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勝間 和代 著
ダイヤモンド社:1,575 円(税込)
ISBN: 4478002037 (2007/12)
おすすめランク★★★★☆
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丸善で大量に積んであったのを手にして、面白そうだったので入手。
サブタイトルにグーグルとあったのが、少し印象が悪かったが、IT活用でごまかしていない内容のようだったので購入。
立ち読みしていた私に引っかかってきたキーワードは次の3つ。
@フレームワーク
Aベストプラクティス
B本代をケチらない
@のフレームワークは、多くのビジネス書や仕事術の本に登場する言葉だが、システム屋の中では、昔から使っている「雛形」という言葉が相当する。
著者の意図とは外れると思うが、参考までに「IT用語辞典」でフレームワークという言葉を引いてみると
<以下引用>
ソフトウェアの世界では、アプリケーションソフトを開発する際に頻繁に必要とされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェアのこと。
アプリケーションの雛型。
開発にフレームワークを利用すると、独自に必要とされる部分だけを開発すれば済むため開発効率の向上が見込める。
具体的なソフトウェアだけでなく、汎用的に適用できるプログラムの設計モデルや典型的な処理パターンなどを含めてフレームワークと呼ぶ場合もある。
<引用ここまで>
システムに限らない話だが、新しい仕事に着手するとき、私は新しい仕事のフローを頭の中で思い描き、ノートなどに簡単な仕様書としてまとめている。
最初に身に付けたのがIBMの手法なので、常に大枠のInput Process Outputを頭の中に描きながらフローを考える。
これが私の場合のフレームワーク。
幸いなことに、世の中システムでほとんどのものが動いてくれている。
なので、IBMのやり方で仕事を整理すれば、まず、漏れなく正しい判断ができる。
そして、結果として仕事も正確で楽になるのだ。
このフレームワークを身に付けるには、色々な方法がある。
私の場合は、新入社員の時に配属になった情報システム部門で、みっちりと手法を叩き込まれた。
初めてのものをマスターするのには、大変苦痛が伴う。
しかし、外国語と同じように、一つ身につければ、次のパタンや、似たものというのはすんなりと身に付くことができる。
私の場合、このIBMの手法がフレームワークであると同時に、仕事術のベストプラクティスとなっているのだ。
本書の中でも触れているように、ぜひ、フレームワーク力は身に付けていて損はないと思う。
◇
あと、「本代をケチらない」について。
これは、私が以前から頭の中でぼんやりと思っていたことを、上手く表現してくれた一文。
インターネットの情報発信の手軽さに比べて、本の場合、企画、編集、出版までの間に、多くの人手を必要とするコンテンツであること。
インターネットは便利であり、特に統計情報などの数値情報の公開には本より優れている面もある。
しかし、統計情報を除けば、情報の濃さは、やはり本にはかなわない。
このことを、常に頭に入れているかどうかで、情報に対する感覚は大きく変わってくる。
インターネットからの情報の多くはタダで入手できるが、やはりお金を払う本にはそれだけの価値があることを忘れないでほしい。
◇
ここまで、色々と書いてきたが、一番本書を読んで考えたのが、Gmailの使い方。
本の内容が参考になったというより、この本を読んだおかげで、Gmailの機能を調べてみる気になっただけなのだが・・・。
とりあえず、ITに関係する部門に所属しているので、ある程度のITトレンドは把握しておく必要がある。
なので、Gmailのアカウントも、かなり以前に入手していたのだが、どうもWebベースの画面になじめないというより、使い勝手があまりにも悪いので、ほとんど放置状態だった。
Webベースのメーラーが好きになれないのは、添付ファイルをドラック&ドロップで操作できないこと。
あと、なんだか、フワフワしていてカチッとしていないのも、生理的に受け付けない。
わたしは、メーラーはシンプルにOutlook派。
フリーのメールはOutlookと相性の良いマイクロソフトのホットメールを10年以上にわたって使っている。
なので、プライベート用も、HPの公開用も、全てホットメールでサーバーにメッセージを残すことで、バックアップ機能としていた。
しかし、せっかくの大容量のGmailがあるので、こちらもバックアップとして活用する方向で検討してみた。
◇
これまでの私のGmailの活用法は
@とりあえず、残しておきたい各種予約メール、本のインターネット購入のメール等を、Gmailに転送することでバックアップ。
AIT Pro等、いくつかのメルマガ登録用。
ここで、私が新たに追加したルール。
T 全ての送信メールは、BCCでGmailにも転送することで、送信メールのバックアップとする。
U 受信メールのうち、なんでもGmailに転送するのではなく、一定の基準に引っかかるものをGmailにバックアップのために転送。
この時、転送元のアドレスからGmailに自動にラベルを添付させる。
例えばtetyou_bag@hotmail.comが転送元の、手帳とカバンのホームペーヂ関係のメール。
これには、「ホームペーヂ」というラベルを自動で添付させることで、Gmeil上で「ホームペーヂ」のラベルでフィルタをかければ、Outlookのフォルダと同じ感覚でメールデータを探すことができるようになる。
あくまで、使いにくいGmailは大容量の空間が用意されていると割り切り、バックアップ用に特化して使うこととした。
これが、今回の本を読んだことがきっかけに、一番役に立ったというか、実りがあったこと。
◇
この本は、新入社員の人が読んでも、あまりピンとくるものではない。
しかし、入社6〜10年目くらいで、社内の重要ポジションを2〜3箇所経験した方だと、読んでいてとても面白い内容だと思う。
たぶん、多くの書店のビジネス書のコーナに、まだ、大量においてあると思う。
定価1,575円だが、これが1,300円以内だったら、★5個にしておすすめしていた。
(これは感覚の問題)
いつものごとく、パラッと立ち読みして値段を見ずにレジにならんで1,575円といわれた時に、エッとなってしまった。
もちろん、価格と中身のバランスで、少し高いのではという「エッ?」である。
興味を持たれた方は、まずは立ち読みでよいので、手にされたらと思う。
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