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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』538号
2017年 9月25日
『声と眼』
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【9月市議会】 職員の超過勤務、最長は年966時間

 2016年度久喜市一般会計の決算審査で、職員の時間外勤務の実態が明らかになりました。
職員全体の年間超過勤務時間は平均173時間ですが、17の部署がその4倍を超える年間500時間を超えていて、大きなアンバランスがあります。
各部署の業務量に職員の配置が合っていないと考えられます。

 時間外勤務時間が最も長い職員は年間966時間で、月平均で80時間を超えていることになります。
厚生労働省では月80時間を「過労死ライン」としていますから、この超過勤務の実態は明らかに異常と言わざるをえません。
さらに3つの部署で年間700時間を超える職員がいました。
市は超過勤務が多い理由を『市民と対応するのに夜間や土日に出なければならない』『新規事業があった』などと説明していますが、特定の職員に負担がかかる場合には業務を分けたり、臨時職員を入れたりして職員配置を見直すべきです。市職員は課長による“超過勤務命令”がなければ、個人の判断で勝手に残業はできないことになっています。
課長は、特定の職員の時間外勤務が過労死ラインであるのを知っていて、超過勤務を命じたのでしょうか。

 久喜市はノー残業デーを設けるなどして超勤を減らそうとしてきましたが、職員や課長の判断に任せているだけではいっこうに改善されません。
2015年に1000時間を超える職員がいたのに比べれば少しはよくなっていますが、平均の超過勤務時間数はむしろ長くなっています。
超過勤務の削減というタテマエが職員に浸透していないのではないでしょうか。


【9月市議会】 久喜市のふるさと納税がほぼ半減

 久喜市へのふるさと納税寄付額は目標の1000万円に対して2016年度は382万円で、前年のほぼ半分でした。
返礼品やコンサルタントへの手数料を除くと市の収入は約150万円です。前年からのリピーターは25%、3年連続は2%しかいないのは、久喜市からの返礼品に魅力が感じられていない(?)ということです。
一方、他市に寄付した市民の市民税控除額が5474万円ですから、久喜市の収支は“大赤字”となりました。

 ふるさと納税の制度そのものに問題もありますが、なぜ久喜市の取り組みの成果が上がらないのか、分析するように求めました。

埼玉県内40市のふるさと納税ランキング
金額は四捨五入
2016年 2015年
金額は四捨五入 金額 寄付件数 金額 寄付件数
鶴ヶ島市 3億0952万 1万1588 2億7515万 1万2337
深谷市 2億9601万 1万0968 1億7308万 3066
秩父市 2億1496万 1774 1億2545万 678
戸田市 2億1370万 1640 5048万 21
飯能市 1億6751万 7440 397万 46
上尾市 1億1097万 1347 7987万 1080
坂戸市 1億0100万 3797 5687万 2558
日高市 1億0061万 4039 4545万 2698
白岡市 9256万 5827 6364万 4059
草加市 7672万 2632 4597万 1976
春日部市 6912万 3582 1901万 1437
川越市 4820万 698 357万 121
富士見市 4162万 815 1719万 1214
行田市 3772万 1570 250万 173
所沢市 3508万 401 3695万 376
吉川市 3416万 1478 864万 376
熊谷市 2935万 1202 5090万 1927
さいたま市 2492万 361 579万 275
和光市 2267万 677 1035万 620
鴻巣市 2255万 829 1170万 701
羽生市 1874万 1748 2777万 2602
狭山市 1825万 480 436万 15
蕨市 1814万 531 18万 7
東松山市 1437万 40 1460万 65
川口市 1377万 42 520万 46
八潮市 1293万 471 216万 5
本庄市 1057万 156 893万 214
幸手市 1005万 871 3052万 2891
蓮田市 925万 763 915万 747
加須市 775万 259 1281万 47
越谷市 627万 299 702万 427
志木市 573万 122 1008万 123
桶川市 417万 122 33万 8
久喜市 382万 287 670万 656
三郷市 336万 135 187万 73
北本市 295万 40 298万 50
新座市 294万 19 45万 12
入間市 197万 97 1655万 239
ふじみ野市 187万 133 155万 2
朝霞市 76万 15 55万 13
参考/宮代町 1億1331万 6656 1億1766万 9765

★私は、ふるさと納税で全国から久喜市に寄付してくれた人との絆を強めるために、「特別住民票」の発行や、久喜マラソン・提灯祭りの招待券を贈ることなども提案しているのですが…。★


猪股市議の一般質問 1
9月12日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


情報公開制度の形骸化を許さない

 6月に学校給食の食器更新についての公文書を公開請求しましたが、実際には保存されている文書が「存在しない」とされていたことがわかりました。
これは情報公開条例に違反する情報隠蔽に他なりません。
職員が『内部で使用するために作成した文書は公開しないでよい』『保存年限を過ぎた文書は(廃棄したことになっているから)公開しないでよい』という間違った認識でいたこともわかっています。
公文書は保存年限を過ぎても自動的に消滅するわけではなく、公文書館で保管されている場合もあります。
職員が職務上作成した情報は公開請求されればその情報を探してでも公開する義務があります。
職員に対してすべての市の情報は市民のものであり原則公開であるという大原則を徹底させなければなりません。

 情報の公開・非公開はもともとは公文書館情報公開係で決定していましたが、制度が定着してくる中で、担当課が公開や非公開の決定を行う仕組みに変更されていました。
その弊害で、情報公開制度を十分に理解していない職員が間違った判断で「非公開」としてしまうことになったようです。
そこで、公開の審査や決定の仕組みを見直すように求めました。

 当局は、情報公開の基本的理念や公文書のとらえ方について、職員の理解が不十分であったことを認め、職員への周知徹底をはかることを約束しました。
さらに今後は公開・非公開の判断を担当課だけで行うのでなく、公文書館との事前協議を義務付け、情報公開請求に対する統一的な判断と決定ができるように事務の見直しも行っていく方針を表明しました。


久喜市街路樹管理指針で剪定方法は変わる?

久喜市の従来の街路樹管理は、夏の内に葉を落としてしまう、できるだけ枝を張らせない、丸太棒のような姿にしてしまう強剪定が主流でした。
今年3月に「街路樹管理指針」を策定し、今後は路線ごとの“目標樹形”を定め、夏期は軽剪定、冬期の強剪定という樹木管理の基本に沿って、樹木の生命力を活かした剪定方法に切り替えていくことになっています。
しかし実際には今夏の剪定は従来とほとんど変わっていないようです。
管理指針の趣旨を活かして、剪定を委託している造園業者への説明や研修を実施していくよう求めました。

すべての赤ちゃんに聞こえの検査を

 1000人に1人か2人の赤ちゃんが“聞こえ”に障害を持って産まれてきます。
産院では生後2〜4日以内に音に反応するかどうかの検査を行っていますが、わずかの赤ちゃんが検査を受けられていません。
保護者が聴覚検査の必要性を理解していなかったり、検査費用が3000円〜1万円近くかかるので、経済的理由で受けない場合もあるようです。
厚生労働省は各自治体に対して、受診状況の調査、受診勧奨、検査費用の公費負担などを求める通知を出しています。
埼玉県内では6割以上の市町村が検査結果を把握しており、今年から越生町が検査費用の助成制度を開始しました。

 久喜市では保健師さんによる赤ちゃん訪問で健康状態などを聞き取りしていますが、全部の赤ちゃんが聴覚検査を受けたかどうかまでは把握できていませんでした。
今年4月以降に訪問した内の88%は受診していましたが、9人が未受診、24人の赤ちゃんについては受診したかどうかわかっていません。
そこで、(1)市のホームページや『広報くき』での啓発、
(2)全員の受診状況の把握を進める、
(3)市で検査費用に対する助成を行うよう求めました。
市は最初、公費負担制度については消極的で、『受診状況や産院での検査態勢などを調査研究する』という答弁でした。

 私が質問の前に調査したところでは、近隣の蓮田・白岡・幸手・加須の全部の産院で検査を実施しています。
3か所は『全員に検査している』、残りは『ほとんど全員に検査しているが、何人か受けない人もいる』、受けない理由は『お金がかかるので』という答えでした。
もはや“調査研究”などといって先延ばししている段階ではありません。
すぐに助成制度をスタートするよう求め、市長が『早急に助成制度を作るという前提で調査していく』と答弁し、公費助成の実現が決まりました。
さらに、来年度予算に公費負担を盛り込んで、一定の上限金額を設けた上で検査費用の全額を補助するよう求めていきます。







久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』537号
2017年 9月11日
『声と眼』
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【9月市議会】 森友・加計疑惑をうやむやにさせない

 国会は森友、加計問題に安倍首相や昭恵夫人自身が関わっているのではないかとの疑惑がますます深まっています。
しかし多くの官僚や政治家たちが記憶がない、記録もないとしらを切り続け、安倍首相の「ていねいな説明」の言葉とは裏腹に、疑惑の解明もまったく進まないまま、逃げ切りをはかっています。このまま闇に葬ることは許されません。
−9月4日から市議会定例会が開かれています。私は「森友・加計疑惑の真相究明を求める意見書」を提出しました。

★「森友・加計疑惑の真相究明を求める意見書」は最終日の日に質疑、討論、採決が行われる。
久喜市議会の議員たちが、この疑惑究明にどのような態度を示すのかが問題だ。★

森友学園、加計学園疑惑の真相究明を求める意見書

猪股和雄

 学校法人加計学園の愛媛県今治市での獣医学部開設をめぐり、国家戦略特区が恣意的に利用されたのではないかという疑惑は、国民の政治に対する大きな不信を招いている。
加計学園が経営する岡山理科大学が来年4月に開設を計画している獣医学部は、安倍政権が規制緩和を大義名分に推進している「国家戦略特区」で今治市に設けられることになる。
加計学園はこれまで何度も獣医学部の開設を計画してきたが、文部科学省、農林水産省、日本獣医師会などが同意に至らなかった。
ところが今治市が国家戦略特区に指定されたことを受けて、加計学園の獣医学部新設が認められることとなった。

 文部科学省と内閣府との打ち合わせを記録したとされる文書には、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと、安倍首相の関与を疑わせる文言が盛り込まれている。
さらにこうしたやりとりがあったとみられる直後に、文部科学省は「1校に限り」設置を認める方針を打ち出している。
これらの経緯は、安倍首相の何らかの関与があったのではないか、内閣府や文部科学省が首相の意向を忖度して設置を進めたのではないかとの疑念が生じるのは当然である。

 政府はそれらの文書の内容そのものを否定しているが、文書には作成時期や打合せに参加した関係者名を明記したものもあり、文部科学省前事務次官の前川喜平氏もこれらを認めた上で、「行政がゆがめられた」と発言している。

 しかもこの間、加計学園の理事で内閣官房参与を兼ねていた木曽功氏が昨年8月下旬、文部科学省の前川喜平事務次官(当時)を訪問し、国家戦略特区として獣医学部の設置を早く進めてほしいと求めていたこと、和泉洋人首相補佐官も前川氏に手続きを進めるよう要請していたことも明らかになっている。
これらは、内閣府、木曽功内閣官房参与、和泉洋人首相補佐官という3ルートから文部科学省に働きかけがあったことをうかがわせる。

 加計学園の理事長は、安倍晋三首相の“腹心の友”と言われ、また安倍首相の妻・昭恵氏は加計学園の系列保育施設で名誉園長を務めている。
一方で、森友学園疑惑においても、昭恵氏が名誉校長を務めていた小学校の開設のために国有地の格安払下げや認可が進められてきた。
首相夫妻と親しい人物が理事長を務める学校法人が、そのゆえに政府から特別な扱いを受けることができるとすれば、国政が私物化され、行政がゆがめられたことになり、事態は重大である。

 森友学園疑惑についてもいまだに疑惑は解明されていない。
4月に実施された世論調査(時事通信)では、学校法人森友学園への国有地売却問題をめぐる安倍首相らの説明に対して、「納得していない」が68.3%を占めている。
今回の加計学園疑惑とともに、森友学園に関わる疑惑の真相究明は、政治に対する国民の信頼を回復するためにも急務である。

 よって、政府及び国会は、安倍昭恵氏や文部科学省前事務次官の前川喜平氏、和泉洋人首相補佐官など関係者の国会招致を行うなど、一連の疑惑に対する真相解明に積極的に取り組むよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣あて


【9月市議会】 財政調整基金が58億円にまで膨張

 久喜市の2016年度決算が確定し、9月定例市議会で決算審査が行われています。
市が“将来の財政需要に備えるため”として積み立てている財政調整基金が、今年3月で58億円にまで膨張していることが明らかになりました。

 財政課では合併後の2014年3月から毎年、「中期財政計画」を策定しています。
それによると、市の貯金である財政調整基金は毎年急減していって、2016年度末には28億1400万円にまで減少すると想定していました。
しかし実際の財政状況はそれとはまったく違って、2012(H24)年度末の45億3900万円から、13年度末53億7900万円、14年度末54億8600万円、16年度末58億2300万円にまで膨張し続けています。

 2016年3月に改定された計画では、当年度末の積み立て残高が39億円になると書かれていましたが、半年後に明らかにされた決算で実際には20億円も多い58億円に達していたことがわかりました。
これではとても「財政計画」とは言えず、久喜市の財政状況を苦しく見せかけて市民サービスを抑制するために、意図的に低く設定された数字だと批判されても仕方ないのではないでしょうか。

 今年3月に策定された計画では、来年3月には53億2900万円に減少すると言っています。
しかし実際には積立金の増額や、年度内に取り崩す予定だった金額を圧縮したりして、逆にさらに増えて60億円を超過するのではないかと考えられています。

 久喜市中期財政計画による財政調整基金の推移

2014/3策定 2016/3改定 2017/3改定
2011年度末 35億4200万 35億4200万 35億4200万
2012年度末 45億3900万 45億3900万 45億3900万
2013年度末 54億8900万 53億8000万 53億8000万
2014年度末 40億2500万 54億8600万 54億8600万
2015年度末 37億9500万 55億1000万 55億1000万
2016年度末 28億1400万 39億6500万 58億2300万
2017年度末 15億1900万 28億4400万 53億2900万
2018年度末 10億7700万 47億9900万
2019年度末 42億0200万

ゴシック数字は積立額の実績。細字は当該年度以降の「計画」金額。2014年3月に策定された計画では13年度をピークに急激に減少していくという予測で、2016年3月の改訂版でも15年度がピークとされていた。昨年の決算審査で、このような事実と著しく異なる「予測」をやめて、実際の数値に即して財政計画を作るように求めた。今年3月の改定では少しは改善されたが、それでも2017年度末以降の計画金額はかなり低めに算定されていると見られる。

 市では以前は、財政調整基金は標準財政規模(地方税と地方交付税などの合計額)の1割=30億円程度を目標として積み立てるとしていました。
その後、久喜市の実際の積立額がそれを大幅に上回ってしまったため、現在では“多ければ多いほどいい”という考え方です。
しかしそれでは貯金を増やすために市民サービスを抑制することにつながりかねません。これまで、計画的な財政運営のために財政調整基金とは別に、市民の森整備基金11億円、ごみ処理施設整備基金10億円なども積み立ててきており、これらを合わせると将来の財政需要に備えた基金積立額は80億円にも達します。
目標もなしに基金積立金が増えればいいという財政運営は転換するべきです。



【9月市議会】 久喜地区でもデマンド交通を導入する?

 現在、久喜地区では市内循環バスが7路線、菖蒲地区、栗橋・鷲宮地区でそれぞれデマンドバス・タクシーが2台ずつ運行しています。
デマンド交通は市民が誰でも登録できて1回300円、乗り合い制です。
市では久喜地区でもデマンドタクシーを導入する方針で、1月から1年間の実証実験を行うために、補正予算に年度内の費用680万円を計上しました。

 普通、デマンド交通とは予約制の乗り合いバスやタクシーのことを言います。
今回、市が行うデマンドタクシー実証実験は、高齢者・障害者・介護保険や難病の認定者だけを対象として、各タクシー会社1台ずつに限定して、個別に電話で予約して単独で利用し、料金の半額(1500円まで)を市が補助するというものです。
しかしこれでは高齢者などに運賃の半額を補助する、福祉タクシー制度と変わりません。

 市は1年間かけて何を“実証”し、その後にどのようなデマンド交通をやろうとしているのでしょうか。
もしかしたら実証実験後に、現在の2地区で運行しているデマンド交通も対象者を高齢者や障害者などに狭めて、300円の料金も引き上げようという狙いなのか、また久喜地区の循環バスを縮小・廃止して福祉タクシーに置き換えようとしているのかなど、“実証実験”の意図を明確にさせていく必要があります。

★久喜地区でもデマンドバスを走らせてほしいという要望が強いのは確かだが、なぜこの時期に「福祉タクシー」補助制度の実証実験なのか。
来年4月の市長選へのパフォーマンスではないかとの憶測もある。★








久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』536号
2017年 8月21日
『声と眼』
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2017年 8月
28 9:00 議会運営委員会 傍聴できます
2017年 9月
4 9:00 【本会議】  開会、議案の上程、提案理由の説明 傍聴できます
7 9:00 【本会議】  一般質問(1日目) 傍聴できます
8 9:00 【本会議】  一般質問(2日目) 傍聴できます
11 9:00 【本会議】  一般質問(3日目) 傍聴できます
12 9:00 【本会議】  一般質問(4日目) 傍聴できます
14 9:00 【本会議】  議案質疑 傍聴できます
15 9:00 委員会 総務財政市民常任委員会 傍聴できます
19 9:00 委員会 福祉健康常任委員会 傍聴できます
20 9:00 委員会 建設上下水道常任委員会 傍聴できます
21 9:00 委員会 教育環境常任委員会 傍聴できます
27 9:00 【本会議】  委員会の審査報告、討論、採決 傍聴できます

学校給食食器は強化磁器に統一を

 久喜市は、学校給食センターの建設に合わせて、食器もすべてプラスチック(PEN樹脂)製に統一する計画です。
現在は菖蒲、鷲宮、栗橋地区でプラスチック製、久喜地区で強化磁器製の食器を使っていますが、現在使っている強化磁器食器もすべて廃棄してプラスチック製に統一するとしています。

 これまで久喜地区の学校給食は調理を全農食品センターに委託してきましたが、食器は2002年から強化磁器製に変更しました。
当時、環境ホルモンが問題になったことと“食育”の観点からです。
人間が食事をいちばんおいしく食べられるのは陶磁器食器ですから、学校給食でも家庭で普通に使われている陶磁器が最適なのは明らかです。
それをプラスチックに戻すというのは、食育の観点から見ても逆行ではないでしょうか。
逆に、菖蒲・栗橋・鷲宮の小中学校も含めて全部を強化磁器に統一するべきです。

強化磁器食器のコストは高くない

 プラスチック製食器を採用しようとする最大の理由は、強化磁器食器は破損しやすいのでコストが高いというものです。
教育委員会が作成したコスト比較表によると、全市内の小中学生と教師の1万2000食分の食器で、プラスチック製は新規に購入するのに8676万円、耐用年数8年で、破損率を考慮した20年間のコストは2億6201万円と算定しています。
それに対して、強化磁器食器は新規に購入するのに1億1232万円、耐用年数8〜10年で、20年間でプラスチックの倍近い4億4928万円かかると計算しています。
教育委員会はこの比較表を学校給食審議会に提示して、プラスチック製食器に統一するよう決定させました。

 しかしこの計算だと、強化磁器食器の20年間のコストは新規購入費用の4倍かかる、つまり20年間ですべての食器を4回買い換えることになるのですが、こんなことは現実にはあり得ません。

 実際に久喜地区で強化磁器食器が4種類2万4000枚使用されていて、2012〜16年の5年間の追加購入枚数は4250枚で20%弱に過ぎませんでした。
これを単純に4倍して20年間で計算してみても、最大でも全部を1回買い換えるだけの2億円強ですむことになります。
20年間で4回買い換えて4億円超もかかるというのは強化磁器のコストをことさらに高く印象づけるための作為的な計算というほかありません。

 一方で、菖蒲・栗橋・鷲宮地区で使用しているプラスチック製食器は、食器枚数2万2000枚に対して5年間で8300枚(37%)を追加購入していました。
ということは、教育委員会の想定とは逆に、実際に食器を買い換えた枚数(率)は強化磁器よりもプラスチック食器の方が多かったことになります。

プラスチック食器は8年でいっせい更新!?

 食器業者から教育委員会に出された資料には、強化磁器食器が「表面に傷が目立つようになった場合には、…8〜10年で定期的に更新をご検討頂く事をお薦め致します」と書かれています。
しかし旧久喜市で2002年に強化磁器食器を採用してからこれまでの15年間で、食器の劣化などの理由で全部または大量に買い換えたりしたことはありません。
磁器は割れさえしなければずっと使えるのですから、定期的な更新は必要ありません。
同じ資料でプラスチック(PEN樹脂)は「8年間使用し一斉更新」と書かれています。
洗浄を繰り返すと細かい傷が付くので「耐用回数1500回」だというのです。
これだとプラスチック食器の方がかえってコストが高くなりかねません。

プラスチック食器を選ぶ理由はない

 教育委員会の担当職員は『強化磁器食器は熱くなるし、重いので低学年の子どもには負担だ』と言いますが、ふだん家庭で使っている食器と同じです。
『食器カゴを運ぶときに重すぎて落とす怖れがある』とも言うのですが、食器カゴを1つと給食係を1〜2人増やせばいいだけです(久喜地区の学校ではそうしています)。
久喜地区の校長の1人は『子どもたちは割れることを知っているからかえってていねいに扱うようになる』と話していました。

 さらに、強化磁器の食器にすると収納庫や搬送トレイも大きくしなければならない、配送車を大型にしなければならない(本当はそんな必要はない)などと、教育委員会は次々と別の理屈を探し出してきます。
しかしどれもプラスチックの方がいいという理由にはなりません。
「プラスチックの食器でもいい」「ほどほどのものでいい」という考え方をやめて、子どもたちのために最善の食器を選ぶべきです。

★学校給食先進市のさいたま市や蓮田市などでは、子どもたちには食器もいちばんいいものを使わせたいと、プラスチックから強化磁器に変更してきた。
久喜市市の考え方はこれとは真逆です。★

教育委員会の情報隠しは許されない

 教育委員会は学校給食の食器にプラスチック製を選定する理由として、強化磁器食器は割れやすいのでコストがかかると説明しています。
しかしそれが本当かどうかを調べるために、私は6月にそれぞれの食器の過去の破損・購入枚数の資料の情報公開請求を行いました。
これに対して7月14日、教育委員会は平成24年度以降の購入枚数の文書だけを公開してきました。
23年度以前の購入枚数は文書が「存在しない」、破損枚数の資料も「存在しない」という回答でした。

 しかし6月市議会の一般質問で私が過去の食器の破損状況を問題にした際に、教育部長が『手元にある統計ですと、平成23年度(大震災の年)には2146枚、破損率で8.22%』と答弁していたのです。
議会では答弁していたのに、「資料がない」というのは明らかにおかしい…、私は8月8日、教育委員会学務課に出向いて、この矛盾について説明を求めました。

「ない」と言っていた資料が出てきた

 その結果、職員は資料が存在することを認め、「久喜地区強化磁器食器破損状況調査」と題された表を出してきました。
そこには22〜28年度の各食器別の詳細な破損枚数が記されていました。

 この間の私の情報公開請求、それに対する「非公開決定」とその後の経過で明らかになったことは、久喜市行政の情報公開に対する後ろ向きの姿勢です。
教育委員会は22年度以降の強化磁器食器の破損状況の資料を持っていたのに、「ない」「廃棄した」とウソをついていたことになります。
これは久喜市情報公開条例違反であって、許されない行為です。

行政の隠蔽体質こそが問題

 教育委員会が、本当はある資料をなぜ『文書不存在』としたのか、その理由は『職員が内部で作成した書類だから、公開する必要はないと思っていた』というのです。
また、その内部資料を作成する元になった公文書は『保存年限5年を過ぎたので廃棄した』とも言っているのですが、保存年限を過ぎた文書がすべて自動的に消えていくわけではありません。
実際、職員は最初は『廃棄したので存在しない』と言っていましたが、私が何度も『本当に廃棄したのか』と問い詰めると、『ないと思う』とあいまいな答えになってきました。
つまり、「5年を過ぎたから廃棄してよい」というルールから、「廃棄したはずだから存在しない」と結論づけ、本当は残っているかも知れないのに、ないことにして済ましてしまうということです。
あるいは、「保存年限を過ぎた文書は廃棄してよいことになっているのだから、公開する必要はない」と考えていたフシもあります。

 私は、21年度以前(合併前)の資料も残っている可能性があると考え、あらためて過去の食器の破損・購入状況の情報公開を請求しました。
場合によっては公開審査会にも申し立てて調べてみようと考えています。
行政による情報隠しと、お役所の都合と論理で結論を誘導しようとする、久喜市行政の体質をこそ問題にしていかなければなりません。

★最初は『資料はない』『廃棄した』と言っていて、後になって『隠したわけではない』って…。国会での情報隠蔽問題とまったく同じ構図ではないか。
久喜市行政への信頼が揺らいでいる。★