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緑と生態系
2018〜

『声と眼』の記事を、課題別に整理して掲載しています。




【一般質問】 街路樹剪定方法の見直しを求める
2022年2月議会 『声と眼』627号  2022/3/10

  市内の各所で街路樹の冬の剪定が行われていますが、ほとんどの枝を落としてしまって丸太棒(まるたんぼう)形にしてしまったり、毎年同じ位置ですべての小枝を切除してコブだらけの街路樹が増えています。
県の「街路樹剪定マニュアル」などに沿って、樹木の生態を活かした剪定を行うよう求めました。

【一般質問】 東鷲宮駅東口広場のムクドリ対策
2021年9月議会 『声と眼』619号  2021/10/9

 東鷲宮駅東口で夕方、けやき広場を中心にムクドリの大群が集まり、鳴き声やフンなどの被害の苦情が寄せられました。広場のケヤキには防鳥ネットがかけられていますが、役に立っていません。
早急な対策を求めたところ、さっそく市がケヤキなどの剪定を行いました。9月末には東口広場のムクドリがいなくなって、近くの公園などに移動したものとみられます。

 一応の効果はあったのですが、一時的にいなくなってもまた戻ってくる可能性もあります。
根元から伐採された樹木もあって、“ちょっとやり過ぎでは?”という声も出ていますが、人間と鳥たちの共生、根本的な解決はどうしたらよいのでしょうか。

【一般質問】 街路樹の丸太棒剪定を改善すべき
2020年9月議会 『声と眼』597号  2020/10/1

 市内のあちこちで街路樹のおかしな剪定方法が見られます。 
今年7月には栗原のサルスベリが、横に細い枝が出てきて通行のじゃまになるというので、まるで丸太棒のようにされてしまいました。
市が定めた街路樹剪定指針では、このサルスベリは4mくらいの高さで枝を伸ばすことになっていますが、毎年丸太ん棒剪定を繰り返しています。
もっと樹木の自然な樹形を活かして、剪定方法を見直すように求めました。

【参照⇒「変」だ 丸太ん棒にされたサルスベリは、その後どうなったか】

【一般質問】 外来植物アメリカオニアザミの駆除を
2019年9月議会 『声と眼』579号  2019/10/11

 市内で外来植物アメリカオニアザミの繁殖地域が拡がっています。
薄紫の美しい花を咲かせますが、鋭く固いとげに触れただけでけがをする怖れがある危険な植物です。
最近、アリオ周辺の新興住宅地や空き地、道路の歩道や公園などに群落ができています。
とげに覆われているので駆除しにくい上に、抜いたものを放置しておくと綿毛の種子が飛散して、ますます群生地を拡げてしまいます。
市や県のホームページで、見つけたら駆除するように呼びかけていて、関心を持った市民や私も見つけ次第駆除したり、市に通報していますが、追いついていません。

 まず市の環境課や道路河川課などで市内のパトロールを行って、公共施設や公共用地などから一掃する取り組みを強めるように求めました。
また住宅地や空き地は、市のホームページや『広報くき』などで、所有者への呼びかけを強める必要があります。
市の答弁によると、工業団地や東北自動車の側道など市内25か所に群生地が確認されています。
『放置しておけば在来植物を駆逐して生態系への影響が懸念される』『市でも公共用地の管理者には駆除を要請している。民有地の駆除も呼びかけていく。群生地周辺の町内会などにも駆除を依頼していく』と答弁しました。

【9月市議会】 「木材利用推進の基金条例」に修正案
 2019/10/5

  9月市議会に、「久喜市木材利用推進基金条例」が提案されました。
 国から交付される「森林環境譲与税(交付金)を基金に積み立てて、公共施設の「木材の利用の推進に関する事業」に充てることにしています。
 しかし本来は、森林環境譲与税は「森林の整備、森林整備の人材育成、森林整備の普及啓発、木材の利用」等の事業にあてることになっていて、久喜市のように「木材の利用」だけというのは、法律の趣旨を著しく狭めることになってしまいます。
 私は委員会審議で、基金の利用目的を木材利用だけでなく、森林整備などにも拡大するように求めました。
 委員会と本会議で、基金の名称を「森林環境整備及び木材利用推進基金」に改めるよう修正案を提案しましたが、多数を占める新政久喜と公明党が反対し、“賛成少数”で否決されてしまいました。

森林環境税・森林環境譲与税の使途は

 「森林環境譲与税」は、全国の森林整備を進めるために、今年度から市町村・都道府県に森林面積や人口などの基準に応じて配分されます。
 2024年度から新たに「森林環境税」が創設されて、国民1人年額1000円が賦課(納税義務者6200万人)されることになっていて、それを先取りして交付するというものです。
 現在は東日本大震災からの「復興税」が住民税に上乗せされて課税されているものを、「森林環境税」に切り替えることになっています。
 森林環境税は国税として徴収された後、森林面積や人口割りなどの基準に応じて市町村や都道府県に配分されることになっています。

森林環境整備にも使えるようにすべき

 久喜市には、今年度は575万円が交付され、3年後には約800万円、6年後に1000万円と次第に増えていって、15年後くらいには年間約2000万円が交付されると見込まれています。
 久喜市当局は事実上、基金の使途を「木材利用の推進」だけに限定することにしてしまったのですが、市内にも鷲宮地区などの民有地にわずかながら「森林」が残されてきました。
 残念ながら市内の森林や雑木林は急激に減ってきていて、現在は2ヘクタールほどになっています。
 これがいずれ開発ですべて失われていくに任せるのか、あるいは所有者の意向を把握した上で、森林の保全・育成のみちがないのか、今後、検討すべき課題です。
 将来、必要があれば、森林環境譲与税の基金を、市内の森林保全活動にも使えるように、久喜市の基金の使途を「木材利用」だけに限定しないで、「森林整備んお推進」にも使えるように広く規定しておくべきではないでしょうか。

 国の「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」では、森林環境税・森林環境譲与税は「(1)森林の整備に関する施策、(2)森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、(3)森林の有する公益的機能に関する普及啓発、(4)木材の利用の促進その他の森林の整備の促進に関する施策にあてることになっています。
 市の基金条例の趣旨および使途として、この4点を明文化しておくべきです。

 委員会審議の中で、久喜市当局の答弁の矛盾も出てきています。
 基金の使途として、当局は「木材利用」だけではなく、「森林整備の普及啓発に関する事業」にも使うと説明しています。
 しかし普及啓発の事業にも使いたいのならなおさら、法律の条文にある「(3)森林の有する公益的機能に関する普及啓発」を、条例にも明記しておかなければなりません。
 久喜市の基金条例の条文は、「木材利用の推進に関する事業」としか書いてありません。
 条例の条文に書いてない事業にも「使えるようにする」というのは、条例条文の拡大解釈になってしまいます。

宮代町でノラ猫対策の話を聞いてきた
 『声と眼』577号 2019/9/6

 5月に宮代町で、ノラ猫のいっせい不妊去勢手術の事業を行ったと聞いて、市民の方といっしょに宮代町役場を訪ねてお話を伺ってきました。

 これは、町が事前に捕獲器を貸し出し、住民が捕獲したノラ猫の不妊去勢手術をして、もとの地域にもどすという取り組みです。
当日は越谷の獣医さんが移動手術車を運行してきてくれて、22匹のノラ猫の手術を行いました。
手術代などの費用の一部は公益財団法人どうぶつ基金から“TNRチケット(ノラ猫の不妊去勢手術を無料で受けられる)”を交付してもらいました。
町の担当者は、地域住民有志と埼玉県動物愛護推進員、町行政の協力で実施することができたと言っていました。

 久喜市内でも最近、地域でノラ猫が増えて困っているというお話も聞きます。
宮代のような取り組みができればいいと思いました。

【参照⇒宮代町のホームページ ノラ猫いっせい不妊手術の取り組みへのリンク】

危険外来植物アメリカオニアザミ
 『声と眼』575号 2019/7/30

 市内に、外来種のアメリカオニアザミが増えています。
特に鷲宮アリオ周辺では住宅地や空き地、遊水池のまわりに群生していて、歩道上や香取公園にも拡がっています。
紫色のきれいな花を咲かせますが、茎や葉、ツボミ、花びらは固い棘(とげ)や針で覆われていて、触れただけでケガをします。
市のホームページでも駆除するように呼びかけています。
 市道や公共用地については市で調査して駆除するように要請しました。

★私は、市道(歩道)や公園などでアメリカオニアザミを見つけると、市に《道路等の不具合通報システム》で写真を送って駆除を依頼している。
市がすぐに対応してくれるのはありがたい。★

【参照⇒猪股のブログ アメリカオニアザミの群落へのリンク】

【6月市議会】 ネオニコチノイド系農薬の規制を求める意見書を可決
2018/7/11

 7月11日、定例市議会の最終日の本会議で、「生態系への影響が指摘されているネオニコチノイド系農薬の規制を求める意見書」が賛成多数で可決されました。
 市民の政治を進める会/猪股が提案し、公明党の岡崎・共産党の平間議員が賛成者として署名して提出していたものです。
 議会では質問も反対の意見もなかったのですが、採決では最大会派の新政久喜の中の10名が反対しました。
 賛成は、市民の政治3、共産党4、公明党5、無会派の田村議員の他、最大会派の新政から春山、園部、盛永議員が賛成に回り、結局、賛成16、反対10で可決となりました。

生態系への影響が指摘されている
ネオニコチノイド系農薬の規制を求める意見書

提出者  猪股和雄
賛成者  岡崎克巳
平間益美

 世界各地でミツバチの大量死・大量失踪、さらには「蜂群崩壊症候群(CCD)」 が報告されています。
わが国でも2000年代から被害が報告され始め、農水省の調査(2009年)では21都道府県で花粉交配のためのミツバチの不足が報告されています。
養蜂家のみならず、ミツバチに受粉を頼っている果樹農家などの被害が拡大しつつあると指摘されています。
こうしたミツバチの大量死・大量失踪の原因については、ウイルス、ダニ、農薬等の諸説が挙げられていますが、いまだ定説はないため、根本的対策は講じられないまま、ミツバチ大量死などの被害が継続しています。

 しかし近年、ネオニコチノイド系農薬がその有力な原因物質としてクローズアップされてきており、フランスをはじめとするEU諸国では、ネオニコチノイド系農薬の一部について種子処理禁止・使用禁止にするなどの対策がすでに90年代から講じられてきています。

 ネオニコチノイド系農薬は、有機リン系農薬に代わって農業のみならず家庭でも使われるようになっていますが、農作物の内部に浸透して植物のあらゆる組織で殺虫効果を発揮する「浸透性農薬」であり、洗っても農薬残留を減らすことはできません。
また残効性が高く、散布回数を減らせるため「減農薬栽培」に広く用いられるようになっており、国内の使用量は増え続けています。ネオニコチノイド系農薬の毒性は昆虫の中枢神経にある主要な神経伝達物質の働きを阻害し、死に至らしめるものとされています。
さらには昆虫だけでなく、アメリカでの研究ではヒトの脳への影響も懸念されています。
このことから、EU諸国及びアメリカでは予防原則の考え方に立って使用規制の他、食品中の残留農薬基準値もきわめて厳しく設定されています。

 しかしわが国ではこれまでのところ使用規制はいっさい行われておらず、食品中の残留農薬基準値も米国の数倍、EUの数十倍から数百倍と、きわめて緩く設定されているのが現状です。

 ネオニコチノイド系農薬は、果樹などの農作物や植物の受粉を媒介するミツバチの大量死の有力な原因物質として生態系への影響が指摘され、ひいては人間の健康被害への懸念も拡がっています。

 したがって、我が国においても、予防原則に立ってネオニコチノイド系農薬に対する使用規制を行うよう求めます。

1.ミツバチの大量死に関して、原因究明のための徹底した調査およびネオニコチノイド系農薬による影響に関する調査を行うこと
2.ネオニコチノイド系農薬の生態系や人の健康に与える影響についての調査を行うこと
3.ネオニコチノイド系農薬の使用規制、および食品への残留農薬基準の見直し、強化を進めること

 右のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

久喜市議会

内閣総理大臣
農林水産大臣
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長 あて

【一般質問】  街路樹管理の方法はどう変わるのか
『声と眼』547号 2018/3/7

 樹木管理は冬期に強剪定、夏期は樹形を整える軽剪定が基本とされていますが、久喜では夏も冬も同じ強剪定で行われてきました。
落ち葉がジャマ、虫が付くなどの理由で枝葉を全部落としてしまう、丸太棒のような姿だったり、枝の先がコブだらけになってしまっている街路樹もたくさんあります。

 最近、全国で街路樹管理方法の見直しが進んできています。
私は一昨年に近隣の自治体議員と江戸川区の自然樹形を活かした街路樹管理政策を勉強してきて、久喜でも取り入れるように提言しました。
市では昨年3月に新たに「街路樹管理指針」を策定し、街路樹の剪定や管理方法の基準を定めました。
指針では、路線ごとに目標とする樹形を検討してできるだけ自然樹形を活かし、道路状態に合わせて「矯正型自然樹形」を基本として剪定を行うことにしました。
これまでに街路樹のある市道119路線の内、12路線の目標樹形カードを作成し、残りの路線についても策定を進めていく計画です。

 しかし実際には従来とあまり変わらない丸太棒剪定が目立っています。
今後、「目標樹形カード」や「矯正型自然樹形」という基本的な考え方に従って剪定を進めるように求めました。
また青葉ケヤキ通りは周辺住宅の屋根の高さに切り詰められ、現在は太い枝以外は落とされてサスマタのような形になっています。
建設部長から今後、ケヤキの自然樹形に近い形に再生させていく考え方が示されました。