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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』344号
2007年 10月29日
『声と眼』
バックナンバー

「ごみ処理計画の遅れ、住民に説明を」
久喜宮代衛生組合議会定例会

 23日に久喜宮代衛生組合の定例議会が開かれ、18年度決算と補正予算が提案されました。
一般質問は5名の議員で、久喜からは猪股、園部、木村の3人が質問に立ちました。

 私は、焼却炉新設や生ごみ全量堆肥化の遅れについて、住民に説明責任を果たすよう求めました。
衛生組合では5年前に「ごみ処理基本計画」を策定し、平成19年度には新設焼却炉、全区域内の生ごみ全量堆肥化施設を稼働させる計画でしたが、建設の見通しはまったく立たないのが現実です。
モデル地区の住民には生ごみ=台所資源分別に協力してもらってきましたが、全地区に広げるめども立たず、基本計画自体を見直ししなければならない状況になっています。
こうした現状について、その理由と責任をきちんと住民に説明すべきではないでしょうか。
 また、生ごみ全量堆肥化の手法を比較検討するとしていたので、その経過も明らかにするよう求めましたが、具体的な検討結果は示されませんでした。


鷲宮南部地区に大ショッピングモール

 北陽高校の西北側の久喜市と鷲宮町の境界に接して、鷲宮南部開発=大規模商業施設の工事が開始、開業予定は2010年5月です。
 敷地面積15.6ヘクタール、営業面積約7万u。南館は4階建50578uにはイトーヨーカドー系列の総合スーパー、専門店モール、シネコン(10スクリ
ーン)、北館3階建18420uにホームセンター、家電量販店、専門店などが入る予定です。駐車場は約4500台となっています。

開発者負担で周辺道路整備

 周辺道路整備の費用は開発者側が負担します。開発者が、事務的経費も含めてすべての費用を久喜市と鷲宮町に寄付し、工事は市と町が行います(これを「負担付き寄付」といいます)。
 久喜市分の道路は、
◆騎西県道・理科大入口から北東へ @ 延長115m・幅員14m、
◆久喜駅西口大通りの延長、県道さいたま栗橋線から北西へ A 延長446m・幅員15mの工事は2010年までに完成、
◆香取公園北側ロジャース方面 B 延長570mは開業後に整備する計画です。

久喜市には3路線分合計で17億4227万円の費用が“寄付”されることになっています。
なお、B の路線は久喜市と鷲宮町にまたがっていて、現在は幅2.7mくらいで現在でもたいへん危険な道路です。
開業後には抜け道として車の通行が激しくなると予想されるため、幅員9m程度にまで拡幅する予定です。

 市では「下清久・久喜本新設道路整備基金」を設置してこの寄付金の運用を行うことになっています。
今年度は用地測量などの費用として1071万円の寄付金が収納されました。

 鷲宮町地区内では、
◆エコス前の県道幸手久喜線を延長して県道川越栗橋線まで接続 C、
◆理科大道路を延長して県道幸手久喜線に接続 D する工事などが行われます。

★今年11月にイオンモール羽生がグランドオープン、来年秋にモラージュ菖蒲が久喜市との境界西側に開業予定で、久喜市周辺の商業地図は大きく塗り変わることになります。★


2006年度一般会計決算額と前年比

(約1億円以上の費目のみ、掲載しました。)
2006年度 構成比 前年比増減
歳 入 市税 111億4641万 57.6% + 2億8145万
地方譲与税 7億3719万 3.8% + 2億4716万
地方消費税交付金 6億2683万 3.2% + 3363万
自動車取得税交付金 1億9752万 1.0% + 489万
地方特例交付金 3億2418万 1.7% ▲5655万
地方交付税 5億3879万 2.8% ▲5億6631万
分担金・負担金 2億5853万 1.3% + 5521万
使用料・手数料 1億5258万 0.8% ▲9655万
国庫支出金 12億4855万 6.5% + 2373万
県支出金 7億2003万 3.7% + 1543万
財産収入 1億0942万 0.6% ▲2873万
繰入金 3億4294万 1.8% + 1億8824万
繰越金 4億7908万 2.5% ▲4383万
諸収入 8億6120万 4.5% ▲3億7889万
市債 14億6130万 7.5% + 1億6320万
合計 193億2733万 100.0% ▲1億6752万
歳 出 議会費 2億4770万 1.3% + 174万
総務費 23億8201万 12.8% ▲2471万
民生費 56億1488万 30.1% + 2億2086万
衛生費 14億7609万 7.9%  ▲8963万
農林水産業費 4億2270万 2.3% ▲2052万
商工費 9166万 0.5% ▲2505万
土木費 28億2086万 15.1% ▲1億8504万
消防費 9億0987万 4.9% + 2820万
教育費 23億0014万 12.4% + 3億0556万
公債費 23億0040万 12.4% + 3554万
合計 186億0899万 100.0% + 2583万


歳入歳出差引残額 7億1835万
実質収支(繰越金) 6億7384万
内、財政調整基金繰入額 3億3692万
19年度への繰越金 3億3692万

久喜市の財政力を表す主な指標
2006年度 2005 2004
自主財源比率 67.6 % 65.4 % 66.1 %
義務的経費比率 46.3 % 45.7 % 44.1 %
財政力指数 0.927 0.894 0.877
公債費比率 14.9 % 15.3 % 15.0 %

地方交付税算定の基礎数値
2006年度 2005年度
基準財政需要額 98億2440万 97億6611万
基準財政需要額 94億8620万 88億5261万



9月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

交付税ゼロ、市長の財政認識を問う

 久喜市の07年度の地方交付税がゼロとなったことについて、田中市長が公的な場やあいさつで、「合併していれば不交付団体にならなかった」「合併していたら地方交付税が増えていた」かのような発言を繰り返しました。

 しかし久喜市が「合併しなかったから交付税ゼロになった」わけではありません。
久喜市のホームページでは
【「三位一体の改革」で、交付税の総額を抑制し、不交付団体を増やす方向性が示され」「国は、地方交付税総額の抑制」を図り、基準財政需要額の算定基礎となる積算単価の引き下げなどにより交付税改革を進め」、その結果、不交付団体となるケースも増えてきています】と説明しています。
−県内では14市が不交付団体ですが、その多くが政府の交付税の算定基礎の数字操作によって不交付団体にさせられたものです。

 合併した市は、構成市町ごとに算定した交付税の合算額が交付され、合併特例の加算もありますが、それでも実際に県内で合併した市は、秩父市を除いて、軒並み地方交付税が大幅に削減されました。

 それにもかかわらず田中市長が“交付税ゼロ”と合併問題を結びつけて発言しているのは政治家としてあまりにも無責任です。
 財政部長は「交付税制度改革で、合併による割り増し加算を上回る削減が行われているのが実態である」と答弁。田中市長は「合併していれば、合併算定替えの適用によって少なくともゼロにはならなかったのではないかという趣旨で話をした」「合併すれば交付税が増えたかのように言ったわけではない」と苦しい答弁でした。
合併への未練はわかりますが、交付税と合併失敗とを結びつけて話すことがそもそも間違っているのであって、交付税制度への理解程度を疑われます。
 今年度、幸手市と鷲宮町は大幅減とはいえ合わせて23億円の交付税が交付されました。
合併していたら“桜宮市”に23億円が交付されたわけですが、久喜市分がゼロである現実は変わりません。

★3年前に市長は、合併すれば桜宮市に60億円の交付税が入ると宣伝していました。それをアテにして大型公共事業をやっていたら、財政は大変なことになっていたと思われます。★


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』343号
2007年 10月 9日
『声と眼』
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市議会活性化対策特別委員会
徹底した話し合いで議会改革を

 市議会は9月28日の最終日に、「久喜市議会活性化対策特別委員会」の設置を可決しました。

 これまで久喜市議会では01年と04年の2回、活性化検討委員会を設置して議会改革を進めてきましたが、話し合いが足りずに積み残されてきた課題も多く、また最近のIT化の急速な進行の中で立ち遅れた課題も指摘されています。そこでこれらを協議するため、5月に大地から、第3次“活性化検討委員会”の設置を呼びかけましたが、会派間の思惑もからんで合意できず先送りされてしまいました。

 本来は継続的な検討と改革の取り組みが必要なのに、このまま久喜市議会の活性化の流れを中断させてはなりません。そこで有志議員で話し合い、「活性化対策特別委員会」を、条例に基づく議会の正式な審議機関として設置しようと提案しました。【提案者代表は猪股】 本会議で、賛成は大地、新政議員団、共産党の14名、設置に反対したのは公明党と改進、無会派の8名でした。

 これまで2回の活性化協議は条例に基づかない「任意」の委員会で、安易に多数決で決めずに少数意見を尊重するため、すべて全会一致で決定という方式をとってきました。しかし一部では、「1人でも反対したらダメ」というルールを逆手にとって、他の会派からの提案事項に対しては『従来通り』を連発して次々と葬り去ってしまう手段にも使われたこともありました。
−今度の特別委員会では「議会活性化」のために徹底した話し合いで合意を作る努力をしなければなりません。

★「従来通り」というのは議会ではとっても便利な言葉だ。通常、「昔からのやり方を変えない」「前例踏襲」「既得権の維持」「新しい方式の拒否」「改革反対」を意味する。★


9月議会の全議案と、各会派の賛否


沖縄の夏 C集団自決のガマ

 読谷村の海岸線や内陸部にはガマ(洞窟)が点在しています。チビチリガマはサトウキビ畑が広がっている中にありました。道の脇に車が2〜3台停められるスペースがあるだけで、窪地の入口に設置されている鉄製の階段を下りるとガマが黒い口を開けていました。

 米軍が読谷海岸に上陸した1945年4月1日、このガマに住民140人が避難したもののすぐに米軍に包囲されました。翌日、男たちが竹槍で突撃したものの機関銃の前に斃れ、3日目に集団自決が始まりました。洞窟の中で火を燃やして窒息死をはかったり、肉親同士が包丁や鎌で殺し合い、元従軍看護婦の毒薬注射で死んだ人もいました。83人が死亡し、死にきれなかった住民たちが、米軍に救出されました。

 ガマの前の石碑に、すべての死者の名前と年齢が刻まれています。半分以上は18歳以下の子ども、残りのほとんども60歳以上の年寄りと女性、0歳、1歳の赤ちゃんの名前もありました。

 今、ガマの中に足を踏み入れることはできません。入口をふさぐように板が置かれて、『これから先は墓となっていますので、立ち入りを禁止します。ガマの中には私達、肉親の骨が多数残っています。皆様がガマに入って、私達の肉親を踏み潰していることを私達は我慢できません』と書かれていました。ガマは1983年に初めて調査が行われ、遺骨や遺品が収集されたものの、今も遺骨が多く眠ったままだそうです。

 ガマの右手には「チビチリガマ 世代を結ぶ平和の像」が立っています。遺族らによって建立されましたが、87年、右翼の手で破壊され、その後再建されたものです。

 チビチリガマにおける集団自決は、「捕虜になれば女は強姦され、男は八つ裂きにされる」「日本人として潔く死ね」という皇民化教育・軍国思想によって強制された「死」に他なりません。
 他のガマの多くにも住民が逃げ込んでいましたが、そのどこでも集団自決が起こったわけではありません。現に、近くのイングェーガマやシムクガマでは、1日目に住民が自主的にガマを出て米軍に投降し生還しました。住民の生と死を分けたものは何だったのでしょうか。

 窪地を覆った濃い緑が真夏の太陽をさえぎり、ガマのまわりは少しひんやりと感じました。車まで戻るとサトウキビ畑では風がザワザワザーッと音を立てて葉を揺らしていました。 



9月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

市営釣り場の設備や運営の改善を

 清久の市営釣り場は大池が1987年、西池が96年オープンで、1年間に約4万人のお客さんが入り、1000万円以上の黒字を計上する、久喜市の貴重な“観光資源”です。管理運営はシルバー人材センターに委託してきましたが、昨年からは経営もシルバー人材センターが行って、入場料収入で経費をまかない、利益の内から市に1400万円を納付するという仕組みになっています。
 しかし釣り場の施設・設備は20年間ほとんど改修してこなかったため老朽化し、特に釣り人が並ぶ浮き桟橋の痛みが激しく、危険性も指摘されています。管理棟、トイレや休憩所の改善も必要です。大池では、釣り場と外側を区切る網が壊れているため、外来種のブラックバスが侵入してヘラブナに被害も出ています。西池では増水時などに通路の一部や釣り座が水没。休憩所もありません。
 シルバーに経営移行して1年目の昨年は、天候のせいもあって入場者数が激減(05年度42000人→06年度38000人)、入場料収入も、05年度3800万→06年度3400万円で、12%減となってしまいました。そのため経費節減でヘラブナ放流量を減らしましたが、市に1400万円を上納すると約140万円の赤字で、シルバーの持ちだしになっています。
 6月議会で施設の改善などについて質問し、市民経済部長が「今後検討する」と答弁しました。−9月議会でその後の検討経過について質問したところ、部長は「設備の改善を引き続き検討する」「管理棟などできるところから改善していく」「安全性優先で、危険箇所からできるだけ早く修繕していく」などと答弁しました。しかし具体的な方針となると、「財政部門と協議して…」とはっきりした答弁はありませんでした。また、市への納付金については、契約の中で「特別の事情」が生じたときは協議するという規定があって、3年間の経営状況を見ながら納付金の額についても協議していくということです。

★市営釣り場は早期に改修や経営改善に着手しないと、設備の老朽化、入場者数の減少、経営悪化、ヘラブナ放流量の削減、人気低下…、悪循環に陥っていく恐れがないか。★


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