黒鯛。    
                  09,05,23

  5月の釣りクラブ例会は、千葉・富浦港の民宿に泊まって鯛・アジを狙った1泊旅行でした。
 参加者はいつもより極端に少ない6名とあって少数精鋭の釣りキチの集団です。久里浜から
 フェリーで房総半島の金谷に渡ると30分で富浦に着きます。館山に程近い小さな漁村ですが、
 いくつかの市町村が合併して今では南房総市と名前を鞍替えしていました。この辺はいかに
 も千葉の漁村らしくいたってのんびりした景色で、海辺には朽ち果てた北朝鮮の拉致船のよ
 うな木造のべか船が無造作に立ち並んでいます。近場の海では、次々に手馴れた手つきで
 たこ網を上げて蛸を取っている漁師がいました。至る所に格好の磯の釣り場があって、石鯛
 狙い、黒鯛やメジナ狙いの釣り人が竿を下ろしていました。こんな光景は三浦半島ではなか
 なかお目にかかれません。

 片側4人乗れば一杯の小さな釣り船で10時出船。潮周りがよかったようで、すぐにS氏がいい
 形の真鯛を釣り上げて歓声が上がり、まもなく私にも鯛独特の3段引きの強い当たりがあり、
 慎重に取り込んだら大きな黒鯛が上がりました。体長48センチ、帰宅して測ったら重さ2,4キ
 ロもの立派な黒鯛でした。その後しばらく当たりが止まり昼過ぎてから今度はアジが食い始
 めましたが、そのアジの大きいこと。先日の久里浜の大アジにも驚いたがここのアジはそれ
 以上で、H氏の釣り上げた大アジなどはなんと51センチもありました。サバも顔負けの大きさ
 でしたが、はたして味はどうなのでしょう。概して大アジは味がいまいちというから、釣りの醍
 醐味を楽しんだ事で良しとすべきかもしれません。鯛とアジのほか、メジナ、カサゴ、ホウボ
 ウ、メバル、イナダなどの外道も釣れて、参加者全員ほぼ満足のいく釣果でした。

  民宿に帰り、風呂上りのビールと焼酎を飲みながら、大相撲14日目、日馬富士が朝青竜
 を外掛けで仰向けに豪快に倒したシーンに歓声を上げ、船盛りをはじめとした民宿独特の
 漁師料理に舌鼓を打ち、皆さんそれぞれに釣りの薀蓄を語って会話も弾み、酔って雑魚寝
 をして釣り上げた鯛の夢を見ながら、房総の夜は更けていきました。


 この黒鯛は、来週来宅する学生時代の旧友3人を歓待する食事に供し、料理の腕を振るう
 ことになります。できれば黒ではなく赤だったらよかったが、味は黒も赤も変わりがないので
 問題ありません。口さがない釣り仲間が、赤のペンキを塗ったらどうだ、などと冷やかします
 が、黒を卑下してはいけません。そんな卑下した言葉は人種差別ならぬ”魚種差別だ”と言
 い返したことでありました。
  民宿”ぜんべい”にて。

 私のクーラーボックスはかなり
 大きいのですが、体長50セン
 チ近くもあると、尻尾を曲げな
 いと入らないという見事な大き
 さでした。(自慢!)