奇跡の再現。   17,05,10

  奇跡は2度ある、と誰かが言っていたが、遂に人生2度目のホールインワン
 をやってしまった。

  箱根CCの10番ショートホール。ここは12年前の2005年10月に初めてホール
 インワンをやった思い出のホールだが、170ヤードもあって、飛距離の出ない
 私にはなかなかタフで難しいホールになっている。

  箱根CCでは「寿会」といって、算70歳以上の会員をシルバークラス、算80歳
 以上の会員をゴールドクラスと称して、それぞれ毎年別の日に無料招待する
 招待競技が行われている。ゴールドクラスになると赤いベストと帽子を無料で
 配られてこれを着用して競技に参加する。今年の参加者は写真のように53名。
 最高齢者は90歳らしい。私は去年からゴールドクラスの参加資格を得て末席
 を汚している若年者である。


   



   今日の寿会は快晴に恵まれたゴルフ日和で皆さん元気にスタートして行っ
 た。私は組み合わせの関係で2サムになり、9時45分、朝一のスタートはこの
 10番のショートホールからだった。

  12年前の時の使用クラブは忘れもしないドライバーだったが、今日の使用ク
 ラブは4番ウッドつまりバフィーを使用した。この所ようやく暖かくなってきて、
 久し振りに半袖シャツにしたので、腕の振りがとても軽く感じられたせいか、珍
 しく真っ直ぐにヒットしてくれて、いい感触で飛んで行った。

  グリーンに乗ったとは思ったが、最近目が霞んで遠くが良く見えないのでボー
 ルがどこに乗ったのかわからない。同伴のH氏が、「ボールが見えなくなった
 から入ったかもしれない。」というので、「まさか」と思いつつも、「もしかして」と
 期待と不安
が半々でグリーに乗りピンの穴を覗いたら、「あった!」。

  「bridgestone 77」のボールが穴の中に鎮座していました。12年前の時も穴の
 中のボールを見た時に、静かな興奮と喜びで、不思議な感動を覚えたのを記
 憶している。今回は2度目なので、以前のような爆発的な感動はないものの、
 さすがに足が震えて胸の鼓動もしばらく収まらなかった。穴に収まっているボ
 ールが健気なわが子のように思えた。記念のボールを拾い上げ、大切にしま
 い込んだ。

  世の中には何千回プレーしても一生に一度もこの感激に遭遇できないゴル
 ファーがゴマンといるのに、私は一生に一度もあり得ないホールインワンを幸
 運にも2度も経験した。これはまさに「奇跡の再現」というしかない。

  寿会の終了パーティで挨拶を求められ、こう述べた。「下手な私にとってホー
 ルインワンは、いわゆる「まぐれ」であり「事故」です。自動車事故と同じで、
 下手な運転手が事故を起こします。上手な人は事故を起こしません。同様に
 ホールインワンはゴルフの下手が起こした事故だと思っています。上手な人
 は、事故ギリギリのピンそばまでは何回も行った経験があるでしょうが、そこ
 で踏みとどまって事故を起こしません。それでいいのだと思ってください。」 

  列席したゴルフ仲間からは「事故でもいいから経験したい。」とやきもちを焼
 かれたが、もう一人の仲間はこれまで5回も経験したと武勇伝を話していた。

  終了後興奮が冷めやらないせいか、ゴルフバッグをゴルフ場に忘れて帰宅
 するハプニングを起こしてしまったが、何とか安全運転で帰宅できた。

  因みにホールインワンをした時のスコアだが、10番に続く長いミドルをボギー、
 続くロングをバーディだったので、ここまで2アンダー。優勝も意識したせいか
 続く13番ミドルで5回もバンカーで叩いて11打になってしまった。

  これですべて本来の私の実力通りになり、ハーフ50、後半52でグロス102
 という平凡なスコアで、優勝どころか入賞も果たせなかった。

  箱根CCは素晴らしいコースでメンバーも紳士淑女ばかりだし、従業員も洗
 練された応対をしてくれる第一級のゴルフ場だが、今年の暮れには退会しよ
 うと思っていた。しかし今回の事で支配人はじめ従業員が実に親切な対応を
 してくれたので、辞めるに辞められなくなってしまった。

  あと2〜3年はメンバーでいることになるだろう。人生はハプニングだらけで
 ある。でも「二度あることは三度ある。」の諺通りには決してならないだろう。
 いい冥途の土産話が出来た。
          
            
12年前の記録はこちら。