リモージュはHaute Vienne県の中心都市で、パリの南400kmにある。展覧会の展示カタログにはリモージュで描かれたスケッチが70点ほどある。結局「リモージュの市場」という題名の絵はなかったが、「リモージュ、こわれた壁」「リモージュの修道院と112歳の老婆」「リモージュ」「道ばたの彫刻」などというタイトルのものがある。さらに単独ではないが、全部で14枚からなる鉛筆書きのスケッチが見つかった。「女達がけんかをしている。激昂してつかみかからんばかりに」と自筆楽譜に書かれているというその様子が上から二段目の左の絵がまさにそれではなかろうか。パリ市民革命後に訪れたガルトマンの目には、フランス庶民の明るい姿は農奴同然の帝政ロシアの人々とあまりに異なって映ったに違いない。