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情報公開・個人情報保護 1999〜2016




【一般質問】 傍聴者に名前を書かせる必要はない
6月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』513号 2016/6/24

 市の政策審議期間は、審議会等の公開に関する条例で原則公開です。
住所や氏名を書く必要もありません。
ところが5月に男女共同参画審議会を傍聴したところ、職員から傍聴申込書に記入するよう求められました。
これは、氏名等の個人情報を書かせるときはその目的を明示しなければならないと規定した個人情報保護条例に違反のおそれがあります。

 また審議会等の公開原則や個人情報保護条例の趣旨が職員にきちんと理解されていなかったことになります。
なぜこのような誤った手続きが行われてしまったのか、職員が審議会等の公開や個人情報保護の意義を理解した上でどのような対応が必要なのか、職員の認識を徹底するよう求めました。

 市はこれまでも公開や傍聴手続きの「手引き」を作成して各課職員に徹底してきたと説明しています。
他にはこのような誤った手続きは行われていなかったようですが、たまたまこの担当課で間違ってしまったとしても、複数の職員が関わっていて誰も気付かなかったことも問題です。
市は今後あらためて職員に周知徹底していくと答弁しました。
【参照⇒猪股のBlog 傍聴者に名前を書かせようとしたのは間違いです!!】


 【一般質問】 市のHPにデジタル美術館の開設を
9月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』497号 2015/9/10

6月議会で、久喜市が所蔵する美術品を市民の共有財産として公開するよう求めました。
その後、市のホームページに、所蔵している88点の美術品の一覧表が公表されましたが、作品名、作者名、所蔵・展示場所等の目録が書かれているだけでした。

 そこでホームページ上に“デジタル美術館”を開設して、市民がそれらの美術品に接することができるように、絵画などの画像を掲載するよう提案しました。
市は、著作権者の了解を得られた作品について、画像を公開していくと答弁しました。
それらの美術品の公開展示会の開催についても、教育長が「どのような展示が可能か検討する」と答弁しています。
坂戸市や松戸市のデジタル美術館、日野市のデジタルミュージアムなど、これまで公開を積極的に進めてきた市では、市民文化振興課などの課が担当しています。
久喜市では管財課で「備品」としての位置づけですが、所蔵美術品の担当課を変更した方がいいのではないでしょうか。

久喜市所蔵の美術品の一覧が公表されたけれど…
2015/8/18

 久喜市はたくさんの美術品を所蔵しています。
 6月議会の一般質問で、それらの美術品は市民の共有財産であるという観点から、
(1)その美術品と展示している場所の一覧をホームページで公開
(2)画像をホームページに公表して、バーチャル美術館の開設
(3)展示場所の入れ替え、巡回展示会の開催
などを提案しました。

 市では、(1)は早急に実施するという考えを示していましたが、ようやく今日(8月18日)、一覧表ができたので、ホームページに掲載したという連絡がありました。

【参照】 久喜市のホームページ 「美術品」へのリンク

 しかしいかにもお役所らしい文字通りの「一覧表」で、味も素っ気もない所蔵品管理台帳をそのまま掲載したといった感じ・・・。
 こんなものをホームページに掲載するのに2か月もかかったというのが理解できない・・・。
 それぞれの美術品の写真くらいはいっしょに掲載しても良さそうなものだと思うのですが、市は「著作権があるのでホームページ上に画像は公開できない」という見解です。


 多くの市で、所蔵している美術品の中で、著作権者の了解を得られたものの画像をホームページに公開して、市民に楽しんでもらっています。
 久喜市はこうしたことをやろうという考えもないのでしょうか。
 たとえば…
【坂戸市のホームページ 収蔵美術品へのリンク】
【松戸市のホームページ デジタル美術館へのリンク】 
【大和市のホームページ 市所蔵美術品紹介へのリンク】  
【日野市のホームページ デジタルミュージアムへのリンク】

 日野市のホームページには、こんなすてきな文章がありました。

 東京都日野市では、市が所蔵する美術品や歴史・考古・民俗・自然等の資料のほか、市内の文化財等を広くインターネットを通して誰でも気軽に楽しめるように、デジタルミュージアムとして公開しています。
その第一段階として、作者27名の洋画、日本画、彫刻等の美術品34点を公開いたします。
ゆったりとご覧いただき、すてきなひとときをお楽しみください。

【一般質問】 久喜市所蔵の美術品は市民の共有財産
6月定例市議会 猪股の一般質問  『声と眼』494号 2015/7/6

 久喜市は絵画や彫像など115点の美術品を所蔵しています。
一部は市役所などの公共施設に掲示、展示されていますが、どこにどのような美術品があるのか公表されていません。
本来これらは市民の共有財産ですから、市民に公開するよう求めました。
市のホームページ上での公開、掲示場所を定期的に入れ替えて多くの市民が鑑賞できるようにすること、巡回展覧会の実施なども提案しました。

 答弁では、美術品の内訳は、絵画76点、彫塑19点、その他20点で、今後、美術品の目録と掲示場所の一覧を市のホームページに公開していく方針が示されました。
私はさらに、ホームページの中に“バーチャル美術館”を開設してすべての美術品の画像を公開するように提案したのですが、「著作権の問題等を調査研究していく」の答弁にとどまりました。

 また美術品の掲示場所の入れ替えは実施していく方針ですが、巡回展示会は「運搬作業や管理体制の問題」で実施する考えはないようです。
公開不可能な美術品は複製を作ってはどうかとも提案したのですが、これも考えていないという答弁でした。

*7月2日現在、市のホームページにはまだ、市所蔵美術品の目録などは掲載されていません。 

【一般質問】 審議会等は正確な会議録の作成を
11月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』447号 2013/1/4

 久喜市では審議会等の政策審議機関の会議録は《全文記録またはほぼ全文記録方式》で作成することになっています。
ところがある審議会で、委員の不適切な発言は職員の判断で削除するという説明がありました。
これでは都合の悪い発言は行政の判断で削除・省略できることになり、審議会で市民から出された意見や政策決定の経過が正確に把握できなくなってしまう恐れがあります。
(実際に私がある審議会を傍聴したときにあった発言が会議録に載っていないという例がありました)。

 審議会で委員は発言に責任を持つのが当然で、もしも不適切な発言を削除する場合には、職員の判断で“なかったこと”にするのではなく、発言者自身が取り消すべきです。
会議録作成の際に、職員の恣意的な判断でなく、削除したり省略したりすることができる明確な基準を設けるよう求めました。
市は、省略することができる判断基準は、会議の内容と関係のないあいさつや事務局の説明で資料を読み上げているに過ぎない場合などに限定する。
この基準以外での削除や省略はできないという考えを明らかにしました。

【一般質問】 審議会等の会議録、全文記録を求める
6月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』439号 2012/6/27

 市の政策審議機関である審議会等の会議はすべて“原則公開”です。
会議録の整備も義務付けられていて市のホームページで公表されていますが、具体的な会議の内容や経過がわからないような会議録では意味がありません。
市の政策形成過程について知りたいと思って会議録を確認しても、微妙なやりとりが省かれていたり、何回も議論があったのに結論だけきれいにまとめられて書かれていたりする場合もあります。

 実際、私が学期制検討委員会を傍聴したときに、議論の焦点になったやりとりが会議録に掲載されていなかったこともありました。
後でその事実を指摘して、現在は全文記録方式になっています。
教育委員会も4月から全文記録になりました。

 市のすべての審議会で、会議録は原則として、全文記録とするか、できるだけ全文記録に近いものであるべきです。
各審議会等の事務局担当課に対して、会議録作成の原則についてきちんと指導する求めました。
総務部長が「できるだけ全文記録に近いものということで、徹底されるように周知していきたい」と答弁しました。

情報公開度、久喜市は埼玉県内トップ
2011/9/24

 市民オンブズマンネットワークは、全国自治体の情報公開度ランキングを発表しました。(埼玉新聞9月19日に掲載)

 全国市民オンブズの調査による集計は、▽市長交際費の支出相手先の公開、▽議会の本会議と委員会の会議録の公開、▽情報公開条例の請求権者の範囲と手数料の金額、などについて公開度を調査し、県内トップはさいたま市と草加市の65点、久喜市は57点で9位でした。最下位は30点の日高市と蓮田市でした。

 さらに埼玉市民オンブズによる県内の独自調査項目として、▼予算書の公開、▼決算書の公開、▼コンピューターや録音録画などの電磁的記録の公開度(CDでの公開)を調査し、これらを加えた総合的評価では、久喜市は85点で県内トップの公開度とランクされ、、最下位は30点の日高市でした。

 久喜市の情報公開制度で他市よりも劣っているのは、市議会の本会議を議場に来なければ内容が見られないということだけです。
すでに県内で県議会と14市がインターネットで中継や録画を放送していて、議会の録画も中継も行っていないのは埼玉県内では久喜市を含めて10市だけです。

 本会銀のインターネット中継の実現が合併前からの課題になっていて、現在も市議会運営等検討委員会で協議されています。
 インターネット中継の実現へ向けて、来年度の予算要求をすることになっているので、これが実現すれば、久喜市の情報公開度、市議会の改革度・活性化度も全国トップになります。

県内41市

埼玉県
総合
得点
合計
全国統一調査項目 埼玉独自調査項目
埼玉県内 交際費公開度 議会
ホームページ
条例規定 外郭団体 全国
調査
得点
予算書公開 決算書公開 電磁的
記録
独自項目
得点

順位 質問(1) 質問(2) 質問(3) 質問(4) 質問(5) 質問(6) 質問(7) 質問(8) 質問(9) (10) (11) (12)
首長交際費
公開請求
首長交際費
ネット情報
コピー代 議会
議事録
本会議
内容放送
閲覧
手数料
請求権者 公社等
実施機関
1/2
出資法人
予算書
HP掲載
予算書
頒布
決算書
HP掲載
決算書
頒布
CD−R
の交付
1 久喜市 85 10 10 5 10 0 5 5 57 7 7 0 7 7 28
2 越谷市 84 10 10 5 3 10 2 5 10 5 60 7 5 7 5 0 24
3 所沢市 81 6 6 5 10 10 5 2 5 5 54 3 7 3 7 7 27
3 桶川市 81 10 10 5 10 0 5 0 5 5 50 7 5 7 5 7 31
5 さいたま市 78 10 10 5 10 10 5 5 5 5 65 3 0 3 0 7 13
6 戸田市 77 10 10 5 3 10 5 5 10 5 63 7 0 0 0 7 14
7 草加市 75 10 10 5 10 10 0 5 10 5 65 3 0 0 0 7 10
7 埼玉県 75 10 10 5 10 10 5 2 5 5 62 3 0 3 0 7 13
8 秩父市 74 10 10 5 3 10 5 0 5 5 53 7 0 7 0 7 21
9 鶴ヶ島市 72 10 10 5 10 10 5 2 5 5 62 0 5 0 5 0 10
10 富士見市 71 10 10 5 10 0 5 0 5 5 50 7 0 7 0 7 21
11 東松山市 70 10 10 5 3 3 5 5 5 5 51 7 5 0 0 7 19
12 北本市 67 10 10 5 3 10 2 5 10 5 60 0 0 0 0 7 7
12 狭山市 67 10 10 5 10 3 5 0 5 5 53 7 0 0 0 7 14
14 和光市 66 6 6 5 3 5 5 5 5 5 45 7 0 7 0 7 21
14 新座市 66 6 6 5 10 3 5 0 5 5 45 7 0 7 0 7 21
15 入間市 65 6 6 5 3 3 5 2 10 5 45 3 5 0 5 7 20
16 春日部市 64 10 10 5 3 10 5 5 5 5 58 3 0 3 0 0 6
16 熊谷市 64 10 10 5 3 10 2 0 5 5 50 7 0 7 0 0 14
16 深谷市 64 10 2 5 3 10 5 5 5 5 50 7 0 0 0 7 14
19 川越市 63 10 10 5 10 3 5 0 5 5 53 3 0 0 0 7 10
20 志木市 61 10 10 5 3 3 5 5 5 5 51 3 0 0 0 7 10
20 ふじみ野市 61 6 6 5 10 0 5 0 10 5 47 7 0 0 0 7 14
22 幸手市 59 10 6 5 3 0 5 5 10 5 49 3 0 0 0 7 10
25 朝霞市 58 6 6 5 3 3 5 2 10 5 45 3 0 3 0 7 13
26 坂戸市 55 10 6 5 3 3 5 0 5 5 42 3 0 3 0 7 13
27 川口市 54 10 0 5 3 10 0 2 5 5 40 7 0 7 0 0 14
27 八潮市 54 10 10 5 3 0 2 0 5 5 40 7 0 0 0 7 14
29 本庄市 53 0 1 5 3 10 5 5 5 5 39 7 0 0 0 7 14
30 飯能市 52 6 6 5 3 3 5 0 5 5 38 7 0 0 0 7 14
30 加須市 52 10 2 5 3 3 5 0 5 5 38 7 0 7 0 0 14
30 吉川市 52 6 6 5 3 0 5 0 5 5 35 7 0 3 0 7 17
33 三郷市 51 10 10 5 3 3 0 0 5 5 41 3 0 7 0 0 10
33 行田市 51 10 2 5 3 3 5 0 5 5 38 3 0 3 0 7 13
35 羽生市 49 6 6 5 3 0 5 0 5 5 35 7 0 0 0 7 14
36 鴻巣市 45 6 6 5 3 0 5 0 5 5 35 3 0 0 0 7 10
37 上尾市 44 2 2 5 3 10 5 0 5 5 37 7 0 0 0 0 7
37 鳩ヶ谷市 44 2 2 5 3 8 5 2 5 5 37 0 0 0 0 7 7
39 蓮田市 40 2 2 5 3 3 5 0 5 5 30 7 0 3 0 0 10
40 蕨市 38 6 2 5 10 0 5 0 5 5 38 0 0 0 0 0 0
41 日高市 30 2 2 5 3 3 5 0 5 5 30 0 0 0 0 0 0

【全国統一調査項目】

1.市長交際費の公開度
(1)「首長交際費の相手方の開示基準」…団体、個人などすべて(病気見舞いを除く)開示。久喜市は10点満点
(2)「ホームページ上での首長交際費の相手方の開示基準」…(1)をホームページ上で公開しているかどうか。久喜市は10点満点
(3)「A4、1 枚のコピー代」…公開の手数料10円なら5点。久喜市も満点

2.議会の公開度調査
(4)「議会議事録がホームページに掲載されているか」…久喜市議会は、本会議、委員会のすべてをホームページに掲載しているので10点満点
(5)「議会本会議の内容について、議場に行かなくても知ることができるか」…モニターテレビやインターネットなどで中継、または録画などを見ることができるようになっていれば10点。
久喜市議会は中継していなくて、議場に行かなければ見ることができないので「0点」

3、情報公開条例について、
(6)「閲覧手数料について」…久喜市は、閲覧だけの場合は手数料は不用になっているので、5点満点
(7)「請求権者について」…久喜市は市民でも市民以外でもだれでも請求する権利を規定しているので5点満点

4.3セク、外郭団体の情報公開について、
(8)「公社、100%出資法人の情報公開について」
(9)「2分の1以上出資法人の情報公開について」
 市の外郭団体の情報公開を行政と同様に行っているかどうかの調査項目ですが、久喜市ではそのような団体がないため、評価対象から除外されています。

【埼玉県の市民オンブズマンによる独自調査項目】

(10)予算書をホームページに全部掲載し、頒布しているかどうか。…久喜市はどちらも実施しているので、満点
(11)決算書をホームページに全部掲載し、頒布しているかどうか。…久喜市はホームページ掲載はしていない
(12)電磁的記録をCD−Rで交付しているかどうか。、…久喜市は実施しているので満点

全国市民オンブズマン・ネットワークの情報公開度調査へのリンク
全国ランキング一覧へのリンク

久喜市が予算編成過程を公開
『声と眼』387号 2009/10/26

 私は昨年の市議会で、市政の透明性を高め、市政への市民参加を進めていくために、「予算編成過程の公開」を進めるように求めていましたが、今年度から実施することになりました。
すでに各課からの予算要求は10月13日までに提出されており、11月初めごろに最初の予算要求額が市のホームページ上で公開される予定です。

 来年3月に4市町で合併して50日以内に市長と議員の選挙が行われます。
したがって2010年度当初の予算は人件費と最低限の事務管理費などの「暫定予算」であって、「本格予算」は選挙後の最初の議会に提案されることになります。
ただその前提として、予算編成作業としては新・久喜市全体の年間を通しての政策的な経費も見込んで進めていかなければなりません。

 形式的には合併前の旧市町ごとに必要経費を積算して合算する形をとりますから、合併前の久喜市で予算編成過程を公開する場合、新市全体でなく、現在の久喜市分だけが公開されます。

 11月以降、財政課の査定、部長査定、市長査定へと進んでいきますが、どの段階でどの程度公開するかはまだ決まっていません。


【一般質問】 政策審議機関の公開は、合併後も引き継ぐ
9月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』386号 2009/9/30

 久喜市の政策審議機関(審議会等)は原則としてすべて公開です。
事前に開催日程や議題等のお知らせを市のホームページや公共施設などに掲載して、会議は個人のプライバシーに関わるもの以外は原則として公開で、傍聴者には資料等も配布されます。
さらに基本的には1か月以内に会議録をホームページに掲載することになっています。これらは「久喜市審議会等の会議の公開に関する条例」で規定されています。
したがって合併後の審議機関等についても公開するのがあたりまえで、「久喜市審議会等の会議の公開に関する条例」は、合併後にもそのまま引き継ぐべきです。

 久喜市では2002年以前は、審議会等の公開については「要綱」で定められていただけでした。
実際には会議開催のお知らせが遅れたり、ホームページへの会議録の掲載までに2か月もかかったりすることもありました。
そのため、議会で議員提案で「条例」を提案して成立させ、審議会等の公開を徹底させてきた経過があります。

 これまで合併協議でどうなっているかを調べてみたところ、「審議会等の会議の公開は、合併時に統一します」と書かれていますが、条例そのものを引き継ぐのかどうかは明記されていませんでした。
そこで新市においてもこの条例を引き継いで、審議会の会議の公開を担保すべきであると質問しました。
総務部長が「久喜市の例により合併時に統一」することになっており、条例もそのまま引き継いでいくと答弁しました。


外部からの働きかけを記録すべき
2009年6月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』383号 2009/7/23

 久喜市では「不当要求行為等対策要綱」「職員に対する働きかけに関する取り扱い要綱」などで、外部からの“不当な働きかけ”については記録して担当課全体として対応すると規定していますが、実際にはこれまで“不当な働きかけ”として記録された例はありません。
実際に職員に対してさまざまな“口きき”が行われても、それが不当であるか否かを判断する基準がむずかしいのが現実です。また職員にとっては後で問題にされることを怖れて、特定の議員や行政関係者からの口きき行為を記録したりはできないという事情もあるだろうと言われています。

 私は2006年12月議会の一般質問で、特定の“不当な働きかけ”だけを記録するのではなく、外部からのすべての働きかけや要望を記録するように求め、当時の総務部長が「働きかけに対応するための基準、要綱等を作成していく」と答弁していました。
しかし実際にはその後に策定された要綱で、“不当な働きかけ”だけを対象とすることとされ、現実には(たとえ不当な働きかけがあっても)職員が記録として残せない、使えない要綱になってしまいました。


予算編成過程の公開は先送り
2008年9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』365号 2008/10/11

 9月議会で、予算編成過程を市民に見える形で行うよう求め、当局は「近い将来やらなければならないが、やり方については若干の猶予をいただきたい」と答弁しました。
そこで2009年度予算編成を公開のもとに進めるように求めました。

 財政部長は、「例年9月下旬に作成している翌年度の予算編成方針は公表し、市のホームページに掲載する」と答えましたが、予算査定作業に入ると数字が変動する、数字が一人歩きをすると困る、予算編成過程への市民参加の問題も出てくるので、もう少し検討したいという答弁でした。

 要するに久喜市の行政としては、予算編成の過程を公開すると、途中で市民からいろいろな意見や要求(圧力?)が出てきて混乱するんじゃないかと心配しているらしいのです。
しかしすでに公開している鳥取県や東京の国立市などではそんな問題は起きていません。
むしろ各部課からの予算要求や査定状況が公表されることによって、市の財政への理解が深まるといわれます。久喜市ももっと市民を信頼してはいかがでしょうか。

 いつから公開していけるのかはっきりさせるよう求めたところ、“今年はできない”“来年は合併直前で、合併1年目は暫定的な予算になるのでできない”とずっと先送り…。
やっと最後に市長が「2011年度予算編成の中で何らかの形で公表ができればと考えている」と答弁しました。


予算編成過程を公開すべき
2008年6月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』359号 2008/7/3

 久喜市の新年度予算編成作業は、秋頃から本格的に始まります。昨年は9月末に市長の「平成20年度予算編成について」という内部通知が出され、10月末に各部課からの予算要求提出期限、11月中に各部での予算査定、12月に市長査定が行われ、1月に予算内示となりました。

これまでは予算編成過程は議会にも市民にも秘密で、行政内部だけで進められてきました。
しかし秘密裏の予算査定はかえって疑問を抱かせることにもなります。最近では鳥取県や国立市(東京都)などのように、予算要求や査定の状況をすべてオープンにしている自治体も増えています。
各課がどのような事業を計画していくら要求したか、部長査定や市長査定でどのくらい削られたか(なぜ却下されたか)などをホームページに掲載し、市民が見ることができます。
これなら圧力のかかりようがないし、予算が削られたらその理由や判断の根拠もわかります。
久喜市でも市民に公開しながら予算編成を進めるように求めました。

 市は、「予算編成方針についてはホームページで公表していく」と答弁しましたが、予算編成過程については、「これまで市民には確定したものを公表してきた。透明性は重要だが、予算査定の日程が詰まっているので、査定の過程を公表するのはむずかしい。今後、調査研究していく」と答弁。
市長も「ギリギリの日程で行っている。予算の項目や数値も途中で変わるので、数字が一人歩きしてしまう恐れもある」と消極的な姿勢でしたが、「近い将来にやっていくべきだが、やり方の研究に少し猶予がほしい」と答弁しました。

 予算編成作業の日程が詰まっているのも、途中で金額が変わるのも、どこの自治体も同じです。それでも市民参加に熱心な自治体では途中経過を公表して、市民の理解を得る努力をしています。現在の久喜市のできる範囲で、来年度予算の要求や査定の過程について、今年の秋から公開を始めるように求めました。


すべての働きかけを記録、公開へ
2006年11月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』327号 2007/1/15

 9月議会の一般質問で、《市のすべての職務に関して、外部からの働きかけを記録し、職員で共有し、公開対象としていくシステム》を構築するよう求め、市は「要綱等を整備していく」と答弁しました。その後の検討経過をただしました。

 市は、「現在は、同様のシステムを作った先進自治体の状況を比較検討している段階である」「職務の公正性、透明性を確保するために、公職者や個人、団体からのすべての働きかけや要求行為を記録するために、マニュアルを整備する必要がある。4月を目標に基準や要綱を策定していく」と答弁しました。

 これまで、公職者や団体が特定の団体や個人を有利に扱うようにという“口きき”や、特定団体の利益を図るような働きかけが行われたり、行政はそうした“有力者や圧力団体に弱い、癒着しているのではないか”というウワサや疑問が持たれてきました。
これまでも「目に余るような不当な要求」については記録することになっていましたが、「どの要求が“目に余る”か」を判断するのがむずかしく、実際にそうしたことが記録されたことはありませんでした。
今後は、“不当かどうか、目に余るかどうか”に関わらずあらゆる働きかけを記録し公開対象になりますから、だれからどのような働きかけがあって、どのように対処したか、また“特別扱いをしたかどうか”がすべて明らかにされることになります。


行政へのあらゆる働きかけを文書化し、報告・共有して公正・公平な対応を
2006年9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』323号 2006/10/30

 議員などの公職者や団体が、行政に対して公共事業や行政事務の優先的な取り扱いを求めたりする、いわゆる「口きき」が全国的に問題になっています。
本来、だれであっても平等に対応すべきですが、圧力に負けて、議員や特定の役職者の依頼を優先的に扱ったり、利権がらみで不当な便宜を図ったりすることもあると言われます。

 こうした不公平な扱いや利権を防止するために久喜市ではこれまでも「度を超えた要求については記録・報告書を作成する」としていましたが、実際にはそうした報告書が作成されたことはありません。
職員としては、「度を超えたという判断基準がない」「特定の議員の要求を記録した場合、後が怖い」という心理も働くものと思われます。
 全国の進んだ自治体では、行政に対して働きかけ・口きき・要求・提案・苦情などがあった場合、内容が“不当”か否かに関わらず、記録・報告・文書化して関係部署内で情報を共有する仕組みを作っています。
公職者に限らず、団体や市民など外部からのすべての事項について記録し報告することで、担当部署として公正な対応方針を検討することもできます。
正当な要求に対しては関係部署全体で改善方針を検討し、逆に“不当な口きき”については記録・報告手続きを定め、公開対象とすることで抑止にもなります。
−−久喜市でも、職務に関しての外部からのあらゆる働きかけについて公正・公平な対応をしていくために、統一的な対応マニュアルを定め、記録・報告書の書式を定めていくよう提案しました。

 市当局も、「記録についての要綱の整備をしていく。外部からの働きかけについて情報を共有し組織的に対応できるようにしていく。そのために記録の様式を統一していく」と答弁しています。


住民基本台帳の大量閲覧禁止へ
2006年9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』321号 2006/9/25

 住民基本台帳はこれまではいくらでも閲覧できたため、営業宣伝や市場調査などの名目で大量に閲覧して名簿を書き写し、ダイレクトメールを送ったり営業活動などに使われてきました。全国的には個人情報が名簿業者に売られるなどの問題も発生しています。そこで3月議会の一般質問で、基本的に公的な目的以外には閲覧できないようにするため、市の要綱を改正するよう求めていました。その後の取り組みと経過を明らかにするよう求めました。
 市は4月に「ダイレクトメールや戸別訪問などを目的とする閲覧を認めない」要綱改正を行いました。その結果、4月以降の大量閲覧は5件で、昨年に比べて半減しました。5件の内訳は「公用(家計調査)の対象者抽出のため」、「報道機関のアンケートの対象者抽出のため」などです。(昨年同時期の大量閲覧は「教育関係」「市場調査」といった営業目的など10件でした)。
 なお、6月に住民基本台帳法が改正され、原則的に公用などの目的以外は閲覧できないことになりました。【10月に施行されます。】


住民基本台帳の営利目的閲覧
2006年2月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』309号 2006/3/6

 営利目的による住民基本台帳の大量閲覧が、全国で問題になっています。営利目的で住民のプライバシーを書き写し、ダイレクトメールや営業活動に使ったり、名簿自体が売買されたりしています。−久喜では、営利目的の大量閲覧は今年度は1月までに15件がありました。
 国は法改正で、公益目的以外は住民基本台帳の閲覧を原則禁止とする方向ですが、名簿自体が高く売れるため、今後、駆け込み的な大量閲覧が増えてくると危惧されます。
 すでに各地の自治体では、独自の条例や要綱で営利目的の大量閲覧を規制してます。
そこで久喜市としても、住民の個人情報を守るために、営利目的の大量閲覧を規制するよう求めました。
当局も、早急に要綱を改正して、「営利目的の閲覧」を禁止していく方針が明らかにされました。

 なお、選挙管理委員会で選挙人名簿を閲覧できますが、有権者自信の確認、候補者や政党・政治団体による選挙人の確認、報道機関や学術機関による調査などだけ認めています。


国勢調査のあり方を問う
2005年11月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』304号 2005/12/12

 10月に国勢調査が実施されました。今回は、調査票を入れる袋とテープが全戸配布されるなど、プライバシー保護への配慮も進みました。また、留守世帯の増加や住居環境の変化(オートロック式マンションなど)から、調査員が全戸を訪問して個々に調査することがむずかしくなってきていることも指摘されました。
 久喜では調査区(調査員)は499、
▼26100世帯が対象で、▼郵送は11世帯、▼直接持参が88世帯、▼調査員が回収した26000世帯、▼調査員が回収できず、市の職員が回収したのが12世帯。
▼封をして提出したのは17000世帯で、65%を超えました。
▼17の調査項目の内、勤務先などの就業状況、住居の面積などの回答率が低かったことも報告されました。

 国勢調査のあり方について、市行政としての認識と見解を聞いたところ、「社会環境の変化も進んでおり、協力を求めることのむずかしさがある。できるだけ市民が調査に応じやすいような環境を作っていくことが必要で、今後(次回の調査に向けて)、調査員の訪問調査のやり方、全世帯封入回収、郵送方式など、調査方法の見直しを進めるよう、国に要望していく」と答えています。


審議会の傍聴は、許可制ではない
2005年9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』302号 2005/11/14

 審議会や懇話会など、久喜市の政策審議機関は、審議会等の会議の公開に関する条例で、原則公開、「何人も」傍聴することができることになっています。しかし7月に開かれたある懇話会の第1回会議で、『会長の許可があるまで傍聴者を入室させない』として、傍聴希望者がロビーで待たされるという事態がありました。この時は抗議して会議開催時から傍聴席に入ることができましたが、本来、傍聴は“権利”であって、“許可”は必要ありません。会議の開会前から傍聴者が入っても何の問題もなく、“許可”としたのは事務局の誤りです。−当局も「今後は条例を踏まえて市民への公開を推進していく」と答弁しました。
 また、審議会等を傍聴しようとする場合、現在は受け付けで一覧表形式の傍聴申込書に氏名、住所等を記入させていますが、一覧表形式ではどこのだれが傍聴にきているかを見ることができてしまいます。これは個人情報保護法に反するので、1人1枚の傍聴券形式に変えるよう求めました。また「何人も」権利として傍聴できるのですから、本来は、氏名や住所を書かせる必要もありません。
 当局も、「一覧表形式は好ましくないので、今後は傍聴券や番号札にする」「住所・氏名の記入を改めるよう、各課に周知する」と答弁しました。


国勢調査の方法を見直すべき
「全世帯封入」か、郵送に

『声と眼』300号 2005/10/11

 国勢調査は10日で回収を終了しましたが、ある調査員の方からFAXを頂きました。
 「国政調査員を依頼され、自覚と責任を感じて行動しているが、何回訪問しても会えない。時間をやりくりして苦労して回っている」と−。
確かに、行政と“調査される側の市民”との間に立たされて、いちばん苦労したのは、調査員の方々だったことは間違いないでしょう。
 直接会って説明しようとしても、共働きなどで昼間はルスの家が多い。マンションなどでドアを開けてもらえない。中には、近所付き合いをしない家もある。『そんなものに協力する必要はない』と言う人もいると聞きました。
 しかも、他人のプライバシーに否応なく接するわけですから、そのこと自体、『いやだけど仕方ない』と思いながら、回っている調査員の方も多いのだろうなと思います。

 他の調査員の方から、直接お話も聞きました。
 「近所の地域を受け持って、知っている人もいる。知り合いの奥さんの目の前で、中身を見て、ご主人の勤め先のこととか見ることになって、何となく気まずい」「まったく面識のない人のプライバシーを見てしまうことになるのもいやだなあと思ってる。こちらの方がもっと気まずい感じがする」「別に、調査票を見たからといって、他の人に話すことはないし、興味本位で見るわけではないのだけれど、それでもやっぱりお互いに気まずいと思う」。そして、下のようなご意見も聞きました。
 −「全世帯で封をするように、市が指導してくれた方が、集めやすいと思う。次回からはぜひそうして欲しい」「そうすれば、受け取るときに中身を確認する必要もないのに、なぜそうできないのか」
 「封をして、町内会の班ごとに回収した方がいい。そうすれば、『用紙に記入して、封筒に入れておいてください。○日に回収に回ります』というふうに集めた方が早いのではないか』というご提案も……。

練馬区は郵送用の封筒を全戸配布

 練馬区では全面的に「郵送方式」を導入。返信用封筒を全世帯に配布し、あらかじめ、『同封してある返信用封筒を使い、区役所に直接郵送することもできます』と説明しています。中野区、横浜市、川崎市、京都市などでは全世帯封入にしました。−久喜市などでは『調査票は…そのまま調査員にお渡しください』『封をして調査員に渡していただくこともできます』と書いていて、“封をしないで出すのが原則だが、封をしてもよい”というような中途半端なやり方です。
 これまでのような、プライバシーを無視した国勢調査は、不可能になってきています。国政調査のあり方も方法も見直すべき時期に来ています。

★今回の国勢調査では、偽調査員による票差票持ち去り事件まで各地で多発しています。もう、調査員が訪問して調査する方式そのものをやめるべきでしょう。★


「国勢調査がわかる」
ホームページへのリンク
国勢調査の見直しを求める会

いちばん苦労しているのは「調査員」の人たちですね
やっぱり、「全世帯封入方式」にした方がいい

2005/9/28

 『声と眼』の「国勢調査は封をして出しましょう」の記事について、ある調査員の方からFAXを頂きました。
 「自覚と責任を感じて行動している」「何回訪問しても会えず、苦労して回っている」というものでした。
 私も、いちばん苦労しているのは、調査員の方々だろうと思います。
 直接会って説明をしなければならないのに、共働きなどで、昼間は誰もいない。
 極端な話ですが、たくさんの人の中には、近所付き合いをしない家もある。初めから『そんなものに協力する必要はない』という人もいると聞きました。
 しかも、他人のプライバシーに否応なく接するわけですから、そのこと自体、『いやだけど、仕方ない』と思いながら、回っている調査員の方も多いのだろうなと思います。

 他の調査員の方から、直接お話を聞くこともできました。
『近所の地域を受け持って、知っている人もいる。知り合いの奥さんの目の前で、中身を見て、ご主人の勤め先のこととか見ることになって、何となく気まずい思いをしている』
『まったく面識のない人の家に行って、知らない人のプライバシーを見てしまうことになるのもいやだなあとおもってる。これの方がもっと気まずい感じがします』
『別に自分としては、調査票を見たからといって、他の人に話すことはないし、興味本位で見るわけではないのだけれど、それでもやっぱりお互いに気まずいと思う』

 そして、下のようなご意見も伺いました。
『本当に、全世帯、封をするように、と指導してくれた方が、どんなに気が楽になるか…。次回からはぜひそうして欲しい』
『そうすれば、受け取るときに中身を確認する必要もなくなるのに、なぜそうできないのだろう』
『封をして、町内会の班ごとに回収すればいいんじゃないか。−−そうすれば、町内会費を集めるのと同じように、「用紙に記入して、封筒に入れておいてください。○日と○日の夜に回収に回ります」というふうにして、集めた方が早いのではないか』



国勢調査は封をして出しましょう
『声と眼』299号 2005/9/26

 10月1日、全国いっせいの国勢調査が行われます。9月20日ごろから『国勢調査についてのお知らせ』が全戸配布され、23日からは市から委嘱された調査員が『調査票』を配布しています。10月1日から10日の間に回収に回ります。
 国勢調査は5年ごとにこれまで18回行われてきました。政府や、実際に調査にあたる市役所では、“記入された調査票は、統計法によって厳重に守られます。他にもれたり、統計を作成する以外の目的に使われることは絶対にありません”と説明しています。しかし実際には、『近所の調査員が調査票の中身を見て確認するので、プライバシーが知られてしまう』『封をして出してもいいはずなのに、調査員に「封をしないで出すように」と言われた』などの理解不足やトラブルが相次いできたのが実態です。
 今回、調査票といっしょに、「整理用」という封筒と両面テープが全世帯に配布されます。したがって市民は、調査票をこの封筒に入れて、「封」をして提出することができます(なぜか、封筒と小さな両面テープが、別々に配られます)。
 封をしないで出された場合には、調査員が開けて中身を点検・確認し、世帯人数等を調査員が集計して市に提出します。−過去には、調査員がその場で調査票を広げて見て、記入されていない項目について、調査員が記入してしまったり、封をしているのにわざわざ開けて中身を見たり…、といったトラブルも報告されています。
 封をして出された調査票は、調査員が見ることはなく、そのまま市に届けられて、市が集計作業を行いますから、プライバシーが漏れる心配はより少なくなります。調査員や行政との無用なトラブル・プライバシーが漏れる心配を避けるためにも、最初から封をして提出する方がいいでしょう。−総務省も、「調査票はそのまま提出が原則。ただし、封入提出された場合は調査員は開封せず、自治体が開封、点検する」としています。


【右の写真】
封筒と、その封をするための「両面テープ」(上)。
テープはこんなに小さい。……テープに気付かない人も多いかも…

「全世帯封入」の自治体も多い

川崎市など、封をして提出を呼びかけ

「川崎市はみなさまのプライバシーを守ります。封入提出にご協力ください! 今回の調査では、封筒を全世帯にお配りします。ご記入いただいた調査票は、記入漏れがないか確認し、封筒に入れ封をしてご提出ください。封筒の開封は区役所で行い、調査票にご記入いただいた内容を税金、警察、出入国管理など、統計以外の目的に使用することは絶対にありませんので安心してありのままをご記入ください」−「平成17年国勢調査は、プライバシー意識の高まり、単身世帯や共働きで調査員がお会いしにくい世帯の増加など、従来の調査にも増して厳しい状況になっています。このため、川崎市では、プライバシー保護に万全を期すため、封入提出方式を採用するなど、調査に協力していただきやすい環境を整備してまいります」

 今回の国勢調査では、中野区、世田谷区、三鷹市、横浜市、川崎市、伊丹市、京都市などが、「全世帯封入」の方針を打ち出しています。−上の川崎市の例のように、みんなが封をして提出するように明確にすればいいのですが、久喜市はどっちつかずの書き方になっています。

【調査項目は17項目】

ア.世帯員に関する事項(12項目)…氏名、男女の別、出生年月、世帯主との続柄、配偶の関係、国籍、就業状態、就業時間、所属事業所の名称及び事業の種類、従業上の地位、従業地または通学地
イ.世帯に関する事項(5項目)…世帯の種類、世帯員数、住居の種類、住居床面積、住宅の建て方

◆調査員は全国で85万人、経費は649億円です。

★配偶関係や、会社の名前、常勤職員か臨時・パートか、職場での地位まで書くわけですから、久喜市ももっとプライバシーに配慮すべきです。★


審議会等の会議録はありのままにすべき
2005年6月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』295号 2005/7/11

 久喜市は審議会等の政策審議機関は原則公開、会議録も公表していますが、最近、会議録の作成が遅れ気味。当局は“1か月以内に公表”を基準にしていますが、04年度には1か月以内にできた審議機関が15機関・29回、1か月以上が20機関・48回、2か月以上が8つ・14回もありました。
 −−これでは市民が政策審議の過程を知りたいと思っても、あまり役に立ちません。−なぜこんなに遅れるか、…当局は、「審議機関によって、全文記録と要約方式といろいろあり、委員全員に確認してもらっている場合もあるので」と言いますが、これは理由になりません。会議録の公開は、基本的に委員の発言をありのままに書くべきであって、委員や事務局が都合のよいようにまとめたり省略したりせず、全文を記録すべきです。
 −−当局が、会議録の作成方法の統一的基準を作って、関係各課に指導するよう求めました。


危ない、役に立たない、住基ネット
2004年2月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』267号 2004/4/19

 03年8月に《住民基本台帳ネットワーク》が開始され、全ての国民に11桁のコード番号が付けられました。昨年8月には第2次稼働で《住基カード》も発行されましたが、しかし“役に立たない、危ない”住基カード。−2月には佐賀県で、他人になりすましカードを手に入れて悪用された事件も発生しました。
 2月までの久喜市での、住基カード発行・利用状況などを明らかにさせました。

住基カードの交付申請 83件
  (写真あり=身分証明書替わり) 81件
  (写真なし) 2件
他市で住民票の広域交付した件数 26件
転出入手続きに住基カードを利用 0件

 住基ネットのシステム構築に、久喜市では2000万円もの金をかけながら、カードを作った人はわずか83人。とんでもない税金の無駄遣い!
 ◆そもそも自分の住民票を、わざわざ他市の窓口でとる必要はなく、◆他市で交付される住民票には本籍地も入っていないので、免許証の更新にも使えない。◆転出したらカードを返却させられて、新しく自己負担で作ることになって、かえって不便。◆紛失して悪用されたらたいへんですから、身分証明書代わりに持ち歩くなんてことはやめた方がよい。…使い途はほとんどありません。
 なお、03年に全市民にコード番号を送付した際に、住所不明などで戻ってきて本人に届いていない通知が280世帯分もあるとのこと。当然、本人以外の手に渡った通知もあると推測されます。


住基ネットは税金の無駄遣い
12月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』255号 2003/12/15

 8月から、住民基本台帳ネットワークが本格稼働しましたが、実際の利用状況を明らかにさせました。それによると、8月から11月までで、 以下のような具合です 

住基カードの交付申請 61件
(写真付き) 59件
(写真なし) 2件
住民票の広域交付 17件
転出入手続きに住基ネットを利用 0件

 住基ネットの宣伝文句は、『全国どこでも住民票が取れて便利』『転出で役所に行くのが1回ですむ』などというものでした。システム構築に久喜市でも2000万円もかかったのに、結果は、“身分証明書替わり”に住基カードを作った人がわずか60人【自己負担500円】。ほとんど利用されていない(利用価値がない)、税金の無駄遣いです。

 それもあたりまえで、他市で取れる住民票は本籍地や戸籍筆頭者名が入らないので、免許証の更新にも使えません。転出したら、また手数料を払ってカードを作り直さなければならないなど、不便なだけ。また住基カードは身分証明書替わりに持ち歩いていて紛失したりして悪用されると危険ですから、しまっておいた方が無難です。
 こうした問題点について、市民課では「利用者に説明している」というのですが、その“説明”なるものはまったく理解困難なしろもの。もっとわかりやすく市民に知らせるよう求めました。


長野県、住基ネットに侵入成功
2003/10/2

山形新聞 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=YGT&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2003100101000648

【要約】
住基ネットの安全性を検証する長野県の実験で、インターネットを経由し自治体の住基ネットに侵入可能なことが判明した。実験を行なった3町村の住基ネットに、侵入を成功させる脆弱な経路が見つかったという。

総務省はこれまで「ファイアーウオールなど適切な措置を取れば、個人情報を保護できる」と主張していたが、庁内LANを通じインターネットに接続している自治体の住基ネットは、情報漏洩の危険性があって、外部から進入できることがわかったわけだ。


『住基カードが便利』って、ホント?
9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』255号 2003/9/16

 8月25日から住民基本台帳ネットワークが本格稼働して、希望者に《住基カード》が発行されることになりました。9月5日までの発行枚数はわずか26件、全部が写真付きで、“身分証明書代わり”にと申請しているようです。【9月に入ってからはほとんど申請はありません。】 他の自治体窓口で、住民票の写しを申請して交付されたのは3件でした。
 『広報くき』8月号に“便利な住基カード”の宣伝が載っています。しかしその実態は…、
■『転入転出手続きの簡素化、引っ越しの場合に窓口に行くのが転入時の1回だけで済む』
■全国どこの市町村の窓口でも、住民票の写しの交付が受けられるなど、いいことずくめのように書かれていますが、実際にはかえって手続きが煩雑になったりすることも多くあります。
 引っ越しの際には、事前に転出地の市役所で『付記転出届』の書式をもらって郵送などで提出しておかないとなりません。△住基カードは転出先で回収され、また金を払って作り直すことになります。△国民健康保険や介護保険、乳幼児医療費など、別の手続きがある人は、今まで通り、転出地の役所でこれらの手続きをしなければなりません。
 他の自治体窓口で交付される住民票の写しには、本籍地や戸籍筆頭者名は記載されないので、運転免許証の申請などには使えません。−住基カードの“メリット”といってもこの程度のこと…。かえって手続きが煩雑になることもあります。
 これらの手続きについても、『広報くき』や市民課の窓口で市民に知らせるべきです。また、《住基カード》を“身分証明書代わり”に持ち歩いて盗まれたりしたらたいへんです。住基カードを交付するときに、窓口でこうした“使用上の注意”も伝えるよう要求しました。−当局も今後はきちんと知らせていくと答えました。

★住基カードに印鑑証明自動交付とかの付加価値を付けろという議員もいるが、カード社会で、1枚で何でもできるというのは危ないんですよね。★


住基ネットが“本格稼働”
市民にとってメリットは?
『声と眼』254号 2003/9/1

 8月25日、住基ネットが“本格稼働”し、希望者には住基カードも発行され、住民票の写しが全国どこからでも取れるようになりました。しかし個人情報を守れない最大の危険はそのままです。
 総務省は『専用回線だからだいじょうぶ』と説明していますが、長野県などでは半分くらいの自治体で、住基ネット用のコンピュータがインターネットにつながっていたという事実…。久喜市の住基ネットがつながっている他の自治体から市民の情報が漏れるおそれや、また、民間利用は禁止なのに、多くの銀行が本人確認のために、11桁の個人コードを出させていたという違法行為も…。
 住基カードは、6情報(住所、氏名、年齢、性別、コード番号、履歴)だけを入力するとしています。しかし全国の45自治体では、“独自サービス”として、住民票や印鑑証明の自動交付機利用、公共施設予約や図書館利用サービス機能を付け加えたり、甚だしいのは病院のカルテ番号と結合したり、子どもの成長記録を記憶して町のウェブサイトで見られるという“サービス”を付けた自治体も…。
 国は各自治体に対して、独自サービス=付加価値を増やさせて、ICカードを普及させようとしていますが、そうなれば、健康状態、税情報、図書の貸出記録(つまりは趣味や思想傾向)などなど、私たちのすべての個人情報が、いつでも国に掌握される体制へ進みつつあります。

総務省の住基ネットPRは誇大宣伝

 国のいうメリット
@全国の市町村で住民票の写しが取れる⇒⇒受け取れる住民票の写しには本籍地が記載されず、運転免許証の申請などには使えません。
A転出手続きが簡単になる⇒⇒『窓口に行くのは1回だけ』ですが、事前に転出届を郵送しなければならず、かえって手続きは煩雑に。しかもカードは転出先の窓口で回収されてしまいます。
B『身分証明書代わりになる』⇒⇒久喜でも10数人が住基カードを作りましたが、生年月日、性別、住所が明記され、本人確認情報も記録されていますから、身分証明書代わりにと持って歩いていて、紛失…悪用でもされたらたいへんです。

★8月27日、実態を確認しようと、試しに自分の住基カードを作ってみました。窓口では注意事項などの説明はいっさいありませんでした。
 『とっても危ない住基カード』…私は手続きの実態と現物を確認したかっただけなので、日にはカードの廃止手続きをとりました。★


試しに、住基カードを作ってみました
2003/8/29

 8月27日、実際の手続きがどのように行われるのか、カード発行の際に、職員がどの程度、個人のプライバシーに配慮しているか、また、カードの実物を見たくて(半分、興味本位?)で、住基カードを申請し、作ってもらいました。
 もちろん、実際に使うつもりも、これから持ち続けるつもりもありませんから、写真はとりあえずの白黒写真、午後4時頃に申請して、15分くらいで交付されました。
 25日以降、3日間で15人くらいが申請したそうで、課長の話によると、高齢の方が、「免許証も持ってないので」「身分証明書代わりに」と申し込む例が多いそうです。しかしこのカードを申請して受け取るためには、免許証やパスポートなど、写真の貼ってある本人確認の証明が必要ということで、その日には交付されずに、郵便で「本人照会」の通知が送られてきて、後日、改めてその通知を窓口に持参しなければなりません。
 けっこう手間がかかります。
 しかしその方たちは、「身分証明書代わりに」常時携帯して歩くつもりでしょうか。ちょっと危険ですね。
 自宅のタンスかロッカーの中にしっかりとしまっておいた方がいいんじゃないでしょうか。

 なお、私はこのまま持っているのは恐いので、29日の3時に市民課窓口へ行って、「カードの返納」手続きを取りました。
係員によると、「住民基本台帳カード一時停止」の手続きをとって、さらに「返納」の手続きをとったそうです。これで、私の住基カードは廃止されたわけですが、「廃止したよ」という書類をくれなかった(そういう書類はないそうです)ので、本当に、私のカードがないことになったのかどうか、一抹の不安が残っています。
 これで、私の住基カードは廃止されたことになります。
 29日までに久喜市民で住基カードを作ったのは21名だそうです。


住基ネットの“本格稼働”だが、住基カードはもたない方が…
2003/8/25

 8月25日、住基ネットが“本格稼働”となり、@住民票の写しが住居地以外の全国どこからでも取れるようになったほか、A希望者には住基カードも発行されることになった。
 いったいこのことで、私たち住民になんのメリットがあるのか、まったく不明。むしろ、国が全国住民の全データを集中的に掌握し、いずれは納税者背番号制と結合しようという本音が見え透いている。
 しかも、長野県による県内市町村の調査で、半分くらいの市町村で、住基ネット用のコンピュータサーバーがインターネットにつながっていて、個人情報が外部に漏出する危険がある。【総務省は、専用回線だからだいじょうぶと説明してきました。久喜も確かに専用回線を使っているのは事実だが、各自治体の住基ネットを全国と結合したわけだから、どこかの自治体でインターネットや他のコンピュータと結合していた場合、そこから久喜市民の情報も漏れる危険が出てくる。】
 また、11桁の個人番号が、すでに個人情報として売買されているという話もある。それでなくても、銀行が本人確認のために、11桁の個人確認情報を記録していた(役所からの通知の写しを提出させていた)ことも発覚。これは違法行為であるわけだが、いったん動き出せば一人歩きしていくのは目に見えている。
 住基カードは、6情報(住所、氏名、年齢、性別、コード番号、履歴)だけしか入力しないとしているものの、実際にはそのカードに、公共施設予約サービスや図書館利用サービス機能を付け加えたり、病院のカルテ番号と結合したり、甚だしいのは、子どもの成長記録を記憶させて、カードによって町のウェブサイトで子どもの情報を閲覧できるという“サービス”を始めた町もあるという。住民票や印鑑証明の自動交付気を利用できる機能を付け加えた自治体が多いというが、そうした“独自サービス”は全国の45自治体だけという。
 国は、各自治体に対して、こうした“独自サービス=付加価値”を増やさせて、ICカードを普及させようとしてくるのだが、そうなったとき、病歴、健康状態、学歴、税情報、図書の貸し出し記録(つまりは趣味や思想傾向)などなど、私たちのすべての個人情報が国の手によって丸裸にされて、いつでも国に掌握される体制が作られることになる。
 「身分証明書の代わりになる」からなんて、甘い誘いに乗って、住基カードを作ったら、エライことになる。

 8月18日には神戸新聞に、総務省の住基ネットに関する説明は誇大宣伝だという記事が掲載された。
 要約すると、
 国は住基ネットの利点として、
1. 全国の市町村で住民票の写しが受け取れる
2. 身分証に使える住民基本台帳カードを希望者に発行
3. 同カードを提示することで転出手続きが簡略化される
と誇大に宣伝している。
 しかし、受け取れる住民票の写しには本籍地が記載されず、運転免許証の申請などには使えない。
 総務省は「窓口に行くのは1回だけ」と強調するが、実際は転出届を郵送するなど別の手続きが必要。その上、カードは転出先の窓口で回収されるため、再申請しなくてはならなくなる。
 本人確認のための電子認証サービスも、自治体レベルでは何も決まっていない。

 西宮市や神戸市などのホームページでは、「総務省の説明を鵜呑みにしないで」と呼びかけている、というもの。
 総務省の説明は、“メリット”だけ言って、“デメリット”にはいっさい触れない、まさに詐欺まがいとしかいいようがない。

久喜市個人情報保護条例改正案を提出
『声と眼』240号 2002/12/2

 8月に久喜市も住民基本台帳ネットワークに接続し、“個人確認情報”が国(地方自治情報センター)に送られるとともに市民全員にコード番号がふられました。
 コンピュータの接続にあたっては、久喜市個人情報保護条例に基づいて、審議会に諮問し『やむをえない』という答申がありましたが、個人情報の漏洩などのおそれが生じた場合に《接続を停止》する規定が条例に規定されていません。そこで、「個人情報保護条例」の条文改正を、議員提出議案として提案しました。提案署名議員は、猪股(大地)、鈴木(新政議員団)、木村(共産党)です。
 市の「住基ネットワークシステムセキュリティ確保のための作業手順」では『不正アクセスがあった場合、…住基ネットワークの切断』を行うことを定めていますが、今回の条例改正案はこうした場合の『切断』にも条例で根拠を与えることになります。

 私は、9月議会の一般質問で『住基ネットの参加は個人選択制にすべき。せめて切断の規定を条例に盛り込むよう』提案したのですが、当局が『その考えはない』という答弁だったので、議員提案で改正しようと準備を進め、いくつかの会派の理解も得て提出しました。
 ところが当局は、議員提出議案の締切日の直前になって「条例改正案を出さないでほしい」と圧力(?)をかけ、しまいには、似た内容の改正案文を作ってきて、私を説得にかかる始末。そんなことなら、最初から当局みずから条例改正をしておけばよかったのに…。そんなお役所的体質の当局の姿勢も変えていかなければなりません。

12月定例市議会に、「個人情報保護条例の一部改正案」を議員提出
2002/11/22

 8月、住民基本台帳ネットワークに久喜市も接続、参加した。
 9月議会で、「接続の停止」「個人選択制」を要求したものの、久喜市行政としても、田中市長としても、そんな気はまったくなし。検討したようすもない。
 せめて、「個人情報保護条例の、電子計算機の結合の禁止」の例外規定として、個人情報保護審議会にはかった上で結合したのだから、問題が発生した(またはそのおそれがある)場合の切断の規定を設けておくべきだと要求したが、それも拒否。
 久喜市は総務省の言うなり、なんの疑問も持たない、政府丸抱え自治体であるらしい。
 それでは仕方がない。議員の持つ責任と権限で、個人情報保護条例を議員提案で改正しなければならない、ということで、下記の改正案を作成、正式に提出することにした。
提出者と賛成者の所属する会派の議員数は、すでに全体の過半数を超えており、可決される見込み。

 なお、当局から、「改正案を出させない」ための圧力が激しいものがある。
 @議会運営委員会の前日、朝9時に、塚田総務部長、市民課長、公文書館長らから、「そんな改正案を出さなくても、作業手順書で、切断の規定を設けているのだから、必要ない」との説得。
 私は、であればなおさら、条例において、切断の根拠を設けることには意味がある」と反論。
 A19日、議会運営委員会当日の朝8時半、塚田総務部長、庶務課長、公文書館長らが、「現行の個人情報保護条例でも切断は出きると解釈されるので、改正の必要はない」と。
 今になってそんなことを言い出すとは、今までの当局の条文解釈と違う。解釈をそんなに急に、ああだこうだと変更できるのか。こちらに条例改正案を出させないためのご都合主義的な解釈権の乱用以外でない。
 しかも、19日の朝9時までに書式を整えて議長あてに提出しなければならないのに、その切迫した時間にそんなことを言って、私を足止めしようとするのは、改正案提出の妨害ですらある。
 とにかく、話があるなら後で聞く、ということで振り切って、提出した。

 当局がそんなに、改正案を出させたくないのは、田中市長の意向か。
 県からでも圧力でもかかったのか。
 住基ネットワークの接続の停止につながりかねないような、そんな気配の一切をなくしておきたいということか。

久喜市個人情報保護条例の一部を改正する条例

平成14年11月26日提出

提出者  久喜市議会議員  猪股和雄(大地)     
賛成者  久喜市議会議員  鈴木松蔵(新政議員団)
                  木村奉憲(共産党)   

 久喜市個人情報保護条例の一部を次のように改正する。
 第10条に次の2項を加える。
2 実施機関は、前項の規定により通信回線を用いた電子計算機又は電子計算機の端末機の結合を行った場合において、市民の基本的人権が不当に侵害されるおそれが生じたときは、当該結合の停止及びその他の必要な措置を講じなければならない。
3 実施機関は、前項の規定による措置を講じたときは、審議会に報告しなければならない。
 附則
 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

提案理由
電子計算機の結合を行った場合において、結合の停止が必要になった場合の要件を定めるために、この案を提出するものであります。


新旧対照表
《新》
(電子計算機の結合による提供の制限)
第10条 実施機関は、審議会の意見を聴いて、公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害しないと認めるときを除き、通信回線を用いた電子計算機又は電子計算機の端末機の結合(当該実施機関が保有する個人情報を実施機関以外のものが随時入手し得る状態にすることをいう。)による実施機関以外のものへの個人情報の提供をしてはならない。
2 実施機関は、前項の規定により通信回線を用いた電子計算機又は電子計算機の端末機の結合を行った場合において、市民の基本的人権が不当に侵害されるおそれが生じたときは、当該結合の停止及びその他の必要な措置を講じなければならない。
3 実施機関は、前項の規定による措置を講じたときは、審議会に報告しなければならない。
《旧》
(電子計算機の結合による提供の制限)
第10条 実施機関は、審議会の意見を聴いて、公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害しないと認めるときを除き、通信回線を用いた電子計算機又は電子計算機の端末機の結合(当該実施機関が保有する個人情報を実施機関以外のものが随時入手し得る状態にすることをいう。)による実施機関以外のものへの個人情報の提供をしてはならない。

−自分の個人情報を守るために−
住民基本台帳ネットワークを拒否する意思表示をどう行ったらいいか

『声と眼』239号 2002/11/18

 8月に、市役所から住民基本台帳ネットワークのコード番号通知が来てから、『受取拒否』『返却』、また『コード削除要求』などの意思表示をした市民は、9月までで久喜市でも10数人−。
 私も11月7日、G個人情報保護条例に基づいて、私のコード番号の削除、G住基ネットへの個人情報の提供の中止を求める『個人情報訂正等請求書』を公文書館に提出。これは30日以内に回答が来ることになっています。また同日、久喜市長あてに『要望書=私たちの本人確認情報の住基ネットへの外部提供の中止と住基コードの削除を求めます』を提出しました。−これからさらに『請求書』や『要望書』を提出しようと準備している人が○○人。あなたもいっしょに出しませんか?
 両方の書類とも、請求項目など必要事項を書き込んだ書式を作成、用意しました(名前・住所などを記入すればそのまま提出できます)。 −“自分も出したいけれど、どう書いたらいいかわからない”という方は、猪股までご連絡ください。すぐにお送りします。

「住基ネット反対」「自分の個人情報を外してほしい」「コード番号の削除」を要求しよう
まず、私自身は昨日、提出してきました

2002/11/8

反住基ネット連絡会のホームページ

個人情報保護条例に基づく「個人情報訂正等請求書」を1人1人、出しましょう。これは、本人でなければ出せません。
下記の「請求書」をクリックすると、ワードで作成した「請求書」の書式がダウンロードできます。
請求事項は記入してありますので、名前と住所を書けばそのまま提出できます。

「個人情報訂正等請求書」のダウンロード


市長あての「要望書」の提出書式

「私たちの本人確認情報の住基ネットへの外部提供の中止と住基コードの削除を求めます」という「要望書」を久喜市長に出しましょう。
下の「要望書」と「要望書解説」をお読みください。
「要望書のダウンロード」「解説のダウンロード」をクリックすると、ワードで作成した「要望書」の書式現物と、その「解説」をダウンロードできます。

「要望書」のダウンロード 「解説」のダウンロード

または猪股に連絡すれば、「要望書」の現物を郵送します。

要  望  書

年   月   日

久喜市長 田中暄二様

   
私たちの本人確認情報の住基ネットへの外部提供の中止と住基コードの削除を求めます。

1.私たちは、住基ネットへの個人情報の提供に同意していません。
 久喜市個人情報保護条例は、個人情報の「目的外利用」及び「外部提供」を原則的に禁止し、個人情報保護運営審議会が認めた場合であっても、目的外利用等をした事実について「本人への通知」を義務付けていますが、こうした手続きがとられていません。
 また、条例によれば、目的外利用等については「本人の同意」が基本です。久喜市が、住基ネットに関する市民への充分な周知をしないまま、本人の同意なく住基ネットに接続したのは、久喜市個人情報保護条例が掲げる理念「個人の権利利益の保護」「基本的人権の擁護」に反します。

2.久喜市個人情報保護条例は「公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害しないと認めるときを除き」、電子計算機の端末機の結合を禁止しています。しかし住基ネットは「公益上の必要」とは認められず、かえって、国、都道府県の行政機関、(財)地方自治情報センターなどの第三者機関、全ての自治体で、本人の知らない内に、恣意的に個人情報を入手できる危険性を増し、「個人の権利利益を侵害」するおそれがあります。

3.久喜市個人情報保護条例は、外部提供する場合、提供を受けるものに対し必要な制限を付し、適正な取扱いについて必要な措置を講ずるよう求めることを定めていますが、久喜市は住基ネットについて「必要な措置」を求めておらず、条例に反します。

4.国、都道府県の行政機関、全ての自治体において、個人情報保護に対する漏えい、滅失及びき損の防止や、適切な管理のための確固たる措置が取られないまま住基ネットに接続するのは、住民基本台帳法第30条の33、第36条の2、附則第1条の2、さらに、久喜市個人情報保護条例第11条に違反します。

5.久喜市個人情報保護条例は、本人による自己情報コントロール権に基づいて「訂正、削除及び中止の請求」をする権利を定めていますが、私たちにとって、住基ネットから接続された個人情報のアクセスログを確認する手段がないことは、条例の規定を有名無実化するものであり、その理念に反するものです。

 以上の理由から、私たちは、私たちの本人確認情報の住基ネットへの外部提供の中止と、住基コードの削除を求めます。


                     久喜市                               
                     久喜市                               
                     久喜市                               
                     久喜市                               
                     久喜市                               

                    


《要望書の意味するもの》

★この要望書は、『住基ネットへの接続をやめろ』という署名用紙ではありません。
★名前をサインした人自身が、『自分の個人情報を住基ネットから外して、コードも削除してください』と、久喜市当局に対して要求するためのものです。
 個人情報は本来、「私」個人のもので、"私たちの生活の利便性を増すために、行政に預けているもの"です。私たち自身が必要のない目的のために、行政に勝手に使われるのは困ります。ただでさえ、行政が、個人情報をのぞき見していたなんて事件(氷山の一角)もありましたものね。
 ましてや、住民基本台帳事務は"自治体固有の事務(自治事務)"なのに、政府が、全自治体に対して、『住民情報を直結しろ。政府が自由に使えるようにしろ』なんて強制するのはおかしい。もちろん今は、『限られた事務だけで使う。勝手に使うなんてことはしない』と言っていますが、いったん仕組みが作られてしまえば、どんどん拡大していくというのは、この国ではよくある話です。
 いずれにしろ、住基ネットは、国民を管理しやすくするために作られた制度だということに間違いはありません。だから、私たちは、『私の個人情報を勝手に国に送るな』と、一人一人、要求したいのです。

@この「要望書」は、自分の個人情報の扱いについて要求するものですから、できるだけ本人が署名してください。
A1回目は11月中に提出します。その後も、第2次、第3次と出していきましょう。
 個人、あるいはグループで、【久喜市役所の市民課に持参して、課長に手渡す】か、
【久喜市長あてに郵送する】方法もあります。

《要求事項・理由の解説》

1.私たちは、住基ネットへの個人情報の提供に同意していません。
 久喜市個人情報保護条例は第8条で、個人情報の「目的外利用」及び「外部提供」を原則禁止し、例外として、(1)本人の同意があるとき、(2)法令等に定めがあるとき、(3)個人の生命、身体又は財産の安全を守るため緊急かつやむを得ないと認められるとき、(4)前3号に定めるもののほか、実施機関が審議会の意見を聴いて必要があると認めたときを定めています。
 また、同条第3項で、「実施機関は、第1項第3号又は第4号の規定により目的外利用等をしたときは、速やかにその事実を本人に通知しなければならない。ただし、審議会の意見を聴いて特に必要がないと認めたときは、この限りでない」と定めていますが、私たちは「その事実を本人に通知」されておりません。
 第4回久喜市情報公開・個人情報保護運営審議会(2002年6月26日)会議録及び「電子計算機の結合による個人情報の外部提供について(答申)」で、『電子計算機の結合による提供については、やむを得ない』と結論付けていますが、そこでも「本人への通知の必要がない」と認めたという事実は記載されておりません。
 これは久喜市個人情報保護条例に違反するものです。

 また、条例によれば、目的外利用等の条件は「本人の同意」が基本です。久喜市が、住基ネットに関する市民への充分な周知をしないまま、本人の同意なく住基ネットに接続したのは、久喜市個人情報保護条例第1条(目的)、第3条(実施機関の責務)に掲げる理念「個人の権利利益の保護」「基本的人権の擁護に資することを目的とする」に反します。
2.久喜市個人情報保護条例第10条は「審議会の意見を聴いて、公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害しないと認めるときを除き、通信回線を用いた電子計算機又は電子計算機の端末機の結合による実施機関以外のものへの個人情報の提供をしてはならない」と定めています。
 行政機関への一部の申請・届け出において住民票の写しの添付を省略したり、他の自治体において住民票の写しが取れる、転出入の手続きの簡略化ができることなどは、「公益上の必要」とは認められません。
 かえって、個人情報を、国、都道府県の行政機関、(財)地方自治情報センターなどの第三者機関、全ての自治体で、本人の知らない内に、個人情報を入手できる危険性を増し、「個人の権利利益を侵害」するおそれがあります。

3.久喜市個人情報保護条例第9条は「個人情報を実施機関以外のものに提供する場合において、必要があると認めるときは、提供を受けるものに対し、当該個人情報の使用目的若しくは使用方法の制限その他必要な制限を付し、又はその適正な取扱いについて必要な措置を講ずるよう求めなければならない」と定めています。
 しかし、先の「電子計算機の結合による個人情報の外部提供について(答申)」や久喜市で定めている「住基ネットワークシステムセキュリティ確保のための作業手順」においても、「提供を受けるものに対し」「必要な措置を講ずるよう求め」ていないことは、条例に違反するものです。

4.国、都道府県の行政機関、全ての自治体において、個人情報保護に対する漏えい、滅失及びき損の防止や、適切な管理のための確固たる措置が取られないまま住基ネットに接続するのは、住民基本台帳法の規定(第30条の33「受領者等による本人確認情報の安全確保」、第36条の2「住民票に記載されている事項の安全確保等」、附則第1条の2「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所用の措置を講ずるものとする」)に違反します。
 また、久喜市個人情報保護条例第11条で定める「個人情報の改ざん、滅失、き損その他の事故を防止」「個人情報の漏えいを防止」するために「必要な措置を講じなければならない」とする規定に違反します。

5.久喜市個人情報保護条例第19条は、本人による自己情報コントロール権に基づいて「訂正、削除及び中止の請求」する権利を定めています。
 しかし私たちは、住基ネットから接続された個人情報のアクセスログ(いつ、誰が、どのように利用したか)を確認する手段がありません。これは条例の規定を有名無実化して自己情報のコントロールを不可能にするものであり、その理念に反するものです。
 以上の理由から、私たちは、私たちの本人確認情報の住基ネットへの外部提供の中止と、住基コードの削除を求めます。

★「個人情報訂正等請求書」は、個人情報保護条例に基づいて、公文書館に請求するものです。 
 必ず本人が請求しなければなりません。【免許証か健康保険証が必要です。】
★平日の午後5時までに本人がいかなければならないので、無理な場合には、
 市長あての『要望書』だけに提出でもいいと思います。《どちらでも回答は来ます。》

問い合わせは、 23-2471 猪股まで


住基ネットで、個人選択制を要求
9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』238号 2002/11/5

 8月から“住民基本台帳ネットワーク”が稼働し、久喜市の全市民のデータも、県を通じて政府(地方自治情報センター)に送られました。一方で、横浜市では市民の選択制、杉並区や国分寺市、その後、中野区でも接続を取りやめました。
 本来、市民の個人情報は当該個人のものです。久喜市個人情報保護条例でも、情報の“外部提供・目的外利用”を原則禁止し、本人の了解や個人情報保護運営審議会の承認があった場合などに例外的に認めているにすぎません。そこで私は、「個人情報の保護は市民の権利であり、外部提供などは本人の承認のもとに行うべきである。一律かつ事実上強制的な個人情報の提供をやめ、個人の意志による選択制とすべき」と主張。−また、情報漏洩や不正使用のおそれが認められたときは、ネットワークへの接続の停止を個人情報保護条例に明記すべきであると要求しました。
 当局は、「選択制は認められない」。市長も「個人情報の不正使用に関しては、法で通常より重い罰則がある(からだいじょうぶ)」などと、“行政のやることに間違いはない”と言わんばかりの答弁です。−行政による個人情報の不正利用・のぞき見や漏洩が続発している事実があるのに、役所を無条件に信用できるでしょうか。
 羽生市では9月議会で、『市民の基本的人権が不当に侵害されるおそれが生じたときは、当該結合の停止及びその他の必要な措置を講じなければならない』と個人情報保護条例を改正しました。市民の立場に立てば、これくらいの規定は当然のはずですが、久喜市は「不正アクセス等があった場合に緊急に切断することは法の趣旨に反するものではない。しかし条例化は考えていない」と、わかりにくい答弁。−久喜の行政も市長も、市民の個人情報保護に対する認識が低すぎます。


久喜市の審議会等の会議の公開を進める条例を提案
『声と眼』235号 2002/9/9

 大地で「久喜市審議会等の公開に関する条例」を作り、9月議会に議員提案で提出しました。
 久喜市ではすでに公開指針が定められているのですが、事務局職員や当該の審議会委員の認識不足で非公開にされてしまったこともあります。やはりしっかりと条例で決めておく必要があります。

久喜市審議会等の会議の公開に関する条例
【2002年10月4日、本会異議で全会一致、可決】

(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づく市民の知る権利にのっとり、審議会等の会議を公開することにより、透明かつ公正な会議の運営及び市民の市政への参加をより一層促進し、市政に対する市民の理解と信頼の確保を図り、もって公正で開かれた市政の実現を推進することを目的とする。
(対象とする会議)
第2条 この条例の対象とする会議は、市の事務又は事業について市民の意見、専門的知識等の反映及び公正の確保を図るため、市民、学識経験者等を構成員として市長その他の執行機関に設置された審議、審査、調査又は調停を行う審議会、審査会等(以下「審議会等」という。)の会議とする。
(会議の公開の原則)
第3条 審議会等の会議は、これを公開する。
(不服申立て等に係る会議の非公開)
第4条 前条の規定にかかわらず、不服申立て、苦情、あっせん及び調停に係る会議は、非公開とする。ただし、審議会等は、次に掲げる場合においては、会議に諮り、口頭審理等(審議会等が不服申立人、苦情の申立人又はあっせんもしくは調停の当事者から意見等を聴取する審理等をいう。)を公開することができる。
(1) 不服申立て又は苦情に係る口頭審理等について当該申立人から公開の申立てがあるとき。
(2) あっせん又は調停に係る口頭審理等について当該当事者の双方から公開の申立てがあるとき。
(非公開とすることができる会議)
第5条 第3条及び前条ただし書の規定にかかわらず、審議会等は、会議に諮り、審議等の内容が次の各号に掲げる事項のいずれかに該当するおそれがあると認めるときは、その会議の全部又は一部を非公開とすることができる。
(1) 法令又は条例の規定により、公にすることができないとされている事項
(2) 個人に関する事項(事業を営む個人の当該事業に関する事項を除く。)であって、当該事項に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる事項を除く。
ア 法令その他の定めにより又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている事項
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる事項
ウ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該事項がその職務の遂行に係る事項であるときは、当該事項のうち、当該公務員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分並びに当該公務員の氏名に係る部分であって、公にしても当該公務員の個人の権利利益を害するおそれがないと認められるもの
(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する事項又は事業を営む個人の当該事業に関する事項であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる事項を除く。
ア 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該事項の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 市及び国等(国又は他の地方公共団体をいう。以下同じ。)の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する事項であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(5) 市又は国等が行う事務事業に関する事項であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務事業の性質上、当該事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
(6) 公にすることにより、人の生命、健康、生活又は財産の保護その他の公共の安全及び秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある事項
(会議開催の事前公表)
第6条 実施機関は、審議会等を開催するに当たっては、次の各号に掲げる事項をあらかじめ公表しなければならない。ただし、緊急に審議会等の会議を開催する必要があるときは、この限りでない。
(1) 会議の名称
(2) 開催の日時及び場所
(3) 会議の議題
(4) 会議の一部又は全部を非公開とする場合の措置とその理由等
(5) 傍聴の定員(会議を全部非公開とする場合は不要)
(6) 傍聴手続(会議を全部非公開とする場合は不要)
(7) 問い合わせ先
2 前項の公表は、当該会議の開催日の1週間前までに行うよう努めるものとする。 
(会議の傍聴)
第7条 何人も、審議会等の会議が非公開とされたときを除き、審議会等の会議を傍聴することができる。
(会議資料の配布又は閲覧)
第8条 審議会等の会議が公開されるときは、傍聴する者に会議資料(久喜市情報公開条例(平成12年久喜市条例第53号)第7条各号のいずれかに該当する情報が記録されている部分を除く。)を配布又は閲覧させなければならない。
(会議録の作成)
第9条 実施機関は、審議会等の会議について、会議録を作成しなければならない。
(会議録の写しの閲覧)
第10条 実施機関は、公開された審議会等の会議に係る会議録の写しを閲覧に供しなければならない。
(運営状況の報告及び公表)
第11条 実施機関は、毎年1回、この条例の運営状況について公表しなければならない。
(特別の定めがある場合の取扱い)
第12条 審議会等の会議の公開等について法令に特別の定めがあるときは、その定めるところによるものとする。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。

附 則
 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

★水道料金の値上げを審議している水道事業審議会が、7・8月の会議を非公開にしてしまった。助役や部長に強く抗議し、9月からは公開になった。★


住基ネットの個人選択制を求める
久喜市長に要望書を提出

『声と眼』235号 2002/9/9

 8月27日、下記の要望書を久喜市長あてに提出しました。
 地方政治改革ネット(埼玉県東部地区の地方議員らで作っている組織)で、先週から東部地区7市町(久喜市、春日部市、八潮市、三郷市、越谷市、宮代町、吉川市)に対して提出してきました。
 この日は、久喜で猪股の他、宮代・加納町議、春日部・片山市議、八潮・矢澤市議が参加し、浅子助役(田中市長は青少年マリンセミナーで不在)に要望書を手渡し、9月上旬までに文書で回答を出すよう求めました。

2002年8月27日

久喜市長  田 中 暄 二 様

久喜市議会議員 猪 股 和 雄
久喜市議会議員 石 川 忠 義
久喜市議会議員 渋 谷 晃 次

住民基本台帳ネットワークシステムへの接続は
本人の選択とすることを求める要望書

 8月5日の住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という)の稼働にともない、全市民の住民票コードが世帯ごとに送付されました。
 この住基ネットに関しては、以下のような疑義が持たれ、接続を拒否する自治体や、選択制を採用した自治体が続出し、国民的に不安の声が高まっています。
1.住民票コードという11桁の番号によって個人情報を1か所に集められることによって、国民の個人のプライバシーを守る権利を侵害する恐れが飛躍的に高まります。
  まして、入力ミスなどの人為的トラブル、誤作動等による機械的トラブルは避けがたく、いかにクローズされたシステムによっても、基本設計データの流出やサーバーの取り扱いによって、100%データの流出を防ぐことは不可能とされています。
2.プライバシーを守る権利の基本は、自己情報をコントロールする権利の保障です。
  個人は自己の情報の提供を、必要最小限にとどめることを求める権利を有していますが、今回の住基ネットの実施により、個人情報が当該個人の手を離れ、コントロールする術を失うことになります。
3.今回の住基ネットへの個人情報の提供は限定されているとはいえ、法の構造が「省政令」委任形式を取っていることから、行政側の都合によって提供される情報が拡大されていく可能性が非常に高く、当該個人が知らない間に、個人情報の目的外利用が広げられていく危険性があります。
  したがって、自己情報コントロール権を失わせることにつながる住基ネットに、国民を一律かつ実質的に強制参加させることは認められません。
4.住民基本台帳業務は自治事務であり、各自治体は住民の個人情報を保護する立場から、住民個人個人の住基ネットへの参加(情報提供)をする場合、住民個人の意思を尊重し、各々の意思を確認した上で実施するべきです。
  上記の理由から、以下の2点を要望するものです。

1.住民基本台帳ネットワークシステムに個人情報を接続しようとするときは、本人の選択制とする。
2.住民基本台帳ネットワークシステムへの接続を拒否した市民の住民票コードは、削除すること。

以上


住民基本台帳ネットワークが稼働へ
2002/6月定例市議会 猪股和雄の一般質問
『声と眼』233号 2002/7/29

 すべての国民に11ケタの番号を付けて管理する住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)が8月5日から稼働します。すでに7月16日に久喜市全市民の住民情報をオンラインで県に送り、22日から住民の出生、死亡、転出入などを送信する試験運用も開始。これまで久喜市ではトラブルはないようですが、全国では送信不能などの異常も−。
 久喜市民の個人番号は、8月14日以後、世帯ごとに郵送で通知されることになっています。
 住基ネットは、住民票データの内、氏名、住所、生年月日、性別、番号と、これらの変更履歴を総務省の外郭団体である地方自治情報センターが一元的に管理して、これらの情報を政府が93の事務で利用。当初は「システムを安易に拡大しない」としていたものの、政府は今年6月に、利用対象事務を264に広げる法改正案を提出しました。さらに政府は、税情報への拡大(納税者番号制)も視野に入れています。民間企業の共通番号化も容易に…。

個人情報を守れない住基ネット
国民の管理統制に向かう危険も

 四日市市では市の職員が市民の個人情報を業務外でのぞき見行為をしていた不正疑惑(21日、朝日新聞報道)。過去にも住民情報の漏出事件が何度もありました。これらは公務員のモラル=守秘義務では防げません。また防衛庁の情報公開請求者リストの作成は、政府自身が違法承知で国民の個人情報を操作していたわけで、政府による個人情報管理が国民統制につながる危険もあります。
政府が住基ネット稼働の条件であると言ってきた個人情報保護法は成立の見通しは全くなく、こんな状況では、個人情報を事実上政府に直結させる住基ネットの8月稼働は延期するべきです。
 国会では「住基ネット凍結法案」を提出する動きが出ています。一方、地方自治体では福島県矢祭町が住基ネットへの接続拒否宣言。杉並区も住基ネットの離脱もありうる「住基プライバシー条例」を施行。埼玉では和光市、東京の国分寺市が稼働時期の延期を総務大臣に申し入れ。6月末までに70近い地方議会(熊谷市など)が稼働の延期を求める意見書を可決して政府に送っています。

すべての日本国民に11ケタのバーコード
…私はイヤだヨ!!

★住基ネット「凍結法案」に、亀井静香など自民党議員の一部も賛成を表明。高知県の橋本知事も「相当危険だ」と住基ネット反対を表明。★


情報公開条例、規則案を見直し
『声と眼』200号 2000/12/18

 市の新・情報公開条例は定例市議会最終日の21日に可決される見通し。条例の中で、市が出資している法人についても情報公開の制度導入の努力を義務付けるとしたものの、規則案では「出資比率50%以上」の法人だけを対象にしていました。
 質疑で石川市議と私が、出資比率だけでなく、業務内容など、市行政との関係を総合的に考慮して対象にするべきであると主張。市長が、50%未満の法人も対象にするように、規則を改める考えを表明しました。
【2つの法人が出資比率100%。49%の法人もあるのに、対象外なのは不合理です】
★今回で、記念すべき200号。21世紀の最初の号が201号。(意図的に号数を数えて調整したわけではありません)。★


11月28日から定例市議会
新・情報公開条例を提案
『声と眼』199号 2000/12/4

 92年に制定された「公文書公開条例」を全面改定。K目的に「市民の知る権利」「公文書の公開を請求する権利」「市の諸活動を市民に説明する責任」を明記。K公文書の範囲に、磁気ディスクなどの電子情報を含め、K「実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているもの」と規定。決裁前でも、職員が作成した文書は、決定過程の情報や、資料として作製して組織的に共用されているものも公開の対象となります。K公開を請求できる者は「何人も」と規定。K「非公開」の場合でも、その後1年以内に公開できるような場合には、時限公開の規定を新設。
◆「市が出資する法人」も、「情報公開を行うための必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と努力義務を規定。しかし出資比率50%以上の法人に限っていて、開発公社やスポーツ文化振興事業団は対象になりますが、西口ビル管理会社(49%)は対象外。対象をもっと拡大すべきです。






審議会会議録は1か月以内に整備
9月定例市議会 猪股和雄の一般質問
『声と眼』195号 2000/10/2

 久喜市では審議会等の会議はすべて原則公開。また「会議録の公開に関する基準」を定め、会議録が公文書館に備え付けられていて、いつでも誰でも閲覧できます。昨年は会議録ができるまで2か月以上かかる場合も多く、3月議会で期間短縮を要求。それでもいまだに審議会によっては1か月以上かかるものも。中には、できあがっているのに、会長の承認印が遅れて担当課でたなざらしになっていたり…。
 そこで、市民に開かれた市政を進めていくために、会議録の整備をいっそう早め、関係課に徹底するよう要求。当局は「安易な遅れは厳に慎むよう徹底していく。全課に通知を出して、その中で会議録整備の期間を《おおむね1か月以内》とするよう明記する」と答弁しました。


今年中に情報公開制度の抜本改正
3月定例市議会 猪股和雄の一般質問
『声と眼』186号 2000/4/10

久喜市の情報公開制度は93年に開始してすでに7年。その後、全国で情報公開制度が実現し、時代遅れの規定も多くなっており、大幅な改正が必要です。
 改正すべき課題について当局は、@市民の「知る権利」、行政の「説明責任」について『明文化する』。A現在の公開請求者は市民(市内在勤・在学者を含む)となっています。私はこれを「何人も」とするよう要求。当局は『請求者の範囲を拡大する』と答弁。B現在は電子情報については対象外ですが、『対象にする』。C現在は検討過程情報は非公開とされていますが、非公開の範囲をさらに限定する考え。D時限開示(一定の時期をおけば公開できる)の規定を『導入の方向である』と答えるなど、前向きの姿勢を明らかにしました。
 すでに《公文書公開・個人情報保護運営審議会》に対して諮問を行い、審議が行われています。6月ごろには審議会の結果が報告され、今年12月議会に条例改正案を提案したいとしています。


情報公開制度の見直しを
『声と眼』1999/3/15 No.163

 7年前に制定された久喜市の公文書公開制度。「知る権利」の明記やコンピュータ情報など公開対象の拡大など、制度の見直しを求めました。★当局は、99年度後半から来年にかけて見直し作業に入る方針を表明。運営審議会に対して、それらの具体的な項目をあげて諮問することを約束しました。★予算要求資料などの検討過程情報についても、今後は原則公開としていく考えが示されました。


個人情報保護制度実現へ
『声と眼』162号 1999/3/1

 93年に情報公開制度が実現して以降、これと一体をなすべき制度として要求してきた個人情報保護条例が市議会に提案され、10月から施行される予定です。
 T これは、市民が市の保有する個人情報の内容を明らかにさせ、誤っている場合には訂正させる権利を定めたもの(第1条)。議会なども含めた市役所全体について、公文書・コンピュータ情報・磁気テープとディスク情報を対象としています(第2条)。

 U 「取り扱いの制限」では、思想信条などに関わる個人情報の収集を禁止(第5条)。本人から直接に収集することを原則とし(第6条)、収集した個人情報の目的外利用や外部提供の禁止(第8条)。さらに市民が、自分の個人情報がどうなっているかを知るために、市役所は個人情報の目録を作成し、市民の閲覧に供さなければなりません(第7条)。
★ただしそれぞれについて例外規定も設けられ、不十分だといわざるをえません。

V 市民は、自分の個人情報の開示を請求する権利を持ち(第12条)、その手続きも規定され、15日以内に開示することになっています(手数料無料。コピー代は自己負担)。

本人に知らせるのがあたりまえ

 ★しかし、▼第三者情報を含む場合や、▼個人の評価・診断・選考・指導・相談等に関わるもの、▼検査や指導等に関わる個人情報、事務事業の検討過程の情報などで、「事務事業の円滑な執行を著しく困難にするおそれのあるもの」は「開示しないことができる」という規定(第13条)はきわめて時代遅れ。試験成績や選考の判定を本人に知らせるのはあたりまえのこと。市民が行政と相談や交渉を行って、その内容がどのように記されたかを、本人が知ることは当然の権利です。【進んだ市では試験成績や内申書の開示、厚生省はレセプトやカルテの開示も打ち出しています】

 W 「非開示」等で不服があるときは「公文書公開・個人情報保護審査会」に申し立てをすることができます(第23条)。

X 当然のこととして市民は、自分の個人情報について誤りがあれば、「訂正、削除」の請求を行うことができます(第19条)。

民間事業者にも「責務」

 Y 第25条から第29条では、市の委託業者や市が出資する法人も公的性格を有するため、個人情報保護の措置を講ずる責務を負わせています。また民間の事業者に対しても、「個人情報の適正な取り扱いに努め」なければならないとし、不適正な取り扱いについては是正勧告を行い、従わなかったときは「その事実を公表することができる」と明記して、民間についても個人情報保護の施策を推進することになります。★しかし罰則規定はなく、具体的な保護対策についてはそれぞれの事業主体にまかされるなど、実際の効果については疑問が残ります。外部機関や民間に対しても、もっと強力な保護対策を講じるよう義務付けておくべきではないでしょうか。
 これらいくつかの問題点を残しながらも、個人情報保護制度の実現は大きな前進。一定期間後に見直し作業を行うよう、求めていきたいと思います。