能登・七尾湾の釣り。  16,06,26

   房総半島西端の館山沖と三浦半島先端の久里浜沖の中間に位置する洲崎湾
  は、太平洋に接し、多彩な魚が釣れる事で知られる釣り師たちのメッカである。

   その洲崎に1泊でイサキ釣りに出掛けて3日もたたないのに、今度は旧友の誘
  いで2泊で能登に釣りに出かけた。七尾までは北陸新幹線で金沢駅で乗り換えて
  特急サンダーバードで行く。東京からほぼ4時間の旅だ。

   能登の海は洲崎湾以上に魚影の濃い漁場で、およそ関東では信じられないほ
  ど大きな魚が良く釣れる。例えばメバルなどは関東ではハリが2〜3本ついた仕
  掛けで青イソメをエサにして釣る。当たりがあった時には慎重に、かつ高いテク
  ニックが必要だから、1匹釣るにも価値がある。

   能登のメバル釣りは、ハリが10本もついた仕掛け、いわゆる”サビキ”釣りで、
  当たりがあって豪快に巻き上げると一度に数匹、たまには7〜8匹も鈴なりに釣
  れてくる。しかもサイズが30センチ以上はざらでとにかくでかい。魚体が赤く、赤
  メバル又は沖メバルと呼ばれる種類である。

   関東のメバル釣りは、数釣りではなく、食いと合わせのタイミングを楽しむテク
  ニックと引きの強さを楽しむ通好みの釣りだが、能登は数釣りを楽しむ釣りだか
  ら、趣はまるで違う。水深も150mと深い。さらに沖の250mの深さでは、タラや
  アラ、運が良ければ10キロ近いメダイが釣れる。

   関東ではマダイが珍重されメダイは外道として左程評価されないが、能登では
  マダイよりもメダイが珍重される。ところ変われば品変わるである。

   梅雨時で天候が不安定なので、2日間の釣りの予定を1日だけに短縮した。
  いつも世話になる”能登のハマちゃん”こと岡田さんには現地で何くれと面倒をお
  かけした。船の手配はもとより、竿やリールや仕掛け、エサなど何から何まで気
  配りしてくれた。彼なしには能登の釣りは成り立たない。船長の金子さんは毎年
  お世話になっていて顔見知りだが、海を熟知しているので今回も釣れるポイント
  に的確に案内して楽しませてくれた。

   旧友のMちゃんは好調な釣りでメバルを30匹も釣って満足げだった。わたしは
  彼の半分の15匹とタラを4匹。外道で40センチ近いトラフグを釣った。
  船長は、「金沢の料亭に持っていったら1万円はするよ!」というので、世話にな
  った岡田さんに進呈した。調理師の弟さんが調理をするとの事だった。

    

   天気は曇りだったが何とか雨も降らず快適な釣りだった。魚はクール宅急便
  でそれぞれ自宅に送り、和倉温泉の奥湯で疲れを癒し、話題の辻口パティシエ
  の店で海を見ながらケーキとコーヒーを飲み、弟宅で祝杯を挙げて翌日新幹線
  で帰宅した。帰宅後早速、タラとメバルの大物は釣り仲間達に進呈し、残りの
  メバルは我が家で煮付け、鱈は若干季節外れだが鍋にした。
    

    

   また来てくださいと船長に言われたが来年行けるかどうかは判らない。