鯛のれん。      13,10,01

   相模湾は相変わらずマグロとカツオが良く釣れていて釣り人で賑わっている。
  船宿はマグロ客の為に鯛などは後回しにしてマグロ船だけになり、釣り場のポイント
  は30〜50キロのマグロを追い求める船団でまるで戦争のような有様になっている。

   そんな中で数少ないタイ釣りの船宿”つね丸”から最近タイの師匠になったHさんと
  タイ釣りに出かけた。H名人曰く 「タイを釣るコツは1にも2にも情報だよ。」という。
  気象、海の状態、最近の釣果、船宿の情報、釣り仲間との情報交換、これらの情報
  から釣り時を見極めて出掛けるのでタイを釣る確率が高いのだそうだ。

   そんな彼から火曜日に行こうと誘われ喜んで同行した。生憎天気が悪く、時にスコ
  ールのような雨に襲われたが、師匠の直伝の釣り方がようやく板についたのか、なん
  と1,4キロ平均のタイを6枚も釣り上げた。

   10人ほどの乗船で船中91枚ものタイが釣れたので私の6枚などは裾のほうだが、
  船長は「こんな日は1年に1回あるかないかの大漁。」と驚きかつ喜んでいた。「つね
  丸」の船長はタイの釣り場のポイント探しが上手なことで定評があるのだが、さすが
  にこんな大漁にはめったにお目にかかれないらしい。アジ釣りでもあるまいにこんな
  に釣れるとタイの希少価値が下がって有難みが薄れてしまうというものだ。

   船宿の若女将も祝福してくれて”鯛のれん”の完成だとユーモラスな写真を撮って
  船宿のHPを飾ってくれた。隣の釣り座で何かと細やかな指導を受け、トラブルの時
  やタイが釣れた時などいち早くフォローしてくれたH師匠には 「もうそろそろ一人前
  です。立派なタイの釣り師になりました。」とお褒めの言葉を貰った。しかしまだまだ
  この釣りは奥が深いのであと数回は一緒に釣ろうという事になった。有り難い事だ。

   手持ちの電動リールが10数年たって故障気味なので新しく買い求め、ついでに師
  匠推薦の鯛竿も買い求めたので、幸先良いタイ釣りのスタートになった。魚釣りとは
  何かと物入りな趣味なのです。