今年最後の太刀魚釣り。  15,12,17

   今年も残すところあと10日ばかりになった。平々凡々の日常がつまりは
  幸せというものだろう。趣味の釣りも数えてみれば今年は18回になる。
  月2回には少し足りないが、ゴルフよりもはるかに多い。

   葉山の釣友会のS会長が太刀魚を釣りたいというので、連れだって天気
  の良い昨日東京湾の行きつけの船宿から出船した。気温が20度に近く、
  無風だったので、まるで春先のようなポカポカ陽気で、厚手の防寒着など
  早々に脱いでしまう暖かさだった。学友の釣り仲間も参加して仲よく3人
  並んで釣り糸を垂れた。

   東京湾といっても、太刀魚は観音崎近海は比較的大物が釣れるが数は
  釣れない。久里浜沖、下浦沖、剣崎沖は数は釣れるが型は小さい。何故
  下浦沖の太刀魚がいつでも小型なのか、観音崎の太刀魚は何故いつも
  大きいのかは良く判らない。下浦で成長して大きくなると観音崎沖に移動
  するのだろうか、それなら納得できるが果たしてそうなのか、海の中の事
  はいつでも謎だらけである。

   太刀魚の大きさを表す独特のメジャーは「指何本」という表現方法をする。
  魚の巾の大きさの事で、指5本といえば大物中の大物でドラゴン級とも表現
  しめったに掛からない。長さでいえば1mを超えて110〜120センチほど
  になる。釣り上げるとき激しく抵抗しグイグイと海中に引き込まれるから正に
  釣りの醍醐味が味わえる。

   今日は観音崎沖になった。船長同士が情報交換をしているから、釣れる
  場所に行くと、まるで護送船団の様に同じ場所に船が集まってくる。

   今日の釣果は11本。数はともあれ、ドラゴン級に近い指5本の大物が
  3本も釣れた。長さはちょうど1mあった。強烈な引き込みをあやしながら
  竿とリールを操り、銀色に光る魚体が海中から徐々に上がってくると慎重
  に取り込む。

   時々釣り上げる瞬間に釣り落とすことがある。カミソリのような歯でハリス
  が、時には道糸まで簡単に切られるアクシデントに見舞われることがある。
  「慎重かつ素早く」が基本である。初心者には難しい動作である。

   太刀魚は海中では立って泳いでいるらしい。それでタチウオという説も
  あるし、魚体が刀に似ているから太刀魚という説もある。私は後者だと思
  っている。刀といっても日本刀というよりも西洋のサーベルに似ている。

   裁くのは至って簡単。頭を落とし内臓を取って、背びれを両側から包丁
  を入れて切り取り、あとは3枚にして下処理が完了する。料理はさまざま
  で白身が淡白だからどんな料理にしても上品な味わいがある。

   娘と孫がやってきたので、塩焼きと刺身を作ったらいつものように一皿
  ぺろりと食べてしまった。残りは親戚のK翁宅と、娘の幼い時からの親友
  宅に届けた。

   今年の釣りはあと1回カワハギが予定されているから、今年の釣りは
  ちょうど20回になる予定。来年も体力の続く限りマイペースで海釣りを
  楽しみたい。まずは今年の太刀魚釣り納めである。