食物連鎖過程では,バッタが草を,カエルがそのバッタを,そしてマスがカエルを食べるというように続き,その過程でエネルギーの損失がみられる.食物連鎖過程でエネルギーの
80〜90% が,単に浪費されるばかりで,環境に対する熱として失われてしまう.そして,摂取されて本当の糖となり,摂取者の組織に残って次の摂取者の餌となるのは,残りのわずか10,20% にすぎないという.[1]ここで,各食物連鎖において,それぞれの種がどれくらいの餌を必要とするかを考えてみよう.ミラーによれば,「一人の人間を一年間養うには,マスを
300匹必要となる.こうした順序でいくと,300匹のマスはカエルを90,000匹,90,000匹のカエルはバッタを2700万匹,そして2700万匹のバッタは,草を1000トン食べる」ことになる.[1] 竹内 訳:エントロピーの法則,祥伝社,1982 ☆apx.161