらに遠くは三重県内の自治体にもお願いして最終処分場に埋めるなどして、水害廃棄物を完全処理していきました。 そうして災害の廃棄物を完全に処分して、市民の普段の生活が取り戻せるまでにおよそ1年、その後、仮置き場として使った土地を現状復帰するまでにさらに半年がかかりました。 こうした廃棄物の山を、どのように処理していったかという経験を聞いて、私たちも、いつ襲ってくるかわからない災害に備える上で、災害廃棄物の処理計画を充実させておかなければならないと思いました。 常総市で、およそ10万tの災害廃棄物の処理に要した費用は50億円で、「激甚災害」に指定されたので、国から補助金と特別交付金で95%が交付されました。 常総市では、水害が発生して2か月後にようやく「災害廃棄物処理実行計画」を策定しましたが、事実上、すべて後追いで進めていかざるを得ませんでした。 その教訓から、今では国の「災害廃棄物対策指針」に基づき、全国の各自治体で「災害廃棄物処理計画」が策定されています。 久喜でも今年5月に「久喜市災害廃棄物処理計画」が策定され、ごみの一時仮置き場候補地21か所も選定されました。 |
【教育環境委員会】 江面2小 少人数の小学校での授業 市内では、児童数の減少で、小規模校が増えてきています。 市内でいちばん児童数が少ないのは江面第2小学校で、今年度が全校児童数が48人で6学級、いちばん少ない2年生は男子だけ5名です。 地域住民や保護者と話し合いを進めてきた結果、2021年4月に江面第一小学校と統廃合することになっています。 こうした児童数の少ない小学校で、どのように授業が進められているのか、実際に見てみようということで、この日の視察になりました。 まず、江面2小ではいちばん多い4年生(11人)の音楽で、次にいちばん少ない2年生(5人)の音楽で、ピアニカの合奏をしていました。 体育の授業は学年ごとでは授業自体が成り立ちにくいので、2学年ずつ一緒の授業を行っています。 この日は3時間目に、3年生(7人)と4年生が合同での体育を見学しました。 音楽も体育も、他の教科にしても、少人数ののメリットは、先生が1人1人の児童のようすに目を配ることができることです。 しかしその一方で、子どもたちが集団の中で、お互いに切磋し、刺激し合いながら学んでいくという面では明らかに弱いだろうと感じました。 音楽の授業で、先生の問いかけに、真っ先に声を上げる子が固定化しやすい、体育の授業のグループの中でもリーダー的な子どもが決まってしまいやすいのではないかと感じました。 そもそも、6年間なったくクラス替えがない中で、しかも10人以下のクラスでは子どもたちの間でグループが作られることもほとんどないわけで、完全に人間関係が固定化してしまうのではないでしょうか。 「ヒトは人の中で人になる」という言葉があります。 基本的に人間の教育は集団の中でこそ効果を発揮し、お互い成長していきます。 もちろん個人教授が必要な場面もありますが、子どもたちにもう少し大きな集団の中で学ばせてあげたいと感じました。 市内で児童数の少ない小学校は、上内小学校が全校で66人、今年の1年生は5人でした。 上内小学校は、鷲宮小学校との統廃合するか、あるいは鷲宮西中学校と3校を合併して小中一貫の9年制の「義務教育学校」とする案も検討されています。 菖蒲地区の小林小学校は102人、栢間小学校が104人で、来年度以降はさらに減少して、数年後には1年生の人数が一桁台になると見込まれています。 |
【教育環境委員会】 ごみ発電と生ごみのバイオガス化 可燃ごみの中から家庭ごみを発酵させてバイオガス化し、エネルギーを回収する最先端のシステムです。 久喜宮代衛生組合で生ごみ堆肥化・減容化に取り組んできましたが、これはごみ処理を久喜市単独事業に移行するとともに廃止する計画です。 それに変わるごみ減量化の有効な手段として、生ごみを発酵させてバイオガスを取り出すシステムを検討しています。 防府市の可燃ごみ発電+生ごみバイオガス化処理システムは、その最先端の取り組みです。 1.防府市は面積189平方q、人口11万6000人、世帯数5万5000人の中核市で、ごみ処理は単独で行っている。 2.2014(平成26)年に新クリーンセンターを竣工した。 2006(H18)年度に防府市ごみ処理基本計画を改定、旧処理施設を拡張して新ごみ処理施設を建設する方針を決定、 事業方式として、性能発注、建設と運転の包括委託、20年間の長期契約によるPFI方式で検討し、最終的に公設民営のDBO方式(行政が施設を所有し、建設および運転資金は行政、事業実施主体は民間、モニタリングを行政が行う手法)を選択した。 09年度に整備・運営事業募集要綱を公表して公募、3社が応募した中で「カワサキプラントシステムズ(株)グループ」に決定、10年度に基本契約、運営業務委託契約を締結、 2011年度に着工、25年度に可燃ごみ処理施設試験運転、リサイクル施設試験運転開始、 2014年度に竣工、供用開始した。 3.防府市クリーンセンターの最大の特徴は、「国内初のごみ焼却・バイオガス化複合施設」である。 可燃ごみ焼却施設に家庭ごみ(生ごみ)のバイオガス化施設とを組み合わせて、「高効率な廃棄物発電を行うごみ処理複合施設である。水分の多い厨芥類(家庭の生ごみ)を高温乾式メタン発酵によりメタンガスを発生させ、そこから回収されたバイオガスを発電設備で有効利用する。全量焼却と比較してエネルギー効率を向上し、有害物質・温室効果ガスの排出を抑制し、環境負荷を低減することができるとしている。 さらにクリーンセンター場内のし尿処理施設と、隣接する公共下水道浄化センターで発生するし尿・下水道汚泥を、可燃ごみ処理施設のバイオガス化施設に全量受け入れ、家庭ごみといっしょに発酵させていることも大きな特徴といえる。 不燃ごみ、粗大ごみ、資源ごみの処理については、容器包装リサイクル法に完全対応し、資源化の推進と異臭処分量の低減を図るためのリサイクル施設、さらに環境啓発施設を併設している。 4.防府市クリーンセンターのバイオガス化施設は、乾式発酵方式を採用したことにより、生ごみ以外の紙ゴミやプラスチック等の発酵不純物の混入をある程度許容することができるメリットがある。したがって生ごみだけの分別を行う必要がなく、機械選別のみで家庭から排出された可燃ごみを発酵槽に投入して処理することが可能となった。 施設担当者の説明によると、乾式発酵の適切な水分含有量は75%であり、家庭・可燃ごみとし尿・下水道処理汚泥に対して、水を加えて調整しているとのことであった。 ごみ投入ピットに投入された可燃ごみは、通常は攪拌・破袋した後に焼却炉ホッパに投入される。それとは別に、家庭ごみを発酵槽に投入するために攪拌・破袋・粉砕の後に発酵槽選別ピットに投入され、水分調整を行った後に発酵槽に投入される。 久喜宮代衛生組合で実施している生ごみ堆肥化・減容化施設、また先進自治体で導入されている湿式発行方式では、生ごみだけの分別回収を行う必要があるが、分別に係る市民の負担を大きく軽減することができることも、大きなメリットである。 5.焼却施設は連続燃焼ストーカ式並行流路、日量75tの処理能力を持った焼却炉2基、年間280日運転である。可燃ごみ回収・処理量は年間3万4000t(日量93t)で、年々減量している。蒸気タービン発電機(出力3600kW)を備えていて、焼却熱を回収して発電し、場内で消費する他、中国電力に売電している。焼却灰は全量をセメント原料化(固化)している。 バイオガス発酵槽の設備規模は日量51t(可燃ごみ34t、汚泥17t)であるが、実際の投入量は35t(可燃ごみ18t、汚泥17t)である。回収したメタンガスは発酵槽の加熱およびごみ発電設備に活用し、メタン発酵残渣は焼却している。 6.可燃ごみ焼却施設、バイオガス化施設、粗大ごみ処理・資源ごみ処理施設を合わせた建設費約108億円で、財源内訳は国庫補助金45億円、地方債48億円、一般財源16億円であった。 運営委託費は20年間で101億円(5億500万円×20年)に対して、運営事業者の年間運転費用は6億1300万円(可燃ごみ処理施設5億200万円+リサイクル施設1億1000万円)であり、そこから運営事業者の売電収入を差し引いた金額が、運営事業者の実質的な費用となる。 7.可燃ごみ焼却施設とバイオガス化施設を組み合わせるメリットは、 (1)全量焼却に対して焼却処理量を9.3%削減し、発電量を23.9%増加させることができる。 (2)2方式の組み合わせで建設費および運営費は増加するが、循環型社会形成推進交付金交付率(1/2)が適用され、財政負担を縮減することができる。 (3)これらを総合的に判断し、さらに環境負荷を低減することができることから、バイオガス化施設を導入することとした。 久喜市の新ごみ処理施設建設基本構想においても、ごみ発電およびバイオガス化処理施設の導入が検討されているが、財政的にも、また焼却処理量の縮減、環境負荷の低減の観点からも有効な選択肢であると考えられる。 8.最後に、ごみ減量の推進に有効な分別監視システムについて、付け加えておく。 防府市クリーンセンターでは、ごみ分別の徹底のために、3か所の投入口の1つに、「自走式コンベアごみ投入検査機」(通称・ごみ検くん)を設置していた。おもに事業系ごみをピットに直接投入しないで、検査機台車に排出し、職員が目視で分別を確認して分別をチェックするシステムである。許可業者や自己搬入のごみの分別が適正であるかを確認し、指導・勧告することによって、分別を徹底させる効果をあげている。久喜宮代衛生組合および久喜市でもぜひ導入を検討してはいかがか。 |
【久喜宮代衛生熊井議会】 食品トレイの分別・再生工場で、障害者雇用 スーパーなどで生鮮食品の包装に使われている発泡スチロールトレイを回収して、再びトレイに再生している工場です。 ヨーカドーのトレイはすべて(?)ここで製造、再生したものを使用しているということで、帰ってからトレイの裏を見たら、確かに「エフピコ」と書かれていました。 消費者がスーパーの回収ボックスに戻した使用済みのトレイだけでなく、自治体によってはトレイだけを回収している市もあります。 これらの食品トレイを集荷し、材質別に分別、その後、洗浄、溶融して、トレイに再生するのです。 集められてきたトレーにはいろいろなものが混じっていますから、再生するには白色トレー、色やもようが付いたもの、発泡トレー以外などに分けなければなりません。この選別工程は自動化がむずかしく、手選別がいちばん正確なのだそうです。 その作業を担っているのが障害者のみなさんです。 八千代町の工場に隣接する選別センターでは近隣から通ってくる障がい者、約40人が手選別で作業をしていました。 エフピコのトレー製造工場が全国で17か所、選別センターが9か所あって、グループ会社全体では身体・知的・精神障害者約400名が働いているそうです。 エフピコでは障害者雇用を促進するために特例子会社を作っていて、茨城県の最低賃金760円に対して時給800円の正社員として雇用されているそうです。 昨年からはこの工場の隣に、ペットボトルの再生も行っていて、そちらにも障害者が働いています。 ここには、久喜宮代衛生組合で収集したペットボトルも入ってきているそうです。 分別のベルトコンベアの両側に、障害者のみなさんが並んで働いています。 頭の上や足下からスポット冷房の設備はありますが、それでも暑い、暑い。 30分作業をしたら10分の休憩(だったかな)、こまめに休みながら水分補給も欠かさないそうです。 |
【久喜宮代衛生組合議会】 久喜のごみの焼却灰を資源化処理 19日は、福島県いわき市にあるメルテックという企業で、ここは久喜宮代衛生組合から出る焼却灰や煤じんを最終処理して資源化しています。 久喜宮代清掃センターでは1年間で約3000トンの焼却灰や煤じん、残渣等が出て、これらは何らかの方法で「最終処分」しなければなりません。 かつては多くを、埼玉県環境資源センター(寄居町)や草津町の民間最終処分場に埋め立ててきましたが、最近は「資源化」の割合を増やしてきています。 セメント原料として活用する他、溶融して人工骨材として活用する方法で、メルテック小山(株)は、久喜宮代清掃センターの焼却灰や煤じん、年間約1000トンを処理しています。 昨年設立されたメルテックいわきは、久喜宮代の焼却灰を処理しているメルテック小山と別会社ですが、いわき市を始め福島県内の自治体、千葉県、埼玉県内の自治体の焼却灰等を処理しています。
焼却灰等を1400度以上の高温で溶融して、常温でゆっくりと空冷固化して溶融スラグとメタルを取り出します。 溶融スラグは天然の石(安山岩や玄武岩)と同等の品質の人工骨材として利用されます。 これは道路を舗装する際の下に敷く路盤材、セメントに混ぜる砂利の代替品、砂利そのものとして使う方法もあります。 一方、メタルは金や銀、希少金属が含まれており、このメルテックいわき(株)で年間3万5000トンの焼却灰を処理して、13sの金のインゴット6本分が取り出されるそうです。 久喜宮代衛生組合では、メルテックに焼却灰と煤じんを1トン4〜5万円で処理を委託しています。 最終処分場に埋め立てるには1トン2〜3万円で引き取ってもらえるので、かなり割高になりますが、久喜市は市内に最終処分場を持っていない上、埼玉県や民間の最終処分埋め立て地にも限界があるため、割高な費用を支払っでてもできるだけ資源化を進めざるを得ません。 市議会でも最近、高齢化でゴミ分別がたいへんだから、市民の分別にかける負担を減らすためには、細かい分別はやめた方がいいという意見を言う人もいるのですが、これはあまりにも無責任です。 厳密な分別をやめれば、ごみの量が増えていって、特に燃やせるごみの量が増えれば、焼却灰の量が増えていって、その処理にはかえって費用がかかることになります。 逆に、最終処分に回している焼却灰の量を減らすためには、焼却するごみの量を減らす、そのためには市民が日常的に排出するごみの量自体を減らすことが求められています。 |
【研修報告】 自治体における性的マイノリティの支援施策を学ぶ |
全国から約100名の自治体議員が参加して、昨日の午後から今日6日の午前中まで3つの講演を聞くことができました。 (1)中塚幹也氏(岡山大学教授で産婦人科医、性同一性障害学会理事長)が「トランスジェンダー、性同一性障害の実情と支援」の講演、 (2)全国の自治体職員や教育関係者を対象にした講演に全国を飛び回っている日高康晴氏(宝塚大学教授、セクシャルマイノリティ支援の研究者)による「LGBTの基礎知識」の講演、 (3)LGBTに対する全国自治体による支援施策調査結果、日本学術会議の提言の講演 また、全国の各自治体の取り組みの実例や各議員の議会報告などからも、先進的な取り組みを学びました。
久喜市では2003年に、性同一性障害の方々に対する配慮として、行政の申請書や公文書、証明書類から「性別記載」の削除を進めました。 私は市で性別記載のある公文書類の調査をふまえ、法的規制があるものを除いて、選挙の投票所入場券などからも性別記載を削除させました。 【参照⇒公文書から性別記載を削除へのリンク】 市の政策に関する公文書では、男女共同参画推進行動計画の中に、人権啓発施策として「LGBTを含む性の多様性を尊重した啓発活動の実施 LGBTを含む性の多様性を尊重し、性的指向や性自認を理由とした差別や偏見をなくすため、各種講座や学習機会の情報提供を行う。 」と明記されています。 また、男女共同参画情報紙「そよかぜ」には欄外に「性的指向や性的自認を理由とした偏見や差別をなくしましょう」のスローガンが掲載されています。 しかし男女共同参画推進条例には、政敵マイノリティ・LGBTなどの記載はいっさいありません。 久喜市行政における性的マイノリティに関わる政策は、LGBTについての啓発、職員や教員を対象にした研修などで、それ以外は、性的マイノリティに関する相談体制の充実や支援の取り組みは、ほとんど取り組まれてこなかったということになります。 15年前に公文書の性別記載の削除を実施したものの、それ以降、久喜市行政が性的マイノリティの政策の具体化にはあまり積極的には取り組んでこなかったというのは、どういうわけでしょう。 久喜市行政内部で、性的マイノリティ支援政策について、これ以外の具体的な検討はされてこなかったのでしょうか。 渋谷区の同姓パートナーシップ条例、世田谷区では条例ではありませんが制度化するなど、全国的には先進的な取り組みの実例がたくさん産まれてきています。 今日の午後には代々木公園で「東京レインボウ・プライド2018」が行われ、私たちもパレードに参加してきました。 【参照⇒Blogへのリンク】 |
【視察報告】 蓮田市の自校調理方式の学校給食 蓮田市の学校給食も全部、自校調理方式です 7月4日、市民の政治を進める会の3人で、蓮田市の学校給食の視察に行ってきました。久喜市は3年後までに、全国でも最大規模の給食センターを建設して、市内全部の34小中学校、1万2000食の学校給食を単一のセンターでまかなう計画を進めています。 しかし近隣では、蓮田市、白岡市、幸手市などが自校調理方式ですし、6月に視察してきたさいたま市も、一部センター方式だったのを自校調理方式に転換しました。 蓮田市は小学校はもともと自校調理方式でしたが、中学校は3年計画で各学校への調理室設置を進め、3年前までにすべての小中学校の学校給食を自校化しました。 これも久喜市とは正反対の取り組みです。 私たちが視察したのは蓮田市立中央小学校(児童数580人)です。 14校すべてが自校方式ですから、栄養士または栄養教諭(11名と隣接の小中学校だけ1名)が全校に配置されていて、献立や調理の管理指導、子どもたちの食育にあたっています。 地産地消を大事にしているので、毎日の食材は基本的に市内の商店や業者から購入しています。 6時半くらいから搬入が始まり、下ごしらえにかかります。 出汁を取る作業が8時くらいから、食材の火を使った調理は9時くらいから開始し、調理終了は11時半です。 センター方式では、久喜地区で10時半に調理終了、菖蒲や鷲宮で11時くらいですから、これが温かいものは温かい内に食べられる自校方式とセンター方式の最大の違いです。 調理終了後エレベータで各階の配膳室に運び、12時20分頃に、クラスごとのワゴンを調理員さんたちから子供たちに手渡します。ここでも作る人と子供たちのふれあいがあります。
献立は基本的に全校が統一献立ですが、学校ごとのイベントや学校行事に合わせて、学校の栄養士さんたちが対応します。 またその学校にアレルギーの子どもがいる場合、特に「代替食」や「除去食」を提供するという取り組みはしていないのですが、栄養士さんが工夫して対応することもあるそうです。 たとえば栄養士の工夫と指示によって、ほうれん草のゴマよごしのゴマを除く、タマゴとじのタマゴを除くなどの対応をします。また、テンプラやフライ、ハンバーグなども、できるだけ既製品の冷凍食品は使わないようにしているので、つなぎにタマゴを使わないなどは、手作りの食材を使う自校調理だからこそできることです。 6月の献立で既製品の冷凍食材は、スコッチエッグ、厚焼きタマゴ、シュウマイ、フランクフルトくらいで、ワラジカツも、クリームシチューも手作りだと説明してくれました。 グリーンピースのサヤ出し、トウモロコシの皮むきなどは子どもたちにやってもらうので、そんな日は食べ残しも少ないと言っていました。 私たちが視察した日の献立は「きつねうどん汁」だったのですが、麺が地粉うどんだったのは感激でした。
蓮田市では地元の製麺所さんの協力で、ソフト麺でなくて本物のうどんを出しているのだそうです。 食器は強化磁器です。以前はアルマイト、その後はプラスチックでしたが、各学校の調理室の機器(食器洗浄機)の入れ替えに合わせて順次、強化磁器に変更してきて、3年前に全校の食器が強化磁器になったそうです。 これも、久喜市が久喜地区で使っている強化磁器食器を廃棄して全部をプラスチックに統一しようとしているのとは正反対です。 校長先生や教頭先生といっしょに試食しながらお話ししましたが、あちこちの市の給食を食べてこられて、「蓮田の給食がいちばんおいしいと自信を持って言えるんです」と楽しそうに言ってらっしゃいました。 どこの市の給食がおいしいかは、異動のある先生方がいちばんよく知っていると言われます。久喜市内の学校の先生方に率直なお話を聞いてみたいと思いました。 それとも立場上、給食がおいしいかどうかはあまりたいした問題ではないと言われるでしょうか。1日3食の内の1食、朝食抜きの子もまだけっこういます。家庭の都合で出来合いのものを多く食べている子もいます。 子どもにとっての学校給食をもっと大切に考えていく必要があるのではないでしょうか。 |
【視察報告】 さいたま市の自校調理方式の学校給食 15年間で80校を自校調理に転換した さいたま市の学校給食は、小学校103校、中学校57校のすべてが自校調理方式で実施されています。合併以前は、浦和市と大宮市、与野市の一部の小学校が自校調理方式で、その他はセンター方式でした。 本格的に自校調理方式への転換開始したのは2001年からで、2004年には15校、05年には12校に給食調理場を整備するなど、計画的に自校化への転換を進め、2015年7月に最後の2校、01年から2015年までの15年間で81校の調理室を整備しました。 なおその内の3校は新設校です。 全校が自校方式になり、栄養教諭・学校栄養職員が配置されるのは、政令指定都市ではさいたま市だけとされています。 さいたま市では、自校方式のメリットとして、 (1)学校ごとの工夫を生かした給食を提供することができる。 (2)全ての小・中学校に栄養教諭または学校栄養職員が配置されるため、食に関する指導の充実を図ることができる。 (3)調理後喫食までの時間が短縮されるため、温かいものは温かいうちに提供できるなど、適温での給食が提供できる。 (4)食物アレルギーを有する児童生徒への対応が、より細やかにできる。 (5)学校ごとに食材購入先を選定するため、地元の農家等から食材を購入することができる。 (6)児童生徒にとって調理担当者が身近な存在となり、食に対する感謝の気持ち等を育むことができる、と位置づけています。 自校調理場の整備工事費は、25年度以降の12校で見ると、建築、電気、機械設備の合計で、2億9000万円から最高額は4億4700万円で、平均は3億5000万円です。 調理委託費は3年契約で5800万円から8200万円、これは当然、学校規模(食数)によって幅があります。 岩槻地区の城北小学校 私たちが視察したのは、岩槻地区の城北小学校で、児童数830名の比較的大きな小学校で、調理は直営です。学校に配置された栄養教諭が献立を作成し、調理をすべて管理・指導し、児童の食育にもあたっています。 調理室は窓の外に見学のためのウッドデッキが設置されていて、私たちはそこから調理のようすを見学したのですが、目の前1mの場所で調理員さんたちがいっしょうけんめいに作っているのを見ることができました。 私たちが学校に着いたのが10時で、10時20分から調理場を見学しました。 自校調理方式のこの小学校の調理は、火を使い始めるのは10時20分ですから、調理終了までの一部始終を見ることができました。 調理終了は11時20分です。栄養教諭の先生は、自校調理だから火を入れるのも、調理終了もできるだけ遅くすることができるのだと言っていました。 児童は、2時間目と3時間目の間の業間休みに、毎日のように順番にクラスごとに見学に来るそうです。 子どもたちは目のまで行われている給食調理を、給食の臭いをかぎながら、調理師さんたちの作業を見ながら見つめて、栄養教諭が献立の内容や作り方を説明しています。
子どもたちの食育のために、献立にもさまざまな工夫がなされています。 児童にグリーンピースのさや剥きをしてもらって、それを使ったグリーンピースご飯、自分たちでお手伝いをして出てくるものはほとんど残さないと言います。 そら豆のさや出しも、トウモロコシの皮むきも子どもたちにやってもらいます。 読書朝会をやっていますが、献立に合わせた絵本を探してきて読むと、これもほとんど残さないそうです。 有名なのは地元の和食やフランス料理のシェフに来てもらって、「シェフの給食」もやっています。 城北小学校の調理員は7名です。 子どもたちが取りに来るときには、全員が並んで子どもたちに声をかけながらワゴンを引き渡します。 月に1回は調理員さんたちが手分けしてクラスには言って、子どもたちいっしょに食事をします。
さいたま市では強化磁器の食器に転換を進めている 食器は調理室を新しく整備した学校は強化磁器製を使っています。「けっこう割れます」と言っていましたが、割れたら、子どもが校長先生に報告するんだそうです。 ふざけて割ったときは厳しく注意しますが、ものを大切にすることを教えるいい機会にしているということでした。 今後、新設の学校や給食室を更新する学校は順次、強化磁器製に変更していく予定です。 久喜とは考え方が真逆です。 食材は基本的に地元のお店から仕入れていて、ニンジンやジャガイモは手切りですので、野菜は規格が不揃いでいいということでした。
野菜サラダはもちろん火を通していますが、すべてシャキシャキ感が残っていました。 大量調理だと、火を止めても自分の熱で煮えていって火が通り過ぎるのは当然です。 これは自校方式でないとむずかしいでしょうと言っていました。 また、この日の献立はカレーでしたが、まさに熱いものは熱いうちに、デザートのゼリーは冷蔵庫から出したばかりの冷たいものを食べてもらえる、冷凍ミカンを出すこともあると自慢していました。 毎朝の食材の納品は8時半以降にしていて、順次、下ごしらえにかかり、火入れは10時20分を守っています。 たとえ下ごしらえが早く終わっても、10時20分より前には熱を加えないということでした。 栄養教諭の先生に、センター方式との違いは何かを聞いてみましたが、栄養士や調理員にとっては、そこに子どもがいること、つまり常に子どものことを息して調理している、子どもにとっては臭いが届くことで食欲が増してくるのだと言っていました。 残滓は、元の食缶に種類別に戻して計量していて、平均して5%位だということでした。 単純比較はできないでしょうが、久喜と鷲宮のセンターの残滓は平均10%を超えています。 アレルギー対応は、自校調理とセンター方式でどう違うか
基本的にはアレルギー物質を含む食材の除去食で、城北小学校では、乳1人、タマゴ4人、魚介類3人、実数で7食の除去食を提供しています。 カレーだったら、最後にミルクとチーズを加える前に、小鍋に人数分をとりわけて、片栗粉でとろみを付けます。 野菜や肉の煮物はもちろん、餃子も、ハンバーグも手作りですから、アレルギーの児童の食べる食事だけを、乳やタマゴを入れないで作ることができます。
城北小学校は児童数800名に対して、除去食7食です。 献立の段階から、アレルギーの子どもが食べられるようにするにはどうしたらいいかを、考えて作られています。 オムレツや卵焼きの除去食はどうしますかと、聞いてみたのですが、「タマゴがないと成り立たない献立は作りません」と答えは明快でした。 卵とじだったら、最後にタマゴを入れないで、片栗粉でとじる、五目ご飯にその子だけは錦糸卵を付けない、アレルギーを持つ子ども1人1人に対応して、献立を作る段階から、何を除去したらどういう食事になるかを考えているのです。 センター給食では、冷凍食品を多用して数千食をいっぺんに作らざるをえない、しかもアレルギーのことは全く考えていない普通の献立が先にあって、その後からアレルギー物質の除去を全く別に考えなければならないわけですから、食べられるものがなくなってしまうのはあたりまえです。 城北小学校のような、献立の段階からのきめ細かい配慮は、センター給食では不可能と言っていいでしょう。 |
江戸川区の街路樹管理行政についての視察研修 【参加者】 猪股/久喜、三郷/村上、春日部/片山、越谷/山田、取手/結城、白井/福井、吉川/稲垣・岩田、蓮田/湯谷 9人
江戸川区では、街路樹は街路樹らしくできるだけ自然の樹形に近い形で管理されています。 2.江戸川区では、1972年には「ゆたかな心 地にみどり」のキャッチフレーズのもと、街路樹(緑化)行政を開始しました。 その後、80年に「街路樹設置基準」を制定、94年に「街路樹を大きく育てる基金」を設置、2007年に「街路樹のあり方検討委員会」を発足、09年に「江戸川区街路樹指針〜新しい街路樹デザイン〜」を作成し、街路樹の設計から管理までの指針を確立しました。 現在の江戸川区の街路樹(高木)本数は3万4543本で、全国市町村中で11位(1〜10位までは神戸市、札幌市、横浜市、大阪市、名古屋市などすべて政令指定都市)、都内区市町村中ではダントツの1位です。 3.街路樹の機能は、(1)都市のヒートアイランド化の防止、(2)木陰による緑陰、寒暑の調節、(3)大気の浄化、騒音の緩和、(4)火災の延焼抑制、(5)微気候緩和(温度・湿度)、(6)都市における自然生態系の保全と活性化、その他にも景観の面から、(7)人や車のドライバーにとっても通行快適性の向上、視線誘導などが指摘されています。 実際、真夏に街路樹のあるなしでは気温が2〜3℃も違い、特に葉からの水分蒸発、光合成によるCO2の吸収、酸素の供給などの効果は言うまでもありません。 こうした機能を持つ街路樹を適切に維持管理していくために、「街路樹のあり方検討委員会」では、街並みや街路空間に応じた適切な緑のボリューム・目標樹形の設定、樹種剪定や土壌改良・施肥などの植栽と管理方法等について検討を進め、2008年に提言書が提出されました。 4.それをふまえて09年に策定した「江戸川区街路樹指針〜新しい街路樹デザイン〜」では、街路樹植栽計画の基本方針、目標樹形や植栽密度などの樹形維持管理のルール、剪定、施肥、病害虫防除など、維持管理の年間スケジュールを定めています。 事前にどのような街路樹にしていくかを検討し基本設計を行って植栽を行い、維持管理にあたっては住宅街、商店街、マンションや団地など、周辺環境に応じて、街路樹の目標樹形を決め、街路樹の生長に応じて、また季節に応じて計画的に剪定と維持管理を行っています。 5.最も特徴的なことは、そのためのマニュアルを策定して区の担当者、管理を委託している造園業者、さらには周辺住民の理解のもとに維持管理を進めていることです。
この「目標樹形カード」は必要に応じてその都度新たな目標を加えて修正が加えられていくそうです。 「カード」に照らし合わせて、目標樹形に満たない樹木は「育成タイプ」とし、剪定により現状維持していく「維持タイプ」、目標樹形を大きく超えて更新等を検討する樹木は「更新検討タイプ」に分類して対応し、大きく伸びすぎた枝葉はそれぞれの「目標樹形カード」にしたがって剪定していきます。 久喜市の街路樹剪定は、その場その場で市の担当者と業者が現場でモデル樹木を前にして、「そのくらいでいいんじゃないか」と話しながら、結局は強剪定でほとんどの枝葉を落としてしまっているのですが、江戸川区のようにあらかじめそれぞれの樹木の自然樹形をふまえた「目標樹形」が定まってれば、恣意的な剪定はなくなるわけです。 6.久喜の青葉けやき通りでは、ケヤキの根が歩道を持ち上げ、下水道管を壊し、民家の敷地内にまで入り込んでいますが、江戸川区ではこれに対してもきちんと根上がり対策を取っています。 新規に造成する路線では、道路の設計と街路樹の植栽の段階から、車道との境界および植栽マスの外側に「防根シート」を埋設して縁石や舗装面にネガ進入するのを防いでいます。 造成時にはそのような対策を取っていなくても、実情に応じて、舗装面を破壊してきた根を切断して防根シートを埋め込むこともしているとのことでした。 7.維持管理は、1年間の街路樹および植栽地のすべての作業を造園業者に委託しています。 委託業務は、除草清掃(年3回)、中低木刈り込み(年1回)、高木剪定(毎年・隔年、支障枝のみの剪定など)、花壇管理(花苗植え付け)、毎月1回の点検、病害虫の調査と防除(薬剤散布はなし、病害虫剪定で対応する)、陳情や苦情の対処、台風や事故時の緊急対応、緑のボランティアとの連携など、すべてです。 委託業者の選定は単なる競争入札ではなく、区内を31地区に分けて、2〜3月に維持管理方策について業者から提案させて(プロポーザル方式)、選定委員会で審査して、委託業者を決定し発注します。 受託した業者は、施行計画を策定してそれに基づいて管理作業を行い、毎月、担当課が確認検査を行い、12月に選定委員会が「管理委託成績評定」を行って、「優良」と判定されればその後「特命随意契約」で最大5年間は契約を継続します。 業者全部を集めての街路樹剪定講習会では、各社に1本ずつ樹木を割り当てていっせいに剪定して技術を競い合い、また造園業者による「受託者連絡会」の研究会も開かれています。 8.また実際に市街地の中の街路樹を見せてもらいながら、担当者さんの言葉「剪定した後で、枝振りが変わりない、小枝も残している、気付かないくらいの剪定がいちばんいい」と言われたのが、印象的でした。 久喜の場合は、夏の剪定は卵形に軽くやるのが基本だが、それだとやった感じがしないので強くやるんだと言っていましたが、まるで対照的ではありませんか。
9.江戸川区の街路樹管理の担当課は「土木部 水とみどりの課」で、街路樹維持管理にあたるのは「設計係」や「調整係」です。 課長や係長さんのお話を通じて、街路樹をより生き生きとより美しく育てていこう、その取り組みを他市の私たちにも知ってほしい、広げてほしいという思いが伝わってくるようでした。 特に、「造園職」という名前の職員が30数名も配置されていることが、江戸川区の「緑」の行政を象徴していると言ってよいでしょう。 10.江戸川区のもう一つの大きな特徴は、道路や街路樹に関わる区民のボランティアを育成し、その協力と理解のもとに街路樹管理を進めていることです。 ここでは詳しくは省略しますが、区民の間に街路樹を大切にしていこうという気持ちを育てることにつながっているようです。
ひとつ、付け足しです。 |
新座市の《資源ごみの民間回収方式》を視察 久喜宮代衛生組合では現在は資源ごみは《公共回収》をしていますが、《民間回収への移行》をめざして、ごみ減量等審議会にその方策を諮問し、検討しています。 新座市は人口約16万人、予讃規模は一般会計約470億円で、久喜市(人口15万人、一般会計約470億円)とほぼ同じです。 その新座市では、[紙・衣類]の回収を100%資源集団回収で実施しています。 1988(昭63)年からモデル地区でスタートし、1998(平成10)年ころには町内会を中心に実施、2005(平成17)年に行政による回収を完全に廃止しました。 モデル事業を開始した当初は、新聞、雑誌、ダンボール、布類、牛乳パック、空きビン、鉄類、アルミ缶を回収対象とし、回収団体に対して10円/sの奨励金を交付していました。 現在は、[紙類・布類]について団体に対して4円/sの奨励金を交付しています。 集団回収登録団体は、60の町内会の他、マンションや団地の自治会、地域の団体、PTA、子供会、地域サークルなどさまざまで、全部で158団体にのぼっています。 紙・布類の他に、8割くらいの団体はアルミ缶も扱っていますが、アルミ缶等については市場価格にゆだねて、補助金を出していません。 町内会の[紙・布類]の回収日は週1回、回収場所は可燃ごみなどのごみステーションと同じで、市で作成している「ごみ・資源の分別・収集日程表」にも掲載されています。 ということは実態としては、現在の久喜宮代衛生組合の公共回収と変わらないとも言えそうで、実際、住民の中では自治会や町内会に未加入の人も意識しないで出している場合もあるそうです。 それ以外の地域団体やサークルの場合は、多くは月1回、回収場所は団体代表者の自宅前などで自主的に決めています。 資源ごみ(紙・布類)の回収を公共回収でなく、全面的に民間回収によって行うことにした理由は、 (1)資源回収団体に補助金を交付しても、公共回収で回収業者に委託料を支払うよりも市の財政負担は少なくてすむ、 (2)市民団体、資源回収団体の地域活動費用への支援、 (3)資源・ごみを合わせた総量としての「ごみ減量・再資源化の促進」です。 対象となる団体は、新座市の地域住民で構成する町内会、自治会、子供会、PTA等、営利を目的としない団体、20世帯以上の参加などが条件で、団体が資源回収業者と話し合って、回収日時、品目、場所、実施方法などを決定し、市役所リサイクル推進課窓口に登録します。 町内会・自治会で登録している場合でも、業者が町内会ごとに計量して伝票を確認し、1か月ごとに資源集団回収実施報告書に記入して市に提出し、団体に対して1sあたり4円の奨励金(集団資源回収事業実施要綱で規定)が支払われます。 新座市の取り組みの大きな特徴は、協力事業者に対する補助金があることで、現在は、回収業者に対して[紙類]1円/s、「布類」4円/sの補助金が支払われています。 これは、協力事業者補助金交付要綱で、紙類等の市況価格に応じて金額が決められています。 つまり、市況価格1円未満の場合は4円、5円〜7円の場合は1円などとなっていて、業者の事業活動と利益が保証されるようになっています。 逆に、市況が高い場合には、9円〜11円の場合は1円、11円〜13円では2円などと業者から市に納入金を支払います。 集団回収団体への2015年度の交付金総額は2633万円で、大きな町内会の補助金額は年間100万円にのぼるところもあるそうです。 協力事業者への2015年度の交付額は780万円、集団回収団体と事業者を合わせた、[紙・布類]回収に関わる事業費総額は3400万円となります。 下の表は2014年度の県内40市の比較です。 新座市での、資源集団回収の活発化によるごみ減量の成果は、1人1日あたりのごみ総排出量は805gで県内8位ですが、集団回収量を差し引いた総排出量は687gで県内1位にランクされています。 久喜市はごみ排出量で16位、集団回収量を除いたごみ排出量では23位です。
また、新座市の資源集団回収量7024トンというのは、人口のほぼ同じ久喜市の約4倍で、県内でダントツのトップです。 久喜宮代衛生組合では「ごみげんりょう(減量・原料)大作戦」に取り組んでいますが、新座市では「見直そう・ごみ半減」に取り組んでいます。 実際、2015年度の家庭系可燃ごみは2万6250トン、1人1日あたりでは438gと着実に減量化してきており、同時に資源集団回収量も2006年9950トンから、社会的な「紙離れ」の影響もあって、2015年度には6584トンまで減ってきています。 ただ、これは逆に、団体への奨励金が減少していくとすれば地域活動への影響が懸念されるとも言えます。 |
沼井公園、東鷲宮小学校と久喜北小学校のビオトープを視察 久喜市環境基本計画(2013年)では、《環境目標U 豊かな自然と人がともに生きるまち 1.生物の多様性の確保 (2)身近な野生生物の保護》として、「野生生物の棲息空間(ビオトープ)の保全と保護を推進します」と規定しています。 「久喜市の環境」27年版(28年3月発行)では、「久喜市内の身近なビオトープ」を一覧表にして掲載しています。 公園ビオトープとして、香取公園、古久喜公園、沼井公園、学校ビオトープとして、久喜地区の10校の小学校と菖蒲東小学校、東鷲宮小学校が掲載されています。 この日に視察したのは、沼井公園、東鷲宮小学校、久喜北小学校です。 合併前に、久喜市内の各小学校のビオトープを見て回ったことがありましたが、しばらく行っていません。当時印象の強かった久喜東小学校の三角池、青毛小学校の青毛の森をもう一度見に行こうと思います。 沼井公園のビオトープの現状 沼井公園は東鷲宮地区の開発に伴い1985年に調節池として整備された公園ですが、池の中に浮島と野鳥観察用の桟橋が設置されてビオトープに位置づけられています。浮島にはカワウやサギがたくさん群れていました。 すぐ足下の水面を見ると、ミドリガメがざっと数十匹(数え切れないほど多い)、群れをなして寄ってきました。(写真ではわかりませんが、緑色の藻の中に、ミドリガメがうようよいるのです)。 これは住民が放流したのが殖えたのだろうと思われ、人が近づくと寄ってくるということはエサをやっているのでしょう。 水面は完全に藻で覆われていて透明度はゼロ、ミドリガメという外来動物が大繁殖している状態は、ビオトープとしてはどうなのか、疑問を抱きました。 久喜市が、沼井公園を「ビオトープ」として保全するためにどのように管理しているのか、また現在の状態を「ビオトープ」としてどのように評価しているのか、調査の必要を感じました。 東鷲宮小学校のビオトープ 東鷲宮小学校のビオトープは、もともとあったひょうたん池が放置されて荒れ果てていたのを、保護者の皆さんで整備し直して、「ふれあい広場(植物園)」と名付けられています。水辺の植物の観察、実のなる木が植えられていたり、チョウを呼ぶ食草、トンボやバッタ、カマキリなど、多様な生態系の観察に活かされているようです。 クワガタやカブトムシもたくさんいるようです。 植物は、アカザ、ヨメナ、ツユクサ、ツメクサ、エノコログサ、カヤツリソウ、オオバコ、ハギ、キキョウ、スイレン、ガマ、マコモ、希少種のデンジソウもあるそうです。 これは抜いても抜いても後から後から生えてきますから、完全に駆除できるまでには根気が必要です。 もう一つは、水面がやっぱり藻で覆われていて、水生動物の姿がまったく見られなかったこと、いつの頃からかアメリカザリガニが繁殖してしまっているらしいのです。 アメリカザリガニも外来種で、ビオトープの大敵ですから、「ビオトープ」として保全するならば大急ぎで駆除しなければならないのですが、アメリカザリガニは子どもたちの人気者なので先生方も保護者の皆さんも苦慮しているらしい…。 リンゴの実が大きくなっていたのですが、これは園芸種なのでビオトープにはそぐわない気がしました。 説明板には植物たちの名前が記され、観察記録もあって、これを作った方の熱意が伝わってくるようでしたが、かなり色あせて古いままになっていたのが残念な気がしました。 久喜北小学校のビオトープ 久喜北小学校のビオトープは、2003年に保護者や児童たち、地域のボランティア、先生方、の共同作業で整備されました。工事現場などから不用になった資材をもらい受け、すべて手作りで、かかった費用は44万円だったと記されています。 普通は校庭の片隅に設置されますが、ここの場所は校舎とプールの間の狭い空間で、校舎の壁に接して土が盛られ、水路を掘って水生植物を植えました。 当初は簡易井戸を掘ってポンプで水を汲み上げたということですうが、現在は雨水と、私たちが見に行ったときは、校舎の中からホースで水を引いて流していました。 水路にはメダカなどが泳いでいました。 何よりもいいところは、このビオトープは校舎に接して作られていてたいへん狭いので、校舎の窓からよく見えて一目で全体を見渡すことができます。 水路も小さく、ちょろちょろと水の流れがあるので、透明で泳いでいる小魚や水底までよく見えます。 よく管理されていて、セイタカアワダチソウは1本も生えていませんでした。 2013年には、「全国学校ビオトープコンクール」で、日本生態系協会賞を受賞しています。 |
東武鉄道の特例子会社「シンフォニア東武」を視察 【参加者】 猪股/久喜、川辺/久喜、湯谷/蓮田、遠藤/白岡、岩田/吉川、片山/春日部、村上/三郷、福井/白井、小田川/白井 シンフォニア東武は2007年に、東武鉄道の社会貢献活動の一環として、障害者雇用を進めるために設立されました。 本社・北春日部事業所、押上事業所、スカイツリーライン事業所、南栗橋事業所の4か所に、事務職員の他、「パートナー」と呼ばれる知的障害のある従業員48名が雇用されています。 他に、「チーフ」と呼ばれる指導員(ジョブコーチ)16名がいて、パートナーさんたちの指導にあたっています。 この日に視察した北春日部事業所には、パートナーさん10名が3班に分かれて、それぞれにチーフが付いて、作業にあたっていました。 午前中の作業は、北春日部東口の乗務管理区にある乗務員の仮眠施設で、仮眠室50室の清掃とベッドメイキング、トイレ、洗面所、シャワー室、浴室等の清掃、午後は事務室の清掃や隣接するグランドの清掃や芝管理などの作業を行っています。 当日は朝8事50分から事務室内で朝礼が行われました。 まず、1人1人が等身大の鏡に向かって、身だしなみを整え、笑顔を作り、45度に礼をして、鏡に映った自分自身を確認します。 1人1人が所長の前に座って、身だしなみや顔色を確認してもらい、ガッツポーズをします。 朝礼では、『私たちの仕事は、職場を明るくすることです』『私たちは、「あいさつ」「笑顔」「そうじ」で職場を明るくします』『大きく元気なあいさつで、職場を明るくします』『日本一の笑顔で、職場を明るくします』『いっしょうけんめいの掃除で職場を明るくします』といったスローガンや1人1人の目標を、何度も何度も大きな声で話します。 それから、3班に分かれて、それぞれの今日の仕事を確認します。 次に事務室の前に出て、ラジオ体操をしてから、それぞれの仕事場所に向かいます。 細かいマニュアルに基づく作業手順 実際に午前中の作業のようすを見せてもらいましたが、パートナー同士で声を掛け合いながら、きびきびと進めていました。ベッドメイキングは、ベッドのシーツをはがして、たたんで置く、交換するシーツや毛布を並べる、シーツを置いて伸ばして、毛布を置いてカバーを掛け、布団をカバーに入れる、これらの作業が決められた手順通りに、スムーズに進められていきます。 洗面台の清掃は、ぞうきんをゆすいで力を入れて絞り、鏡を拭いて、洗面台を洗い、排水溝を洗い、蛇口を洗うという作業があらかじめ決められた流れに沿って進められていって、洗い残しはまったくありません。 これらの作業手順は完全にマニュアル化され、細かい1つ1つの手順が体や手の動かし方に至るまで写真で整理されていて、チーフが1人1人のパートナーにマンツーマンで、完全に覚えるまでつきっきりで教えるそうです。 それによって、最初はベッドメイキングに2人で20分以上もかかりましたが、手順を覚えてしまえば皆が4分で完了するようになったそうです。 掃除機をかけるのも、あいまいに「この部屋を掃除してください」ではなく、部屋の入り口の隅の角からどのような順番で掃除機を動かすかまで、細かくマニュアルが決められています。 企業で障害者雇用が進まない口実として、「障害者に適した仕事がない」という言い方がよくされますが、「障害者に適した仕事をさがす」のではなくて、その仕事(作業)を障害者が行うにはどうしたらいいかを考え、障害者が行えるように作業の手順を決め、その作業手順と体の動かし方を、障害者1人1人に教えていけばいいということです。 これは言われてみればあたりまえのことなのですが、こうした発想の転換をしていけば障害者雇用は大きく広がっていくのではないでしょうか。 事務室内には、練習用にトイレ便器が設置され(写真)、便器に貼ってある赤い紙に拭く順番が書かれているので、パートナーさんたちみずからがその通りに清掃していく練習をしているのですが、こうした環境整備も必要なのです。 また、パートナーの皆さんにとって、きちんと仕事の成果を評価してあげることが大切で、それも「よくできました」ではなくて、「100点です」と点数評価が励ましになるということでした。 この会社の事業は、東武鉄道から委託された清掃の仕事を通して職員の皆さんが気持ちよく働ける環境を作ることであると同時に、障害者が自身の労働を通じて障害者1人1人を成長させていくことでもあるのです。 パートナーさんたちの雇用は、基本は1年契約ですが、当然延長もできて、いちばん長い人は会社設立時から10年間、ここで働いています。(彼は、所長さんのアシスタントとして新人さんの指導に当たることもあるそうです)。 賃金は埼玉県の最低賃金(現在は820円)ですが、年2回の期末手当も付きます。 特例子会社とは何か 特例子会社とは、「障害者の雇用促進等に関する法律」に基づき、事業主が、障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立したものです。厚生労働省の認定を受けると、子会社に雇用している従業員を、親会社に雇用されているものと見なし、実雇用率に合算できることになります。 法で定められた法定雇用率は従業員50人以上の民間企業では2.0%、国や地方公共団体は2.3%で、法定雇用率を下回っている企業には負担金が課して、それを上回っている企業に対する奨励金や助成金に充てられています。 しかしこの制度は実際には、障害者を雇用しなくても納付金を支払えばいいという解釈も成り立ってしまいます。 東武鉄道とそのグループ子会社、シンフォニア東武を合わせた障害者雇用のグループ適用で、全体として3.08%の雇用率を達成しています。 所長さんがパートナーさんたちに向かって、何回も何回も確認されていたことは、「ここは作業所や福祉の職場じゃなくて、会社なんです。企業なんです」ということでした。 私たち自身、障害者の福祉作業所というイメージがあったのですが、そうではなくて、障害者を労働者として雇用しているのであって、一定の労働効率と規律が確立されていることにあらためて気付かされました。 |
久喜宮代衛生組合の、生ごみ減容化処理 HDMシステムを視察 地方政治改革ネットは、久喜、宮代、蓮田、白岡、越谷、吉川、三郷などのおもに無所属市民派の議員のネットワークで、毎月の定例会で勉強会や情報交換、視察などを行っていて、千葉や茨城の近隣の礒委も何人か参加しています。 久喜宮代衛生組合の生ごみ堆肥化事業は、老朽化した焼却炉を立て替えるに当たって、周辺住民の理解を得るために「燃やす量を減らして、できるだけ小さな焼却炉にする、地区内に最終処分場も持たないので、できるだけ焼却灰などの埋め立て処分をする量も少なくする」という理念を実現するために取り組んできました。 最初のプラントは、2003年には5億円をかけて大地のめぐみ資源循環センターを建設、生ごみ堆肥か事業をスタートしましたが、これはコスト面からうまくいきませんでした。 その後、2008年に、生ごみ減容化処理及び堆肥化製造音実証実験を開始、区域内1万世帯のモデル地区から約5000世帯の参加を得て、現在のHDM処理システムによる減容化に主眼を置いた堆肥化を行っています。 このHDMシステムは、木材チップにまぶしたHDM菌の菌床300m3に、生ごみ1日平均4トンを投入していきますが、投入した生ごみのほぼ97%が水と炭酸ガスに分解されていきます。 年に数回、一部を取り出して2次熟成し、堆肥としてモデル地区の希望者の過程に配布しています。 燃やせるごみの焼却にかける費用はトンあたり3万円に対し、この減容化・堆肥化システムの費用はトンあたり5万円くらいとされていますが、実際にはその経費の3分の1は生ごみ収集の人件費ですから、経費としてはほとんど変わらないといってもいいと考えられます。 久喜宮代衛生組合ではオープンな建屋の中で作業を行っていますが、好気性発酵でほとんど臭いもなく、生ごみを投入した菌床の山の大きさはまったく増えていかない、どんどん分解していってしまうというすぐれものです。 この日は10数人の議員さんたちで視察したのですが、「本当に全部分解されちゃくの?」「毎日4トンを投入しても山が全然大きくならないんですか?」とびっくりしていました。 この衛生組合の取り組みは、ごみをできるだけ燃やさない、焼却施設をできるだけ小さくする、焼却灰もできるだけ出さないという、循環型社会の先端を行くシステムです。 日本のごみ処理の主流は、何でも燃やしてしまえばいいという固定観念にとりつかれているのが実情です。 こうした自然の循環を大切にしたごみ処理方式が、もっともっと全国に広がっていって欲しいと思います。 市議会教育環境委員会で、熊谷清掃社を視察 (2016/2/4) 実はこの衛生組合のHDM処理システムは、熊谷市内にある「熊谷清掃社のHDM処理システム」に委託して実施している事業です。2月4日には市議会教育環境委員会で、熊谷清掃社の処理現場を見に行ってきています。 こちらは産業廃棄物と一般廃棄物を合わせて日量20トン処理しています。 菌床の山(コロニーと呼んでいます)は約600m3で、久喜宮代衛生組合と比べると、約2倍のコロニーに、生ごみを4〜5倍も投入していることになります。 それでも久喜宮代と同様に山はまったく増えずに、分解率は99%と説明されていましたが、少し臭気がしていて、これはコロニーの容積に対して投入量が多いせいかもしれないと説明されていました。 臭気が外に出ないように、作業施設の中は陰圧にし、さらに活性炭処理をしているとのことでした。 ランニングコストはトンあたり1万6900円で、単純比較はできませんが、久喜宮代衛生組合の3分の1くらい、これなら焼却処理よりも安く処理できていることになります。 家庭からの生ごみに比べて産業廃棄物は質が比較的一定であることや、収集運搬の人件費の違い、それと規模のメリットで処理量も大きいために、トンあたりのコストが軽減されているものと考えられます。 |
発達障害児の学習保障 《学習塾 Leaf》を視察 「子どもたちの新しい学びをデザインする」というキャッチフレーズで、「幼児から高校生まで、生活スキルやソーシャルスキル、基礎学習について」、一人ひとりにあった方法で「教育」に取り組んでいます。 ここはいわゆる勉強(進学)のための学習塾と違って、子どもたちそれぞれに異なる認知特性や心理特性に合わせて、勉強が苦手な子どもたち、友だちとの関わりが苦手な子どもたち、自閉症、ダウン症、LD・ADHD、発達障害などの子どもたちに、「学びの場」を提供しています。 この経営主体は 《LITALICO》 という株式会社で、 《Leaf》 の他に、就労支援事業の 《WINGLE》、子どもたちのモノ作り教室の 《Qremo》、家族や保護者のネットワーク(コミュニティサイト) 《ふぁみえーる》 などを運営しています。 就労支援事業で行政との連携を持っていて、越谷市からの事業委託も受けているそうです。 発達障害を抱えた子どもたちや保護者のニーズに、行政が応え切れていない現実がある中で、民間の自由で柔軟な手法で子どもたちの発達保障に取り組んでいます。 おもにネットや保護者らの口コミで広がっていて、東武線沿線の各地域から(遠くは都内からも通ってきているそうです)70〜80人の子どもたちを受け入れていて、さらに40〜50人が“待機”の状態にいるそうです。 もちろん「学習塾」ですから保護者に“授業料”の負担がかかるのですが、児童発達支援事業で行政の福祉サービスの対象となる場合には1割負担になるそうです。 埼玉県内では、越谷、大宮、志木、所沢にも 《Leaf》 の教室があります。 私は最初、株式会社の運営と聞いて「エッ」と思ったのですが、株式会社だからといって必ず利益追求型とばかりは限らないわけで、責任者のお話を聞きながら、子どもたちの発達保障の仕組みとして評価できるのではないかと思いました。
この日は、地方政治改革ネット(近隣の市民派議員で作るネットワーク)の議員12名(久喜からは市民の政治を進める会の猪股・川辺が参加)で研修してきたのですが、私たちがこれまで知らなかった新しい事業・サービスで、もっと勉強してみたいと思いました。 |