1. 機械化の意義と目的

  1-1. 機械化の効果

 1) 機械代替による労働力コスト低減

 2) 適期作業による安定化

 3) 作業精度の向上による増収

 4) 高能率作業による労働軽減と生活改善

 5) 重労働からの解放による健康保持

  1-2. 農業機械化

農業機械化は、全農業システムの一部であり、社会・経済環境に深く係わっている。

農業機械化を,単なる経済性の視点のみから論じることは不十分であり,全農業システムにおける多面的効果を総合的に評価すべきである.

   Z = g(Y1,Y2,Y3, ---)           Eq. 1-1

ここで、

記号

用語

単位

Z

全システム

-

Y1

経済性

-

Y2

環境保全

-

Y3

人間的要素(文化、健康など)

-

Y4

社会的要素(生活環境・農村開発など)

-

 *fm-12.xls* 参照

1-2-1. 農業機械化計画

農業機械化の目的は,営農システムにおける全効果を最大にすることであり,これはつぎの式で表されよう.

        B = M – D           Eq. 1-2

ここで、

記号

用語

単位

B

全効果

-

M

システムの出力(プラス効果)

-

D

システムの入力(マイナス効果)

-

1-2-2. 経済分析

 本来,システムの評価は,社会・自然環境・人間(健康・快適な生活)・経済などの多様な方向から行われるべきであるが,ここでは主として経済面について述べる.

        B = S - C                  Eq. 1-3

ここで、

記号

用語

単位

B

経済効果(収益・全利潤)

S

粗収益・粗収入 (生産高)

C

全支出 (生産費)

また、

        S = P * Y * A            Eq. 1-4

ここで、

記号

用語

単位

S

粗収益・粗収入 (生産高)

P

単位重量当り価格

/kg

Y

収量

kg/ha

A

圃場面積

ha

 

        C = FC + VC          Eq. 1-5

ここで、

記号

用語

単位

C

全コスト

FC

固定費

VC

変動費


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