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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』501号
2015年 11月 24日
『声と眼』
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 11月定例市議会の日程

 議員の欠席理由に、出産・育児も認める

 久喜市議会会議規則では「事故のため出席できないときは」、その理由を付け議長に届け出ると規定されています。
全国の自治体議会で同様の条文になっていますが、女性議員の活動を保障するために、会議規則を改正して「出産」による欠席を明記する動きが広がっています。

 久喜市議会では、市民の政治を進める会が公明党、共産党とも協議して、現行の規定を「傷病その他の事故」に改めるとともに、新たに「出産」の他、「育児、介護、看護」も明記するするよう代表者会議に提案しました。

少子高齢化社会が進む中で、育児休業や介護・看護のための休業は民間企業でも広がってきていて、社会的にも認められています。
代表者会議で6月議会から何度も会派間の話し合いを続けてきましたが、新政久喜が「出産と育児までは認めるが、介護と看護は必要ない」と主張して反対したため、合意することができませんでした。

 やむをえず今回の改正は、現時点で全会派が一致している「出産・育児」の明記にとどめることになりました。それにしても今どき、育児はいいが介護や看護の欠席理由を認めないというのはあまりにも時代錯誤ではないでしょうか。
公明党から『今後、現実に(介護や看護などの)必要が生じた場合には改めて協議する』よう求める発言もありました。

【現行規定】
第2条 議員は、事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。
【私たちの提案】
第2条 議員は、傷病、その他の事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。
2 議員は、出産、育児、介護のため出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる。
【最終案】
第2条 議員は、傷病、その他の事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。
2 議員は、出産、育児のため出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる。 

★埼玉県内では、川越と狭山の市議会が会議規則の欠席届の理由に「育児、介護、看護」を明記している。
自治体議会がそれぞれの判断で先進的な規定を取り入れていく姿勢が求められている。★

STOP! 地球温暖化キャンペーン

 11月30日からフランスのパリで、国連気候変動枠組み条約締約国会議=COP21が開かれます。(同時多発テロに抗議する意味でも予定通り開く計画です)。
地球温暖化を止めるためには温室効果ガス排出量を50%以上削減しなければならないとされていますが、日本政府の削減目標は2030年までに1990年比で18%と、きわめて不十分です。

 11月10日、緑の党埼玉県本部は浦和駅前で《STOP! 地球温暖化キャンペーン》を実施しました。

その後、埼玉県庁で上田知事あての「地球温暖化対策の転換を求める申し入れ書」を提出、「気候変動対策について県民への啓発の推進」「埼玉県の温室効果ガス削減目標を2030年までに50%以上とすること」「2030年までに再生可能エネルギーの電力の割合を少なくとも30%以上とするため、再生可能エネルギーの拡大を進めること」などを求めました。 

 生活保護世帯の増加傾向が止まったのか?

 久喜市の生活保護扶助費は、2014年度決算の支出額は24億2265万円で、15年度予算では26億5986万円と見込まれています。
久喜市の生活保護受給者数は一昨年までは毎年7〜10%もの増加が続いていました。
その後、保護基準が引き下げられて生活保護の適用が厳しくされた結果、受給者数の伸び率は鈍化しています。
それでも2012年に1000世帯を超えてから、13年4月には1058世帯、14年には1100世帯、15年には1152世帯と増加基調は変わっていません。
 今年度に入って5月の1154世帯をピークに減少傾向も見られます。最近は「廃止」が毎月10世帯以上にのぼり、生活保護が打ち切られています。

相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2012 31 19 24 990 1454
2013 24 11 12 1058 1568
2014 27 10 10 1100 1614 10
2015 40 28 26 1120 1632 10
40 18 12 1121 1635 11
61 30 28 1139 1655
30 14 18 1152 1667
28 12 10 1154 1671 16
43 22 12 1147 1656 15
35 17 20 1149 1653 13
28 16 12 1151 1649 16
40 20 11 1144 1634 13

1人ぐらし72%、高齢・障害・傷病世帯75%

 生活保護受給世帯の内訳では、約72%が1人暮らしです。また約45%が高齢者世帯で、前年度よりも44世帯(4%)の増。
生活保護世帯全体の75%にあたる858世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、格差が広がっていることがわかります。
 多くは高齢などで職につけないのが現実ですが、約17%の世帯は本人か家族が働いています。
母子世帯では44%が働いていても収入が保護基準以下しかないのが現実です。
それでも母子世帯の生活保護は毎年5%くらいずつ減少しています。
これらが貧困家庭の切り捨てになっていないか、注視が必要です。

2015年9月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
820世帯
  (74世帯)
436世帯
  (10世帯)
108世帯
  (16世帯)
142世帯
  (9世帯)
  134世帯
  (39世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
324世帯
  (118世帯)
79世帯
 (13世帯)
25世帯
 (6世帯)
68世帯
 (16世帯)
63世帯
 (28世帯)
89世帯
 (55世帯)
合計  1144世帯
  (192世帯)
515世帯
  (23世帯)
133世帯
  (22世帯)
210世帯
  (25世帯)
63世帯
 (28世帯)
223世帯
 (94世帯)
  45.0% 11.6% 18.4% 5.5% 19.5% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。


地元から、理科大跡地の開発反対の請願

 理科大跡地の用途変更に反対する請願が地元の清久区長会の区長の連名で提出されました。
理科大から物流企業への土地売却と開発に反対し、土地利用計画の変更を認めないよう求めています。
紹介議員として、猪股・川辺・田中・渡辺議員が署名しました。

 【請願事項】東京理科大久喜キャンパス撤退跡地の他の用途変更を行なわないこと。即ち現行の久喜都市計画マスタープランの土地利用計画に則った土地利用を堅持して頂きたい。

【趣旨】東京理科大学久喜キャンパスを誘致するにあたり、当該地は市街化調整地域かつ農業振興地域内にあり、市街化を促進する恐れがない土地として、都市計画法及び農業基本法に基づき、市街化調整地域内での学校教育法第一条に規定する大学設置の認可をされた経緯があります。そして久喜市が大学用地費用を提供し、周辺地を文教地区としてその大学敷地は「学校用地」として堅持するものとして、市及び市議会は行ってきたものであり、当区長会もこれを支持するものです。
 久喜市、東京理科大及び地域住民は、平成5年4月の大学開校前後から、相互の発展を目指して互いに協調を図って今日に至りました。
 しかしながら誠に残念なことに平成27年5月に大学機能の移転・撤退の方針が伝えられ、その跡地の帰属及び使用方法がクローズアップされる事態になりました。
 市街化調整地域(市街化を抑制すべき地域)での大学施設移転後の跡地は、同校の当初目的を達したものとみなし、原状に回復されるのが原則だと考えられますが、それが無理であるならばその使用方法については、現行の久喜市都市計画マスタープランに沿った土地利用をして頂きたく、少なくとも地区内及び周辺地域の環境保全に反するような施設(例えば流通業務施設など)の建設を安易に認めるべきではないと考えます。一旦、久喜市が用地を買い取り環境の維持及び高等教育機関の存続方向など、上記趣旨に沿った土地利用を十分に検討頂くことも大切であると考えられます。いやしくも安易かつ性急に他の目的に使用しないで頂きたいと考え、本請願に至りました。
 平成27年10月15日

請願者 清久地区区長会会長 真田忠雄、他13名(区長)


★11月17日、都市計画審議会に、「都市計画マスタープラン」の理科大跡地の土地利用を「産業系ゾーン」に変更する諮問が行われ、即日、「賛成」の答申。
地元の多数の反対意見に、慎重審議が必要ではなかったか。★





久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』500号
2015年 11月 2日
『声と眼』
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 ★ついに500号!
 議員に初当選した1977年から議会報告『いのまた和雄市政レポート』を年4回、1993年から月2回、市政と議会の情報紙『声と眼』として発行し続けてきた。★

 マイナンバーカード、どうしたらいいか?

 10月からマイナンバー制度がスタートしました。
久喜市での個人番号通知は遅れて11月5日以降に簡易書留で郵送され、通知カード、個人番号カードの申請書、申請用の返信用封筒も同封されてきます。

 希望者は申請すれば来年1月以降に「個人番号カード」が発行され、身分証明書替わりに使えることになりますが、安易にカードを提示すれば印字されている個人番号を他人に知られたり、紛失した場合に個人情報漏洩や不正行為に使われる危険性も指摘されています。
マイナンバーの通知が届いたらそのまま大切にしまっておいた方が良さそうです。
個人情報漏洩の危険を冒してまで、わざわざ「個人情報カード」を作る必要はありません。

 12年前からスタートした「住基カード」はこれまで市内でわずか6000人くらいしか発行されていませんが、まったく不便はありませんでした。
また、個人番号カードで住民票等のコンビニ交付ができることになりますが、これまで通り市民カードで自動交付機が使えますから、個人番号カードは必要ありません。
「通知カード」だけあれば個人番号はわかりますし、行政機関などへの申請でも個人番号を記入しなくても手続きはできることになっています。

 なお久喜市では、コンビニ交付のためのシステム改修に7800万円、運用費用が年間500万円、コンビニ事業者に1通につき123円の委託料を支払うことになります。
費用対効果の点から疑問が出ています。

私たちは政務活動費を何に使ったか
〜市民の政治を進める会の使途報告〜

久喜市議会では会派に1人1か月3万円の政務活動費が交付されます。
市民の政治を進める会(猪股・川辺)第2期分の使途を報告します。


★政務活動費の会派ごとの使途報告書の集計は久喜市議会のホームページに掲載されている。
さらにそれらの具体的な使途明細を、市民に自主的に公開・報告するのは各会派の責任ではないか。★

久喜宮代衛生組合議会の議案と各議員の賛否・発言

 10月1日と16日に衛生組合定例議会が開かれましたが、議案質疑は5人だけ。
多くの議員が議案に対する質疑を一つもしないのでは、行政に対するチェック責任が果たせません。
衛生組合の最大の課題はごみ減量です。
市民1人あたりのごみ排出量は県平均を上回っていますが、最近、一部の地区で事業系ごみが増える傾向にあります。


 市長給与・議員報酬の大幅引上げ答申

10月23日、特別職報酬等審議会が市長ら市3役の給与と議員報酬の大幅引き上げを答申しました。
特別職の給与や報酬の改定の際には審議会に諮問し、その答申を尊重することになっていますから、早ければ11月定例市議会に特別職の給与・報酬引き上げの条例改正が提案されることになります。

    現行額   改定額 引き上げ額
議員 議長 445,000円 483,000円 38,000円
副議長 385,000円 433,000円 48,000円
常任委員長 370,000円 422,000円 52,000円
議員 360,000円 410,000円 50,000円
市長など 市長 910,000円 957,000円 47,000円
副市長 780,000円 805,000円 25,000円
教育長 700,000円 737,000円 37,000円

 議員の現在の報酬額は県内同規模の13市の中では最低額でしたが、今回の答申通りに引き上げられれば、月額で6番目、年額で5番目(期末手当の割合が市によって異なります)となります。

 これにより議員30人の報酬引き上げ増額分は2500万円にのぼります。
現在の報酬総額は約1億8500万円で、同規模13市の中では2位でしたが、今度は2億1000万円に大幅に増額となり、同規模市のトップになってしまいます。
13市の議員定数の平均は24人なのに、久喜市は30人といちばん多いためです。

 審議会答申には、『議員報酬の額を改定する場合は 議員報酬総額を考慮して検討を行うことが適当である』と明記されています。
議員の報酬総額を増やさないためには議員定数を削減しなければなりません。

 総額の増額分2500万円を増やさないためには議員定数を4人以上削減しなければならない計算です。(693万円×4人=2772万円)。
県内同規模の13市の比較
 議員1人
現在の報酬額
の順位
人口
(人)
議員報酬
月額
(円)
議員報酬
年額
(円)
議員
定数
(人)
議員全員の
総支給額
(円)
総支給額
現在の
順位
久喜市
改定後
の順位
1 戸田市 133,319 450,000 7,668,000 26 201,924,000 1 2
2 狭山市 154,126 440,000 7,444,800 22 165,985,200 6 6
3 三郷市 136,840 430,000 7,353,000 24 178,695,000 4 4
4 入間市 149,591 414,000 7,029,720 22 157,115,940 9 9
5 深谷市 154,406 403,000 6,818,760 24 166,594,320 5 5
6 坂戸市 101,031 390,000 6,598,800 22 147,863,880 11 11
7 ふじみ野市 112,352 382,000 6,463,440 21 138,777,840 12 12
8 加須市 114,748 378,000 6,395,760 28 181,450,080 3 3
9 新座市 160,615 400,000 6,288,600 26 164,792,760 7 7
10 朝霞市 134,709 379,000 6,253,500 24 152,592,000 10 10
11 富士見市 109,395 369,000 6,221,340 21 132,199,260 13 13
12 鴻巣市 119,194 365,000 6,175,800 26 162,668,880 8 8
13 久喜市 154,396 360,000 6,091,200 30 185,612,400 2
  現在の平均 396,923 6,677,086 24 164,328,582
5 久喜市改定後(年額は概算)
410,000 6,930,000 30 210,000,000 1

議員用タブレットの導入を検討

 現在、久喜市議会では議員全員に議会内だけで使えるパソコンを貸与していますが、3月でリース期限切れになるため、新年度からタブレットに切り替える方向で議会に検討委員会が設置されました。

 議員用にiPadなどのタブレットを導入する議会が増えてきており、これまでに逗子市議会、岐阜県関市議会などでの先進的な実践を視察してきました。
これらの議会では、議会関係の通知や議案書などは印刷製本しての配布や郵送をやめて、タブレットにメールで送信し、紙の使用量を減らすとともに、職員の事務作業や経費の削減に成功しています。
分厚い予算書や計画書などすべての資料をデータ化してタブレットで読めるようにして完全ペーパーレス化をめざしている市議会もあります。

問題は議員のスキルに差があって、人によっては資料を印刷して読んでいるなど全員が使いこなせていないことですが、必要な資料をいつでもどこでも確認できるのは大きなメリットです。
長期的にはこの方向に進んでいくことは間違いありません。

 検討委員会では今後、機種の選定(iPadか従来のモバイルパソコンか)、インターネット接続をどうするか、費用負担の問題などの検討を進めていく予定です。
先進市では議員全員分の導入経費は200万円前後ですが、通信費を個人負担としている議会もあります。