戸田和光 編
例によってお断りしておくと、私は戸川のよき読者ではない。そんな人間が、ちょっと気になることがあって、戸川作品を確認しようとしたとき、余りの複雑怪奇さに混乱してしまったので、心覚えを兼ねて、整理してみたリストに過ぎないことをお断りしておく。
いや、長編にしても、短編にしても、ここまで複雑だとは全く予想していなかったのだ。恐らく、戸川ファンの人には常識的な話なのだと思うが、今後、戸川作品を読もうと思った人には多少は参考になるかも、とは思っている。つまりは、初心者による初心者のためのリスト、とお考えいただきたい。
書名 | 改題 | 区分 | 出版社 | 出版年月 | 文庫 |
大いなる幻影 | 長編 | 講談社 | 1962年9月 | 角川 | |
猟人日記 | 長編 | 講談社 | 1963年8月 | 角川 | |
闇の中から | 短編 | 講談社 | 1964年3月 | ||
女人白道 | 長編 | サンケイ新聞出版局 | 1965年12月 | 徳間 | |
契らずに | 長編 | 集英社 | 1965年12月 | ||
蒼ざめた肌 | 長編 | 文芸春秋新社 | 1965年12月 | 徳間 | |
白昼の密漁 | 長編 | 講談社 | 1966年5月 | 講談 | |
仮装行列 | 長編 | 講談社 | 1967年3月 | 徳間 | |
深い失速 | 長編 | 講談社 | 1967年6月 | 徳間 | |
銀座「どん底」附近 | 長編 | 文芸春秋 | 1967年6月 | 徳間 | |
蜃気楼の帯 | 長編 | 読売新聞社 | 1967年7月 | 講談 | |
夜の交差点 | 男と女がいる町 | 短編 | 東京文芸社 | 1967年7月 | |
揺れる女 | 短編 | 講談社 | 1967年11月 | ||
蜜の味 | 短編 | 東京文芸社 | 1968年2月 | ||
夜のパスポート | 連作 | 講談社 | 1968年3月 | ||
裂けた眠り | 短編 | 新潮社 | 1968年5月 | ||
もっと声を! | 処刑台の祭り | 長編 | 新潮社 | 1968年10月 | 光文 |
赤い暈 | 長編 | 新潮社 | 1969年1月 | 徳間 | |
火の脈 | 短編 | 東京文芸社 | 1969年1月 | ||
蒼い蛇 | 蒼い蛇 上 (処女を待つ罠) | 長編 | 徳間書店 | 1969年1月 | |
仮面の性 | 短編 | 東京文芸社 | 1969年2月 | ||
夢魔 | 長編 | 講談社 | 1969年3月 | 徳間 | |
夜の爪痕 | 短編 | 東京文芸社 | 1969年3月 | ||
黄金の指 | 短編 | 東京文芸社 | 1969年4月 | ||
壁の恋 | 短編 | 東京文芸社 | 1969年5月 | ||
見知らぬ伴侶 | 短編 | 東京文芸社 | 1969年6月 | ||
悪魔のような女 | 短編 | 講談社 | 1969年8月 | ||
青い部屋の中で | 連作 | 文芸春秋 | 1969年8月 | ||
蒼い蛇〈続〉 | 蒼い蛇 下 (白夜の懐胎式) | 長編 | 徳間書店 | 1969年9月 | |
狩りの時刻 | 長編 | 講談社 | 1970年2月 | 徳間 | |
蒼き裸者の群れ | 短編 | 徳間書店 | 1970年3月 | ||
幻影の牙 | 長編 | サンケイ新聞社出版局 | 1970年9月 | 徳間 | |
赤い爪痕 | 長編 | 徳間書店 | 1970年12月 | ||
聖女 | 短編 | 講談社 | 1971年2月 | ||
日本毒婦伝 | 悪女の真実 | 短編 | 講談社 | 1971年4月 | 双葉 |
透明女 | 長編 | 光文社 | 1971年12月 | 徳間 | |
強制結婚 | 連作 | 徳間書店 | 1972年2月 | ||
東西妖婦伝 | 短編 | 集英社 | 1972年4月 | ||
水の寝棺 | 短編 | 講談社 | 1972年10月 | ||
牝の罠 | 長編 | 徳間書店 | 1972年10月 | ||
欲望の鎮魂歌 | 長編 | 実業之日本社 | 1973年9月 | 徳間 | |
美しき獲物たち | 長編 | 文芸春秋 | 1974年4月 | 徳間 | |
負け犬 | 短編 | 東京文芸社 | 1974年11月 | ||
肉の復活 | 短編 | 平安書店 | 1974年11月 | ||
冷えた炎の如く | 短編 | ペップ出版 | 1975年12月 | 徳間 | |
金曜日の誘惑 | 長編 | 講談社 | 1976年12月 | ||
華やかなる氷河 | 長編 | 光文社 | 1977年4月 | 光文 | |
蒼い悪霊 | 私がふたりいる | 長編 | 徳間書店 | 1977年8月 | 光文 |
虹色の噴水 | 長編 | 東京文芸社 | 1977年8月 | ||
太陽の生贄 | 霊色(※収録作品に一部変更あり) | 短編 | 双葉社 | 1978年3月 | 双葉 |
ブラック・ハネムーン | 短編 | 双葉社 | 1980年5月 | 双葉 | |
幻影家族 | 長編 | 講談社 | 1982年11月 | ||
深海怪物の饗宴 | 長編 | 徳間書店 | 1983年8月 | 徳間 | |
火の接吻 | 長編 | 講談社 | 1984年9月 | 扶桑 | |
緋の堕胎 | 短編 | 双葉社 | 1986年1月 | ☆☆ | |
嬬恋木乃伊 | 短編 | 徳間書店 | 1987年8月 | ☆☆ | |
静かな哄笑 | 短編 | 光文社 | 1988年6月 | ☆☆ | |
黄色い吸血鬼 | 短編 | 出版芸術社 | 1997年9月 | ||
蜘蛛の巣の中で | 再編 | 青谷舎 | 2000年2月 | ||
戸川昌子(昭和の短篇一人一冊集成) | 再編 | 未知谷 | 2008年4月 | ||
緋の堕胎 | 再編 | 筑摩書房 | 2018年10月 | ☆☆ | |
くらげ色の蜜月 | 短編 | 竹書房 | 2020年9月 | ☆☆ | |
ソドムの罠 | 戸川昌子傑作シリーズ 第1 | 講談社 | 1965年12月 | ||
緋の堕胎 | 戸川昌子傑作シリーズ 第2 | 講談社 | 1966年1月 | ||
赤坂禁猟区 | 戸川昌子傑作シリーズ 第3 | 講談社 | 1966年2月 | ||
猟人日記 | 戸川昌子傑作シリーズ 第4 | 講談社 | 1966年3月 |
21世紀に入って刊行されたもののみを“再編”(再編集短編集)としており、実際に、再編集と云えるのはこれだけだが、その他の短編集も、重複収録が実に多いのが戸川作品の特徴かも知れない。そんな中では、東京文芸社から刊行された短編集が、比較的オリジナル収録されているようだが、それも絶対でなく、全作品を読もうと思ったら、重複覚悟で、これらを集めるしかなさそうだ。一方で、短編集に未収録の作品もあるようだから、個人的には重複収録するくらいなら、そちらを収めれば良かったのに――と思ったりもしてしまうが、これは、書誌マニアの寝言なのだろう。
ラストに並べた“戸川昌子傑作シリーズ”は、短編集としては初期のもので、本来は正規に並べるべきかも知れないが、収録短編は、その後他の短編集に殆ど再録されていることもあり、これを残すとかえって分かりにくくなるかも、と判断して別枠にした(ただ、一編のみ、このシリーズでしか読めない短編があるようだが)。ご注意いただきたい。
注意といえば、このシリーズ中に『緋の堕胎』という本があるが、この収録作は、後に刊行される同題の短編集とは全く収録作が異なる(「緋の堕胎」という短編が収録されていることが共通しているだけだ)。こんな点にも、戸川本のややこしさの一つを見ることができるかも知れない。
区分の“連作”は、書誌を作成する都合で記載した。『夜のパスポート』と『強制結婚』は、一般には長編とされるのかも知れないが、連載とはいいにくいと思ったため、敢えてこの表記としている。ご了解いただきたい。
また、文庫の項は、最初に文庫化された出版社を示した。“☆☆”は文庫オリジナル(文庫しか存在しない)を指す。従って、ここが空欄なのは、文庫化されていないことを示している。
なお、『太陽の生贄』から『霊色』への文庫化にあたり、2作品が割愛され1作品が新たに収録されている。短編リストの記載で分かるかと思うが、如何だろうか。
書名 | 初出誌紙 | 連載開始年月日 | 連載終了年月日 | 初出タイトル(備考) |
大いなる幻影 | 書き下ろし | |||
猟人日記 | 書き下ろし | |||
女人白道 | 週刊サンケイ | 1964年9月28日 | 1965年3月29日 | |
契らずに | 女性セブン | 1965年2月1日 | 1965年8月14日 | |
蒼ざめた肌 | オール読物 | 1965年9月 | 1965年12月 | |
白昼の密漁 | 週刊現代 | 1965年6月17日 | 1965年12月23日 | |
仮装行列 | 婦人倶楽部 | 1966年3月 | 1966年12月 | |
深い失速 | 時 | 1966年4月 | 1967年3月 | |
銀座「どん底」附近 | 週刊文春 | 1965年11月25日 | 1966年11月21日 | |
蜃気楼の帯 | 書き下ろし | |||
もっと声を! | 高知新聞(夕刊) | 1967年6月25日 | 1968年1月12日 | |
赤い暈 | 週刊新潮 | 1967年7月8日 | 1968年5月18日 | |
蒼い蛇 | アサヒ芸能 | 1968年4月14日 | 1968年12月8日 | |
夢魔 | 週刊現代 | 1968年1月4日 | 1968年11月14日 | |
蒼い蛇〈続〉 | アサヒ芸能 | 1968年12月15日 | 1969年8月7日 | |
狩りの時刻 | ヤングレディ | 1969年1月1日 | 1969年10月6日 | |
幻影の牙 | 週刊サンケイ | 1969年10月6日 | 1970年7月13日 | |
赤い爪痕 | 平凡パンチ | 1970年1月5日 | 1970年9月21日 | |
透明女 | 週刊F6セブン | 1967年4月29日 | 1967年10月28日 | 幻の女 |
小説宝石 | 1970年1月 | 1971年5月 | ||
牝の罠 | アサヒ芸能 | 1971年1月7日 | 1971年10月21日 | |
欲望の鎮魂歌 | 週刊小説 | 1973年2月2日 | 1973年3月30日 | |
美しき獲物たち | 週刊文春 | 1973年7月2日 | 1973年12月24日 | |
金曜日の誘惑 | 日刊ゲンダイ | 1975年10月31日 | 1976年6月5日 | |
華やかなる氷河 | 主婦と生活 | 1967年4月 | 1968年3月 | |
蒼い悪霊 | 週刊平凡 | 1975年1月9日 | 1975年12月8日 | 私がふたりいる |
虹色の噴水 | ||||
幻影家族 | スポーツニッポン | 1979年11月1日 | 1980年4月30日 | 華々しい関係 |
深海怪物の饗宴 | 週刊現代 | 1971/1/1 | 1971/12/23 | 深海動物 |
火の接吻 | 書き下ろし |
思っていたよりも書き下ろしが少ないのが興味深いところだ。昭和50年代以降の執筆が少なかったせいもあるだろうが、むしろ、デビュー直後に書き下ろしが少ない方が珍しいような気もする。
『透明女』が分かりにくいかも知れないが、「幻の女」のタイトルで《週刊F6セブン》に連載されていたが、雑誌の休刊に伴って中絶となったものが、改めて「透明女」という題で《小説宝石》に連載され、そのまま刊行された――というつもりでの記載である。例によって、「幻の女」と「透明女」のテキストを比較していないので、この判断がどこまで正しいか分からないが、書誌的な情報としては、それなりに意味はあると思っている。
『虹色の噴水』の初出が分からなかった。その他の状況から見て、書き下ろしではないと思っているし、戸川の場合、連載終了から本になるまで、時間がかかることもあるので、すぐに分からなければ、特定は容易ではない。とりあえず、諦めこの状態で公にしてみる。
いろいろな媒体に執筆しているのが面白いところだ。
作品名 | 初出題 | 収録誌紙 | 掲載年月 | 連載終了年月 | 収録短編集 | 備考 |
恐怖 | 別冊週刊漫画 | 1962年10月16日 | ||||
もう一度どうぞ | 週刊現代 | 1962年10月21日 | 夜の爪痕 | |||
節穴 | 別冊週刊漫画 | 1962年11月20日 | 見知らぬ伴侶 | |||
視線 | 宝石 | 1962年12月 | 夜の爪痕 | |||
黒のステージ | 美しい女性 | 1962年12月 | 闇の中から | |||
通報者 | 別冊小説新潮 | 1963年1月 | 夜の爪痕 | |||
私は知らない | 増刊婦人公論 | 1963年1月 | ||||
違ってる | エロティック・ミステリ | 1963年4月 | 見知らぬ伴侶 | |||
沈丁花のかげに | 中学二年コース | 1963年4月 | ||||
鴨と葱 | 漫画文芸 | 1963年5月 | 壁の恋 | |||
闇の中から | 宝石 | 1963年9月 | 夜の爪痕 | |||
歪んだ目撃 | 高2コース | 1963年9月 | ||||
魔王の母親 | 宝石 | 1963年11月 | ||||
ソドムの罠 | 週刊現代 | 1963年11月14日 | 1963年12月26日 | 夜の爪痕 | ||
赤坂禁猟区 | 週刊サンケイ | 1963年12月9日 | 見知らぬ伴侶 | |||
2カラットの報酬 | センス | 1963年12月 | ||||
こんな女 | オール読物 | 1964年1月 | 黄金の指 | |||
男性ジンマシン | 漫画読本 | 1964年1月 | ||||
サンフランシスコの女 | センス | 1964年1月 | ||||
失われた恋 | 週刊女性 | 1964年1月22日 | ||||
ルポワ氏の冒険 | 別冊宝石 | 1964年2月 | 黄金の指 | |||
金色のストリッパー | センス | 1964年2月 | ||||
砂に書いたラブ・レター | 別冊小説新潮 | 1964年4月 | 壁の恋 | |||
雪どけ | 宝石 | 1964年4月 | 壁の恋 | |||
吹溜り | 小説現代 | 1964年4月 | 壁の恋 | |||
金色の鬘 | 週刊文春 | 1964年4月27日 | 壁の恋 | |||
ある女優 | 女性自身 | 1964年5月25日 | 壁の恋 | |||
殻が割れた | オール読物 | 1964年7月 | 黄金の指 | |||
二重の罠 | 仕組まれた罠 | 週刊現代 | 1964年7月16日 | 黄金の指 | ||
切られた指と手袋 | 漫画読本 | 1964年8月 | ||||
緋の堕胎 | オール読物 | 1964年11月 | 裂けた眠り/緋の堕胎(双) | |||
疑惑のしるし | 週刊現代 | 1964年11月5日 | 黄金の指 | |||
骨の色 | 小説新潮 | 1964年12月 | 壁の恋 | |||
底の翳 | 小説現代 | 1965年1月 | 揺れる女 | |||
婚約発表 | 週刊女性 | 1965年3月3日 | ||||
ダンケ・シェン | 小説現代 | 1965年4月 | 壁の恋 | |||
燃焼の記 | 小説新潮 | 1965年4月 | 壁の恋 | |||
みにくいあひる | ヤングレディ | 1965年4月5日 | 壁の恋 | |||
パリ野郎 | オール読物 | 1965年5月 | 見知らぬ伴侶 | |||
左手のための協奏曲 | 小説現代 | 1965年7月 | 黄金の指 | |||
白い密林 | 小説現代 | 1965年9月 | 黄金の指 | |||
陥穽 | 週刊サンケイ | 1965年9月20日 | 見知らぬ伴侶 | |||
形見わけ | 別冊小説新潮 | 1965年10月 | 夜の爪痕 | |||
別離旅行 | 主婦と生活 | 1965年10月 | ソドムの罠 | |||
黒い餞別 | 小説現代 | 1965年11月 | 見知らぬ伴侶 | |||
死の猟人 | スポーツニッポン(大阪) | 1965年11月27日 | 1965年11月28日 | |||
赤か緑か | スポーツニッポン(大阪) | 1965年12月25日 | 1965年12月26日 | |||
石頭 | 報知新聞 | 1966年1月6日 | ||||
黒い福音 | スポーツニッポン(大阪) | 1966年1月29日 | 1966年1月30日 | |||
さむけ | 小説新潮 | 1966年2月 | 裂けた眠り | |||
うたかたの航跡 | 小説現代 | 1966年2月 | 揺れる女 | |||
最後の王手 | スポーツニッポン(大阪) | 1966年2月26日 | 1966年2月27日 | |||
夜の爪痕 | 小説現代 | 1966年3月 | 夜の爪痕 | |||
揺れる女 | 小説現代 | 1966年5月 | 揺れる女 | |||
ガラスの中の顔 | オール読物 | 1966年5月 | 仮面の性 | |||
結び文 | 小説新潮 | 1966年6月 | 仮面の性 | |||
手首の蛇 | 小説現代 | 1966年8月 | 揺れる女 | |||
蜜の味 | オール読物 | 1966年10月 | 蜜の味 | |||
欲望果つるところ | 週刊新潮 | 1966年10月1日 | 蜜の味 | |||
渡るべき黒い河 | 別冊小説現代 | 1966年10月 | 裂けた眠り | |||
過ぎゆく艀 | 婦人生活. | 1966年10月 | 蜜の味 | |||
水晶の中の顔 | 小説現代 | 1966年11月 | 揺れる女 | |||
夜は暗い | 婦人公論 | 1966年11月 | 1966年12月 | 男と女のいる町 | ||
苦い夜 | (牝の遊戯) | アサヒ芸能 | 1966年11月13日 | 蜜の味 | ||
お月見 | 毎日新聞 | 1966年11月27日 | ||||
天の唾 | オール読物 | 1966年12月 | 仮面の性 | |||
夜の商人 | 小説新潮 | 1966年12月 | 仮面の性 | |||
亡霊 | 女性自身 | 1966年12月5日 | ||||
異物 | 別冊宝石 | 1967年1月 | 火の脈 | |||
波のなかの目 | サンデー毎日 | 1967年1月1日 | 1967年1月15日 | |||
人妻売春グループを操った男 | 週刊現代 | 1967年1月1日 | 蜜の味 | |||
裏切りのバラード | プレイボーイ | 1967年1月24日 | 蜜の味 | |||
レンズの中の妖精 | 小説新潮 | 1967年2月 | 仮面の性 | |||
霧の乳 | オール読物 | 1967年3月 | 裂けた眠り | |||
芸者和佳奈の儚い抵抗 | 現代 | 1967年3月 | 蜜の味 | |||
嫉妬の祭り | 小説新潮 | 1967年4月 | 揺れる女 | |||
白い騎士 | 女性セブン | 1967年5月17日 | 蜜の味 | |||
火の脈 | 小説新潮 | 1967年7月 | 火の脈 | |||
暗い鴎 | 別冊小説現代 | 1967年7月 | 揺れる女 | |||
罪の輪 | 別冊宝石 | 1967年8月 | ||||
傘が開く | 週刊サンケイ | 1967年8月21日 | 蜜の味 | |||
毒殺 | 小説新潮 | 1967年10月 | 火の脈 | |||
裂けた眠り | オール読物 | 1967年10月 | 裂けた眠り | |||
氷柱 | 女性自身 | 1967年12月11日 | ||||
くらげ色の蜜月 | 小説現代 | 1968年1月 | くらげ色の蜜月 | |||
揺れる的 | オール読物 | 1968年1月 | 火の脈 | |||
蒼い部屋の中で | ヤングレディ | 1968年1月1日 | ||||
騎手 | 女性自身 | 1968年1月8日 | ||||
ウルフなんか怖くない | 小説新潮 | 1968年2月 | くらげ色の蜜月 | |||
夜の客 | 問題小説 | 1968年2月 | ||||
夜の乳 | 小説現代 | 1968年3月 | 火の脈 | |||
かぶれの痕 | オール読物 | 1968年3月 | ||||
円卓 | 別冊文藝春秋 | 1968年3月 | 火の脈 | |||
変身 | オール読物 | 1968年6月 | 火の脈 | |||
夜光虫 | 小説セブン | 1968年6月 | 仮面の性 | |||
タンブラーの誘惑 | 小説宝石 | 1968年6月 | ||||
仮面の性 | 小説現代 | 1968年7月 | 仮面の性 | |||
待ちくたびれた日曜日 | 別冊女性自身 | 1968年7月 | ||||
ローソクがしゃべった | 女性自身 | 1968年7月22日 | ||||
招いた客 | 小説新潮 | 1968年8月 | 仮面の性 | |||
黄金の指 | 問題小説 | 1968年8月 | 黄金の指/蒼き裸者の群れ | |||
鴎が呼ぶ | オール読物 | 1968年9月 | くらげ色の蜜月 | |||
海より憎しみをこめて | 小説セブン | 1968年9月 | 仮面の性 | |||
死者の誘い | 小説現代 | 1968年10月 | 仮面の性 | |||
奇妙な快楽 | 平凡パンチ | 1968年10月14日 | くらげ色の蜜月 | |||
壁の恋 | 週刊サンケイ | 1968年10月21日 | 壁の恋 | |||
蟻の塔 | 小説新潮 | 1968年11月 | くらげ色の蜜月 | |||
大穴 | 小説エース | 1968年11月 | 太陽の生贄(単行本) | |||
基地の女 | 小説宝石 | 1968年12月 | ||||
隕石の炎 | オール読物 | 1969年1月 | くらげ色の蜜月 | |||
ハッピー・ソング | 小説新潮 | 1969年1月 | 太陽の生贄 | |||
蝋の肌 | 週刊サンケイ | 1969年1月6日 | 太陽の生贄 | |||
悪魔のような女 | 小説現代 | 1969年2月 | くらげ色の蜜月 | |||
見知らぬ伴侶 | 小説新潮 | 1969年3月 | 見知らぬ伴侶 | |||
鋳型の女 | 問題小説 | 1969年4月 | ||||
オレンジ色の鳩 | 週刊現代 | 1969年5月8日 | 太陽の生贄 | |||
エスカルゴの味 | 小説新潮 | 1969年6月 | くらげ色の蜜月 | |||
処刑された沈黙 | オール読物 | 1969年7月 | ||||
リオの死者 | 小説現代 | 1969年8月 | 蒼き裸者の群れ | |||
ニューヨークの亀裂 | 紐育の亀裂 | 問題小説 | 1969年8月 | 蒼き裸者の群れ | ||
ローマの翳り | 問題小説 | 1969年9月 | 蒼き裸者の群れ | |||
蜘蛛の糸 | 小説新潮 | 1969年10月 | くらげ色の蜜月 | |||
パリの死刑台 | 問題小説 | 1969年10月 | 蒼き裸者の群れ | |||
告白の傾斜 | 小説セブン | 1969年10月 | 蒼き裸者の群れ | |||
淵より逃がれて | 婦人生活 | 1969年10月 | ||||
カーニバルの被写体 | リオの被写体 | 問題小説 | 1969年11月 | 蒼き裸者の群れ | ||
冷たい肌 | オール読物 | 1969年11月 | ||||
乾いた花 | 小説宝石 | 1969年11月 | ||||
蝋人形レストラン | 漫画読本 | 1969年11月 | くらげ色の蜜月 | |||
蟹のお角 | 週刊サンケイ | 1969年11月21日 | 1969年12月19日 | 日本毒婦伝/冷えた炎の如く | ||
高橋お伝の石 | 小説現代 | 1970年1月 | 日本毒婦伝/冷えた炎の如く | |||
猫パーティ | 小説新潮 | 1970年1月 | 聖女 | |||
情事の絵本 | pocketパンチOH! | 1970年1月 | くらげ色の蜜月 | |||
雪が降る | 日刊スポーツ | 1970年1月1日 | ||||
黄色い吸血鬼 | オール読物 | 1970年3月 | 聖女/緋の堕胎(双) | |||
集金女 | 問題小説 | 1970年3月 | ||||
白い打楽器 | 罐詰の女 | 小説セブン | 1970年4月 | 太陽の生贄 | ||
最後の一切れ | 小説新潮 | 1970年5月 | 聖女 | |||
籔の中のあたし | 婦人倶楽部 | 1970年5月 | ||||
姐妃のお百 | 小説現代 | 1970年6月 | 日本毒婦伝 | |||
一粒の豆 | 話の特集 | 1970年6月 | ||||
ゴムの罠 | 問題小説 | 1970年7月 | 太陽の生贄 | |||
冷えた炎の如く | 週刊ポスト | 1970年7月10日 | 1970年10月9日 | 東西妖婦伝/冷えた炎の如く | ||
V定期便 | オール読物 | 1970年8月 | 聖女 | |||
蟻の声 | オール読物 | 1970年10月 | くらげ色の蜜月 | |||
炎の中の魔女 | 週刊ポスト | 1970年10月16日 | 1970年12月25日 | 東西妖婦伝 | ||
赤い的 | 小説新潮 | 1970年11月 | くらげ色の蜜月 | |||
聖女 | 小説サンデー毎日 | 1970年11月 | くらげ色の蜜月 | |||
夜嵐お絹の毒 | 小説現代 | 1970年12月 | 日本毒婦伝 | |||
人形の舟 | 小説新潮 | 1971年1月 | 水の寝棺 | |||
千姫狂い髪 | 小説現代 | 1971年2月 | 日本毒婦伝 | |||
苦い砂糖 | 女性自身 | 1971年2月6日 | 1971年2月13日 | |||
降霊のとき | オール読物 | 1971年4月 | 水の寝棺/緋の堕胎(双) | |||
眠れる森の醜女 | 小説現代 | 1971年5月 | ||||
小平義雄資料 | オール読物 | 1971年8月 | ||||
制服の誘い | 問題小説 | 1971年10月 | ||||
乳色の土壌 | 小説新潮 | 1971年11月 | 水の寝棺 | |||
淫女の真実 | 小説現代 | 1971年12月 | 冷えた炎の如く | |||
ツツモタセ | オール読物 | 1972年1月 | 水の寝棺 | |||
肉の復活 | 小説宝石 | 1972年2月 | 肉の復活 | |||
亡霊 | 週刊小説 | 1972年2月11日 | 肉の復活 | |||
白の恥部 | オール読物 | 1972年5月 | 水の寝棺 | |||
十九番目の女 | 問題小説 | 1972年8月 | 水の寝棺 | |||
水の寝棺 | 小説現代 | 1972年8月 | 水の寝棺 | |||
負け犬 | 別冊小説宝石 | 1972年10月 | 負け犬 | |||
城壁の魔女 | 小説新潮 | 1972年11月 | 負け犬 | |||
裂けた鱗 | オール読物 | 1972年12月 | 負け犬/霊色(文庫版のみ) | |||
塩の羊 | 小説現代 | 1973年1月 | 負け犬/緋の堕胎(双) | |||
モンパルナスの娼婦 | 問題小説 | 1973年2月 | 負け犬 | |||
グアムと蚊と亡霊と…… | 週刊朝日 | 1974年1月18日 | ||||
エスカルゴ体験 | 週刊ポスト | 1974年6月28日 | ||||
ハワイの幽霊 | 週刊サンケイ | 1974年8月29日 | ||||
霊色 | 週刊新潮 | 1975年5月8日 | 太陽の生贄 | |||
ブラック・ハネムーン | 週刊文春 | 1976年3月18日 | ブラック・ハネムーン | |||
嬬恋木乃伊 | 小説現代 | 1976年5月 | 嬬恋木乃伊 | |||
雨 | 女性セブン | 1976年6月16日 | ||||
嗤う衝立 | 小説現代 | 1976年10月 | 緋の堕胎(双) | |||
ある猫のインモラル物語り | 推理 | 1977年2月 | ||||
怨念の宿 | 小説宝石 | 1977年3月 | 嬬恋木乃伊 | |||
太陽の生贄 | オール読物 | 1977年7月 | 太陽の生贄 | |||
恍惚の向う側 | 野性時代 | 1977年9月 | 太陽の生贄 | |||
大いなる事実 | 小説現代 | 1977年10月 | ||||
人魚姦図 | 小説宝石 | 1978年4月 | 黄色い吸血鬼 | |||
呪詛断崖 | 小説現代 | 1978年8月 | ブラック・ハネムーン | |||
蜘蛛の巣の中で | 婦人公論増刊 | 1978年11月 | ブラック・ハネムーン | |||
怨煙唾下 | 小説新潮 | 1979年2月 | ブラック・ハネムーン | |||
プールサイドの二重層 | オール読物 | 1979年8月 | ブラック・ハネムーン | |||
燃えつきた蔵 | 小説宝石 | 1979年9月 | 嬬恋木乃伊 | |||
誘惑者 | 小説現代 | 1979年10月 | 緋の堕胎(双) | |||
情欲の塔 | 小説宝石 | 1981年1月 | 嬬恋木乃伊 | |||
擬態子宮 | 小説宝石 | 1981年12月 | 嬬恋木乃伊 | 横田競との合作 | ||
バラと死神 | Signature | 1982年7月 | ||||
砂糖菓子の鸚鵡 | 小説現代 | 1983年3月 | 黄色い吸血鬼 | |||
大人の童話 | 和飲倶楽部 | 1983年8月 | ||||
シャルロットのクリスマス | ミステリマガジン | 1987年1月 | ||||
地獄めぐり | 毎日新聞(夕刊) | 1987年8月17日 | 静かな哄笑 |
どんな形が一番分かり良いか迷った結果、収録短編集を整理することによって、見やすさを優先することにした。その分、一部データを削ることになったが、ご理解いただきたい。
ということで、収録短編集から、『蜘蛛の巣の中で』と『戸川昌子(昭和の短篇一人一冊集成)』、『緋の堕胎(ちくま文庫版)』の再編集短編集を削除した。更に、他の短編集との重複掲載が大半を占める、『闇の中から』、『肉の復活』、『静かな哄笑』、『黄色い吸血鬼』と、“戸川昌子傑作シリーズ”の3冊については、その本でしか読めない短編のみを残し、これら以外の短編集でも読める作品については、記述を省いた。そもそもが戸川の著書では末期に刊行されたものが多く、入手も比較的容易かと思うので、ご理解いただきたい。
また、連作(同じ雑誌に継続して掲載されたもの)は、次の項にまとめた。
これで、リストとしては、かなり見やすくなったと思う。
ジュヴナイル(中高生向けに書かれた作品)は、2編しか見当らなかったため、むしろ別にする方が見にくいと思い、このリストにまとめた。ご注意いただきたい。
思ったよりは単行本未収録のものが多い印象も受けるが、その半数以上は、例によってショートショート(掌編、犯人当てクイズを含む)のようだ。戸川は、著書刊行的に見れば、この当時としては恵まれた方だとは思うが、それでも、長短編に限られていたのだろう。その辺りも垣間見えれば幸いなのだが……。
なお、2020年9月に刊行された『くらげ色の蜜月』は、『悪魔のような女』の全編と、『聖女』収録の四編、そして、それ以外の3編、という構成となっている。厳密さを求めるなら、丁寧な対応をすべきかも知れないが、ここでは、同書に収録された全作品は、主な収録書を『くらげ色の蜜月』に変えた。最も入手しやすいと思われるためである。ご留意いただきたい。
「蜘蛛の巣の中で」の初出を、黒田明氏にご教示いただき、とりあえず、初出不明はゼロになった――と思われる。他力本願の結果だが、暫定作成状態は脱したと思うので、仮作成版に修正しておく。
この教示内容をもとに、どうでもいい雑文を書いてみた。どうでもいい内容だけれど、興味のある方は読んでみてください。→《婦人公論》 の小説特集号。
シリーズ名 | 作品名 | 収録誌 | 掲載年月 | 収録短編集 |
夜のパスポート | キャラバンの女 | 小説現代 | 1967年1月 | 夜のパスポート |
火の踊り | 1967年2月 | |||
紅色の湖 | 1967年3月 | |||
偽りの肌 | 1967年4月 | |||
蒼い空と死 | 1967年6月 | |||
黒い同乗者 | 1967年7月 | |||
闇の流れ | 1967年8月 | |||
衝立岩の向うに | 1967年9月 | |||
森の闇 | 1967年10月 | |||
雲の裂け目 | 1967年11月 | |||
白い女神像 | 1967年12月 | |||
青い部屋の中で | 欲望の箱 | pocketパンチOH! | 1968年6月 | 青い部屋の中で |
99の次に来たもの | 1968年7月 | |||
風のフラメンコ | 1968年8月 | |||
手術台のメスは鋭く | 1968年9月 | |||
走れ、メロス | 1968年10月 | |||
すすり泣く壁画 | 1968年11月 | |||
吊された首 | 1968年12月 | |||
黙ったジューク・ボックス | 1969年1月 | |||
梨里の手記 | 1969年2月 | |||
悪魔のファッションショー | 1969年3月 | |||
人形師の娘 | 1969年4月 | |||
蝋人形館のほうへ | 1969年5月 | |||
強制結婚 | 二重奏 | 問題小説 | 1971年1月 | 強制結婚 |
フラメンコの肌 | 1971年2月 | |||
黒い柩 | 1971年3月 | |||
女の鑑別師 | 1971年4月 | |||
金髪水揚げ | 1971年5月 | |||
ラブ・スクール | 1971年6月 | |||
魔女の協奏曲 | 1971年7月 | |||
奴隷市 | 1971年8月 | |||
パーティーの辛味 | 1971年9月 | |||
青い交配 | 1971年11月 | |||
男と女のいる町 | 飢えているとき | 家庭全科 | 1966年1月 | 男と女のいる町 |
波立つとき | 1966年2月 | |||
うつろうとき | 1966年3月 | |||
待つとき | 1966年4月 | |||
旅立つとき | 1966年5月 | |||
知るとき | 1966年6月 | |||
迷うとき | 1966年7月 | |||
決心するとき | 1966年8月 | |||
復讐するとき | 1966年9月 | |||
目をそむけるとき | 1966年10月 | |||
悲しみのとき | 1966年11月 | |||
別れるとき | 1966年12月 | |||
夜の交差点 | 女のとびら | 平凡パンチ | 1964年5月11日 | 男と女のいる町/見知らぬ伴侶 |
いたずらの報酬 | 1964年5月18日 | |||
肉体のデッサン | 1964年5月25日 | |||
ある欲求 | 1964年6月1日 | |||
崩れる | 1964年6月8日 | |||
喚声のかげで | 1964年6月15日 | |||
入墨 | 1964年6月22日 | |||
浮気の相手 | 1964年6月29日 | |||
仮面 | 1964年7月6日 | |||
疼き | 1964年7月13日 | |||
カウンセリングストーリー | 大きな溜息 | 週刊女性 | 1964年5月6日 | |
二つの顔 | 1964年5月13日 | |||
恋の密告 | 1964年5月20日 | |||
愛の葬式 | 1964年5月27日 | |||
虚栄の報酬 | 1964年6月3日 | |||
恋愛百景 | 虚栄の代償 | 週刊平凡 | 1965年6月10日 | |
狂った計算 | 1965年7月8日 | |||
幸福への復讐 | 1965年8月5日 | |||
接吻までは | 1965年9月2日 | |||
眩しすぎる…… | 1965年9月30日 | |||
黒い噂がささやいた | 1965年10月28日 | |||
さよならは手紙で | 1965年11月25日 | |||
禁じられた恋 | 1965年12月23日 | |||
会わなければよかった | 1966年1月27日 | |||
美しい記憶 | 1966年2月24日 |
初出誌欄が空欄のものは、直上のものと同じ、というものである。連作の常で、同じ媒体が並ぶため、むしろ見にくいかと思って削除してみた。
“カウンセリングストーリー”と“恋愛百景”は、いずれも複数作家によるシリーズである(前者は5回書いて交代、後者は週替わり執筆だったため、掲載間隔が異なるが)。そのためか、書籍未収録のままとなっているようだ。
こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて、とりあえず、上げるだけあげました。指摘があれば、随時直して行きます。
戸田和光