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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 692号
2025年 6月 9日


692号ファイル

 『声と眼』
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【6月市議会】 学校やコミセンの外壁改修工事を追加

 6月市議会の一般会計補正予算で、コミセンや小中学校の外壁改修工事の費用が追加計上されることになりました。
久喜市では公共施設の維持管理を削減し続けてきた結果、公共施設や学校の外壁落下や雨漏りなどが、もうこれ以上放置できないほどに頻発してきました。
そこで一昨年から小中学校の外壁改修や屋上防水工事を集中的に行ってきました。
今年度当初予算でも多くの小中学校の改修工事が予定されていますが、いまだに改修完了のめどは示されていません。

 6月市議会の補正予算で、
(1)栗橋小、東鷲宮小学校の外壁改修工事の設計費708万円が計上されました。
これは教育部から当初予算で予算要求がされていたのに見送られていました。
(2)久喜中央コミセンも外壁改修工事費4595万円が予算化されました。
これも昨年までの建築基準法に基づく点検で異常が指摘されていたものです。
栗橋コミセンの老朽エアコンの改修工事6464万円も計上されました。これらはいずれも当初予算への計上を見送ったものの、結局は補正予算で対応せざるを得なくなりました。
2か月遅れでようやく改修が進められることになりましたが、市長と財政当局の判断が遅すぎます。

【6月市議会】 PCB廃棄物の緊急調査と処理

(3)市内の小中学校や公共施設の電気設備、配電盤などに有毒物質のPCBが使用されているおそれが指摘されています。
PCBはすでに製造や使用が禁止されています。
低濃度PCB廃棄物は2027年までにすべて撤去し、処理を行うことが義務付けられていますが、久喜市では実態の把握もできていませんでした。
2月市議会で指摘を受けたことを踏まえ、緊急に栗橋行政センターや栗橋中央コミセン、全部の小中学校の電気設備などのPCBの調査と撤去工事・処理を実施することになりました。
各施設のPCB対策で総額6790万円が計上されています。

 これまでに全国の多くの自治体ではPCB廃棄物の処理が進んでいますが、久喜市はこれから調査に取りかかることになります。


【6月市議会】 財政調整基金が20億円にまで半減

 6月市議会に提案された一般会計補正予算で、公共施設の外壁改修や、市の施設設備に残ると思われるPCBの調査、処理費用が追加計上されたされました。

 これらの公共施設の改修工事、PCB調査・処理事業の財源のほとんどを、財政調整基金2億3000万円を取り崩してあてることにしています。本来は当初予算に計上して、歳入の範囲内で補助金や他の事業の見直しなどで財源を確保するべきでした。財政調整基金を安易に取り崩すべきではありません。
 財政調整基金は災害時などに備えて積み立てておくべきものです。久喜市の財政規模で30億円程度が適正とされていますが、今回の取り崩しで、24年度末残高39億8660万円から25年度末は20億5389万円に半減する見込みです。またすべての基金の総額も約65億円から37億円へと大幅に減少しています。

【6月市議会】 公共施設計画の見直し 検討委員会を設置

 公共施設個別施設計画検討委員会を開催するため、委員報酬が補正予算に計上されました。

 市は昨年2月に、久喜地区の地域集会施設をすべて廃止する計画を決定しましたが、東町集会所などの周辺住民と利用者から「広域的に利用されている施設なので存続させてほしい」という要求が上がっていました。
存続を求める3000名を超える署名が集まって、市長と話し合いを重ねた結果、久喜東コミセンの分館として存続することになりました。
また6月2日には本町集会所の周辺住民や利用者から市長に4000名の署名で存続を求める要望書が提出されています。

 これらの集会施設の廃止は「公共施設個別施設計画」で明記されているため、検討委員会で計画変更の手続きを経なければなりません.
今後、検討委員会委員を公募して委員の選任を行った上で、計画の改正を諮問することになります。

東鷲宮の立体通路 さらに建設費膨張か

 東鷲宮駅東口の立体通路は、橋が架かれば通行できると説明されていましたが、4月から工事がストップしたままです。
昨年にはエレベーターなどの工事も入札ができず業者が決まりませんでしたが、やっと4月にエレベーターとエスカレーターの入札、5月に橋の屋根部分の入札が行われました。
これらの設備は工場で製作して現場に搬入し、秋以降に工事を再開して、来年3月までにすべてが完成してから通行できるようにする予定です。

 最初は建設費は3~4億円と言われていました。
その後、エスカレーターが追加されて、測量費や地質調査が必要になったり、公共事業の工事費の高騰も続いているため建設費が膨れ上がっています。
これまで橋桁の製作に2億5500万円、建設工事費約5億円、30年間の維持管理費1億3000万円、30年後にはコミセンの賃貸契約が終わるので立体通路の撤去費用が2億円余で、総経費は8億3600万円と説明されてきました。
あらためてやり直しの入札を執行した結果、機械設備と建設費が大きく増額となったようですが、まだ金額は公表されていません。


高田橋 腐食が進む手すりの改修は

 青毛堀川の高田橋の手すりが赤さびだらけ、腐食も進んで支柱に穴が開いています。
何度も取り上げてきましたが、市はその都度、指摘された腐食部分だけを補修してすませています。
しかし実際には補修した箇所以外にも、手すりの継ぎ目が腐食してぼろぼろになっている箇所もあります。
老朽化が進んだ高田橋の全面的な改修を進めるべきですが、これまでのところ、改修の見通しはまったく示されていません。

 高田橋は吉羽・久喜駅方面と青葉地区をつなぐ歩行者・自転車道ですから通行量がたいへん多い橋です。
散歩中の市民は、『手すりが赤サビだらけで触りたくない』『子どもがケガしそうで、手すりに触れないように言っている』と話していました。
また『どうして赤サビや腐食防止の対策をしないのか』『指摘された箇所だけ補修して済ませるのでなく、橋全体のペンキ塗り替えくらいしてほしい』との声もあがっています。


市議会で「ふるさと住民登録」を提言してきた

  政府が進めている地方創生の基本構想案が示されました。
その目玉の一つで、居住地以外の自治体の関係人口を増やすため、「ふるさと住民登録」の制度を創設することが盛り込まれました。

 その自治体に居住していなくても、出身者やふるさと納税をしてくれた人に登録してもらって、「ふるさと住民票」を発行している自治体があります。
実は私自身も高知県馬(うま)路(じ)村(むら)の「特別村民」になっています。
一度も訪れたことはないのですが、ユニークなまちづくり政策に興味を持って登録したら、手作りの「広報」や記念品が送られてきて、ふるさと納税をしたこともあります。
人口900人未満ですが、村外の特別村民が1万人以上も登録しているそうです。
私は市議会で『久喜市の出身者やふるさと納税をしてくれた方々とのつながりを深めるために、「ふるさと住民票」や「特別市民証」の発行』を提案しています。
2017年くらいから何度も提言してきたのですが、市は『研究する』という消極的な姿勢に終始してきました。
今後、国が「ふるさと住民登録制度」として導入する方向になりましたが、久喜市でなぜもっと早く導入できなかったのかなあ…。


★市民の政治を進める会で5月に、《深谷市の自動運転バス導入実証実験》、さいたま市の《シェアサイクル・マルチモビリティ実証実験》の取り組みを視察してきました。★