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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 690号
2025年 5月 7日


690号ファイル

 『声と眼』
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市役所の4時半閉庁 再検討を求める

 久喜市は7月7日から市役所と各行政センターなどの開庁時間を8時45分~午後4時半に短縮、庁舎玄関も施錠して市民の対応はしない方針が決定されました。
電話受付も4時半で終わり、それ以降は警備員室で対応すると言っていますが、1回線しかないのでつながるかどうか…。
市民サービスの大幅な切り捨てにもかかわらず、市長が市議会に『時間短縮を決定した』と報告しただけでこのまま強行する構えです。
市民にはホームページや市役所のポスターなどでお知らせしていますが、疑問や反対の声をまったく受け付けない姿勢では、市民の理解が得られるはずはありません。
全国では20以上の自治体で実施していると言いますが、県内では志木市に次いで2市目です。
なぜそんなに急ぐのでしょうか。

 愛知県東浦町では9月までを試行期間にして、住民アンケートで効果や課題を検証しながらていねいに進めています。
久喜市は“市長が決めたのだから従え”というのではあまりにも乱暴です。

 市では時間短縮することによって、始業前の準備や終業後の事務処理の時間を確保して時間外勤務を減らすことができると説明しています。
しかし時間外勤務を減らすのが目的なら、窓口担当職員を早番・遅番(たとえば8:15~17:00、9:00~17:45など)に分けた方が有効ですが、そんな検討もしていません。

 私たちは、試行期間を置いて段階的に実施してはどうか、早番・遅番制などの改善策も検討すべきだと提案しています。
梅田市長に再考を求めます。

2024年度 定例・臨時市議会 全議員の発言回数等調査集計

 

久喜市議会は議案審議の発言が少ない

 (1)議会は地方自治法で議決機関と定められています。
議案質疑は予算や条例案の問題点を指摘したり修正を求める最も基本的な機能ですが、議案質疑をほとんどやらない議員もいます。
(2)議案の賛否の理由を述べる討論も議会の基本ですが、かなり低調です。
(3)市政の課題についての質問や政策提言を行う一般質問は、何を聞いてもいいので比較的活発です。

 議会は市長に対するチェック機関ですから、もっと議案の審議に力を入れるべきです。
市長の提案にただ賛成するだけでは議員の責任は果たせません。

議員の質問に職員からの批判もある

 市の職員からは、『議員が一般質問で何回も同じ質問を繰り返す、
窓口で相談すればすむような内容のものまで質問する』という批判もあります。
一方で議員の提案に対して、執行部からは『現在のところ考えておりません』という紋切り型の答弁が繰り返されたりもします。

★市民に議員の発言実態を知らせるのも議員の責任と考えている。
それに対して、猪股がこんな表を出すから議員の質問が増えて忙しくなると非難する職員もいたりするのだが、地方自治法も議会の役割も理解していないようだ。★
【⇒Blog 議会のハラスメントアンケートについて(10)へのリンク】

生活保護世帯数が過去最多を更新

 コロナ禍以降、久喜市内でも生活保護の受給世帯数が増え続けていて、昨年7月には過去最多の1438世帯(1843人)に達しました。
その後は少し減ったものの1400世帯を超える状態が続いています。

 市の生活支援課への困窮者からの相談も、昨年の上半期はやや落ち着いていましたが、下半期には再び増加傾向に転じ、毎月50件以上、年間で600件(前年度比9%増)にのぼりました。
保護申請や新たに生活保護の支給が決定した世帯数も年間200件を超えています。
大企業を中心に賃上げが進んでいるものの、インフレで実質賃金は低下し、中小零細企業や高齢者、母子家庭などで格差と貧困が広がっています。

1年間の合計件数 年度末の実数
年度 相談件数 申請件数 保護開始 生活保護
世帯数
生活保護
人数
2018年度 568 242 191 1321 1819
2019年度 479 201 154 1316 1775
2020年度 521 241 178 1336 1765
2021年度 537 252 174 1357 1777
2022年度 521 255 173 1378 1787
2023年度 566 299 214 1421 1837
2024年度 617件 283件 211件 1423世帯 1798人

24年度、月ごとの集計
   相談件数 申請件数   保護開始 生活保護
世帯数 
生活保護
人数 
4月 54 23 13 1418 1839
5月 59 36 22 1433 1853
6月 35 15 18 1434 1848
7月 45 31 18 1438 1843
8月 46 19 19 1438 1835
9月 50 14 12 1430 1827
10月 63 27 17 1429 1828
11月 48 22 14 1418 1817
12月 50 21 22 1424 1809
1月 51 22 18 1427 1804
2月 51 27 17 1422 1800
3月 65 件 26件 21件 1423世帯 1798人

ひとり暮らし高齢者の生活窮迫が増加

 生活保護世帯の内訳では、1423世帯の内、高齢者世帯が742世帯(52%)で年々増え続けています。特にひとり暮らし高齢者世帯の生活保護が増えています。
高齢者夫婦で暮らしていてひとり暮らしになって、年金だけでは暮らしていけなくなっている実態が現れているのではないでしょうか。

25

3
単身世帯数 2人以上の世帯数
高齢者 障害者 傷病者 その他 高齢者 障害者 傷病者 母子 その他
673 180 126 172 69 28 32 37 106
1151世帯(1151人) 272帯(647人)
24

3
単身世帯数 2人以上の世帯数
高齢者 障害者 傷病者 その他 高齢者 障害者 傷病者 母子 その他
667 173 126 160 74 30 35 48 108
1126世帯(1126人) 295世帯(711人)

社協にも年間500件超の相談があった

 社会福祉協議会でも生活困窮者自立支援事業に取り組んでいますが、毎月新たに30~50件以上の方が相談に訪れています。
1年間の相談件数は507件にのぼり、債務の相談67件、家賃や公共料金・医療費の支払いに関すること32件、就労の相談21件など多岐にわたり、返済不要の住居確保給付金の支給が26件にのぼりました。
生活保護にあたると判断されて、市の生活支援課を紹介されたケースも20件あり、その内の16件が生活保護の申請に結びついています。

★SNSなどで、生活保護の増加がみんな「外国人の不正受給」であるかのような差別的書き込みがあるが、それらは外国人差別のヘイトと言うしかない。
実際には久喜市での外国人の生活保護は36世帯61人で、日本人より比率は低い。★

青毛堀の高田橋の改修は先送り

 高田橋は建設後50年超で、手すりは赤サビだらけで腐食が進んでいます。
昨年、一般質問で改修を求め、建設部長が『早期の補修を検討する』と答弁しました。
3月までに一部だけ補修したものの、他の手すりの腐食や赤サビはそのままで、市ではこれ以上の改修予定はないと言っています。
市民からは『これで終わり? 呆れた』『手すりのペンキの塗り直しくらいしてほしい』という声が上がっています。

 久喜市では公共施設の老朽化が進んで学校の外壁の落下などが続発したため、市長が『今後は予防保全型維持管理に転換する』と約束しました。
しかし高田橋などの現状を見ると、これまでの事後補修から変わっていません。
直ちに改修すべきです。

参照⇒【猪股のブログ】 高田橋の老朽化、このままでいいの?へのリンク