0.ウィンナオーボエ?ウィンナー・オーボエ?いえ、できればウィーン式オーボエと!

Wienを日本語として「ウィーン」と呼ぶことは充分に定着している。この形容詞をウィンナーと呼ぶだろうか?ウィンナワルツとウィンナオペレッタは、それ以外に言いようがないので、確かに用いられている。しかし単独でウィンナーというと、私たち日本人は真っ先にソーセージを想像している。意外なコンビネーションの筆頭はウィンナーコーヒーだろう。私は大学生になりたての頃、どこかの喫茶店でそれを注文する同窓生に「何が出てくるか想像してみな」と言われ、ソーセージが入ったコーヒーをまず描いた。コーヒーカップの横にソーセージ皿なら納得とも思ったものだ。

 ウィンナコーヒーの次に違和感の点で挙げられるべきがウィンナオーボエではないだろうか?ソーセージのような形か色か柔らかさか素材かのオーボエを想像される滑稽さを避けたい思いで、私はウィンナーオーボエと呼ばず、ウィーン式オーボエと呼ぶことにしている。

 ソーセージもものすごい数の地名で分類されているらしいので、これ以上深入りししない。

 ちなみに、wienerを他に例を挙げると、「ウィーンの森の物語」「ウィーン気質」のような和訳のタイトルがある。ウィーン風(とかウィーン的とか)という言い方もあり、それによって形容されるものはあるだろう、例えば料理の味付けとか。楽器に関しては不向きかと思う。ヴィーナーシュニッツェルは和訳もしないし、ウィーナーシュニッツェルとわざわざ言い換えている日本人ているのだろうか?

 イングリッシュとかアルプスとか、楽器に付けられた場合に、固有名詞やその形容詞形の原語表記と日本語発音や表記で不統一は認めざるをえないが。

 ウィンナーオーボエと発音した場合、英米人にはwinner's oboeと聞き間違えられないだろうか?勝利者のオーボエ?むしろいいかも知れない。

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