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 56   【手帳】一冊の手帳で夢は必ずかなう 熊谷正寿
UPDATE:
2005/11/20 (Sun) 
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かんき出版:1,470円(税込)
ISBN: 4761261439 (2004/03)
おすすめランク★★★★☆
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手帳とカバンの掲示板で紹介いただいた一冊。
恥ずかしながら、紹介いただくまで著者の名前は知らなかった。
わたしは、本を購入する前に著者の経歴を確認して購入する判断材料の一つにするのだが、Web上で検索できる経歴の目立つところに学歴が掲載されていないのと、ベンチャー企業家ということでしばらく積読状態になっていた。
 
話がそれるが学歴とベンチャーについて少々。
企業の面接などで学歴不問といわれて久しいが、わたしの中では、全く知らない人を判断するには出身校などの学歴はとても貴重な個人の履歴情報だと思っている(学歴と事務処理能力は別の問題というのはこれまでの社会人経験から実証済みですが・・・)
 
あと、どうもベンチャーで成功するということに対するイメージがわたし個人のなかでちょっとということがある。
(この熊谷氏は全くの未知の方ですが、飲食業界のW氏あたりのイメージがかなり強烈なのかも・・・)
成功した本人は、収入も増えてとてもよいことだと思うが、その下で働いている従業員、けっこう体力的に若くないとついていけないような・・・。
 
カリスマ経営者は高所得かつクリエイティブなイメージでマスコミに頻繁に取り上げられるが、従業員まで同じ状態だったら、多分経営は成り立たないのではという気がする。(あくまで想像ですが・・・)
成功しているベンチャー企業の売り上げだけでなく、労働環境というものが一体どのようなものなのか、マスコミ等で取り上げてもらいたいものである。
こうしたベンチャー経営者は自分が身を粉にして働いている分、同様かそれ以上の努力を従業員にも求めているような気がしてならない。
一生懸命働くことは、従業員として当然の義務だが、例えば常識ハズレな早朝や深夜会議の実施や、精神論に走って、素手でトイレ掃除とかを、よく目にする。
それをWBSなどがもてはやして、よけい火に油を注ぐようなことになる気がする。
身内がオーナーならば良いが、わたしは、あまりベンチャー経営者の下で仕事をしたいとは思わない。
(体力・精神両面でついていけそうにないので)
 
と、前置きがとても長くなったが、本の内容は、とても読みやすい内容であった。
経営者や指導者に求められる資質として、自分の考えていることを、いかに配下のものにわかり易い言葉で伝えることができるか!ということがあると何かの本で読んだことがある。
この著者もそうした能力が備わっているからこそ、成功組の一員になれたのではなかろうか?
 
本の内容としては望むことを書き出して、常に意識することの大切さをわかりやすくマニュアル化している。
この夢を書き出すことの効用は、中山庸子氏なども以前から「夢ノートシリーズ」などでよく取り上げていることだが、とても大切なことだと思う。
わたしも以前から手帳のリフィル5,6枚に書き出して、毎日確認するようにしている。
自分の潜在意識の中に、望むイメージを形成しやすくすることもあるが、頭の中に描いていることを、紙上に記すことで俯瞰できるようにすることも重要であると思う。
要は、視点をかえることにより、頭の中だけでは描ききれなかったイメージを新たに描くことができるようになるのではと思う。
 
あと、本書の中で個人的にとても共感できる部分が一つあった。
仕事術の章のなかで、仕事の効率を高めるということを、数行であるが取り上げていた。
 
一日8時間で仕事をこなす人が、同じ仕事を6時間でこなせれば、その人の労働単価は8時間の時に比較して8/6倍になるということなのだが、著者は経営者としての視点で残り2時間は従業員に他の仕事をさせることが頭の中にあると思う。
 
わたしは、経営者ではないので著者と考えとは方向が違うが、同様にできるだけ自分に割り当てられた分量を短時間でこなして、浮いた時間を仕事を通して自分に投資できる時間にすることに全力を注いでいる。
 
わたしの場合、仕事は事務処理で、あらかじめ年度当初に割り振られた担当分の事務を処理していくということが多い。
悲しいことに、わたしが携わる仕事はなぜか紙ベースの処理が多いので、新しい部署に異動するとまずはそれをシステム化することに全力を注ぐ。
最初は、周りの人が8時間+αで処理する分量をこなしながら、自分のPC上でプログラム作成していくので、当然周りの人に比較して処理が遅くなる。
この時期が、残業することも多く一番つらいところであるが、仕事の手順はプログラミングの過程で整理できるというメリットがあるのと、一度整理した手順はPC上にプログラムソースとして残るというメリットがある。
 
そうして、システム化の効果で周りが8時間で処理する分量の事務を7時間で処理できるようになれば、その浮いた1時間でさらにシステムの改善を行う。
こうした、サイクルを繰り返すことにより、以前携わっていた購買部門でのわたしの担当する仕事は、まわりが8時間でこなすのと同量を、異動直前では30分で処理できるようになっていた。
(要は、画面から必要データを入力するだけで仕事は終わりの状態である。)
残りの7時間30分は日々の単純業務におわれて手薄になっていた創造性を求められる仕事に取り組むことができた。
 
あと、こうした、システム化をすすめることにより、さらに自分のシステム能力にも磨きがかかることになり仕事に好循環が保たれることになる。
 
仕事を効率化することで、さらに仕事をブラッシュアップする方向に持っていく。
わたしはこれからもこの好循環を保ち続けていきたい。



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