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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』272号
2004年7月20日

合併で、議員任期延長=2億円以上ものムダ遣い

 久喜市・幸手市・鷲宮町の合併協議会は、2005年5月の合併に際して、現在の2市1町の議員全員の任期延長を決めてしまいました。現職議員70名が選挙もせずに、1年間も居座ることになります。しかもこの任期延長案は、3月24日の合併協議会に“調整方針”を提案し、議論もなし。たった1日で「即決」してしまいました。−議員の既得権を最優先した市民不在のスピード可決です。
 合併後1年間、定数の2倍以上もの議員で、2億円以上もの報酬が余分に支給されることになります。この他にも、◆政務調査費(現在、久喜市議会は月2万円)、◆議員共済年金の掛け金、◆費用弁償(久喜市議会は1日2500円)などなど…。いったい税金の無駄遣いはいくらに上るでしょうか。−70名の議会をどこでやるかも大問題です。現在の久喜市議会の本会議場を大改造し、70名分の机とイスを設置して、1年後には撤去工事…という案が有力ですが、こんなばかげた話で市民の理解は得られません。

議員報酬の引き上げ額は、住民投票の後で決定?

 70名の議員報酬の額については、『現行報酬額及び同規模の自治体の例をもとに調整する』ことになっていますが、(a)2市1町の中で最も高い久喜市の報酬額(月36万円)に合わせるのか、(b)同規模市=県内16万人の人口の市の報酬額に合わせようというのか、これも玉虫色の表現です。もし、(b)となれば、70名全員の議員報酬を一挙に月額45万円に引き上げることになります。
 9月19日に住民投票が行われますが、これは、合併・市の名称・新市建設計画・議員任期など丸ごと一括で賛否を問うものです。したがって、“合併賛成”が多数になれば、「議員全員の任期延長も信任された」ということになって、報酬額の引き上げは、その後に決めていくことになります。

市民生活への影響…負担やサービスの行方は先送り

 久喜市の合併協議会がお手本にした西東京市では、「国民健康保険料は合併時に低い方に合わせ、下水道料金は合併後すぐに協議して、2年後に低い方に合わせた」のです。春日部グループでは住民投票前に、合併後の国民健康保険税、保育料、下水道料金の額などを決定していました。蓮田グループでは議員の任期延長を否決しました。−これに対し、久喜グループでは水道・下水道・国民健康保険税・保育料・給食費など市民の負担やサービスを合併時に統一せず、ことごとく先送りするというのです。−田中市長は『合併は、短期的な損得で判断しないで…』と言います。しかし私たち市民に対して、「短期的にも長期的にも、市民負担やサービスがどうなるか」も知らせず、市民生活への影響をあいまいにしたままで、議員の任期延長などの「既得権」だけは優先してさっさと決めてしまい、住民投票が済んだら「報酬引き上げも…」というやり方では、『いったい何のための合併か』、不信が強まるばかりです。

議員の既得権優先=任期延長特例に反対しましょう


★7月11日、春日部グループで住民投票を実施。宮代町で『反対』多数となり、春日部との合併は否決されました。久喜ももう一度考え直した方がいいのでは…。★

2市1町の全議員70名の居座りは許せない
特権的な「議員の任期延長反対」の署名を

合併協議の中で、議員の身分と報酬=既得権を最優先−。市民不在の合併論議は許せません。

★下の署名用紙部分を切り取って使ってください。いくらでもコピーしてください。
★足りなければご連絡ください。何枚でもお届けします。            
★問い合わせは ⇒ TEL/FAX 0480-23-2471  携帯 090-3547-1240 猪股まで  

提出先/〒346−8501 久喜市下早見85−3 久喜市議会議長あて
【猪股に送ってくださってもけっこうです。その分は、私がまとめて事務局に持参します。】

2市1町合併で、70名の議員の任期延長に反対します

署名用紙をダウンロードできます
 久喜市・幸手市・鷲宮町の2市1町合併協議会は、@合併期日は2005年5月1日、A新市の名称は“桜宮(さくらのみや)市”、B新市役所は当分の間、現在の久喜市役所におく、−さらに、主な市民サービスと負担のあり方、「新市建設計画」「財政計画」等を決定し、9月19日の住民投票で有権者の承認を得る計画で準備を進めています。
 合併に伴って、旧市町の議員はすべて失職し、新定数のもとで選挙を行うのがあたりまえの原則ですが、2市1町合併協議会は3月24日の第13回会議で、【@『在任特例』を利用して、全議員の任期を、2006年4月30日まで延長、A任期延長後の新議員定数は32名】と決定しました。
 定数の2倍以上の70名もの議員が1年間任期を延長することによって、報酬、費用弁償、政務調査費、議員共催年金掛け金など、2億円以上が余分に支給されることになります。市町村合併の目的は、地方分権の推進と財政の効率化とされていますが、議員の任期延長はこれに真っ向から反する、税金のムダ遣い以外の何ものでもありません。
 私たちは、久喜市・幸手市・鷲宮町の合併に際して、2市1町、70名の議員の任期延長=在任特例の適用に反対します。当然の原則に基づいて、合併と同時に2市1町の議会解散(自動的に失職)、新定数による選挙を速やかに実施するよう求めます。

久喜市議会議長 あて
2004年   月   日


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』271号
2004年7月5日

6月定例市議会、29日に閉会

全議案と各会派の賛否

市民の陳情に応えなかった委員会審査

 6月議会に、『容器包装リサイクル法の改正を求める意見書提出に関する陳情』が提出されました。【提出=生活クラブ生協ゴミゼロ連絡会久喜】「大量生産・大量利用(大量リサイクル)から、ゴミになるもの自体の減量への構造転換、リサイクルコストを生産者責任にさせるなど、政府への意見書提出を求める」もので、6月22日、市民経済委員会で審査されました。
 市民経済委員会の議題はこの陳情1件だけ。委員会の冒頭に、原議員が『委員外(傍聴)議員には発言させない』と提案、それを受けて岡崎委員長が即座に『委員外議員の発言は許可しません』と宣言してしまいました。−これまで久喜市議会では、どの常任委員会でも、当該委員会の所属でない議員にも傍聴・発言を認めてきました。他の議員の発言も聞きながらオープンに審議を深めてきた、久喜市議会のよい慣行を否定してまで、他の議員の発言を封じた意図はなに…?
 実際の審査では、原議員が『リサイクルに関わる全国の動きや衛生組合の取り組みについて、当局の情報』を質問し、『久喜市行政も要望してほしい』と求めただけでした。−この陳情は、「久喜市議会から政府に意見書を出してほしい」という内容ですから、当然、委員会で、“政府への意見書を出すことについて”の協議を行うべきだったのに、一議員の意見開陳でおしまいにしてしまったわけで、他の議員からは『陳情の趣旨に応えていない』という批判も出ています。


久喜市の審議会等の委員選任の状況
女性の参加率、市民参画の進捗状況を数字で見る

6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

久喜市の環境政策の基本を引き継ぐ…

 久喜・幸手・鷲宮の合併協議の中で、多くの重要政策が『合併後に調整』『合併後に再編』などと、方向性すら明らかにされていません。《久喜市・幸手市・鷲宮町の将来からゆたかで活力あふれる16万人都市を目指して》という立派なパフレットが全戸配布されましたが、これを読んでも“あいまい・きれいごと”の文章ばかりです。
 【環境基本計画・環境保全率先実行計画】についても『新市において新たに策定する』とされていますが、久喜市の先進的な環境行政の基本政策を活かすように要求。当局も『久喜の計画方針を、新市の共通方針としていく方向である』、『できるだけ農薬を使わない樹木管理などの環境政策についても、久喜市の実施している政策を軸に調整していく』と答弁しました。

合併で、ごみ処理行政はどうなる
 合併後の最大の難題がごみ処理行政です。

 合併協議会では、
【@久喜市域は久喜宮代衛生組合で、幸手市域は杉戸町への委託(杉戸町環境センターで処理)で、鷲宮町域は栗橋鷲宮衛生組合でそれぞれ現行通り処理する】……つまり合併後の新市では、3方式のごみ処理事業をそのまま併存し、
【Aごみの分別方法については、合併後に、久喜市の方法で統合する】ことになりました。

@久喜は2分類15種分別と最も細かく分けていますが、幸手は、《燃やせるごみ・燃やせないごみ・ 有害ごみ・粗大ごみ・資源ごみ(@びん・かん・ペットボトル・白色トレイ、A紙類・布類)》、鷲宮は、《もやすごみ・もやさないごみ・飲料用のビン、カン・ペットボトル・新聞・雑誌、雑紙類・ダンボール・廃乾電池・廃バッテリー・牛乳パック・有害ごみ・粗大ごみ》という分別。−久喜との最大の違いは、
▼幸手も鷲宮も、プラスチックを“燃やすごみ”に入れている、
▼久喜だけが生ごみを分別して堆肥化を進めていることです。分別方法を久喜に合わせるだけでは、杉戸町環境センターや栗橋鷲宮衛生組合では、プラスチックの資源化や生ごみ堆肥化に対応できませんから、3方式でのごみ処理を続ける限り、『分別方法の統一』は不可能です。
A久喜宮代衛生組合の焼却炉は現在地の隣接地に建設する計画ですが、周辺住民の了解が得られず、進んでいません。“いつ壊れるかわからない”現在の焼却炉−壊れたら即、久喜市域のごみ処理はパンクです。−最悪の事態を避けるためには、合併後、新市が他町との衛生組合や委託を解消し、独自のごみ処理計画に基づいて、施設の建設を計画していくべきです。


新市の「名称案」は「桜宮市」ですって?

 5月26日に開かれた合併協議会で、新市の「名称案」が決まりました。−何と、ナンと、《桜宮市=さくらのみやし》だそうです。
 候補名は、みどり市、美咲市、埼葛市、桜市、葛西市、などがあがっていました。委員27名が3回の投票を繰り返す方法で絞り込んでいきました。−1回目で、みどり市が過半数の15票をとったのですが、2回目、3回目の投票で、美咲市や桜市など、桜に象徴される幸手のイメージ、鷲宮の「宮」を残したいという思惑が重なって、《桜宮市》となったようです。決選投票は、@桜宮市14票、Aみどり市13票で、わずか1票差でした。
 それにしても、桜宮市では、地名に込められた歴史が感じられないこと、また、幸手と鷲宮のイメージで、久喜市がはずされたというイメージがすることなどから、久喜市内ではかなり反発が強いのも確かです。
 今さらのように、『名前なんか大したことではない』と言い出す人も出てきていますが、そうでしょうか。(冗談半分に、『「宮」は鷲宮、「さ」が幸手、「く」が久喜で、ちゃんと久喜も入っているよ。「ら」はラッパのラだ』などと、おちゃらかしですまそうという人もいるんですが、名前というのはもっと大切なものでは?)
 それに、大阪環状線に「桜宮駅」、桜宮小学校や桜宮高校もあって、「桜宮=さくらのみや」というのは関西圏ではかなり知られた地名です。埼玉では知る由もないことですが…。
 幸手市では「桜10万本運動」が市のメインの政策になっています。久喜市でも青葉や清久桜通りや公園にも桜が多いのですが、「桜宮市」だからって、生態系を無視して、桜がむやみに植えられていくような事態は避けてほしいと思います。


★合併推進論者は、『合併は避けて通れない。合併しないとやっていけない』と言いますが、『合併しないとやっていけない』根拠を説明してくれる人はいません。★

★市民にすべての情報を明らかにするのは、これまでの久喜市の基本姿勢でしたが、合併問題では『知らしむべからず、拠らしむべし』になっているようです。★


6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

疑問!? 合併で行政は効率化する?
あいまい、玉虫色の合併協議

@合併後の市役所は、現在の久喜市役所におきますが、現幸手市役所と鷲宮町役場にも管理部門を分散させ、さらに総合支所もおく計画です。“総合支所”は市民にとってはどこの庁舎に行っても、基本的にはすべての手続きができて便利ですが、管理部門まで3か所に分散させるのでは、効率化に反します。ーもっとも当局は、「永久に総合支所を置くことではない」、「将来(10年後)は新庁舎の建設も検討する」とも。現庁舎をできる限り長く使うのがあたりまえではないでしょうか。
A合併すれば当然、新市の市長ら3役は1人ずつになるのがあたりまえ。ところが他市の合併の例で、失職する他市町の首長を救うために、副市長職を作ったり助役を複数にして役職を増やした市もあります。ーそんなことはしないだろうと質問したのですが、当局は「新市長が決めること」とあいまい答弁。もしや合併したら、副市長などの特別職でも新設するつもり?
B市長ら3役の給与、議員の報酬については「現行の、および同規模他市の給与・報酬額をもとに調整する」としています。
▼70人の議員報酬を、合併時に久喜市並み=月36万円に引き上げる、
▼合併と同時に、市長給与を同規模他市並みの95万程度に、70人の議員報酬も他市並の45万円に引き上げ、
▼合併当初は、現在の2市1町の報酬額をすえおき、合併してから報酬審議会に諮問して決めるーなどの方法が考えられますが、当局は調整方針を明確にしていません。……住民投票が終わるまではあいまいなままにしておくつもり?
C水道料金、下水道料金、保育料、国民健康保険税、学校給食費などは、合併後2〜3年間は2市1町の区域ごとにバラバラな料金制度を続け、その後に統一する方針です。上がるのか下がるのか、方向性くらいは住民投票前までに明らかにするよう求めました。ー当局は「合併後に審議会等で決めていく」としていますが、事実上、高い方に合わせて引き上げていく考えなのは明らかです。
 合併論議の最初の頃は、“サービスは高い方に、負担は低い方に合わせる”と言われていましたが、最近ではそのような言い方はまったくしなくなってしまいました。

◆春日部市グループでは、合併後の国民健康保険税、保育料、下水道料金などは、すでに金額まで決定していて、合併時に統一します。ー久喜グループでは、住民投票まではあいまいなままにしておく……。市民をごまかすやり方です。
◆私のところに、『合併は将来のまちづくりの大きな問題であって、公共料金やサービスがどうなるかなどは些細な問題だ』『3年間くらい地区により負担が違っても大したことじゃない』というメールが来ました。ーしかし合併の本来の目的は市民サービスの向上です。市民のサービスや負担がどうなるかは、むしろ合併の核心に関わる問題です。しかも、都合の悪い情報を出さないで世論誘導をしていくようなやり方が、行政不信・合併自体に対する不信につながっていきます。

「費用弁償」は廃止すべきだ

議員や非常勤特別職(審議会委員など)は、会議等に出席すると、報酬の他に「費用弁償」が支給されます。【久喜では、議員は1日2500円、教育委員、農業委員、その他の審議会委員は1日2000〜3000円】 ーこれは遠隔地で会議が開かれる場合などに旅費や食費、宿泊費、通信費などの実費を弁償するために支給されていたもので、現代ではその意義はまったく消滅しています。全国的には廃止の方向にあり、県内でも吉川市、日高市、上福岡市などで、費用弁償を全廃しました。
 久喜でも廃止していくよう主張しましたが、当局は「他市の状況を調査して、報酬と合わせて検討していく」という答弁でした。
 市民から見れば“費用弁償は第2の報酬…しかも非課税”です。早期に廃止すべきです。



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