タイ釣り名人の指導。  13,09,11

   先日、横須賀佐島港の船宿「つね丸」でカツオを釣った時、船宿の常連のタイ釣り名人の
  Hさんと釣り談義をした。少なくとも週に一度は必ず鯛を釣りに行く名人だけあっていろいろ
  教えてくれ、今度いちど実地でノウハウを伝授しましょうという事になった。

   一昨日電話があり”良い釣り座を取ったから行きましょう。”と約束通りタイ釣りに同行して
  くれた。私のタイ釣りはほとんど初心者同様で、釣り方すべてが自己流だから何回行っても
  技術に進歩がない。多分プロから見たら欠点だらけの釣り方だろう。今日は折角名人から
  教えてもらえる得難い機会だから全くの初心者として教わることにした。

   教わるには何よりも謙虚さが一番だ。なまじの知ったかぶりは最も嫌われるしご法度だ。
  得てして何事につけ名人と呼ばれる人、特に釣りの名人は”技術は盗むもので教わるもの
  ではない。”といって教えることを嫌がる人が多い。Hさんは親切に懇切丁寧に自分のノウ
  ハウを教えてくれた。

   竿や道糸、針やハリス糸の選び方、仕掛けの造り方、船べりへの道具セットの位置、ビ
  シ投入方法、着底後の棚の取り方、リールの操作、特にドラッグの扱い方、誘いの方法、
  魚信があった時の合わせ方と泳がせ方、取り込みのコツ、等々今まで全く筋違いの事を
  していたのが恥ずかしいほど目からうろこの勉強になった。その日の海の条件によって釣
  れるときも釣れないときもある。彼はそれも熟知していて相模湾の自然現象も懇切に教え
  てくれた。竿やリールの購入の時の注意も教えてくれた。かくしてタイ釣りに関して私は入
  門者から初心者へ、さらにベテラン釣り師にも恥じない中級者へと進めそうである。

   釣り場に到着して第1投の時から細かく指導を受けた。8mもの長い仕掛けの投入だか
  ら手返しが初心者はどうしてもベテランよりも遅れる。投入前に8mの長い仕掛け糸が絡
  まって自分祭りになり、手に負えなくなる事がよく起きる。投入と回収は正しいやり方を覚
  えてあとは何度も繰り返して体に覚えこませることだと云われ、手取り足取りその方法を
  教わった。お蔭で後半には何とかベテラン並みのスピードで手返しが出来る様になった。

   棚どりもその日によって違うが、今日は仕掛け長+3mで様子を見るように云われ、誘
  いも含めすべて名人の指示通り忠実に操作をしていたら、遂に待望のタイのアタリが来た。
  慎重に巻き上げたところ46センチ1,4`の立派な真鯛が姿を見せた。続いて3キロもある
  ワラサが揚がった。その他3度も強烈な当たりがあったが、ハリス切れやら針が伸びたり
  やらですべてバラしてしまった。名人は「仕掛け投入後のドラッグの緩め忘れ」がバラシの
  原因だと明確に指摘した。あれほど教わったのにすぐ忘れてしまったのが大魚を逸した
  原因なので、地団駄踏む思いだった。さすがに名人Hさんは3キロもあるタイ3匹とワラサ
  を苦も無く釣りあげてお手本を示した。


     

   10月〜11月は大物のタイが釣れる絶好のシーズンだから、あと2度ほど一緒に釣れ
  ばもう立派に一人立ちできますと太鼓判を押してくれた。またアジやメバルやカワハギ
  などの中物を釣っているだけあって、タイのコツをつかむのも呑み込みが早いとお褒
  めの言葉を頂いた。すっかりタイの魅力に取りつかれてしまった。10月早々にH名人
  から誘いの電話がかかってくるのが待ち遠しい。
  帰宅して”つね丸”のHPを見たら私のニコニコ顔の写真が大写しに載っていた。