事故態様


事故現場は、片側二車線の国道と一時停止標識のある幅員5.5メ-トルのわき道が交差する信号機のない丁字路交差点内。

優先道路である国道を前照灯を照らして進行中のA車は、事故現場の手前約50メ-トルの地点で、国道路側帯の内側に少し頭出しをして前照灯を点灯し、ハンドルをやや左に切った状態で一時停止しているB車を認めた。

A車は、B車が当然優先道路を走行中の自車の通過を待ってくれるものと考えて交差点に進入し、B車の手前を通過する直前になって、突然B車が左折を開始しため、A車の左側部にB車の右角バンバンからフェンダ-部分が衝突した。

B車(被告車-訴えられた側)は衝突の衝撃ではじめてA車(原告車-訴えた側)の存在に気づき、A車も衝突されてはじめてB車が発進してきたことに気づいたことが判明した。



判決要旨(京都地裁判決・平成12年12月26日)

原告の走行していた国道9号線は優先道路であって徐行義務が免除されているのであるから(道路交通法36条2,3項)、交差道路上に進行車線(筆者注:国道)に合流しようとしている車両が停止していても、同車が自車の進行妨害をしないと信じて走行するのはごく自然であり、

しかも、本件の場合は原告車(筆者注:A車)が被告車(筆者注:B車)の直前を通過する際に、原告車に気付かないまま突然発進した被告車に衝突されたものであって、本件事故はY(筆者注:B車の運転者)の一方的な過失により発生したものというべく、原告(筆者注:A車の運転者)に過失相殺をすべき落ち度はないというべきである。

よって、被告(筆者注:Yの雇用主)は自賠法3条、民法715条により原告の被った損害をすべて賠償する責任がある。




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