いのまた和雄トップページへ 『声と眼』のページへ テーマ別目次へ 市民活動のページへ メッセージのページ

久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』342号
2007年 9月 24日
『声と眼』
バックナンバー

合併枠組みは1市3町ってホント?

 今年になって、久喜市の合併問題が再燃してきています。
市長がたびたび「合併は避けて通れない」という発言を繰り返し、議員18名が参加して久喜市議会合併推進協議会が作られました。

 9月6日の市議会で、田中市長は合併の枠組みについて、「3市6町で協議してきたが合意できず、それぞれの枠組での論議を行っていくことになった。近隣市町に働きかけてきた結果、同じ方向にある久喜市、白岡町、菖蒲町、鷲宮町でこれまでに2回の意見交換会を行った。枠組みについて合意には至っていないが、1市3町で期限内合併をめざして取り組んでいくことで合意した」と述べました。さらに「栗橋町長から状況によっては合併協議に加えてもらいたいという話があった」とも述べています。

 今後、
▲今年中に合併の枠組を決定、
▲今年度中に合併協議会の設置について議会議決、
▲08年4月から合併協議会、
▲09年3月ごろに新市建設計画の策定、
▲09年6月ごろに市民に周知、意向確認、
▲09年秋ごろに合併協定の調印、
▲10年3月までに合併

というスケジュールで進めていきたいということです。

白岡町長は久喜との枠組みに消極的?

 ところがその後、9月11日には、白岡町長の議会答弁が各紙に報道されました。
読売新聞では「久喜市などとの合併構想について、『具体的な枠組みで合併をめざすというようなことは発言したこともなく、合意した覚えもない』と述べ、久喜市を中軸とした合併に消極的な姿勢を示した」、朝日新聞は「『現時点では、具体的な枠組みで合併を目指すとは発言していない』と述べた」と報道。
毎日新聞の記事では「久喜市、蓮田市、鷲宮市、菖蒲町、宮代町と意見交換した。それぞれ事情があり、合併の推進、枠組みづくりにむずかしい面がある」となっていて、結局、白岡町長としては、近隣との協議は進めるが枠組みはしぼっていないというのが現状のようです。

久喜の田中市長が久喜市議会で、1市3町の枠組みで合意ができたかのような答弁をし、それを受けた議会でも1市3町で枠組みが決まったかのような雰囲気が作られつつあります。しかし周辺市町や住民の状況をきちんと把握しないで、自分に都合のよい主観的な解釈で突っ走ってしまうなら、そんな合併は失敗するでしょうし、またまた市政に空白と混乱をもたらすだけです。

市民の意向とは関係なく進める?

 いちばんの問題は、市民の意向を最大限に尊重するという基本的姿勢が欠如していることです。
市民の意向調査は「09年6月ごろ」としていますが、それでは合併協議を進めて事実上決まってから初めて市民の意思を問うということになります。
市長は市民の合意形成が大前提だということを語ろうとしないし、『今度は住民投票なんかしない方がいい』と言う議員もいます。
−久喜市自治基本条例23条「住民投票」の規定を忘れているわけではないでしょうが…。

相変わらずの「久喜中心主義」?

 田中市長は答弁の中で、「久喜市は今後も名誉ある地位を占めていきたい」「そのために久喜市がリーダーシップを発揮していく」「私を先頭に、職員一丸となって取り組んでいく」「久喜市はこれまで近隣自治体の中で中心的な役割を担ってきた」「久喜市は他市をリードする高い施策を実現してきた。合併によりそれらの優位性を生かしていく」などと“久喜市の優位性”を連発、強調しました。しかし相変わらずの久喜中心主義では他の自治体の首長や住民の理解を得ることはむずかしいのではないでしょうか。

★「合併特例法」の期限内に合併しても、合併事務費の補助以外のメリットはない。県内の合併問題は沈静化しており、久喜市もじっくり周辺市町の動きを見極めるべき時期だろう。★


9月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

入札改革の行程表を9月中に公表

 久喜市の最近3年間の公共工事の落札率は98%を上回っており“きわめて談合が疑われる”状態です。久喜市はこれまで入札改革に消極的でしたが、ようやく一般競争入札に移行させていく方針を確認しました。今年度は5000万円以上の工事は一般競争入札を原則とし、来年度は1000万円以上の工事を一般競争入札にする、09年度以降はすべて一般競争入札にしていく方針です。9月中には電子入札や総合評価方式の導入なども含めた最終的な検討報告書と入札改革の行程表を公表すると答弁しました。

クレジットカードで納税は?

 税金や水道料金などの公共料金は、現在は市役所や金融機関での支払いか口座自動引き落としで納付していますが、クレジットカードも利用できるようにしてはどうかと提案しました。他市ではコンビニでの納付なども広がっています。支払い方法を多様化し、利用者がいろいろな方法を選択できるようにすることで、市民の利便性を向上させ、収納率のアップにつながると思われます。
 クレジットカードでの支払いの場合、利用者にポイントがつくなどの特典がある、市は確実な納付が見込め、督促事務経費が削減できるなどのメリットがありますが、デメリットは手数料が高いこと。−市は今後、コンビニでの納付などと合わせて検討していくと答えました。

選挙開票事務の迅速化を求める

 参院選の久喜市の開票時間は4時間50分、蓮田市や加須市の2倍もの時間がかかっています。開票の迅速化のために、久喜市選挙管理委員会がどのような取り組みを行ったかをただしました。いろいろな工夫はしているもののなかなか成果が上がっていないのが現実で、今後さらに先進的な市のやり方を取り入れていくよう求めました。


★決算特別委員会は、荒井(委員長)、岸(副委員長)、木村、鈴木、園部、清水、角田、春山、石川。審議日程は10月3、4、17、19日。予備日が22日。★


2007 沖縄の夏 B
世界遺産、座喜味城跡から東シナ海を臨む

『声と眼』342号 2007/9/20

 15世紀に築造された座喜味城跡は2000年に「琉球王国のグスク、遺跡群」として世界遺産に登録されている。
山頂を囲むように築かれた城壁の上にのぼると、高射砲を据え付けた土台跡が残っていて、ここも戦跡なんだということに気付く。
目を遠くに向けると北に残波岬の灯台、そこから南に向かって海岸線がのび、東シナ海がキラキラと光って見えた。

 1945年4月1日、米軍はこの読谷海岸から沖縄本島上陸作戦を開始したのである。
1300隻の艦船で海を埋め尽くし、いっせいに上陸を始めたとき、日本軍守備隊の主力はすでに南部方面に移っていた。
前年に日本軍は読谷飛行場を建設するとともにこの座喜味城跡を高射砲陣地としたのだったがまったく役に立たず、米軍の攻撃にさらされたのは、置き去りにされた村民たちだったという。
ほとんど無抵抗で占領された飛行場は米軍の沖縄作戦に利用され、高射砲陣地は米軍のレーダー基地になった。
ここは戦後ずっと1972年の日本復帰まで米軍基地であり、住民は立ち入り禁止だった。

城跡のそばに読谷村歴史民俗資料館がある。
縄文からの読谷遺跡発掘資料、古民家や農具、漁具、亀甲墓と葬具、楽器、陶器窯、それらと並んで沖縄戦の記録や遺品の数々が展示されている。
「読谷村の戦時記録」があって、戦没者3924名の内訳。
−−軍人・軍属2167人、一般住民が1757人。男2696人、女1221人。
年齢別で最も多いのが「16〜20歳」547人、次が「5歳以下」の乳幼児で506人。
死因の最多は「砲爆撃他」2002人、「栄養失調・病死」1229人。「集団強制死」130人と記されていた。これは集団自決のことだ。

 読谷村発行の「読谷村の戦跡めぐり」を買った。
そこには以下のように書かれている。

今なお村土の約45%を占める米軍基地
戦後半世紀あまりが過ぎた
でもその影響ははかりしれない
最初に村内に基地を作ったのは日本軍だった
その痕跡は米軍基地とともに今に残る
自分の足で読谷の戦績を歩いてみよう
その場に立てばきっと
沖縄戦がたんに過去のできごとではなく
私たちがその延長線上にいる
そのことを想起させてくれるだろう


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』341号
2007年 9月 10日
『声と眼』
バックナンバー

1月に、「総合窓口」を開設

 久喜市役所で1月から“総合窓口”が開設されます。市民課、税務課、納税課、保険年金課、児童福祉課の5課を、1階西側フロアの総合窓口エリアにまとめ、身近な証明書交付や手続きを1か所ですませられるようになります。
銀行のように管理職のフロアマネジャーも配置して、窓口の案内や書類の記入、相談にあたります。

 “総合窓口”はワンストップサービスともいわれ、手続きや申請書を出すのに市民が担当窓口を移動するのでなく、一つの窓口に書類を出せば職員と書類が担当課を動いていくシステムで、最近全国の自治体で取り入れられてきています。
他市では介護保険関係の証明手続き、保健センターや教育委員会の事務の一部、水道料金などの料金徴収関係も統合している所もあります。

 久喜市では当面、5課を1階フロアにまとめることによって、たとえば市民課と保険年金課は隣接の窓口で手続きできる、2階のいちばん奥にあった児童福祉課が市民課の近くになるなどの改善をはかりますが、それぞれの各課の窓口で手続きするのはこれまでと変わりません。
−今後、「総合窓口課」を設けて窓口を一本化し、文字通りのワンストップサービスの実現を検討すべきです。

 10月から現在の市民食堂の場所に窓口の一部を移動するための改造工事も行われます。
一般会計補正予算に工事費約3400万円が計上されました。

 市民食堂は10月で廃止となります。


久喜市議会、政務調査費の使途

 市議会の各会派に、議員1人あたり月2万円の政務調査費が支給され、その使途を4半期ごとに報告しています。無会派の議員は事実上個人に交付されます。
5〜6月分の各会派の報告書が提出されたので、報告書の概要を掲載します。

 今、国会議員の政治資金報告で違法行為が次々と発覚していますが、全国の地方議会の政務調査費でもおかしな使い方が問題になってきました。
車を買ったり、自宅の事務所の家賃を計上したり、越谷市では飲食代領収書の偽造もありました。
さいたま市では政務調査費報告がこれまでは領収書は5万円以上だけでよく、きわめて不透明な使い方が問題になったため、公認会計士などの監査を受けることになったそうです。

しかも外部監査の委託料が数百万円というばかばかしさ!!
 −久喜市議会では報告書はすべて領収書添付を義務付けていて、だれでも議会事務局で閲覧できます。

政務調査費、2007年第1期目(5,6月)分の使途報告書

各会派の報告書を点検してみました。

 中には、▼政務調査費を支出できないはずの「団体会費」が計上されている、
▼何か(?)を送った郵送料の領収書が「資料作成費」に計上されている、
▼領収書に「書名」が書かれていなかったり、
▼あて先に会派名が書かれていない領収書など、
まだまだ問題点や不透明な使い方や、よくわからない領収書もありました。

★本来、政務調査費は税金です。おかしな使い方、不透明な使途があったら、市民がきちんとチェックし、説明責任を果たさせていくことが必要だと思います。★



沖縄の夏 A
米軍兵士の銃口

 8月9日、那覇への帰路に嘉手納基地を見にいきました。
沖縄はそこら中が基地、基地、基地ですからあたりまえの風景なのですが、フェンスの向こう側に地平線まで続く嘉手納基地を実感してみたかったのです。
嘉手納飛行場の北側の県道に車を停めてフェンスに寄って眺め、数枚の写真を撮っていたのですが、滑走路では軍用機の離着陸もなく予想に反して静かでした。

 と、フェンスの内側の道路を軍用トラックが走ってきて目の前で停まり、迷彩服の米軍兵士がこちらの方へ駆け寄ってきました。
自動小銃をこちらへ向け、片手を大きく振り回しながら何かを大声で叫んでいます。「向こうへ行け」と言っているらしい。
私は、『まさか本当に撃ったりはしないだろう』と思いましたが、いっしょに見ていた息子は本気で怯え、路肩に止めてあった車の方へ駆け戻っていって隠れました。

 ここは日本です。日本にある米軍基地の、フェンスの外側にいる日本人が、なぜ銃で追い払われなければならないのでしょうか。

 あの銃口は確かに私の方を向いていました。これが沖縄なんだと改めて思い知らされました。

***************

 米軍は、日本人と友好的にやっていこうという気持ちはまるでないようです。
それでなければ、日本人に対して「米軍は日本人を銃で撃つかも知れない」というような恐怖をむざむざと与えるようなまねをするとは思えないからです。

 それと、実はすぐ近くに道の駅・嘉手納という4階建ての建物が建っていて、その屋上の展望台から基地の中は丸見えなのです。見渡す限りが基地です。
滑走路上を大型輸送機や最新鋭のF22(ステルス)戦闘機が動いているのが見えて、たくさんの人たちがカメラを向けていました。だから、逆に見通しの悪いフェンスのそばで写真を撮っている人を追い払う意味などないはずですが、それを銃を向けてまで排除するということは何を意味するか。
基地の外はすべて敵、近づく者はすべてテロリストかもしれない、銃を向けてかまわない、という軍の断固たる決意の表れなのでしょう。



メール アイコンメール
ご意見や情報はこちらへ
tomoni@eagle.ocn.ne.jp
トップ アイコン
トップ