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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』321号
2006年 9月25日
『声と眼』
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「新病院」の構想を明らかにすべき

 幸手総合病院の移転・久喜新病院の建設は、経営主体であるJA埼玉県厚生連が建設場所を久喜市上早見の久喜地区消防本部西側に決定し、埼玉県に「農地の除外申請」を出していますが、許可が出るまで1年くらいはかかるといわれます。
 これまで、今年度に用地確保、引き続いて構想の策定や設計を進めていって、09年に着工という大まかなスケジュールとJA厚生連が作った「計画案」が公表されていますが、具体的な見通しはいまだ不透明です。
市当局は、新病院の構想はJA厚生連が策定すると言っていますが、40億円の財政支援を決めた以上、久喜市は第三者ではありえません。
市民に対して「新病院」の基本的な計画と問題点についても、きちんと説明すべきではないでしょうか。

▼192床で経営が成り立つのか。市から経営に対する財政支援が必要になってくるのではないか。
▼目標としている300床への増床はきわめて困難といわれるが、どのような見通しがあるのか。
▼12診療科に加え、「救急・救命、周産期医療、ガン治療の3本柱」を掲げているが、現実に医師30人で対応できるのか。
▼特に心臓や脳疾患の救急を、24時間いつでも受け入れられる医療体制をどう確保していくのか。
▼外来部門は紹介患者と救急だけとしているが、地域の診療所との連携をどう作っていくのか。


久喜市議会、政務調査費の使途

 市議会の各会派に、議員1人あたり月2万円の政務調査費が支給され、その使途を4半期ごとに報告しています。2006年度第1期分(4〜6月)の各会派の報告書が出そろいました。報告書にはすべて領収書が添付されていて、だれでも議会事務局で閲覧することができます。
 各会派ごとの支出概要は以下の通り。

2006年度第1期分(4〜6月)報告書

★政務調査費の使途報告書、第2期分(7〜9月)の報告書の提出期限は10月末。事務局でチェックして間違いがあれば訂正し、公表されるのは11月末になってしまいます。★


公共施設の障害者割引で条例改正

 9月議会に、久喜総合文化会館、総合体育館、都市公園の3つの公共施設管理条例の改正案が提案されました。
−−これらはいずれも、私が6月議会で質問した「障害者の割引制度の拡充徹底」を実現するものです。

◆総合文化会館は、プラネタリウムの障害者割引制度がありませんでしたが、障害者とその介助者、団体などは半額となります。
◆総合体育館や市民プール、青葉グラウンドなどは、これまで条例で「障害者手帳、療育手帳等の提示があった者」について半額とされてきましたが、今度の改正は「精神障害者保健福祉手帳の提示」と「介助者」を新たに加えて、障害者基本法に定めるすべての障害者に対して割引制度を適用することを明記しました。
−−これまで「精神障害者保健福祉手帳」が条例に明記されていなかったため、精神障害者に障害者割引を適用するかどうかについて、施設によって、また担当者によって判断がバラバラなこともありました。
現実に『割り引きできない』と言われたり、『同じ障害者なのになぜ?』と交渉してやっと割引してもらったりしたこともありました。
−−当局は公式には、これまでの条例でも「障害者手帳、療育手帳等」と書いてあるから、精神障害者はこの「等」に含まれると“解釈”してきましたが、あいまいだったため条例改正することになったものです。

 循環バスについても精神障害者は対象外でしたが、6月末に、「久喜市市内循環バス運行要綱」を策定し、身体障害者、知的障害者と同様に、精神障害者も無料とすることになりました。


9月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

福祉タクシーを精神障害者にも拡大

 障害者の社会参加を目的とした制度で、身体障害者や知的障害者が受けられるのに、“精神障害者は対象外”の施策がもう一つありました。
 福祉タクシー利用料金補助制度とガソリン代補助制度は、身体障害者手帳(1級、2級、3級の一部)と療育手帳(?、A、B)を持っている人に対して、タクシー初乗り料金分の乗車券を年間30枚交付しています。またガソリン代補助制度も同様に、障害者本人が使う、または障害者の送迎用の車のガソリン代を補助しています。
しかしこの制度もこれまで精神障害者は対象外でした。そこで循環バス無料制度などの対象者拡大と同様に、精神障害者にも広げるように求めました。
 当局も、これまで精神障害者を医療の面から見ることが多く、身体障害者や知的障害者に対する社会的ハンディキャップ解消のための施策を、精神障害者も対象としてこなかったことを率直に反省し、久喜市として、早期に制度の拡大をしていく方針を示しました。遅くとも来年4月までに実現する方針です。

住民基本台帳の大量閲覧禁止へ

 住民基本台帳はこれまではいくらでも閲覧できたため、営業宣伝や市場調査などの名目で大量に閲覧して名簿を書き写し、ダイレクトメールを送ったり営業活動などに使われてきました。全国的には個人情報が名簿業者に売られるなどの問題も発生しています。そこで3月議会の一般質問で、基本的に公的な目的以外には閲覧できないようにするため、市の要綱を改正するよう求めていました。その後の取り組みと経過を明らかにするよう求めました。
 市は4月に「ダイレクトメールや戸別訪問などを目的とする閲覧を認めない」要綱改正を行いました。その結果、4月以降の大量閲覧は5件で、昨年に比べて半減しました。5件の内訳は「公用(家計調査)の対象者抽出のため」、「報道機関のアンケートの対象者抽出のため」などです。(昨年同時期の大量閲覧は「教育関係」「市場調査」といった営業目的など10件でした)。
 なお、6月に住民基本台帳法が改正され、原則的に公用などの目的以外は閲覧できないことになりました。【10月に施行されます。】


★久喜市議会の定数削減を求める直接請求は、1か月の期間内に約7800名の署名が集まったそうです。11月に臨時議会か、12月議会で審議される見込みです。★


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』320号
2006年 9月11日
『声と眼』
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東京高裁で住民訴訟の口頭弁論
市は住民の請求棄却を主張

 久喜市は、吉羽区画整理組合に対する職員派遣の一部について、さいたま地裁がこれを違法として市の損害を認定し、田中市長と区画整理組合に対する損害賠償請求を命じた判決に対して、これを不服として控訴していましたが、8月26日、東京高裁で第1回口頭弁論が開かれました。
 市はこの中で、市議会が6月に「権利の放棄」を議決したことをあげて、これを最大の論拠にして住民請求の棄却を求めていく姿勢を前面に出し、「損害賠償請求権、不当利得返還請求権等そのものが『権利放棄』の議決により消滅したのであり、…(中略)…田中暄二らに対する損害賠償請求権等が存在しない以上、被控訴人の本訴請求は棄却されるべきものである」と主張しました(「準備書面(1)」による)。

 第1審(さいたま地裁)では、職員派遣の違法性や、市に損害を与えたか否か、その損害は市長の過失(法律解釈の誤り)によるものであるかという、本筋で争ってきていました。
6月議会の審議の中でも、控訴審で「職員の派遣は違法ではない」「市は損害を受けていない」と市行政の正当性を主張していくと表明していました。
 ところが実際の高裁での主張は、行政の行為の正当性を主張するよりも、「損害賠償請求権の放棄を議決したから、(たとえ損
害があっても)請求できない」という論理に転換したことを意味します。
しかし、『住民の代表である議会が決定したのだから、その議決が住民訴訟よりも優先する』ということになるのでしょうか。
地方自治法を逆手に取ったこのようなやり方が、市民の常識に受け入れられるものでしょうか。


2005年度一般会計決算額と前年比

歳 入 2005年度 構成比 前年比増減 前年度比増減率
市   税 108億8650万 55.7 % + 4億8327万 + 4.7%
地 方 譲 与 税 4億9004万 2.5 % + 1億2879万 + 35.7%
利子割交付金 4837万 0.2% ▲1798万 ▲27.1%
配当割交付金 2604万 0.1% + 1172万 + 81.9%
株式等譲渡所得割交付金 3976万 0.2% + 2261万 + 131.8%
地方消費税交付金 5億9320万 3.0 % ▲4430万 ▲6.9%
自動車取得税交付金 1億9262万 1.0 % ▲196万 ▲1.0%
地方特例交付金 3億8073万 2.0 % ▲1573万 ▲4.0%
地 方 交 付 税 11億0509万 5.7 % ▲218万 ▲0.2%
交通安全対策特別交付金 1590万 0.1% + 59万 + 3.9%
分担金・負担金 2億0332万 1.0 % + 1920万 + 10.4%
使用料・手数料 2億4913万 1.3 % + 111万 + 0.4%
国 庫 支 出 金 12億2482万 6.3 % ▲6684万 ▲5.2%
県 支 出 金 7億0460万 3.6 % + 7844万 + 12.5%
財 産 収 入 9213万 0.7% + 8115万 + 142.3%
寄 付 金 232万 0.0% ▲4万 ▲1.7%
繰  入  金 1億5469万 0.8 % ▲5億6601万 ▲78.5%
繰 越 金 5億2291万 2.7 % ▲3億1996万 ▲38.0%
諸 収 入 12億4009万 6.4 % + 9822万 + 8.6%
市   債 12億9810万 6.7 % ▲23億6280万 ▲64.5%
合   計 194億9485万 100.0 % ▲24億6878万 ▲11.2%

歳 出 2005年度 構成比 前年度比増減 前年度比増減率
議 会 費 2億4596万 1.3 % ▲107万 ▲0.4%
総 務 費 24億0672万 13.0 % ▲2億5095万 ▲9.4%
民 生 費 53億9402万 29.1 % + 3億9563万 + 7.9%
衛 生 費 15億6572万 8.4 % ▲ 1億3159万 ▲7.8%
労 働 費 3907 0.2 ▲3684 ▲48.5%
 農 林 水 産 業 費  4億4322万 2.4 % ▲797万 ▲1.8%
商 工 費 1億1672万 0.6 % ▲624万 ▲5.1%
土 木 費 30億0590万 16.2 % ▲3億9785万 ▲11.7%
消 防 費 8億8167万 4.7 % ▲3969万 ▲4.3%
教 育 費 19億9458万 10.7 % ▲2億7185万 ▲12.0%
公 債 費 22億6386 12.2 % ▲16億4539万 ▲42.1%
諸 支 出 金  2億2470万 1.2% + 187万 + 0.8%
合   計 185億8315万 100.0 % ▲23億9194万 ▲11.4%

歳入歳出差引残額  9億1170万
実質収支(繰越金) 8億6524万

久喜市の財政力を表す主な指標
2005年度 2004年度 2003年度
自主財源比率 65.4 % 66.1 % 61.3 %
義務的経費比率 45.7 % 44.1 % 39.5 %
財政力指数 0.894 0.877 0.854
公債費比率 14.6 % 14.1 % 13.5 %

★一般質問は、7日、原、須藤、岸、春山、稲木、石川、井上、8日…木村、猪股、鈴木、内田、鈴木、岡崎、11日…戸ヶ崎、角田、柿沼、砂川、荒井、岡崎の順。★

★久喜市議会の一般質問は、回数制限がなく一問一答もできるが、時間制限がある。3月までは質問時間だけで50分だったが、6月から40分に短縮されてしまった。★


ひまわり保育園の改築へ、設計費

 ひまわり保育園の改築は「財政難」から先送りされていましたが、ようやく9月議会の補正予算に「ひまわり保育園施設整備事業、調査・設計業務1500万円、土地購入費8750万円」が計上され、2007年度に建設される見通しとなりました。
 もともと、ひまわり保育園の改築にあたっては、子育て支援計画で久喜市の新しい保育園、子育て支援の中核施設とする方針が打ち出されていました。
それに基づいて、保育園整備計画では05年度に建築工事に着手し(仮園舎の建設)、今年には完成しているはずでした。すでに04年度には設計もできあがっていたのです。
 ところが05年度当初予算に工事費が計上されず、「財政困難」を理由として先送りされていたのですが、昨年の市長選挙を前にして急遽、田中市長の公約で「すぐに着手」と方針を変更することになりました(もっとも、「すぐに」が2年後では、ちょっと遅かった感は否めませんが…)。
 これから設計に入りますが、市は久喜市で初めての病後児保育、公立で初めての0歳児保育、子育て支援センターを併設する計画です。
建物は平屋建てに変更される予定です。

なお、改築場所は、現在のひまわり保育園の場所ではなく、いちょう通りの東側・下水道終末処理場入り口付近(大字西向地)で、現在の場所から約300メートルくらい離れた場所に移転することになります。
 児童課では移転・改築をすでに決定しましたが、いまだに保護者らに説明をしていません。
議会に補正予算を提案するのならまず保護者らに説明し理解を求めるべきではないでしょうか。


総合体育館の指定管理者を変更

 市の公共施設の管理運営について、今年度から、指定管理者制度が導入されました。
これは、運営管理全般を民間に移行して、経営的手法によって運営していくもので、総合文化会館、久喜総合体育館および都市公園施設などの運営が指定管理者に委託されました。
 総合体育館と都市公園(青葉グラウンド、総合運動公園のプールなどの施設)は、毎日興業・京明プランニング・首都圏建物サービス共同企業体に委託されましたが、この内、「京明」は、ふじみ野市の市営プールの管理運営に関して、問題となった企業です。
 あの無責任な企業に久喜市の総合体育館の管理運営をこのまま任せるわけにもいかず、「毎日・京明・首都圏共同企業体」から「京明」をはずす方向で検討がされています。
今年の4月に指定されたばかりですが、京明をはずした2社に、別の企業を加えて改めて指定することになりました。
 現在、別の企業を選考中で、9月議会最終日に、指定管理者の変更(指定の取り消し・変更しての再指定)の議案を追加提出する方針です。


10月から市役所を日曜にも開庁

 久喜市は、10月から日曜日にも市役所を開庁して、一部の窓口業務を実施することを決めました。受け付けを行う窓口業務は、市民課、税務課、保険年金課、介護福祉課の4課。
受付時間は午前8時半から午後5時15分まで(通常通り)です。
 これは去年の市長選で、田中市長の公約に記載されていたのものですが、当初は「土曜日の窓口開設とされていました。
その後、「政策実行計画」では「日曜日の窓口」と変わっていて、日曜日だけなのか、土・日・祝日も開設するのか、はっきりしませんでした。
−−結局、日曜日だけの開設となったのですが、なぜ日曜日だけなのか、理由はよくわかりません。
 ふれあいセンターや公民館などは、職員のローテーションを組んで、基本的に無休で(休館日は年末年始の他は月1回だけ)開館しているわけですし、ふれあいセンターと中央公民館に設置された、住民票などの自動交付機は、土・日・祝日も稼働しています。
市役所本庁舎でもローテーションを組めば、土曜日や祝日にも職員を配置できるのではないでしょうか。
 またふれあいセンターでは現在でも職員が平日だけ住民票などの窓口業務を行っていて、職員は土・日・祝日にもいるのですから、住民票などの手続きを行うことは可能だと思うのですが…?


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