☆☆

    ☆NO68 最後の夜(お母さん子)
    これは聖霊による私の物語です。
    その日の夕方。イエスはベタニヤのシモンの家を出て、エルサレムの母マリヤの家に行きました。
    イエスが部屋に入ると、彼女はイエスを歓迎して言った。「あなたはとてもいい香りがしますね。」
    イエスは、「マルタの妹マリヤが、少し前に、私の体に油を注いでくれたのです。」と答えられました。
    マリヤは、「あら、彼女は、あなたがメシアであることを知っているのでしょうね。」と言った。
    しかし、イエスは彼女に言われた。「あなたの言うメシアは、人々の間で作られた偶像です。
    人から作られたものはすべて消えてしまいますが、神の愛から生まれた子どもたちは永遠に残ります。
    そして今日、パリサイ派の人々は、私がダビデの子ではないことを知りました。
    つまり、私はあなたの夫の息子ではないことを知ったのです。それで、私は彼らの律法に反する罪人です。
    わたしは今まで、あなたの名誉だけは傷つけたくないと思っていました。だから、私はもうこれ以上あなたを、さらし者にしたくありません。」
    マリヤは、「シメオンがそのようになると言ったので、私は覚悟しています。しかし、マルタが、何人かの者がすぐにあなたを殺すと言っていたのが、怖いのです。
    だから、この不安を紛らわすために、これを編んでいます。」と言った。イエスは彼女に答えられた。
    「今、信仰のないひねくれた時代に、多くの人が私を殺そうとしています。サタンはその日のために準備を進めています。」
    彼女はイエスの手を握り、イエスの肌着を編むとき、イエスの幸せな子供時代を思い出し、それを一つ一つ編み込んでいったの、と言いました。
    そこで、イエスは彼女の気持ちを察して言われた。「私は朝までここにいるので、明日、それを着ます。」
    マリヤは喜びながら、「あなたの言葉が嬉しいわ。今夜だけは幸せな気持ちになれそうですよ。」と言って、彼を抱きしめ、訊いた。
    「もう一度、あなたを測らせてください。あら、あなた、痩せてきたわね。最近、沢山食べていますか?」
    イエスは答えて言われた。「はい。今、夕食を食べたところです。そして明日は、過越の祭りの前日です。
    私は弟子たちと一緒に食事をするつもりです。全世界でこの福音が伝えられるところでは、この晩餐のことが記念として語られるでしょう。」
    そしてイエスは、ご自分の時が来て、この世から父のもとに旅立たれることを知って、この世にいる母マリヤを愛していたので、最後までそれを示された。
    それで、その夜は母のベッドで寝られた。そしてマリヤは、明け方までベッドの横で編み物をしながら、彼との幸せな思い出を語り続けた。
    翌朝、イエスが目を覚ますと、彼女は疲れてソファで眠っていた。テーブルの上には肌着が完成して置かれていた。
    それを見たイエスは、御霊の中でうめき、それを抱きしめてこう言われた。
    「今、この世で千回以上、あなたを母と呼びたいという気持ちでいっぱいです。
    しかし、これが私の体から取り除かれたとき、私はもうあなたを母と呼ぶことはありません。
    しかし、私はあなたを一人にはしません。私は、あなたがよく知っている別の息子を与え、彼はあなたの息子になります。
    私があなたに教えたように、あなたもその子を教えるのです。しかし、彼は若いので、我慢して教えなければなりません。
    そして、父がわたしの名によって遣わされる助け主、聖霊があなたに教え、わたしがあなたに言ったすべてのことを思い起こさせてくれるので、心配しないでください。
    残念ながら、教会としての私の着物は四つに分割されますが、この肌着は裂かれません。
    なぜなら、母の愛は誰にも壊せないからです。それは永遠に真実です。これを禁じる法律はありません。
    私を生んでくれて、本当にありがとう。私の人生は、あなた自身の水と血によって地上にもたらされました。
    私イエスのため、水だけでなく、あなた自身の水と血によってです。そして、御霊は真実ですから、私をあなたに授けたことを証しするのは御霊です。」
    この絵は、十字架の前のイエスとマリヤの最後の夜を表しています。 

    2021年12月 キャンバス 980ミリ×1240ミリ
    ☆

    Back home.