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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』360号
2008年 7月22日
『声と眼』
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新井氏が議長辞任、新議長に内田氏

 市議会最終日の6月26日、すべての議案の審議が終わった段階で、新井議長から辞表が提出されました。
新井氏はこれまで5年間、議長を務めてきて、昨年5月からは埼玉4区市議会議長会の会長(東部地区10市の持ち回り)でしたが、その任期も終わったので、議長を交代するのではないかと見られていました。

 新井氏の辞職を受けて議長選挙が行われ、内田議員が当選しました。

内田 正 12票 新政議員団+大地
鈴木松蔵 8票 公明党+改進+無会派3名(鈴木・松村・鈴木)
白票 2票 共産党

臨時議会で監査委員選任を可決

 内田氏が議長に就任して監査委員を辞任したため、7月16日に臨時議会が開かれました。市長から、監査委員に新井氏を選任する議案が提案され、賛成12(新政・大地・共産、本人は退席)、反対8(公明・改進・無会派)で可決されました。


合併推進室を設置、なぜ今頃?

 6月議会に、市の部設置条例の改正が提案され可決されました。これまでは合併に関する事務を総務部企画政策課「合併推進グループ」で担当し、総務部次長(課長兼務)が責任者でしたが、これを「合併推進室」に格上げし、部長相当職の「合併推進室長」を置くことになりました。

 しかし3月に合併協議会を設置する条例を可決して合併協議を進めてきたのに、同じ3月にやらないでなぜこんな中途半端な時期に機構改革をするのか、総務部企画政策課の中の合併推進グループを、なぜ2段階も飛び越えて、部相当の合併推進室として独立させなければならないのか、仕事は変わらないのに課長兼務の部次長を部長に、わざわざ格上げする必要があるのか、合併協議のためだけに部長職を1つ増やさなければならないのかなどの疑問が指摘されています。


クールアースデーの意見書を“撤回”

 6月定例会に、公明党が「『クールアースデー』の創設等を求める意見書」を提案していましたが、この議案は26日の最終日の採決直前に撤回されました。
これは公明党が運動して、6月9日に福田首相が記者会見で「7月7日をクールアースデーとする」と発表しました。
すでに政府が実施を決めているのに、同じ内容の意見書を出すのはパフォーマンスであり、政党の運動に地方議会を利用するものだという疑問が出ていました。

 なお7月7日は全国で7万か所以上でライトアップや広告の夜間照明などが消されたと言われています。しかし1年で1日だけのライトダウンでなく、毎晩毎晩のライトアップやコンビニの24時間営業などの生活スタイルから見直していく必要があるのではないでしょうか。


衛生組合の基本計画を見直し

 2002年に策定された久喜宮代衛生組合の「ごみ処理基本計画」は、新設焼却炉や生ごみ堆肥化施設を2007年に稼働する計画でしたが、大幅にずれこんでまったく見通しもないままで、実質的に破綻していました。

 そこで計画の見直しが進められていましたが、ようやく7月に「改定素案」が公表されました。
計画の大きな柱は、
G新規のごみ焼却炉、生ごみ堆肥化施設、リサイクルセンターをいずれも2015年に新設稼働する、
Gこれにより生ごみ全量堆肥化を実現する、
G2010年からプラスチックの固形燃料化を再開する、
G最終処分(埋め立て)量を2000年比で半減させるなどとしています。

 ただしこれは、衛生組合が存続する場合の話であり、久喜市、宮代町それぞれが合併した場合はさらに見直しが必要となります。

★市議会活性化委員会で「日曜議会の開催」が決まりました。まずは年1回、来年2月22日(日)に「市長の施政方針に対する各会派の代表質問」を行うことになりました。★


議会権限の強化、ネット中継など、市議会活性化特別委員会で決定

 7月11日、第11回の市議会活性化委員会が開かれました。6月の会議までで、検討課題について一通りの協議が終わったため、各会派から「優先的に審査したい項目」を出してもらい、抽出された23項目の課題について協議しました。

 それぞれの項目について意見を求めた後、採決に移りました。

この日に「賛成多数」で決定された主な活性化課題は次の通りです。

議会の議決事件の対象拡大(基本計画などを議会の議決対象とする)
決算が本会議で「不認定」になった場合、市長に「所信表明」を求める
  *これまでは「不認定」になっても市長は説明の義務はありませんでした。
専決処分の承認が本会議で「不承認」になった場合、市長に「説明」を求める
  *これまでは「不承認」になっても市長は説明の義務はありませんでした。
工事請負契約の金額変更など専決処分について、本会議で承認を求めなければならない対象を拡大する
  *これまではほとんどが「報告」するだけでした。
議員は、市が補助金等を支出する団体の代表には就任しない
議会のインターネット中継の実施
市役所ロビーなどに、議員の在庁プレート(出退表示機)の設置
本会議・委員会の傍聴者の氏名・住所記載義務の廃止
特別委員会の会議録をホームページに掲載する
答弁者が質問者に対して、質問趣旨を確認する権利=「反問権」を認める
議場に市旗を掲げる
委員会視察や議員派遣について、欠席する場合には、理由を文書で届け出ることとする

議会基本条例など、次回採決へ

 ◆以下の課題については、「次回に採決」または「次回に再協議」となりました。

議会基本条例の制定 次回に採決
託児室の設置 次回に採決
会議録作成支援システム(パソコンで、音声から自動的に文章にしていく)の導入 次回に採決
常任委員会の委員重複の廃止 次回再協議
予算常任委員会、決算常任委員会の設置 次回再協議
現在の4常任委員会を3常任委員会にし、委員重複の廃止 次回再協議
議員は、議会選出のもの以外に、非常勤特別職を兼務しない 次回再協議

 また、市民団体から「久喜市議会の活性化推進に関する要望書」が提出されていましたが、次回の活性化委員会に団体代表の後上氏を参考人として招致し、意見陳述を求めることになりました。

★8月1日発行の『議会だより』、市政に対する一般質問の記事で、猪股 、石川 、春山、 矢野、 川辺、 木村、 渡辺、 岸、 鈴木の分は質問した本人が書いています。★


6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

300床で新病院の体制はどうなる。地域医療ネットをどう考えるか

 久喜新病院が当初計画の192床から300床に増えることによって、病院の基本計画などがどう変わってくるのか、明らかにするよう求めました。

 市の答弁は、300床になっても診療科目や医療体制の変更はなく、周産期医療や小児科などは設けない。
医師は28人から40人に増員する予定で、医師の確保はたいへんむずかしいが努力している。また300床に増えたことによる財政シミュレーションについても厚生連で策定しているというものでした。
新病院の具体的な計画はJA厚生連で策定するので、市は直接には関与しないとされていますが、市が35億円の補助金を出すのですから、市民に明らかにするよう求めました。

 3月にJA厚生連と市、医師会などの参加で久喜市医療体制等推進協議会が開かれています。
地域の病病連携・病診連携を進め、地域完結型医療のネットワークをどう作っていくかということが課題とされていますが、今後の協議計画についてはまだはっきりとは決まっていません。

 私はさらに、久喜新病院を中心というだけでなく、済生会病院を含めた地域医療体制をどう作っていくかという観点が必要ではないかと提起しましたが、それは今後の課題であって、現在のところは久喜市内の医療体制の問題として考えるということでした。


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』359号
2008年 7月 1日
『声と眼』
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合併協議会の協議が始まる
議員の身分は“議会同士で調整”へ

 6月25日に菖蒲町役場で第2回合併協議会が開かれました。
◆合併方式は新設合併、2010年3月合併とすることを確認、
◆新市の名称と市役所の位置は次回に継続協議することになりました。
また、議会に関わる事項については構成市町の議会間で調整することに決定しました。

 議会に関することでは、
▼新市の議会の議員定数、
▼現在の議員の任期を延長するか、合併と同時に選挙を実施するかを決めなければなりません。
これらは議員報酬や、選挙を行う場合の選挙区をどうするか(全市1選挙区か、旧市町ごとに選挙区を分けるか)などもからんできます。

 議会同士の思惑もからむため、合併協議会で協議する前に、4市町の議会間で話し合って調整案を作ることになったのですが、議員の身分に関わる問題を、当事者の議会側の調整に委ねるというのも変な話です。
第三者の機関や、市民で構成するまちづくり懇話会で「調整案」を作るべきではないでしょうか。
現職の議員の利害やかけひきがからむようなやり方は避けるべきです。


新井議長が辞職、内田氏を選出

 市議会最終日の26日、新井議長が「辞表」を提出しました。選挙の結果、新議長に内田正氏(新政議員団)が選出されました。
新井氏は2003年から約5年間、議長を務めてきました。
石川副議長は継続です。
 【詳しくは次号で報告します。】


6月議会の全議案と、各会派の賛否

「地デジ対策の意見書」に大疑問

 「地デジ放送の受信対策の強化を求める意見書」を公明党の岡崎議員が提案しました。

 意見書は2011年7月のアナログ放送打ち切りを既定方針として、「経済的弱者」への支援策を求めるものです。
政府も生活保護の100万世帯に地デジチューナーを無償支給の方針ですが、それだけでも財政負担は数十億円にのぼります。
ほとんどの世帯は自己負担で地デジに対応しなければならず、今後3年間で全世帯が地デジに切り替えるのはきわめて困難です。
また耐用年数が残っているアナログTV数千万台を廃棄するのは巨大な資源の浪費です。
そこで当分の間、アナログ放送の延長を要求すべきではないかとただしましたが、岡崎氏は「国策だから」と2011年のアナログ放送打ち切りに固執する考えを崩しませんでした。

−日本と同様に地デジ化を進めているアメリカや韓国は、すでにアナログ放送の延長を決めています。

★大量生産、大量消費、大量廃棄は、戦後の日本社会の悪弊でもあった。今また何千万台ものアナログTVの廃棄を強行するというのは、巨大な「反環境」的行為といわざるをえない。★


6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

合併時、市民サービスは高い方に
負担は低い方に合わせるべきだ

 合併協議会で、合併後の新市の市民サービスや負担のあり方についての協議が始まっています。

 これまで市長も「住民サービスと負担はできる限り合併時に統一する」という考えは示していますが、サービスと負担については「受益と負担の適正化、財政的見地から検討して決める」と言ってきました。私はさらに、「合併時にはサービスは構成市町の中の最も高いところに、負担は最も低いところに合わせるべき」と主張しました。

 合併したとたんにサービスが下がったり、負担が上がったりするのでは、何のための合併かわかりません。
また、現在の各々の住民サービスや負担水準は、各市町で水道事業審議会や下水道審議会、国民健康保険運営協議会、学校給食審議会、児童福祉審議会、循環バス検討懇話会などなどの協議を踏まえて市民参加で決めてきたものです。それを合併に際しては、行政事務当局の間の調整に委ねてしまって、まちづくり懇話会や合併協議会という極めて限られた人々だけの協議で制度を変更してしまうのは、これまで築いてきた市民参加の否定です。
しかも本来は議会で個別の条例を提案、審議しなければならないのに、議会審議も事実上すっ飛ばしてしまうことになります。

 合併時には、サービスは高いところに、負担は低いところに合わせて決めておいて、見直しが必要だとしたら、合併後にあらためて市民参加の課題ごとの審議会に諮問し、議会にも個別の議案として提案するよう、強く求めました。

今後の合併協議会の協議スケジュール

 今後の合併協議会のおもな審議予定は、
▼第2回(6月)合併方式、期日、方法、事務所の位置、議員定数と任期、
▼第3回(7月)職員の身分、条例、規則等の取り扱い、
▼第4回(8月)地域審議会の設置、情報公開、住民参加システム、
▼第5回(9月)地方税、一部事務組合の取り扱い、
▼それ以降、各事務事業の一元化について協議していく予定です。これらの具体的な協議スケジュールについて公表するよう求めました。

予算編成過程を公開すべき

 久喜市の新年度予算編成作業は、秋頃から本格的に始まります。昨年は9月末に市長の「平成20年度予算編成について」という内部通知が出され、10月末に各部課からの予算要求提出期限、11月中に各部での予算査定、12月に市長査定が行われ、1月に予算内示となりました。

これまでは予算編成過程は議会にも市民にも秘密で、行政内部だけで進められてきました。
しかし秘密裏の予算査定はかえって疑問を抱かせることにもなります。最近では鳥取県や国立市(東京都)などのように、予算要求や査定の状況をすべてオープンにしている自治体も増えています。
各課がどのような事業を計画していくら要求したか、部長査定や市長査定でどのくらい削られたか(なぜ却下されたか)などをホームページに掲載し、市民が見ることができます。
これなら圧力のかかりようがないし、予算が削られたらその理由や判断の根拠もわかります。
久喜市でも市民に公開しながら予算編成を進めるように求めました。

 市は、「予算編成方針についてはホームページで公表していく」と答弁しましたが、予算編成過程については、「これまで市民には確定したものを公表してきた。透明性は重要だが、予算査定の日程が詰まっているので、査定の過程を公表するのはむずかしい。今後、調査研究していく」と答弁。
市長も「ギリギリの日程で行っている。予算の項目や数値も途中で変わるので、数字が一人歩きしてしまう恐れもある」と消極的な姿勢でしたが、「近い将来にやっていくべきだが、やり方の研究に少し猶予がほしい」と答弁しました。

 予算編成作業の日程が詰まっているのも、途中で金額が変わるのも、どこの自治体も同じです。それでも市民参加に熱心な自治体では途中経過を公表して、市民の理解を得る努力をしています。現在の久喜市のできる範囲で、来年度予算の要求や査定の過程について、今年の秋から公開を始めるように求めました。



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