BRAND NEW DAY


1999年発表  お薦め度★★★★☆
純粋に音楽を楽しむスティング 第2幕の始まり

アルバム紹介 パラダイス&ランチ

スティングの過去の作品を振り返ってみると非常にポップな作品を発表して来てはいるが、
曲の中で歌われてきたのは、両親の死を契機としているもの、
アムネスティの活動から発せられているもの、
などなどを含めて、根底に流れているのはまさに彼の心にとまった人間の喜怒哀楽であった。
人間の有り様を、慈しみ、悲しみ、怒り、歓び、
などで歌い上げる人間賛歌そのものであったように思う。
今作でもストーリー・テラーぶりを発揮し、
町の中で逞しく生活する人々を時にユーモアを交えて歌っているが、
重要なテーマと思われるのは”いまだ尽きないスティングの音楽への情熱”である。
音楽についての音楽である。
「サウザンド・イヤーズ」「デザード・ローズ」で歌われている非常に刺激的でビジュアルな世界は、
スティングが手を差し伸べている”ハイブリット・サウンド”のエッセンスもしくは象徴である。
いろいろな音楽スタイルを取り入れており充実したサウンドを聴かせてくれる。
このままグローバル路線をひた走りするのか、一本化路線で進むのか非常に興味をそそられる。
メディアで紹介されたレビューと私の単刀直入な思いを下記に示す。

これはスティング流のワールド・ミュージック盤である。
非常にエキゾティックで中近東やアフリカをイメージさせるアラベスク調の作品、
ボサノバ・ナンバー、果てはカントリー〜ゴスペル・サウンドのサウンドまで取り入れている。
また憎たらしくも、フランス流のラッパーを入れ、お洒落でジャジーな曲までも聴かせてくれる。
一曲、一曲が違った魅力の輝きを放っており、まさにスティングの第2のステージである。


スティングが非常に魅力的な作品を発表した。
ここ数作品では見られなかったほどいろいろなサウンドを取り入れて、
スティング・カラーに染め上げている。
しかしながら、散漫な印象を受けて戸惑いを隠せないスティング・ファンも多いだろうと思う。
あちこちの音楽に触手を伸ばしすぎの様にも見受けられる。
窓を開け放ち目を外に向けているだが・・・。
しかし心配はご無用、この作品はスティングが新しい方向性を模索し始めた作品でもある。
彼の探求心がこれからどの様なサウンドを築き上げていくのか非常に興味をそそられる。
とりあえず、出足は非常に素晴らしい、彼のビビットな精神を強く感じることが出来る。


アルバム紹介 ライター:ロジャー

スティングが”ハイブリット・サウンド”を掲げて発表した快心作である。
これまでサウンド・コンセプトのしっかりした作品を作り続けた彼だが、
今作ではラップ、ボサノバ、アラベスク、カントリー、ジャズといったサウンドをふんだんに取り入れ、
スティングの”ワールド・ミュージック盤”、”バラエティー盤”に仕上げている。
「サウザンド・イヤーズ」「デザート・ローズ」で示している飽くなき音への探求心には、
スティングの気力、イマジネーションの充実ぶりを強く感じるこ事が出来る。
「アフター・ザ・レイン」「トゥモロー・ウィル・シー」「フィール・ハー・アップ」等々では、
”ストーリー・テラー”スティングの魅力が此処に極まれりと云った感じで、完成された世界である。
これらの曲では『青亀』から脈々と続くスティング節を、これでもか!というくらい聞くことが出来る。
また、一弾シングルである「ブラント・ニューデイ」で彼が力強く歌っている、
”時代遅れな奴にはなりたくない、全く新しい日々を迎えるのだ!”と云う一節を聴くだけで、
スティングがさらに魅力的な作品を作り続けるだろう事を強く感じさせる。
あれこれと手を出しすぎの感じも受けるが質の高い作品である。
1999年9月発表作品。

収録曲

/ A THOUSAND YEARS
/ DESERT ROSE
/ BIG LIE SMALL WORLD
/ AFTER THE RAIN HAS FALLEN
/ PERFECT LOVE ...GONE WRONG
/ TOMORROW WILL SEE
/ PRELUDE TO THE END OF THE GAME
/ FILL HER UP
/ GHOST STORY
/ BRAND NEW DAY
/ WINDMILLS OF YOUR MIND
/ EPK(VIDEO)

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