いのまた和雄トップページへ 『声と眼』のページへ 『声と眼』総目次へ 市民活動のページへ メッセージのページ

久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』294号
2005年6月27日
『声と眼』
バックナンバー

幸手総合病院が久喜に移転?

 6月17日の新聞各紙の埼玉版に「幸手総合病院が久喜に移転方針」、「幸手市長と議会は全員一致で反対」という記事が掲載されました。今後の紆余曲折は避けられず、動向が注目されます。
 幸手総合病院はJA埼玉厚生連の経営。診療11科目、ベッド数192床、幸手市内で最大の中核的病院です(久喜市民もお世話になっています)。
 新聞報道によると、5月16日にJA埼玉の会長と病院長が幸手市長を訪問し、『病院経営が厳しく、高度医療のできる病院を久喜市内に造りたい。通院と透析部門は幸手の現在地に残す』と伝え、6月16日に再度訪問した際に、幸手市長は『幸手総合病院は70年の歴史があり、市民にとって母なる病院だ。移転はとうてい受け入れられない』と答えたといいます。

久喜市議会全員協議会での説明

 21日には急遽、久喜市議会全員協議会が開かれ、市長からこれまでの経過の説明がありました。それによると、
▼昨年5月、JA厚生連から久喜市に対し“久喜市が移転候補地の一つである”と意向表明、
▼今年3月以降3回、厚生連から説明、意見交換が行われています。
 田中市長によると、『ここでの打ち合わせは、あくまで意見交換にとどまり、今後の病院移転に伴う財政負担の問題、あるいは開設場所など具体的な話ではなく、まだ何も決まっていない状況であって、具体的な協議はこれから』『JA厚生連が決める問題であり、市としてはその決定に基づき対応していく立場にあるが、…最大限の努力をしていきたい』『今回の病院移転問題については、久喜市の医療体制の充実を図るためにはお断りする理由はないと思っている』とも発言しました。
 この移転問題がこのまま進むのであれば、久喜市民にとってはいいニュースということになるのですが…。
 JAは今後3年程度かけて計画を具体化させていくといいます。

幸手市民の意向は? その他の課題も…

 今後の最大の問題は幸手市民の意向です。…JAの都合・方針だけで進められるのか、幸手市民の反対を押し切って移転を強行できるのか…。
久喜市が幸手市民と対立してまで病院の誘致を進められるのか。厳しい選択になってきます。
 もう一点は、移転に伴う費用分担です。病院建設は“1ベッドあたり1〜2億円”ともいわれます。
全員協議会の場で助役が『理科大誘致の際に市が資金を負担した実例もある』と発言しており、病院誘致についても、土地代など相当部分が久喜市の負担になるようです。
また新病院の医療圏域は人口30万人が対象となりますが、周辺市町の負担・協力が得られるのかなどの課題もあります。

病院問題の政治利用は許されない

 幸手総合病院の久喜への移転問題は、昨年の合併協議の最中から始まっていたにもかかわらず、幸手市民の反発を怖れ、住民投票が終わるまで極秘とされ、関係者に口止めまでされていたのです。
 “正式にはまだ何も決まっていない。具体的な協議はこれから”といいながら、今の段階で表面化されたのは、8月の市長選挙に向けた政治的思惑もからんでいるようです。幸手市民を無視して、総合病院問題を政治的に利用したりすれば、かえって問題をこじらせる怖れもあります。

 久喜市議会では、昨年9月に医療を考える会の『医療懇話会の設置を求める請願』、12月議会で総合病院をつくる会の『総合病院の設置を求める請願』を、いずれも趣旨採択。
 新年度に、市民公募や専門家ら15名の医療懇話会が設置され、6月23日に第1回懇話会が開かれました。


★JA埼玉の会長は久喜市の元議長で、田中市長を応援する立場の人。こうした政治的相関関係が憶測を生み、問題をさらに複雑にしていることは否めない。★


6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

総合文化会館の運営方針が迷走

 総合文化会館の経営は、昨年度、自主文化事業費4500万に対して事業収入2000万で約2500万の赤字、貸し館事業は、会館の運営費・維持管理費1億3000万に対して収入3000万で約1億円の赤字。−3月議会の一般質問で、民間手法も取り入れた経営改善を求め、当局もPRなどの営業努力を行うと答弁しました。しかし実際には、今年度の自主事業は小ホールでの落語2回だけで、他は全部中止。『文化会館友の会だより』も廃止。プラネタリウムも休館。……経営努力どころか、久喜市は文化会館をつぶす方向のようです。
 久喜市行財政改革戦略会議が今年度の予算編成方針をまとめる過程で、文化会館は「一時閉鎖」、「大規模改修期間として休館」、「閉鎖も含めあり方を検討」などと限りなく閉館に近い方向で検討されていました。その後も、運営方針は定まらず、右往左往・迷走を続けています。−当面は事業を大幅に縮小して継続していますが、これで経営を改善できるかは大いに疑問です。これまで、自主文化事業の赤字だけでなく、貸し館事業もふるわず、開けておくだけで赤字が増えてきたというのが実情です。

 その後、21日に開かれた市議会全員協議会で、突然、来年7〜9月まで文化会館を休館すると発表されました。冷房設備が故障したため、一時休館して修理することになったと説明しています。
 しかし実情は、建物や舞台設備の老朽化、楽屋の雨漏りなど、もっと深刻です。
当局は今のところ、部分的な個別の修理で切り抜けていくとしていますが、本当は全面的大規模改修計画を立てなければならない状況です。
また、会館の運営方針、維持管理方法そのものから抜本的に見直すべきです。−それにしても、長期的に文化会館をどのように位置づけて運営していくかという基本方針がはっきりしないのではどうしようもない……。

総合病院を基本計画に位置づける

 「市長選挙を前にして、今後、総合病院の課題をどう取り組んでいくのか明らかにすべきだ。市の基本計画の中に明確に位置づけていくことについて、市長がリーダーシップを発揮すべきだ」と市長の見解をただしました。当局はこれまでだと、“久喜市の属する利根医療圏域に新規の病院やベッド数の増床は認められない”ことを理由に、具体的検討を拒否してきましたが、今回は健康福祉部長が「医療懇話会で協議し、(新年度に策定される久喜市総合振興計画後期計画に)今まで以上に踏み込んだ形で位置付けしていきたい」、さらに市長が「具体的な政策課題として考えていきたい」
と答弁しました。

★私の、総合病院についての一般質問が13日。その後、17日に新聞報道、21日に市議会全員協議会、23日に医療懇話会発足と、事態が動いています。→ 1面参照★

合併問題の進め方?を示すべき

 田中市長は相変わらず「合併は必要だという考えに変わりない。合併問題は久喜市の最重要課題である」と強気姿勢ですが、今後の実際の取り組み方針についてはまったく語ろうとしません。そこで、まちづくりの将来像をどう打ち出すのか、これまでのように合併枠組み優先でいくのか、検討の方針を明らかにするよう求めました。
 市長は「5月に田園都市協議会、3市6町の意見交換があった。今後も合併は必要という首長が多かったが、直ちに協議に入ろうという首長はほとんどいなかった」「行政だけで進められるものではない。ゆっくり腰を据えて進めていく」と答弁しました。−しかしこんなことは、今さら言うまでもない、あたりまえのこと! 昨年、市民の意志を無視して市長が突っ走って失敗したのを反省して、今後の合併を検討するというなら、@当面は単独でやっていける体力を付け、A市民の意思を把握した上で、Bどのようなまちづくりが必要なのか、周辺市町との協議もしていかなければなりません。田中市長は、具体的な方針も示さず、“時機を待つ”だけで、政治の責任が果たせると考えているのでしょうか。−合併問題に対する政策方針をあいまいにしたままで市長選挙に臨もうとする姿勢は無責任です。




久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』293号
2005年6月13日
『声と眼』
バックナンバー

議会構成…人事が大幅に変更

 6月議会初日に、各委員会や一部事務組合議会の所属議員の変更、各委員会の正副委員長の選挙など、議会人事が大幅に変わりました。
 委員会の正副委員長や、一部事務組合の議長人事などで、会派の人数だけでなく、議長選挙の協力関係連携の構図などが微妙に影響しています。
 6月議会後には、後上議員が辞職(市長選挙に立候補予定)、8月末には市議補欠選挙があるので、会派構成はさらに変わります。

現在の久喜市議会の会派構成


 定数25名に対して現員数24、選挙後とは会派構成も少し変わっています。【◎代表、●副代表】

新政議員団 9人 ◎鈴木、●福垣、木村、川瀬、新井、内田、荒井、星野、岡崎
公明党 4人 ◎戸ヶ崎、岡崎、角田、柿沼
共産党 3人 ◎木村、●稲木、砂川
市政会 3人 ◎須藤、岸、原
みらい 2人 ◎後上、●鈴木
大 地 2人 ◎石川、●猪股
無会派 1人 井上


新しい委員会の構成が決まりました。
一部事務組合の構成も変わりました。

審議会と議員の兼務を原則廃止

 6月定例市議会に「総合振興計画審議会条例等の一部改正」案が提出されました。−これまで、総合振興計画審議会、農業振興協議会、下水道事業運営審議会、水道事業運営審議会、小中学校学区等審議会、学校給食審議会の委員などに、議員を選任することを条例で規定していましたが、すべて削除するというものです。
 以前は、久喜市に50近くもあった付属機関の委員のほとんどに、議員が選任されていました。それらの審議会は、市の政策検討のための付属機関・市長の諮問機関であり、水道・下水道料金、学校給食費の値上げ、国民健康保険税の引き上げなど、そこでまとまった条例や政策を、市長が議会に提案してきていました。−実際問題として、たとえば市長が国保運営協議会に諮問して、協議会が値上げ案を答申した場合、協議会委員でもある議員は、その段階で当局の値上げ案にOKを出すことになります。その「値上げ案」が議会に出されたときに、その議員は議会で客観的な審議をすることはできません。
 議会は当局への政策チェック機関であって、執行機関との立場を厳密に区別すべきです。したがって10年近く前から、政策審議機関と議員の兼務を辞めるよう求めてきました。−当局も98年には「審議会等の委員選任の基準に関する要綱」を策定し、政策審議過程への市民参加を拡大するために市民からの公募委員を増やすことを方針化し(目標20%)、それと並行して議員からの選任を大幅に減らしました。2000年には、私が提案して、議員が政策審議機関の委員を兼務した場合に、審議機関の報酬(重複報酬)を支給しないとする条例改正を可決しました。
 その後も、審議会委員の改選時などに議会からの選任を減らしてきていて、98年以前は60名以上でしたが、2000年は46審議会の内、13審議会に32名でしたが、05年4月には8審議会、24名に減っていました。
 今回の条例改正で、基本的には議員と政策審議機関の兼務はなくなりますが、それでもいくつかは兼務が残ります。議会からの選任が法律で規定
されていてはずせないものが、都市計画審議会委員(3人)、民生委員推薦会委員(2人)、青少年問題協議会委員(1人)など。また、農業委員会委員は議会から5名の推薦枠があって、その内3名は議員をあてることになっています(議員以外に2名を推薦)。その他に社会福祉協議会理事や評議員、シルバー人材センター理事などの外郭団体の役員などを合わせると15名の兼務が残っています。これらをどうするかは今後の課題です。

審議機関の委員選任に「公募」を明記

 なお、今回の条例改正で、6つの審議機関の委員選任枠の中に、明確に「公募による市民」が位置づけられました。
 実際にはこれまでも公募委員の募集はされていたものの、「学識経験者」枠の中で当局の裁量に任されていました。今後は審議会等の委員選任にあたって「公募を行わなければならない」ことをいっそう明確に規定したものと言えます。


「九条の会・久喜」を作ろう

“憲法9条を守り、生かし、世界に輝かせよう”。
 昨年、井上ひさし、大江健三郎、三木睦子さんらが呼びかけて以降、全国各地で「九条の会」が作られてきています(埼玉県内でも40〜50か所)。
 久喜でも4月から準備会を開いて話し合いを積み重ね、賛同者は党派・組織を超えてすでに100人に達しました。
 これまでの準備会で以下のような“申し合わせ事項”を確認しています。
▼発足は8月上旬、
▼会員は、趣旨に賛同し、久喜市内に在住、在勤、在学する人は誰でも入れる、
▼会員名簿は九条の会の活動以外には使用しない、
▼賛同費は入会するときに 1 口500円とする、
▼会に、代表・世話人会をおき、世話人会の中で事務局や会計を分担する、
▼役員はこれからの準備会で話し合います。
 この会は、思想や政治的立場を超え、「九条」の一点だけで結び合うものです。そして、“日本の平和を守るために憲法を守ろう”というにとどまらず、『不戦・非武装を明記した九条を世界各国に広げよう』という運動です。会員は組織や団体にとらわれず、個人の意志で加入します。


メール アイコンメール
ご意見や情報はこちらへ
tomoni@eagle.ocn.ne.jp
トップ アイコン
トップ