白亜の大理石・タジマハールのアグラ




     タジマハール
百聞は一見に如かず。
満月の夜のタージは宇宙へのシグナル?
誰が誰のため作ったか?そんな事はどうでもいいかもしれない。
夜、堅い大理石に伏せると、タージマハールはすごくあったかくそして冷たかった。
すごくやさしくてしかも冷酷であった。
亡くなった王妃ために国王の愛を放ち、愛を飲み込んだ。
タージは月あかりを呼吸し、妖艶に微笑んだ。



 近くのホテルからタジマハールまで歩いて出かけた。写真で見ていたより大きくて白い!
なおかつ、熱い!というのは、入口で靴を脱がなくてはならないから、裸足で焼けた大理石の上を歩かなければならないからだ。
 靴脱ぎ場には番人(係員)がいて、たしか50パイサ(当時5円ほど)のチップを渡して靴を見ていてもらった。金取るだけあってちゃんと出てくるまで顔と靴を覚えていてくれた。
 たまたま前にいた白人の旅行者に庭の池の前で写真を撮ってもらった。同じ旅行者どうしお互いに写真を撮りあった。
 そしてこの池の周りの通路が石(大理石?)なので強い日差しでやけていてとても熱いのだ。
 しかしタジマハールの中に入ると一変する。とても涼しいのだ。大理石はひんやりとしており、壁には細かく彫られた模様の隙間から風が入ってくるのだ。凄く手の込んだ作りになっている。本当に素晴らしいと思った。















アグラの航空写真。アグラ駅とアグラカントンメント駅と、ジャムナ河の南にタジマハールが見える。



ツーリストマップ



ホテルマップ

       アグラ城にて
 3月×日僕はムムタージュホテルに滞在しています。
今日はアグラ城に行こうと朝からきめているのです。
デリーで買ったクルタとパジャマを着ています。
 外はギラギラでカラカラでアツアツで、後頭部がボワワーンって上下左右にふくらんだりつぼんだり。
ホテルを出るとすぐ右にチャイハナが3〜4軒並んでいて、そこでチャイを放み、カチョリをかじります。
カチョリって平たいサモサのコロッケみたいで、それ程からくないから3〜4つ食へちゃう。
 そう、それからその日はどういうわけか裸足ででかけたんです。
そしたら石畳の路面はフライパン。もう熱い事熱い事、ピンポンパン体操さながらに日影から日影へと忍者跳び。
 なんやかんやとともかくタージマハール前のバス停までやって参りました。
そこでチャイを一杯。ほんにインド旅行とチャイは切っても切りはなせません。
世の中光りに満ち溢れ露出過多の写真みたいな圧倒的な光りの洪水。
 バスはトコトコと田舎道を走ること5分間。
城門をだいぶ過ぎた所で止まったので、しかたなくトポトポと引返す。
赤茶の城璧に沿って歩いていると僕はアリ。
 城門をくぐり坂道を登ると中庭。そこいらをうろうろし眺めの良い東側に行く。
大地を這い擦る大蛇と大きな大きなデコレイションケーキ。ジャムナ・タージ。
走りたい衝動にかられながらも一歩一歩、石の堅さを感じつつ高い所へ高い所へと登ってゆく。
 この気分。虹のかかつたバベルの塔のてっペんまで行くと、広さ6畳程の見張り台になっている。
そのステージに立ち、歌い踊り座る。サリーでも着ていれば、はんとにキマッただろうなあ。
 風が吹くと、ひょっこりひょうたん鳥の燈台のてっペんにいるように大地の海が流れます。
木の葉のさざめくさざ汲。天女は涙しないので大地はカラカラ。僕も喉が乾いちゃったなあ。
 下の方を自転車に乗ったおじさんやおんぼろのスクールバスやスクール馬車がノタノタ走っていく。
それがさあ、実におんぼろでほんとにノタノタと走っていく。
目の上を雲がふわふわ。ステージの上の三蔵法師のミニチュアは風でころがり、スローモーションで下まで降りる。
 どうでもいいこと。捨てられた心。捨てなければ給われない心の悲しさを想い、もっともっと愛したい私からあなたへのメッセージを宇宙へ投げつけるとその瞬間に果しない道のりが見えて、ほっと嘆息をつきます。

             アグラ城


ニューデリーの観光バス旅行会社のパンフレットです。


 タジ・アグラツアーは毎日朝6時発夜10時帰着で一人30ルピー。
満月の日には「フルムーンツアー」があり、35ルピー。
デリーから日帰りの観光を希望するなら、便利かも。
 また鉄道派なら、ニューデリー駅から「タジエクスプレス」という特急列車が日に数本出ている。



                          
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