ミミズの戯言128青葉の笛。(情報公開のリスク)4,01,05

   昨年の暮れ、ふとしたことから森繁久彌の歌う「青葉の笛」を思い出して口ず
  さんでみた。まだカラオケなるものもない昭和30年代の後半、酒場で悪友達の
  リクエストに乗せられ、あの特徴的な森繁節を真似て、「知床旅情」そしてとっ
  ておきの「青葉の笛」を披露したものだ。

   「青葉の笛」の1番は一の谷の戦いで熊谷直実に討たれた平維盛、2番が岡部
  忠純に討たれた平忠度を偲んだ歌である。平維盛は笛の名手、平忠度は歌人で
  知られていた。

   この「青葉の笛」は明治39年今から120年前の尋常小学校の唱歌だから格調
  が高く哀愁に満ちた旋律で、これが森繁にはよく似合っていた。

   ところで、平忠度を討った岡部忠純と、平盛俊をだまし討ちにした猪俣範綱
  の2人を祭った五輪塔が葉山の寺前という所にあると知リ、それを見に行った
  ことがきっかけで私は葉山町文化財研究会に入会した。そのいきさつは2008年
  の「佐々木家のホームページ」に詳細を書いてあるので参照してください。

             2008年寄稿 青葉の笛

   たまたま、iPadで「青葉の笛」を検索していたら、関連記事に中に突然私の書
  いた「青葉の笛」の一文に出会った。開いてみたら間違いなく2008年にUPした
  私のHPの寄稿文だった。

   懐かしかったと同時に少々心配にもなった。普段何の心配もせずに思うままの
  記事をUPしていたが、まさか世間一般に広く記事が拡散しているとは思いもしな
  かった。

   誰がどんな方法で私のHPを見つけてリンクを張ったのだろうか。
  そのカラクリの詳しいことは知らないが、今はネット時代、なんでもありの時代だ。
   
   考えるまでもなく記事が拡散するのは当然といえば当然である。油断がならな
  い情報社会である。いつ何時私のHPにハッカーが侵入して思いがけない被害に
  あうか知れたものではない。それを承知でHPを始めたはずではなかったか。
  初心忘れるべからずである。

   おりしも、能登半島地震の発生後、「X」(ツイッター)を通じての事実に基
  づかない偽情報の発信や拡散が問題になっているという。

   荒唐無稽な内容だけではなく、架空の救助要請が拡がるなど、被災現場を混乱
  させかねない悪質なものまであるらしい。SNSは便利な情報手段なるがゆえに
  威力と影響の大きさも強烈である。

   迷惑を蒙る偽情報の被害者は誰でもない、被災した現地住民その人たちである。
  興味本位に面白がってSNSを悪用する箏は厳に慎むべきである。

   偶然、ネットで私の一文を発見して、安易な情報公開は危険でリスクがあると
  改めて痛感したいい経験だった。