☆エステル(彼女は今も、彼らの心の中に生きている)
エステル記は、聖書の中でも最も不思議な物語です。御言葉も祈りも、神の名前さえも出てこないのです。
そして、古代ペルシャのアケメネス朝におけるユダヤ人の復讐劇のような点に戸惑いを覚えました。
なぜなら、当時彼らはバビロンの捕虜であり、またアケメネス朝は彼らのために宥和政策をとっていました。
だから、王国の高官であるハマンがユダヤ人を滅ぼそうとする話はありえないと思ったし、アハシュエロス王もユダヤ人がペルシャの人々を殺すことを簡単に許したのは、さらに、ありえない話だと思いました。
したがって、この話は2022年2月24日のその日まで、私が彼女を描くきっかけにはならなかったのです。
しかしその日、北の大熊が、南の豊かな麦畑に住む子犬を襲うという事件が起こりました。
近所の人たちはびっくりしました。なぜなら、彼らは長い間その熊に餌をやっていたからです。
そして、それを見た彼らは「危ない!熊に殺されるぞ。そこから逃げろ。」と叫びました。
しかし彼は言いました、「私はここにいる、私は逃げない、恐れない。ここは私の故郷であり、私の家族や親戚が住んでいる場所なのです。」
私はすぐに、彼がその国の大統領であり、またユダヤ人であることを知りました。
そして、このようなありえない話も、長い歴史の中では実際に起こるのだろうと納得しました。
私が感動したのは、エステルが今も彼の心の中に生きていて、彼女のように素早く戦ったことです。
今も昔もユダヤ人はユダヤ人なのだと思いました。だから、私は彼女を喜んで描こうと決心したのです。
この絵は、モルデカイの言葉を聞いたエステルが、王妃の衣装を着て、王の中庭でユダヤ人のために王に祈願する姿を表しています。
私は彼女を美しく描きました。それは、彼女がそこに居る理由の全てだからです。
さて、そこで質問です。この物語の中で神はどこにおられるのでしょうか。
私の答えは、神は美しい者に宿るのではなく、それを感じる、あなた自身に宿るということです。
皆さんは、アーメンでしょうか?
2022年6月 キャンバス 910ミリ×1167ミリ
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