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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』301号
2005年10月31日
『声と眼』
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9月定例市議会は、10月25日に閉会しました
全部の議案と、各会派の賛否

アスベスト除去、さらに早める

 『声と眼』前号で、小学校や幼稚園で吹き付けアスベストが使われていた実態を報告しました。教育委員会は最初は『3年間で除去』と言っていましたが、議会で追及した結果、『来年度に除去できるよう努力する』と答弁していました。
 しかし“子どもたちの安全”を最優先に考えれば、財源問題だけで処理を遅らせるのは納得できません。基金を取り崩してでもさらに作業を早めるよう求めていましたが、市議会最終日(25日)に補正予算が出され、一部の学校施設などについて今年度に除去作業を行い、財源は財政調整基金から2430万円を取り崩すことになりました。

◆今年度中に除去するのはー

清久小学校 音楽室 天井 130u 572万円
久喜小学校 階段 天井 75u 307万円
青葉小学校 階段 天井 120u 492万円
青毛小学校 階段 天井 195u 799万円
中央幼稚園 階段 天井 65u 260万円

除去作業はアスベストが飛散しないよう密閉して行い、いずれも2〜3週間の工事となります。

残る施設は来年に先送り


久喜小学校 普通教室10室と保健室の天井
青毛小学校 普通教室25室、保健室、家庭科室、理科室、図工室、コンピュータ室の梁
中央幼稚園 保育室6室、遊戯室、職員室、保健室の天井

 これらの学校や幼稚園は、来年夏休みに除去工事をします。それまでの期間、アスベスト吹き付け部分をビニルで覆って飛散防止対策を取ります。この“アスベスト囲い込み”工事は12月14日までの土・日・休日などにやる予定です。

破損したアスベストボードを撤去

 小中学校9校の体育館の渡り廊下にアスベスト含有のボードが使われています。青毛小、東小、南中でボードの破損やひび割れが発見されたため、アスベストが飛散しないよう、ボードの撤去(交換)を行いました。


★アスベストの危険から少しでも子どもたちを守るため、現在、清久小の音楽室と青葉小の階段1か所は「使用禁止」になっています。★


9月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

ひまわり保育園改築は2007年度

 一般質問の第一番目に、「田中市長の政治姿勢」をただしました。ーまず、田中市長が市長選挙のマニフェストで「ひまわり保育園の改築」を『すぐに実現・着手』と明記したことについてです。
 そもそも、ひまわり保育園の改築は、04年度に設計ができあがっていて、今年度に建築に着手(仮園舎の建設)する計画でした。
昨年の暮れに保護者らにも説明していたのですが、今年の当初予算に計上されませんでした。(06年度に着工する計画だった南中の校舎改築も、今年の当初予算に設計費が計上されず、先送りされました)。
 3月議会で多くの議員が、ひまわり保育園と南中の改築の早期実現を強く求めました。
−−その後、南中の校舎改築は、5月のPTA総会で突然、市長が「今年度着工」とぶちあげ、復活しましたが、この後の6月議会でも、ひまわり保育園の改築は見通しすらも示されませんでした。
 ところが、市長選挙直前になって、田中市長のマニフェストに『すぐに実現・着手』『ひまわり保育園の改築』が明記されたのです。
 3月議会で、田中市長自身が「ひまわり保育園の改築につきましては平成17年度、18年度の2か年の継続事業となる予定でございました。……緊急性、必要性は十分認識しているところではございますけれども、多額の一般財源の確保は困難なため事業の見送り」と答弁していました。
 議会で説明した政策方針を、選挙がらみでさっさと変えてしまうというのは、政治家としてあまりにも無責任です。ー予算編成の時に、明確な財源見通しを持っていなかったのでしょうか。財源がどこからか湧いてきたのでしょうか。それとも選挙対策で無理にでも実現して、財源問題は将来に付け回しするという考えでしょうか。

「すぐに」が「2年後」ですか?

 『すぐに実現・着手』『ひまわり保育園の改築』とは、いつ実現するのか。ー驚いたことに、市長の答弁は「2007年度に着工」というものでした。
 もともと、05年度と06年度で実現するはずだった改築です。「すぐに」というなら、遅くとも2006年度早々には着工するのがあたりまえです。
−−しかし田中市長が「すぐに」と言うのは、2年後のことだったのです。さらに「建築コスト削減のために、仮園舎は造らない」「改築場所を現在地にするかどうかも検討する」とも言います。ーということは、すでに04年度に行った設計もやり直すということになります。
 私は思わず、「市長、あなたの言う『すぐに』は2年後のことですか」と大きな声をあげましたが、田中市長は、もうこれには答えませんでした。

子育て支援に、「受益者負担の論理」は誤りだ

 田中市長は「乳幼児医療費の無料化」を「通院は就学前、入院は中学まで」拡大することもマニフェストに明記し、今回の議会で来年度から実施すると表明しました。
 しかしそもそも、以前は無料だった乳幼児医療費を有料化したのは、田中市長本人だったのです。
−−4年前に2期目当選してすぐに、入院時の給食費などの一部自己負担制度を打ち出しました。私たちは、無料制度を維持する修正案を出しましたが、有料化が強行されました。この自己負担について、田中市長は「受益者負担として、負担の公平化を図る観点から、撤廃する考えはございません」と強硬に断言してきたのです。その結果、久喜市の子育て支援政策は、県内最低レベルです。
 子育て支援、次世代育成政策は、政治の最優先課題の一つであり、今回、田中市政が自己負担を撤廃し、無料化すると言い出したのはむしろ遅きに失した、当然の政策転換です。
 田中市長はこれまで、「受益者負担の原則」に固執し、乳幼児医療費無料制度にもこれを適用してきました。ー私は、何でもかんでも「受益者負担」というのは誤りで、こういう考え方を撤回するよう求めたのですが、市長は「政策転換ではない」「受益者負担はこれからも大原則である」とスジの通らない答弁でした。

★4年前に乳幼児医療費の一部自己負担にして、今度は無料化に戻す。この4年間、市長の誤った政策判断で、一部市民が不当に自己負担させられてきたわけだ。★


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』300号
2005年10月11日
『声と眼』
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『声と眼』300号の歩み

1978年 1月 『猪股和雄議会報告』第1号を発行
   (以後、不定期で発行しました)
《80年12月  社会党『月曜の声』創刊(月2回刊)
〜1992年11月 304号まで、編集を担当》
1982年 7月 『いのまた和雄市政レポート』bP
1993年 1月 『市政レポート』 44 (年4回刊)
1993年 3月 『声と眼』 第1号(月1回発行)
(『市政レポート』からの通巻 45号)
《94年 3月、社会党を離党》
1994年 6月から 『声と眼』 月2回発行に
1996年 5月 『声と眼』100号
2000年12月 『声と眼』200号
2005年10月 『声と眼』300号に到達
【82年の『市政レポート』からの通巻号数です】

国勢調査の方法を見直すべき
「全世帯封入」か、郵送に

 国勢調査は10日で回収を終了しましたが、ある調査員の方からFAXを頂きました。
 「国政調査員を依頼され、自覚と責任を感じて行動しているが、何回訪問しても会えない。時間をやりくりして苦労して回っている」と−。確かに、行政と“調査される側の市民”との間に立たされて、いちばん苦労したのは、調査員の方々だったことは間違いないでしょう。
 直接会って説明しようとしても、共働きなどで昼間はルスの家が多い。マンションなどでドアを開けてもらえない。中には、近所付き合いをしない家もある。『そんなものに協力する必要はない』と言う人もいると聞きました。
 しかも、他人のプライバシーに否応なく接するわけですから、そのこと自体、『いやだけど仕方ない』と思いながら、回っている調査員の方も多いのだろうなと思います。

 他の調査員の方から、直接お話も聞きました。−「近所の地域を受け持って、知っている人もいる。知り合いの奥さんの目の前で、中身を見て、ご主人の勤め先のこととか見ることになって、何となく気まずい」「まったく面識のない人のプライバシーを見てしまうことになるのもいやだなあと思ってる。こちらの方がもっと気まずい感じがする」「別に、調査票を見たからといって、他の人に話すことはないし、興味本位で見るわけではないのだけれど、それでもやっぱりお互いに気まずいと思う」。そして、下のようなご意見も聞きました。−「全世帯で封をするように、市が指導してくれた方が、集めやすいと思う。次回からはぜひそうして欲しい」「そうすれば、受け取るときに中身を確認する必要もないのに、なぜそうできないのか」−「封をして、町内会の班ごとに回収した方がいい。そうすれば、『用紙に記入して、封筒に入れておいてください。○日に回収に回ります』というふうに集めた方が早いのではないか』というご提案も……。

練馬区は郵送用の封筒を全戸配布

 練馬区では全面的に「郵送方式」を導入。返信用封筒を全世帯に配布し、あらかじめ、『同封してある返信用封筒を使い、区役所に直接郵送することもできます』と説明しています。中野区、横浜市、川崎市、京都市などでは全世帯封入にしました。−久喜市などでは『調査票は…そのまま調査員にお渡しください』『封をして調査員に渡していただくこともできます』と書いていて、“封をしないで出すのが原則だが、封をしてもよい”というような中途半端なやり方です。
 これまでのような、プライバシーを無視した国勢調査は、不可能になってきています。国政調査のあり方も方法も見直すべき時期に来ています。

★今回の国勢調査では、偽調査員による票差票持ち去り事件まで各地で多発しています。もう、調査員が訪問して調査する方式そのものをやめるべきでしょう。★


9月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

小学校・幼稚園のアスベストは、直ちに除去すべきである

 市議会一般質問で、4名の議員がアスベスト問題を取り上げ、公共施設の内、特に4つの小学校と中央幼稚園のアスベスト除去を求めました。

吹き付け材の中の
アスベスト濃度
清久小学校 音楽室 天井 3.0%
久喜小学校 普通教室 10教室、保健室 天井 3.0%
階段室 天井
青葉小学校 階段室 天井 1%未満
青毛小学校 普通教室 25教室 1%未満
保健室、理科室、家庭科室、コンピュータ室、図工室
階段室 天井
中央幼稚園 保育室 6室、職員室 天井 2.8%

 これに対する当局のアスベスト対策は、最初、まったく危機感のないものでした。
◆9月29日の段階で、全部の教育施設の吹き付けアスベストを除去することを表明したものの、除去の時期は、清久小は今年度中、中央幼稚園と久喜小は来年、青葉小と青毛小は19年度と言っていました。−すぐにやらない理由は、「除去費用が1億円かかる」という財源問題だけです。
◆しかし、アスベストを除去するまでの最長2年間、「現在のところ飛散する怖れはないから、教室などをそのまま使用し続ける」ということが認められるはずはありません。子どもたちの安全、健康といのちにも関わる問題で、財源がないからというのは理由にもなりません。
 30日の一般質問で、石川市議が「除去するまで、該当する教室は使用禁止にすべきだ」と迫りました。教育委員会は「当該の教室は原則として使用禁止とし、使わざるをえない場合はアスベストをビニル等で覆って飛散しないようにする」と答弁し、方針を変更しました。

◆しかしアスベストを覆う“囲い込み”工事をしたとしても、それでも最長2年間も吹きつけアスベストをそのままにしておくのは認められません。−私は10月3日の一般質問で、「天井に吹き付けられたアスベストをビニル等で覆うというが、完全に密閉できるのか。どんな工法を取るのか。2年間もそのビニルが維持できるのか。ビニルとともにアスベストが剥離したり落下する危険が増すのではないか」と追及しました。
 結局、教育委員会では答えられず、助役が答弁に立って、「財政をやりくりして18年度に実施できるよう、積極的に努力する」と約束しました。
 私は一応この答弁で了承しましたが、さらに、「財政調整基金を使ってでも、今年度中にすべて除去するべきだ」「来年度になるとしても、年度早々に着手してほしい」「ビニル等による囲い込み工事をするのなら、飛散しないように万全の工法を取ってほしい」と要望しました。

アスベストを含むボード類も

 また、アスベストを含有していると見られるボード類が、太田小、江面一小、江面二小、青毛小、東小、久喜中、南中、東中、太東中の、体育館の渡り廊下に使用されていることが明らかにされました。ただしこれは10年前の調査なので、それ以外にないか調査し、さらに劣化や破損した場合にはアスベストが飛散する危険があるので、すぐに撤去することも約束しました。−教育委員会では「これらのアスベスト成形板は過去に封じ込め処理をしているので飛散はない」と説明していますが…。

ボードはすでに破損していた

 その日、私が実際に、青毛小学校の体育館の渡り廊下を見に行きました。−何と! 渡り廊下のボードが10枚以上も、大きな穴が空いたりひびが入ったり、“破損”しているではありませんか。そのボードがアスベストを含有しているとすれば、破損個所からすでに周辺に飛散していたことになります。教育委員会に連絡し、すぐに撤去するよう求めましたが、当局はそれらのボードが実際にどういう状況にあるか知らないで、「劣化や破損、飛散はない」と言っていたわけです。−改めて、学校のアスベストの即時撤去を求めます。

★「財源がない」というのは役人の常套語。しかし市長選挙前に財源が湧いてきたように多くの新規事業…。「財源がない」という言い訳はもうだれも信じない。★


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