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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』543号
2017年 12月18日
『声と眼』
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【11月市議会】 桜田小・青葉小の学童保育、新施設建設へ

  12月議会の一般会計補正予算で、学童保育施設整備費が計上されました。
(1)桜田小学校の学童保育は、今年度は60名の定員に130名以上が通っていて、校舎内の2か所の学童保育室ではもはや対応できず、現在は地区外の東コミセンの施設を使っています。
 市では校庭の屋外体育倉庫を移転してその跡地に新たな学童保育施設を建設する方針で、倉庫移転費用1195万円が計上されました。
 今後、新たな学童保育施設の設計を今年度内に完了し、来年度に建設、2019年度4月から新施設を開所する計画です。

(2)青葉小学校のあおばっ子学童保育は、学校から離れた地域交流センター内(旧青葉保育園)に設置されています。
 この施設自体が老朽化が進んでおり、他の小学校と同様に学童保育室を学校内に設置するよう求めてきました。
 設計費792万円が計上され、来年5月ごろまでに設計を終え、その後に建設工事に着工し、2019年4月に青葉小学校校舎内に新たな学童保育室を開所する計画です。

 桜田小学校学童保育も、あおばっ子学童保育も、設計は来年3月〜5月には完了する予定なのに、新施設のオープンは再来年4月とされています。
 新施設の建設に1年もかかるとは思えません。
 来年の夏休み中に工事を行って、2学期からオープンするように求めました。

【11月市議会】 総合振興計画に、原発事故の防災対策を明記すべき

 11月市議会に久喜市総合振興計画の後期基本計画(2018〜22年度)案が提案されました。

 大綱5「安全で調和の取れた住みよい快適なまち」に防災対策が記されています。
この中で地震、水害、また武力攻撃や大規模テロの対策などについては書かれているのですが、原発事故や放射性物質の拡散に対する対策がまったく触れられていません。

 2011年の福島第1原発事故で埼玉県内にも放射性物質が飛散してきました。
安全神話は崩壊し、今後、茨城県東海原発や新潟の東電柏崎刈羽原発で事故が起これば、再び私たちの地域にも影響が及んできます。
基本計画の中に原発事故への対策を明記するよう求め、総務部長の説明で、「地震や風水害などへの備え」に原発震災も含んでいるという解釈を確認しました。

3・11原発事故による影響がいまだに続いていることについては、環境中の放射性物質による汚染状況の測定・監視・対策、小中学校での放射性物質測定、学校給食食材の放射性物質検査などの対策を実施・継続することが明記されています。


【11月市議会】 市立図書館の運営委託方針が固まる

 市は市立図書館の運営を、現在の直営から民間の指定管理者を定めて委託していく方針を固めました。

 教育委員会が設置した図書館協議会で現在の久喜の図書館運営について検討していましたが、
(1)開館日数は県内最低に近い、
(2)4地区で開館時間が統一されていない、
(3)人口1人あたりの図書貸出冊数が県平均よりも低い、
(4)司書が正職員の半数程度しか確保できていない、
(5)図書館利用者が減少傾向にある、等の問題点が指摘されました。
協議会では現状の職員体制や予算ではこれ以上のサービス向上は困難としています。
これに対し、民間のノウハウを活かして指定管理者に管理運営を委託することによって、「課題が解消もしくは縮小されるのではないか」、さらにコスト削減も図れるとしています。

 しかし、運営を民間に任せれば課題がすべて自動的に解決するわけではありません。
直営から指定管理者の運営に転換する場合には、開館日の増や時間延長、司書の確保など、サービス向上の条件を明確にし、事業者の確約を得た上で進めるべきです。

★日の市議会最終日に、市長や議員の期末手当の増額を、追加議案で提案して採決までやってしまうらしい。報酬審議会にもかけずに、こんなお手盛り議案に賛成する議員は誰と誰か、注目!★

猪股市議の一般質問 1
12月6日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 これでは子ども第一の給食とは言えない

 文科省の基準では「調理後2時間以内の給食」が基本です。
久喜市の小中学校はほとんど12時半くらいに給食開始ですから、この基準を守るためには焼き物や揚げ物などの調理は10時半以降に火入れを開始するように調理計画を立てなければなりません。
質問を通じて、新学校給食センターでは配送開始時間は11時10分、調理時間1時間と予定していることが明らかにされました。
この調理・配送の計画でいくと“2時間以内”を守れない怖れが強くなってしまいます。
これから調理計画を作る中で“火入れ”開始時間を何時と設定する考えかを何度も聞いたのですが、教育部長は最後まで明言しませんでした。
当局は新センターで“2時間以内”の基準は守れなくても仕方がないと考えているようです。

食器、アレルギー対応食、市長の判断を求めたが

 教育委員会では、新センターで給食調理を開始するのに合わせて、すべての小中学校の食器をプラスチックに統一し、現在の久喜地区の強化磁器食器は廃棄する計画です。
給食審議会に出された資料では、強化磁器よりもプラスチックが大幅に安くすむとされていましたが、実際にはプラスチックは洗浄回数が1500回(耐用年数8年)で大量に更新しなければならないので、コストはほとんど変わらない(磁器の方が安い可能性もある)ことがわかってきました。

市長の判断で強化磁器への転換を決断するよう求めましたが、市長は「調理員の作業性なども考えて、プラスチック食器の結論を了とする」と答弁しました。

 新センターにはアレルギー対応の専用調理室を設置し、アレルギー物質の中で卵と乳を除いた除去食を提供する計画です。
その後、1年程度をめどに、卵と乳を他の食材に置き換えた代替食を提供できるよう取り組んでいくとしています。
しかしこれから準備期間が2年間あるのですから、センターの供用開始に合わせて代替食を提供していくことは十分に可能です。
「1年後をめど」というのは単なる先送りの言い訳に過ぎません。私は新センターで最初から代替食を提供していくように求めましたが、市長は「除去食でという計画を了とする」と答弁しました。

★センター化の強行、食器の選択やアレルギー対応も、お役所的な既定路線優先・効率優先の姿勢では、子どもを第一に考えた給食はできない。市長の政治的判断こそが求められているのではないか。★


【一般質問】 点字ブロックの上に放置自転車が…

 市内各駅の周辺で自転車放置禁止区域が指定されていますが、最近、久喜駅東口広場の歩道上に数10台の自転車が並んでいます。
買い物などで一時的に置いている他に、通勤・通学者の長時間の“放置自転車”もあるようです。
中には点字ブロックの上にかかっていて、視覚障害者の通行の支障になっているものも多くなっています。

 日ごろ市内を廻っている市の職員がだれも気付かないのか、気付いても自分の仕事でないからと見ないふりをしているのか、市が委託しているシルバー人材センターの整理員も警告や整理もしてきませんでした。最近ようやく整理員が警告札を付けたりしていますが、なかなか改善されません。

 条例では放置自転車の整理や撤去を規定しています。また放置禁止区域の標示や啓発看板の設置も必要です。
特に点字ブロック上に置かれた自転車は直ちに撤去・整理するように求めました。

【11月市議会】 自転車レーンの計画推進を求める

 今年、自転車活用推進法が施行されました。
私たちは日常的に自動車に大きく依存していますが、環境に優しい自転車の活用を進めるために、自治体で自転車活用推進計画を策定し、自転車ネットワークを形成していくことになっています。
県内ではすでにさいたま市、春日部市、上尾市など6市で「自転車ネットワーク計画」が策定されました。
久喜市ではこれまで国交省の調査に対し、「策定は考えていない」と回答していて、理由は「公共交通中心のまちづくりを進めるため」というのですが、この考え方は間違いです。
自転車活用推進法でも他市でも公共交通と自転車活用の連携を進めることが重要とされています。

 埼玉県で、久喜駅西口大通りや幸手県道の青葉地区に自転車レーンを設置しました。
市街地の主要な市道で、歩行者と自転車の通行を分離して歩行者の安全を確保するとともに、安全な自転車レーンの整備を合わせて進めていくことが課題です。
市は今後、自転車ネットワーク計画の策定、自転車レーンの設置について検討していくと答弁しました。









久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』542号
2017年 12月 4日
『声と眼』
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電力自由化で、電気料金軽減効果 5年間で1億5000万円

 久喜市の公共施設で使用する電力は2011年までは当然のように東電から購入していました。
しかし同年3月11日の東電福島第1原発事故の後、私は将来に向かって原発で発電した電力を使わないため、また電力自由化の中で市の電気料金をできるだけ引き下げるために、東電以外の電力会社への契約切り替えを提言してきました。
市では2012年度から市庁舎や小中学校など24施設の電力購入を入札で新電力(当時は特定規模電気事業者)と契約、その後、文化会館・公民館・コミセンなども入札に切り替えてきました。
2015年からは45の公共施設の電力の一括入札を実施し、(株)Fパワーと契約しています。

 2016年度は48施設で電気料金は1億3110万3984円で、東電と契約した場合の試算と比較すると約5790万円安く、30%以上を軽減できました。
前年も4000万円以上の軽減効果をあげており、これまでの5年間の累積では約1億5000万円を節減できて、市の財政運営に貢献できたことになります。

2016年度 電気料金 東電との比較 軽減率
市庁舎・総合支所 2484万円 ▲889万円 ▲26.4%
小中学校20校 5036万円 ▲2493万円 ▲31.0%
公文書館など19施設 4337万円 ▲1718万円 ▲28.4%
鷲宮・菖蒲給食センター 902万円 ▲597万円 ▲39.8%
運動公園など 351万円 ▲94万円 ▲21.2%
48施設合計 1億3110万円 ▲5790万円 ▲30.6%

 昨年度からは電力購入が完全自由化され、小規模・低圧電力の施設も対象となりました。
そこで一昨年の市議会で、すべての施設の電力購入契約を見直すよう求めました。
市ではこれまで対象外だった小規模の公共施設111か所の内、東町集会所・本町集会所・地域交流センター・はなみずき会館・鷲宮児童館・第2庁舎の6施設を新電力に移行し、都市ガス系列の“サイサン”と2年間の電力購入契約を締結しました。
東電と比較して1年間の料金軽減効果は19万円でした。

 今後、残りの100か所あまりの公共施設についても東電からの契約切り替えを進めるよう求めています。
市では新電力各社に対して入札に参加するよう働きかけを行っていく方針です。

衛生組合も新電力に切り替え

 衛生組合でも久喜宮代清掃センター、菖蒲清掃センター、八甫清掃センターなどすべての施設の電力契約を、昨年度の途中から“ミツウロコグリーンエネルギー”に切り替えました。
その結果、電気料金は2014年度1億9620万円、15年度1億8470万円、16年度は1億5987万円に下がり、東電から購入した場合の料金試算と比較すると約475万円(▲2.9%)の軽減効果がありました。

★衛生組合が電力購入契約をした、ミツウロコグリーンはソーラー発電や風力発電などを主体とした電力会社で、この契約を通じて再生可能エネルギーの拡大にも貢献することができたことになります。★

放射能対策費用など東電の賠償を

 2011年3月11日の福島第1原発事故以降、久喜市では学校給食の食材や水道の放射性物質検査、学校や公園などの公共施設での放射線測定を続けています。
最近は測定数値も安定していますが、当初は1マイクロシーベルトを超えた地点の除染作業も行ってきました。
2016年度は1288万円の経費がかかったのに対して、東電からは823万円が補償されましたが、464万円は未払いになっています。
東電は市の除染費用や人件費は補償の対象外と説明していて、毎年数百万円が未払いのままとなっています。
しかしこれらの対策経費は放射性物質を拡散させた原因者である東電が負担するのが当然です。

 衛生組合でも施設周辺やごみ焼却灰に含まれる放射性物質の測定などを続けています。
特に最終処分で埋め立てする際などには一定の基準以下でないと埋め立てが認められません。
衛生組合が放射能対策で支出した経費は、2011〜15年度までの5年間で523万9651円で、その内、東電から補償された金額は511万6626円で、12万3025円が未払いのままです。
衛生組合は16年度にも67万680円を支出していて、未払い分と合わせて東電に請求することになっています。


【久喜宮代衛生組合議会】 衛生組合のごみの最終処分先は?

 久喜宮代衛生組合では、ごみ焼却で発生する焼却灰、ばいじん、破砕残渣などの処理しきれないごみが年間約8000tも出ています。
本来は各自治体で出たごみはそれぞれの自治体が自分の区域内で処分するのが原則とされていますが、久喜市・宮代町の区域内では最終処分場を確保することができません。

 そこで一部は路盤材やセメント原料へと資源化している他、2016年度は約1300tを寄居町にある埼玉県環境整備センターや群馬県草津町の民間最終処分場に約4200万円を払って埋め立て処理しています。
衛生組合ではできるだけ埋め立てを減らすため、資源化量を年々拡大しています。
久喜宮代センターではこれまで草津町や寄居町で埋め立てていた焼却灰74tを、16年度は建設資材や路盤材等に資源化しました。
菖蒲センターも埋め立て量を610tから458tに減らして資源化を進めています。
衛生組合全体では、2016年度は最終処分場への埋め立て量は前年の1679tから20%減、資源化量は前年の3907tから4237tへ8%増となりました。

今後、最終処分量を減らすためにも、いっそうのごみ減量が至上命題です。

機構改革で市民の利便はどうなる

 11月20日に開かれた市議会全員協議会で、来年4月からの市の組織・機構改革の説明がありました。

 おもな変更は、
(1)現在の、10部 3総合支所 67課 179係を、来年度は10部 3総合支所 57課 171係とする 
(2)社会福祉課から、生活保護を担当する「生活支援課」を分離(新設)し、現在の生活保護第1係・2係に加えて第3係を新設
(3)学務課から「学校給食課」を分離(新設)
(4)ごみ処理施設建設推進課に、ごみ処理施設係とし尿処理施設係(新設)を置く
(5)各総合支所の市民課・税務課・福祉課を廃止して、市民生活係・戸籍市民係・社会福祉係・介護保険係・児童福祉係を置き、届け出等はこれまで通り各支所で扱えるようにする、などです。

(6)現在は本庁舎内にある「環境経済部」は来年4月から菖蒲総合支所に移転する計画です。
これに合わせて各支所の環境経済課を廃止し、本庁の庶務課または栗橋・鷲宮総合支所の総務管理課を通して「取り次ぎ」を行うとしています。
しかし本庁や他の支所の環境、商工観光・農業の幅広い業務をなくし、取り次ぎだけにしてしまって、要望や苦情など市民とのスムーズな意思疎通が後退することはないでしょうか。

(8)教育委員会事務局(教育部)は、1月から現在の菖蒲総合支所から理科大跡地に移転します。
各総合支所の「教育委員会分室」は廃止し、本庁の庶務課または支所の総務管理課を通して「取り次ぎ」を行うことになります。
これまで本庁−総合支所方式で住民生活に密着したサービスを保障してきたのですが、本庁機能を菖蒲や理科大跡地などに分散させる一方で、建設課の廃止に続いて、支所の機能を次々と縮小してしまっていいのか、疑問の声も出ています。