久し振りの豊漁。
       10,09,12

    この所、相模湾も東京湾も季節の魚が釣れない日が続いている。海水の温度が上昇している為か一時的なものか
   判らないが、船宿や漁師が悲鳴を上げている。イナダなど今時は捨てるほど釣れるのにサッパリだし、カツオも今年
   はナブラがあっても食いを見せないのだそうだ。アジサバも然り。自然に釣り人は足が遠のくと言うものだ。7月に熱
   中症に罹って陽射し恐怖症になり、加えて手の手術をしたので真夏の昼間の釣りは2ヶ月もご無沙汰だった。夜メバ
   ルに一度恐る恐る出かけただけだった。

     町の釣友会の9月のイベントは東京湾のアジ。まだ左手の傷跡が回復していないので水に濡れないようにゴム手
   袋でしっかりガードして恐る恐る参加した。アジの種類は沢山あるが、東京湾のアジは金アジといって名の通ったすし
   屋では大変珍重される中ぶりのアジだ。体調に若干不安もあり釣果にも期待しなかったが、結果は全員期待以上の
   釣果を得た。トップは12名中37匹。私は4位の31匹。どれも見事な20〜25センチの中ぶりの背中に金筋の走っ
   た金アジだった。久し振りのあの感触。ググッと引き込まれる竿先の感触は釣り人の醍醐味だった。外道のサバは
   いつものとおり2匹だけ持ち帰った。帰宅して早速アジは刺身、塩焼き、フライ用に捌き、サバはしめ鯖に調理した。
   6月に40センチのオオアジを刺身にしたら孫が一口食べて「不味い」と言ってあとは口にしなかったので、今度は名
   誉挽回の刺身になる筈だ。

    面白い記録を紹介しよう。永井荷風は「断腸亭日乗」(日記)で戦後の物価高騰を嘆いているが、昭和20年10月
    11日の日記で魚の闇相場を次のように記録している。
        1、鯵小1尾    金弐円五十銭也
        2、ムロ鯵1尾   金弐円也
        3、サバ1尾    金五円也
        4、鯵大干物1尾 金四円五十銭也
        5、鰹小1尾    金十弐円也
    スーパーではアジの小はせいぜい100円ぐらいだろうから、物価は当時からほぼ50倍になったことになる。
    他の水準はよく知らないが、面白いのでいろいろ調べて比較してみたいと思う。  皆さんも如何ですか。