スティングが13年ぶりに純ロック/ポップのオリジナルアルバム『NY9番街57丁目』をリリース。
リード・シングルはアルバム冒頭に収録の「I Can't Stop Thinking About You」だ。
とてもシンプルでタイトなロック・ナンバー。
ラブソングにみせかけて、自らの音楽への探究心を歌っているところが彼らしさか、、、。
初回限定盤には特典DVDが付いておりスティングが収録楽曲に関してコメントしているので、
アルバムを聴く際に理解が深まると思われる。
「50,000」はプリンス、ボウイら偉大なミュージシャンへの追悼の意が込められている、
これは言い換えると自らの過去現在未来に思いを馳せて書き上げた楽曲でもあるのか・・・。
「The Empty Chair」はシリアで殺害されたアメリカ人ジャーナリストジェイムズ・フォーリーのドキュメンタリー映画『ジムj』
のためにスティングとジョシュ・ラルフが共同で作り上げた作品がベースになっている作品。
愛する人も元に無事に帰りたいと思う気持ちを淡々と歌い上げているのだが、
誰しもが自身の生活の中で思いを馳せる普遍性を感じる。
「One Fine Day」は地球環境の悪化に警鐘を鳴らしている楽曲ですが、
全体にミディアム・テンポでポップな作品に仕上げ、
ユーザーの耳に馴染ませてからメッセージを伝える感じに仕上げたのかな?
ある意味、スティングがよくするスタイルで楽曲にトリックを仕掛けてリスナーにメッセージを届ける感じ。
その他の楽曲も素晴らしいものばかり・・・。
数回アルバム聴く限りでは、オーバープロデュースで煌びやかで贅沢なサウンドを作り上げている訳でもなく、
参加ミュージシャンたちの素晴らしい演奏をベースに楽曲が持っているタイトなリズムと薄くしいメロディーを、
コンパクトにまとめ、スティングの書き上げた物語の世界観が詩的に醸し出されている感じか、、、。
一聴した感じでは『セイクレッド・ラブ』、『ウィンターズ・ナイト』、『ラスト・シップ』における流れで、
スティングが手にしたソングライターとしての高みが、更に成熟し磨きがかかったのように感じる。
成熟の域ってこのことかな?すぐに耳に馴染んでくる楽曲を数曲上げると「I Can't Stop Thinking About You」、「Down,Down,Down」、「One
Fine Day」、「Headeing South On The Great North Road」、「Inshallah」かな?正にスルメ感満載のアルバムと言えるので聴き込むたびにアルバムに引き込まれていくように感じます。