1.2.1.3 食物連鎖過程     目次

 

 食物連鎖過程では,バッタが草を,カエルがそのバッタを,そしてマスがカエルを食べるというように続き,その過程でエネルギーの損失がみられる.食物連鎖過程でエネルギーの8090% が,単に浪費されるばかりで,環境に対する熱として失われてしまう.そして,摂取されて本当の糖となり,摂取者の組織に残って次の摂取者の餌となるのは,残りのわずか1020% にすぎないという.[1]

ここで,各食物連鎖において,それぞれの種がどれくらいの餌を必要とするかを考えてみよう.ミラーによれば,「一人の人間を一年間養うには,マスを300匹必要となる.こうした順序でいくと,300匹のマスはカエルを90,000匹,90,000匹のカエルはバッタを2700万匹,そして2700万匹のバッタは,草を1000トン食べる」ことになる.

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[1]  竹内 訳:エントロピーの法則,祥伝社,1982 ☆apx.161