インドの最近の情勢
国土は3.287.263平方キロ。日本の9倍。
人口は11億人で世界第二位。同じく日本の9倍。
日本が9個あると想像してください。うむ〜想像できん!

英語を公用語にしているため、コンピュータソフトの開発では世界有数のめざましい進歩と発展をしている。
インドは面積が広いため長い歴史の中で多くの国ができ、様々な民族と様々な言語が作られた。現在でも18の公用語と844の方言(言語)がある。しかし、その後イギリスの植民地時代に海外との貿易や医学留学などの文化を収得するため、共通語として英語が使われるようになった。また、インド国内の各民族間においても他民族の言葉を使うより英語を使うほうが民族のプライド上なじみ易かったと思われる。
そのためコンピューターの主流となったマイクロソフトのウインドウズもアップルのマックも英語で作られているため、即座に取り入れることができ、ソフト開発に安い賃料で大勢の人員を使うことができたのである。
ニューデリーのバスで30分程南に行くと日本の秋葉原かとも思えるような電脳街がある。マイクロソフトのインド支社もある。まさに世界のの最先端電脳街の一つである。その中を野生の牛や野良犬がカッポしている不思議な国である。
最近、石油精製設備も世界最先端のものが建設中とのこと。
中国の次は間違いなくインドが大発展をするだろうと予測されている。

1、インドの頭脳

NHKで「インドの衝撃」という45分番組を数日にわたって放送していた。
その内容は「衝撃」というタイトルにふさわしく大変興味深いものだった。
IT産業についてはかなり以前から伝えられていたが、今や世界でインド抜きでは考えられない時代になってき ているのだ。
 まず前回マイクロソフトが開発した新しいOSのビスタの半分がインドで作られたという。
また、アメリカやイギリスどの24時間対応のテレホンサービスのほとんどが、夜間はインターネットを使って 、時差により昼間であるのインドにまわされている。
今やインド国内においても「インフォシス」のどの国際 的なIT会社などさまざまな会社ができている。先日就航した超大型(客席二階建)航空機エアバスA380の主翼 の設計もインドでおこなわれた。

 今やインドはものすごい勢いでIT化を進め、貧しかったインドの未来を変えるのため、総人口11億の半分(5億3千万人)を占める25歳以下の子供たちや若者の教育に大変な力を入れている。
インドの教育方法もかなり進んできた。小学校で習う算数の99は日本では2桁の99だがインドでは999の3桁ま で覚えさす。
また考えることを大切にする。たとえば小学校の問題だが
3X3=9
33X33=1,089
そして
333X333=110,889 となる。
では
3333X3333 はいくつか?
答え =11,108,889
これには法則がある。1と8が増えるのだ。したがって
33333X33333は 1,111,088,889となることが解る。
こうやって子供たちを考える人間に教育しているのである。

 インドでは小学生の就学率が60%、即ち40%の子供が貧しくて小学校に行かれない。高校就学率が30%、ということは7割の子供たちが家計を支えるため働いている。大学に至っては進学できる のが全若者の7%である。

 IITというインド工科大学がデリーやムンバイをはじめ各地に7ヶ所作られ2万人の生徒が学んでいる。学費 は寮費込みで年間7万円。もちろん破格である。一般大学の何分の1である。
 この大学の教育方針は日本のように答えに正解を出すだけの画一的なものではなく、いかに考えたか、どれ だけユニークな発想ができたかを問われるのだ。創造性を最も大事にする。
 その才能を見込んでマイクロソフト、ヒューレドパッカードなどのTI産業や情報関係産業をはじめモルガン などの証券会社や化学会社、保険会社などなど世界中の名だたる企業が募集に来る。
 年収5万円しかない貧しい家庭に育った若者が20歳過ぎで月収100万円を手にすることが可能なのだ。その給料は1ヶ月で彼らの育った家庭の20年分年収にあたる。
 それゆえ、今だに電気も水道も無い貧しい村が、その大学に入学させるため優れた若者を応援するのだ。今 や男女に関係なく、いかに頭脳が優秀か、IITに合格するかにかかっている。彼らはIITを卒業後世界にはばたき 、やがてその村にとっては巨額の富をもって帰ってくるのである。

 貧しかったために彼らの情熱はものすごいパワーを生む。世界に散らばったIIT卒業生たちが集まり、貧し くて進学を諦めねばならない若者のために限りない援助をおこなっている。彼らはたまたまIITに入学できたが、その影に学びたくても貧しいため学べなかった若者がたくさんいること を彼らは知っているからだ。

 日本は今や行こうと思えば100%大学に進学できる環境にある。
しかしこのままでは日本の頭脳は、何年か後にインドに劣る国になってしまうように思われる。

2、インドの生活水淳

上記の2回目の番組でまず感心したのは、インドの生活レベルがすごい勢いで成長していることです。
 以前は、年間1〜2万円の収入しかない人々がほとんどで、ごく少数の過去に王宮などのマハラジャクラス の人が巨額の富を独占していたようでしたが、最近コンピューター関係や自動車関係の年収数十万円のニュー リッチ層が総人口の3割以上に増え、自家用車やカラーテレビにエアコンなどの文化?生活をエンジョイして いるようです。
 特に2005年ごろから急速に消費文化が進み、日本のジャスコ(イオン)やダイエーなどのよな 巨大ショッピングセンターがいくつもの都市に出現した。そこにはいくつもの陳列棚に整然とたくさんの商品 が並べられ、大勢に客でにぎわっていた。町の雑然としたバザールで値段を値切りながら買い物をする習慣が これから徐々に消えていくのかもしれない。またそこではたくさんの女性が働いていて、月収は9600円程だが 、それでも毎日応募者がきている(なにしろ物価は日本の20分の1だから)。
 以前は家庭に縛られていた女性 たちが重要な労働力となり社会進出したため、生活様式が大きく変わってきた。
 特に驚いたのは、女性や奥さんも働きの出るため、インドで(日本のボンカレーのような)レトルトカレー がよく売れているというニュースでした。カレーといえば昔の日本の味噌汁のようなもので各家庭のお袋が丹 精こめて毎日作っているその家の味でしたが、日本と同じようにインスタント化されてきたのでしょう。でも ぜひ!食べてみたい!どんな味なんだろう?
 また街中ではヤマダ電機のような家電量販店もでき、彼らの給料の数か月分の液晶テレビやデジタルカメラ やエアコンなどが結構売れていた。

 特に女性のファッションはすごく盛んで、インド人女性はもともとスタイルや顔立ちがが良いので服装から 髪型、化粧品などのあらゆるファッションが花開いている。そしてついにダイエットやエステの広告まで出現 した。今はまだ都会だけであるが、やがて数年後には全インドに広がるのではないだろうか。
 そしてやがてインドの年寄りたちが「昔のインドは良かった・・・」とつぶやく日がくるのだろう。
                        
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