秋刀魚
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    15,09,07

   季節の便り、秋の味覚の代表選手の秋刀魚が我が家に届いた。
  気仙沼港に水揚げされたばかりの惚れ惚れするような秋刀魚である。北海道の
  根室沖で獲れたサンマは釧路などの北海道地区に水揚げされ、地元の人々は
  いち早く旬のサンマを味わうことが出来るが、なかなか本州までは届かない。
  ようやく8月末になって岩手県の大船渡港や宮城県の気仙沼港などにも水揚げ
  され、関東方面にも出荷が始まった。それでいち早く我が家にも旬のサンマが
  届けられたという訳である。

   おいしい秋刀魚の見分け方は、まず白眼に濁りのないこと、背中が青黒くつや
  つやしていること、くちばしと尾の付け根が黄色いこと、お腹に艶があってぷっく
  りしていること、そして全体の姿が大きめで細すぎないぷっくり型がおいしいと云
  われている。クール宅急便の発砲スチロールの梱包箱を開けたら、まさに獲り
  たてのような見るからに立派で目が澄んでいて丸々と太った大ぶりのサンマが
  入っていた。スーパーで売っている秋刀魚とは比べ物にならない代物だった。

   早速3枚におろして刺身にして生姜醤油で食べ、さらに定番の塩焼きもゆずを
  絞って食べたが、脂がのって味は上々だった。去年は庭に七輪を出して備長炭
  で焼いて香ばしい香りが充満する秋刀魚の塩焼きを食べたが、今年は天気の
  悪い日が続くのでコンロで焼いて食べた。やはり炭火焼のほうが風情があって
  いいのだが、新鮮な秋刀魚なのでコンロで焼いても味に遜色はない。

   サンマと云えばまず思い浮かぶのが佐藤春夫。詳しくは5年前の小欄をご覧
  ください。
            ・・・「ミミズの戯言12」・・・

   聞きつけた娘が早速やってきて6匹持ち帰って塩焼きにしたようだが、我が家
  が刺身にして食べたと家内が話したものだから、律儀にも2匹を持参して刺身に
  調理して欲しいという。孫娘の長女は魚は刺身が好きで次女は焼き魚が好きだ
  から、両方作ってやらないと不公平だ。母親も不偏不党、両方に好きなものを
  食べさせたいので大変だ。

   たまたま新婚旅行から帰ってきた末娘がやってきたので、長女親子を交えて
  久し振りに一家団欒の夕食となった。全員サンマが大好物だから瞬く間にサン
  マの在庫が空になった。

   毎週日曜日には葉山マリーナの海岸で人気の朝市があり地元町民で賑わう。
  我々夫婦も出かけて地元で獲れたタコを買ってきたので、タコ飯を作っておい
  たが、5合も炊いたタコ飯が夕食ですべて食べ尽くしてしまった。

   私は夕食のライスは食べない習慣なので、私を除いて5人であらかた食べ尽
  くし、残りをタッパに入れて2人の娘は持ち帰ってしまった。逞しい主婦感覚で
  ある。お蔭で折角楽しみにしていた私はとうとうタコ飯を食べ損なってしまった。

   サンマとタコ飯、デザートには娘のフランス土産のクッキー。和気藹々、笑い
  の絶えない夕食の後、孫の要望で全員でトランプをした。最近孫達は「ナポレ
  オン」に嵌っていて、6人でトランプに興じて孫達は満足して帰って行った。

  翌朝、最後に残しておいた貴重な1匹の秋刀魚の塩焼きとタコ飯の朝食です。