ミミズの戯言58、 秋の味覚・秋刀魚。 14,10,10

   50年前の今日は東京オリンピック開会式の日。自衛隊のブルーインパルスが晴れ渡った紺碧
  の秋空に五輪の輪を描き、古関裕而のオリンピックマーチで選手団が入場行進し、NHKの北出
  清五郎が格調高く全国民にテレビ放送したあの感動は昨日のように思い出される。戦後の復興
  を世界に示す力強い夢と希望のオリンピックだった。

   
あの日を記念して10月10日は体育の日と制定され国民の祝日となった。

   さて50年後の今日の我が家、晴れ渡った秋の味覚は云わずと知れたサンマである。ようやく
  1匹150円と庶民の手の届く値段になったので2匹を買い求め、庭に七輪を引っ張り出して備長炭
  を燃やし、もうもうと煙を立たせながらサンマを焼いた。


     

   スーパーで買い求めたサンマだが、どうも少しやせ細っていて小太り感がない。おまけに目玉が
  赤くなっていて新鮮な澄んだ青い目玉ではない。やはり魚市場で獲りたてのサンマがいいのだが、
  ここは産地ではないので止むを得ない。先日も高いサンマを買い求めてコンロで焼いて食べたが、
  やはり七輪で焼く方が格段においしい。サンマを焼く脂が真っ赤に焼けた備長炭に落ちて、ジュウ
  ジュウと音がして少々焦げて黒くなった方が趣があってよろしい。大根おろしを乗せ、絞ったカボス
  と醤油をふりかけて食べると、内臓の苦さが程よく口の中一杯に広がる。

   家内と二人で侘しくも睦まじく食卓で乙なサンマを食べたが、サンマと云えばやはり佐藤春夫の
  「秋刀魚の歌」を思い出す。説明や感想はくどくど言わない。4年前に書いた「ミミズの戯言12」を
  もう一度ご覧下さい。秋の夜長、久しぶりに塩釜の銘酒「浦霞」を冷やで一杯嗜んだ。甘露甘露! 
  「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり」・・若山牧水。である。

  参考ミミズの戯言12;「秋の異変、秋刀魚の高騰。」