<広島の御大・西島>(2000年宮島オーシャンカップ)
本格的に競艇やった初めての年・1998年賞金王、2号艇の西島がインを取ると予想したが
1号艇・岡本が猛烈に突っ張って西島は90mぐらいの2コースで万事休す。
スタート10秒前に既に舟券が紙屑になっていた。後にマクールの井上理論だったかな、
「岡本は1号艇の時は何があっても絶対にインを死守する。それを知っていたので確実にかなり深くなる
1・2号艇は真っ先に消せた」とあったのを読んで
「よし、次にSG優勝戦で岡本が1号艇になり、他に西島・上瀧・大島あたりがいたら2人ともバッサリ切り捨てよう」と
固く誓った。しかしそれ以後そういったシチュエーションはなく、そのうちにスタ展が始まって1号艇は誰でも、
そして他のメンバーが誰であっても楽インをとれるという時代になってしまった。
機会あれば繰り出そうと思っていた必勝の理論を結局生涯使うこともなさそうで、実に空しい。
12R 賞金王決定戦 H1800m 晴れ 風 南 1m波 1cm
着 艇 登番 選 手 名 モータ ボート 展示 進入 タイミング
タイム
--------------------------------------------------------------------
01
3 3557 太 田 和 美 38 26 6.55 5 0.06 1.46.1
02 5 3200 熊 谷 直 樹 20 18 6.53 6 0.12
1.47.4
03 6 3159 江 口 晃 生 77 57 6.67 3 0.16 1.50.4
04 4 3415 松 井 繁 74
80 6.47 4 0.14 1.52.0
05 1 3081 岡 本 慎 治 13 11 6.64 1 0.19 1.53.0
06 2
3024 西 島 義 則 04 59 6.60 2 0.11 2.00.3
単勝 3 410
複勝 3 290 5 230
連単 3-5 3580 人気 24 決まり手 まくり
このレース、5カドの太田和美が捲って6号艇の熊谷が2着という、この年のダービー(憲吾−高橋勲)と
全く同じようなレース。俺を競艇に引き込んだ友人は熊谷の2着流しで35倍を2万円的中。
俺は「競艇は1着を当てるもんだ。2着流しなんて邪道だ!」と逆能書きを垂れたものの、
ありがたく、いや、嫌々ながら焼肉特上を奢られまくった。
翌1999年最初のSG・児島総理杯で我等が市川哲也、優出。もちろん俺は市川流し。
12R 優 勝 H1800m 電話投票締切予定時刻16:35
連単
-------------------------------------------------------------------------------
艇
選手 選手 年 出 体級 全国 当地 モーター ボート 今節成績
番 登番 名 齢 身 重別 勝率 複率 勝率 複率 NO 複率 NO 複率
123456
-------------------------------------------------------------------------------
1
3556田中信一26大阪52A1 7.81 64.18 9.00 94.44 34 60.42 54 新規 1 361 1 1
2 3415松井
繁29大阪50A1 8.78 65.00 8.77 61.29 39 45.95 31 新規 4 222 1 1
3 3499市川哲也30広島51A1
7.77 55.84 8.30 59.26 57 29.63 41 新規 411 1 121
4 3161古場輝義39大阪52A1 7.49 56.35
7.36 54.55 43 40.54 39 新規 1 336 142
5 3285植木通彦30福岡52A1 8.75 68.69 7.58 47.37
13 64.00 61 新規 2 3 136 2
6 3388今垣光太29石川52A1 8.21 57.76 6.89 31.43 47 38.46 37
新規 4 213 112
12R 優 勝 H1800m 曇り 風 北 4m波 5cm
着 艇 登番 選 手 名 モータ ボート 展示 進入
タイミング
タイム
--------------------------------------------------------------------
01
6 3388 今 垣 光太郎 47 37 6.89 6 0.02 1.45.5
02 2 3415 松 井 繁 39 31 6.83 2 0.07
1.46.1
03 1 3556 田 中 信一郎 34 54 6.80 1 0.14 1.48.4
04 3 3499 市 川 哲 也 57
41 6.75 3 0.06 . .
05 5 3285 植 木 通 彦 13 61 6.72 5 0.01 . .
F 4 3161
古 場 輝 義 43 39 6.81 4 F0.02 . .
連単 6-2 2930 人気 16
市川、気迫のST0.06で突っ込むも、すぐ外のフライング艇・古場が捲ってこようとするのを張りに行って
1M膨らみ、最内を凄い角度で差しぬけた今垣選手の優勝。博打の世界で「たら・れば」は禁句なのを承知で、
古場がフライングスタートという大反則を犯しさえしなければ、内側3人のこのSTなら市川が捲り切った
可能性もかなりあったのではなかろうか。この古場がタッチスタートで残っていて市川を捲りにいったのを
張って流れたのなら俺も諦めがつくというか納得するが、フライング艇にそれをやられてはどうしても
「たら・れば」を言いたくなる。
でもこのST、今垣も植木も紙一重だな。ダッシュから0.01で駆け抜けるなんてたいしたもんだ。
このレース、10万円使って5000円の返還払い戻し。(笑)
時は流れて11月の宮島周年優勝戦、1号艇:市川、3号艇:植木で1−3がド1番人気だった。
当時俺はまだ電投会員ではなかったので買えなかったが、かように辻ファンな俺は
「もし買えたら市川−辻の1本勝負だな」などと考ていた。なればこそ逆に
「市川−辻にだけはなるなよ」と思いながら帰宅後にビデオを見るとまさに市川−辻で1480円も
ついているじゃないか。
これは悔しい。俺としては少なくとも3万円×14.8倍=44万円、もしくはそれ以上を損したという印象だ。
以後俺は買えないレースの予想はしないと固く心に誓った。
1999年はお恥ずかしながらSG全て外しているのでさくっと飛ばして2000年に進む。
2000年浜名湖総理杯
12R 優勝戦 H1800m 電話投票締切予定16:37
連単
-------------------------------------------------------------------------------
艇
選手 選手 年 出 体級 全国 当地 モーター ボート 今節成績 早
番 登番 名 齢 身 重別 勝率 複率 勝率 複率 NO 複率 NO 複率
123456見
-------------------------------------------------------------------------------
1
3347矢後 剛33東京56A1 7.70 57.02 7.00 57.69 40 33.33 70 38.78 132 3 141
2
3388今垣光太30石川52A1 8.04 55.06 8.46 65.38 8 44.22 41 38.00 3 2 421 1
3
3499市川哲也31広島52A1 7.82 58.87 8.21 78.95 61 44.22 51 27.08 262 111 1
4 2785水野
要45兵庫51A1 7.21 55.56 0.00 0.00 35 39.13 68 45.83 1 551 252
5
3543福田雅一31香川53A1 6.62 37.01 6.24 51.72 22 30.22 49 29.63 2 134 1 2
6 3497後藤
浩31埼玉51A1 7.41 50.53 0.50 0.00 37 35.56 55 38.46 3 142 322
波高 6cm 追い風 9m
12R 優勝戦 H1800m 晴 風 北 9m波 6cm
着 艇 登番 選 手 名 モータ ボート 展示 進入
タイミング タイム
逃げ
--------------------------------------------------------------------
01
1 3347 矢 後 剛 40 70 7.07 1 0.20 1.47.6
02 3 3499 市 川 哲 也 61 51 7.05 5 0.14
1.49.6
03 2 3388 今 垣 光太郎 08 41 7.16 2 0.17 1.51.2
04 5 3543 福 田 雅 一 22
49 7.17 4 0.17 . .
05 6 3497 後 藤 浩 37 55 7.12 6 0.17 . .
06 4 2785
水 野 要 35 68 7.05 3 0.27 . .
単勝 1 590
複勝 1 190 3 180
連単 1-3 2040 人気 12
このレースは、「追い風
9m」というのがミソ。安定板がつけられ、スクリーンで見ても明らかに
物凄い風で乗りにくそうだった。
競艇では追い風:イン有利・向かい風:ダッシュ有利というのは初心者でも知ってる格言で、
だいたい風速5mを超えるとその特徴が顕著に現れるのだが、この日の浜名湖は俺の競艇暦の中で
最大の強風。これはインでしょうがないか?と思ったら、1号艇の矢後は全然人気がない。
結果にある通り、1−3が12番人気だよ。今の俺なら「こりゃおいしい」と矢後に飛びつくと思われるが、
当時まだ初心者クラスだった俺は「そうか、矢後は勝てないのか」と考えた。
更に浮気してごめんなさいで今後市川を買いつづけると決意したこともあり、市川から総流し。
水野要はともかく、福田雅一にまでコースを取られて5コースまで出されたが、
このレースは痺れた。5カドからトップスタート、まさに完全優勝した多摩川MB記念と同じようなレースで
内側全て捲りきったかと思ったが、やはり9mの追い風と安定板で1Mサイドがかからず流れてしまい、
インの矢後が残って惜しくも2着。
う〜ん、惜しかった!もし強い追い風さえ吹いていなければ間違いなく捲りきっていたはずだ。
いや、さっきも書いたように博打の世界で「たら・れば」は禁句なんだけど。
月は進んで7月、2年ぶりに地元・宮島にSGがやってきた。 広島県は県を上げてこのSGをプッシュしてたよ。 テレビを見ればしょっちゅうCMやってたし、広島駅には 幅10mぐらいのオーシャンビーナスのドでかいポスター→ が貼られていた。 って、別に広島県としてプッシュしていたんじゃなくて 宮島が頑張っていただけか。 ちなみに合成天国のかなり初期の作品がこれです。 |
宮島オーシャンカップ
12R 優 勝 H1800m 電話投票締切予定16:32
連単
-------------------------------------------------------------------------------
艇
選手 選手 年 出 体級 全国 当地 モーター ボート 今節成績 早
番 登番 名 齢 身 重別 勝率 複率 勝率 複率 NO 複率 NO 複率
123456見
-------------------------------------------------------------------------------
1
3305小野信樹32岡山52A1 7.09 50.59 7.10 50.00 70 41.62 32 29.49 311 222 1
2
3024西島義則38広島51A1 8.56 70.19 7.81 68.52 55 34.39 34 27.11 S 131 121
3
3158島川光男35広島53A1 6.64 47.92 7.29 60.87 14 38.04 26 37.56 2 3 221 1
4
3161古場輝義40富山54A1 7.02 51.18 8.44 66.67 63 33.88 74 28.57 216 3 312
5
3285植木通彦32福岡51A1 8.28 61.00 9.21 72.73 38 46.89 42 35.29 2 111 1 2
6
3388今垣光太30石川51A1 7.84 51.92 7.06 50.00 32 30.56 40 29.19 4 335 1 2
このレース、植木の38号機が戦前から耳にタコができるほど聞かされていたオバケモーター。
そしてその通り、植木の予選成績は211112。しかしその最後の準優、植木は1号艇だったのだが
2号艇の西島が凄いピット離れからインを奪取し、逃げ切った。
本日優勝戦の1号艇はまだSG優勝戦は相当家賃が高い小野信樹。楽勝で西島のインだろう。
2着は展開がどうなろうとオバケモーターの植木で決まり。多くの客がそう考えたようで、
2−5は5.5倍の一番人気。2−5を買うなら他の目は買えないので10万円の1点買いだ。
この頃はまだインターネットをやっていなかったが、この日は思わず舟券をコピーしたので
本邦初公開でアップしよう。
俺は1M前の壁際、一番いい位置をキープすることに成功し、いざピットアウト。
うわ!小野がインを突っ張った!!西島、イン奪取失敗の深い2コース!!
「小野!なんしょんじゃ!」
「オラ!小野ー!!10年早いんじゃ、この若造が!!」
「小野ふざけんな!バカヤロー!」
前のコラムで下関周年優勝戦での今村Fの時の場内の凄い雰囲気の事を書いたが、
宮島の御大・西島は更に凄い。2号艇で2コースという、今の競艇界ではごく当たり前のコースを
取っただけで何万人ものオヤジが小野に罵声を浴びせていたんだから。
俺も1M前の桟敷席で体を水面に乗り出しながら、でもさすがに大声で小野を罵る度胸はなかったので
「西島・・・っ!イン取れなかったか・・・っ!」とカイジのような呻き声を上げていた。
進入1つでこれだけ客を湧かす西島って、ホント凄いよな。
でも小野と共にかなり深くなってしまい、案の定2人でスタートへこみまくり。スリット抜けた直後には
俺の10万円1点買いの舟券は9割9分、ケツも拭けない紙屑と化していた。
1Mは古場が捲ったところを島川がおそらく生涯最高の2段捲り。そこを1Mで見ていた俺をして
どこから差してきたのかわからなかった凄い差しで植木が先頭に躍り出た。
「よっしゃ!植木じゃぁ〜!」と一部で歓声があがり、初の10万円1点勝負をしていた俺は
もう死んだような目でレースを見ていたのだが、しかし!しかしですよ!
ここから先は文章では伝えきれないので、↓この動画を見て下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=gFROWhp_Cqc
どーですか、お客さん!これを1Mで見ていた俺の興奮、わかりますか?
何、動画見てない?ダメです。ちゃんと見て下さい。
1周バック、植木が外の島川を張りに行ってる間に内側をスルスルと西島が上がってきて
2M、苦しい体勢ながら西島先マイ!先マイとはいえ、あんな体勢だったので1M前にいた俺は
まだ諦めかけていたのだが、2周ホーム、植木と島川が凄いやりあってるでしょ。
動画のアナウンサーも「植木と島川、やりあうやりあう!さぁこれが西島に有利に働くか!」と
言ってるけど、当然俺を含めた1M前の客も皆そう思っていた。思っていただけでなく、動画では
植木と島川しか写っていないが、1M前の客は全員、壁際を疾走する西島に熱い声援を送っていた。
動画でも当時のテレビ中継でも影も形も写ってない西島。
まるで忍者のように、壁際スレスレを走って機をうかがっていた。あまりに壁際なので、
1Mから普通に見ていたら見えないほど。先頭争いをしている植木と島川が両者1Mでもつれると信じ、
1Mの客は全員体を乗り出して西島に声援を送っていた。
いや、声援なんてもんじゃないな。
西島!西島!西島!西島!西島!西島!
1M前の数百人が、ただひたすら「西島!」と絶叫。この時ばかりは俺もあらん限りの声を振り絞って
「西島!西島!西島!にしじまぁぁぁあああ〜〜〜!」と叫び上げていた。
そして2周1M、おそらく全国の場外で買っていた人にはどこから飛んで来たかわからなかったであろう
西島の捲り差し!!(2周目でも捲り差しって言うのかな)
しかし宮島の1Mで生観戦していた俺達には、その航跡がまるでスローモーションのようだった。
「西島じゃぁぁあああ!!!」
悪いけどもう1回だけさっきの動画を見て下さい。2周1M、悲鳴に近いような物凄い歓声があがってるでしょ。
この中の100デシベルぐらいは俺の声だよ。(参考:表3・音の大きさの目安)
こんな大興奮の中に身を置き、しかも舟券まで的中したという幸運。
真夏にあんな冷や汗が出るほどビリビリ痺れられる体験なんて、今後の人生でも2度とないんじゃないか?
あの時1M前にいて共に握手しあって喜びあった見ず知らずの仲間達と同窓会でもしたいぐらいだ。
というか俺、この時は飛び上がり、右こぶしを何度も突き上げながら他の誰よりも凄い雄叫びをあげていたので、
そこらの人達から握手を求められてしまった。(笑)
12R 優 勝 H1800m 晴 風 南 3m波 3cm
着 艇 登番 選 手 名 モータ ボート 展示 進入
タイミング タイム
抜き
--------------------------------------------------------------------
01
2 3024 西 島 義 則 55 34 6.58 2 0.33 1.47.6
02 5 3285 植 木 通 彦 38 42 6.61 6 0.24
1.48.6
03 6 3388 今 垣 光太郎 32 40 6.51 4 0.27 1.50.5
04 4 3161 古 場 輝 義 63
74 6.53 3 0.25 . .
05 3 3158 島 川 光 男 14 26 6.54 5 0.21 . .
06 1 3305
小 野 信 樹 70 32 6.60 1 0.31 . .
単勝 2 200
複勝 2 150 5 140
連単 2-5 550 人気 1
こうして結果だけコピペすると1番人気で決まったつまらんレースに見えるが、進入から多いに盛り上がり、
一旦終わったと思ったらテレビの枠の外からの捲り差し大逆転と、
こんなに痺れちゃってい〜んですか?い〜んです!の後はもう歩く気力もないほど疲れ果てていた。
そして今となっては驚くほどのことはなくなってしまったが、55万円の払い戻しは当時の俺には博打場で得た
お金としては破格の大金。よし、次は夢の100万円に挑戦だ!!
「市川哲也熱烈ファンサイト」って言っときながら西島の話で盛り上がりまくってるけど、
当時まだサイトを持っていなかった俺は、いつかこの日の感動を文章にして皆さんに伝えたかったのです。
ついに今日念願叶いました。