3.2 線形計画法の応用     目次(第3章)へ

3.2.1 作物作付計画への応用

作物作付計画を週単位で設計してみよう.変数Xをi作物の圃場面積とし,技術係数は各作付方式の各週における1ha当たり作業時間とする.制約量としては,各週の作業可能時間(週当たり作業制約時間)とする.

次表のように,作付方式の数を3,週の数を5,i作物の水準をX,i作物のj週の技術係数aij,j週の制約量をbとすると,制約条件式は狽ij・X≦bおよび狽w≦bである.すなわち,

制約条件式は,1週目     2X1+3X2 X3≦26

        2週目     X1 X2+2X3≦25

        3週目     3X1+2X2+3X3≦32

        4週目     2X1+2X2+2X3≦28

        5週目     3X1 X2+2X3≦21

        圃場面積     X1 X2 X3≦15

となり,6個の条件式ができる.(X≧0)

作   物

A    B C

制約時間

h/週

2(h/ha) 3 1

1    1 2

3    2 3

2    2 2

3    1 2

26

25

32

28

21

圃場

X1(ha) X2 X3

15ha

利益

係数

4    3 2

(百万円/ha)

 

 最大負担面積を計算する場合は, H=X1+X2+X3 を,また,収益を最大にする場合は,各方式の1ha当たりの総限界利益を直接原価計算方式により算出して利益係数とし, P=4X1+3X2+2X3 を最大にすればよい.

以上の問題を線形計画プログラムで計算した結果,負担面積については,X1=1,X2=6,X3=6,H=13haが求められ,第1,第3,第5週の制約時間に余裕があれば,Hはもっと大きくできることがわかった.

 また,収益については,X1=5.29,X2=5.14,X3=0のとき,36.57(百万円)の収益をあげることができ,作物Cの利益係数を大きくできるか,または第1・第5週の制約時間を増大することによって,さらに収益Pを大きくできることがわかった.

このように作付計画の目的が負担面積か,収益かということで最適値は異なる.

 ●ソフトウェア LP.exe

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