キハダ、カツオに挑戦。 13,08,29 思えばサラリーマン生活に終止符を打って以来、随分海釣りにうつつを抜かしてきた。 7年前には我が家の庭仕事をしてくれていた釣り好きのTさんと共同で5馬力の船外機付き 3,5mのボートを所有し、2人で御用邸裏の一色海岸を走り回り、タイやアジ、カマス、キス、 サバ、イワシ、根魚のメバル、カサゴなどを釣りまくったものだが、Tさんも昨年亡くなり、ボ ートも水害の高波で海にさらわれてしまった。あの醍醐味はもう味わえない。小型船舶2級 の免許も昨年更新を諦めて今は操縦の資格もない。一色の海の思い出は一瞬の真夏の 夜の夢として幻のように消え失せてしまった。 あれから7年、今は乗合と仕立て船で相模湾と東京湾を根城に釣りを楽しむ日々である。 今、相模湾は黒潮に乗って北上してきたカツオとマグロが大量に釣れている。カツオは3 〜7`、キハダマグロが20〜30`、時にクロマグロの子供のメジマグロの10`クラスが 釣れる。連日ネットで派手な釣果の写真が踊っている。因みに東京湾には黒潮の海流は 入らないのでカツオ・マグロは出没しない。 友人のたっての誘いもあり遂に勇をふるってカツオ・マグロに挑戦した。ほぼ10年ぶり である。佐島の船宿の常連からマグロ対策としてはハリスは30号で針はヒラマサの15号 という大物仕掛け、加えて8号の道糸を300m巻いたリールが必要と云われたが、そんな 糸を巻いた電動リールは持ち合わせていない。結局竿とリールは船宿から借用した。 しかし電動リールではなく手巻きのリールなので出船して驚いた。片側6人の釣り客は 私を除いて全員立派な電動リールを使い軽々と巻き上げをしている。最長老の私だけが 手巻きで力仕事だ。すぐに息が切れてしまう。 カツオは回遊魚なので食い始めると慌ただしい。お祭りが続出する。その都度私は懸 命に手巻きリールで巻き上げる。カツオが暴れて手に負えなくなると船長の補佐が飛ん できて巻き上げを手伝ってくれた。それでも出船後2時間ほどで3〜4`クラスのカツオを 5本も釣り上げた。もうくたくたである。 カツオが1段落したのでいよいよ本命のマグロのエリアに向かう。水深は60m。マグロが 食いつくと一気に200mも道糸が引っ張られるというから空恐ろしい。それを手巻きで30分 以上も格闘することは到底今の私には無理、不可能だ。幸いというか残念というかとうとう マグロの強烈な当たりはこなかった。ほっとした。カツオ・マグロ釣りには強力なパワーの ある電動リールが必携だと骨身に沁みた一日だった。 この日キハダマグロは20`が船中1本。ばらし数本。1本はサメに胴体を食われて無残 な姿で上がってきた。カツオは乗船者12名で平均5本だったそうだから私は平均という事 になる。帰港して船宿の常連さんに健闘を祝福された。 友人二人も仲よくカツオを5本ずつ釣ったが、所望されて2本をS氏に進呈し3本を持ち 帰った。ハプニングだが、カツオを釣っている最中のお祭り騒ぎで竿先が折れてしまい、 船宿に戻ってから5千円の弁償を支払う羽目になった。やはり竿も電動リールも自前で ないと安心できないと痛感した一日でもあった。 帰宅して風呂に入りいつものように道具類を洗い夕飯も食わずに泥のように熟睡した。 こんなに疲れた釣りは久し振り。やはり真夏の大物釣りは私には少し無理のようだ。来月 のK社の例会は同じ船宿からのカツオとワラサだが参加には二の足を踏む思いである。 翌日カツオを裁いて3枚にして、親戚と知人にお裾分けした。 我が家では土佐造りのタタキ、味噌漬け、竜田揚げにした。中骨は銀杏切りにした大根 やニンジンと一緒にお吸い物にした。勿論娘と孫が飛んできて持ち帰ったのは当然である。 |