THE SOUL CAGES

1991年発表 ソロ第3作 お薦め度 ★★★★☆
父の死、そして少年時代に思いを馳せる。 まさに魂の傑作!

アルバム紹介 パラダイス&ランチ

この作品は、父親の影が重くのしかかった物に仕上がっている。
父親の死が契機となって生まれた曲、あるいは父親の人生を語った作品を歌っている。
付け加えるならば、父親の死や父親と息子の関係などをテーマに、男の生き方が見つめられ語られた、
実に男性的な作品である。そして彼が歌にする男の生と死は、海や川、舟や海鳥など、
水のイメージと激しく結びついている。
歌の中に登場する町並みや海や川は彼が少年時代を過ごしたニューキャッスルの風景である。
又、「アイランド・オブ・ソウル」「ワイルド・ワイルド・シー」の中では、
ニューキャッスル地方のバグパイプといわれるノーザンブリアンパイプが使用されている。
「ソウル・ケイジズ」はニューキャッスルに古くから伝わる民謡をベースに作った曲である。
全体的にシンプルな曲調をバックに胸の中を切々と歌い上げる”歌物”に徹している。
スティングの魂のこもった一言一言に圧倒され胸が熱くなるばかりである。
非常に地味な作品ではあるが、スティングの純粋な魂が完成させた名作である。
合掌。

アルバム紹介 ライター:ロジャー

ソロ第3作。前作が、母親の死による影響を色濃く呈していた様に、
今作は母の死から半年後になくなった父親の死が、大きく影を落としています。
彼の脳裏に浮かんだのは、造船技師だった父との思い出、
少年時代を過ごしたニューッキャスルの町並み、父が愛した海だったのではないでしょうか。
そして、このアルバムで歌われているのは少年時代の彼自身の事の様に感じます。
シングル第1弾の「オー・ディス・タイム」の中で歌われている、
もし僕が好きなように出来るなら、海に船を漕ぎ出したい。そして一人一人海に眠らせてやりたい」、
と云う一節を聴くだけで、涙腺がユルユルになってしまいます。
その他にも父に捧げられた<魂の歌>を聴くにつれ胸がキュンとなってしまいます。
非常に地味な楽曲が多く収録されている作品ではありますが、じっくり聴かせる作りになっており、
スティングが少年時代の憧憬に思いを巡らせた叙情的世界が描かれています。
スティングの愛情が満ち溢れている名作です。個人的にはすごく気に入っています。
「オール・ディス・タイム」、「マッド・アバウト・ユー」、
「ホワイ・シュッドゥ・クライ・フォー・ユー」、「ソウル・ケイジ」、
等々のシングル・ヒットを収録しています。
1991年度発表作品。

収録曲
/ ISLAND OF SOULS
/ ALL THIS TIME
/ MAD ABOUT YOU
/ JEREMIAH BLUES(PART 1)
/ WHY SHOULD I CRY FOR YOU
/ SAINT AGNES AND THE BURNING TRAIN
/ THE WILD WILD SEA
/ THE SOUL CAGES
/ WHEN THE ANGELS FALL

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