燻製に挑戦。         15,10,10

   文化財研究会の長老が自家製のチーズの燻製を土産に持ってきてくれた。私が
  常連になっている船宿の若夫婦が太刀魚の燻製を作っている現場に先日たまたま
  居合わせた。ご両人ともドラム缶を手作りで改造して燻製器にしていた。

   などなどから燻製に興味をそそられて、早速ホームセンターに行き燻製器を調べ
  てきた。上級者用のアルミ製の燻製器やら、家庭のガスコンロで簡単にできるフラ
  イパン形式の燻製器やらがあったが、係員のアドバイスで、まずは初心者用の段
  ボールでできた使い捨ての簡易燻製器を買ってきた。金網や鉄串や燃料の桜チッ
  プなど、燻製に必要な一式がセットで揃っているので便利だ。

   これでやってみて少し慣れたらドラム缶を改造するか市販の燻製器に替えるの
  がよさそうだ。とにかくまずは初物に挑戦である。

   葉山の御用邸近くに、「香房・スモーク葉山」という評判の店がある。若い店主は
  サラリーマン時代に燻製造りに魅せられて遂に脱サラして店を開いている。早速
  店を訪問して、アジサバの燻製やらチーズの燻製などを買いながら、燻製造りの
  イロハを教えてもらった。本屋に行って「燻製の造り方」という本を買って読み一応
  の知識も得た。

   10月9日に友人と太刀魚を釣りに行って中大型のタチを4本釣ったので、そのうち
  の2本をまず干物にすることから燻製の作業を始めた。

   燻製の行程は一般的には、@塩漬け、A塩抜き、B燻煙、C熟成、で完成する。
  釣りたての太刀魚を3枚に裁いて塩水に2時間ほど漬け、約4時間干して干物が出
  来あがった。これで@とAは省略できるのでいよいよ「燻煙」の行程になる。

   段ボールの燻製器をマニュアル通りに組立て、干物の表面にハーブオイルを塗
  って、燻製機内にセットした金網に乗せて、桜のチップ材にバーナーで点火して
  約100度、30分炙ると、もうもうとした煙に燻されて燻製が完了する。あとは2時間
  ほど熟成させるとまろやかで上品な味に激変する。

    

   ボンベ付きのバーナーは、炙りサーモンに代表されるように刺身の味が格段に
  美味しくなるので既に購入済みで重宝している。

   かくして最初の処女作品の”太刀魚の燻製”が完成した。食べてみたら、塩味や
  香味は燻煙の温度と時間等のせいか合格点には至らないものの、初回としては
  充分に燻製として通用する一応の出来栄えだった。

   

   時間のかかる奥の深い調理方法なので、やればやるほどハマってしまう趣味
  になりそうだ。次はスモークサーモンかベーコンかチーズかそれとも野菜や卵か、
  夢が膨らむが、凝り過ぎないで程々に楽しみたいと思う。

   旺盛な好奇心と挑戦欲だけが、体と心の老化を遅らせる特効薬のようだ。