森ミステリィの感想文3

(Vシリーズ)

一部ネタバレ感想となっていますのでご注意下さい!

 

「黒猫の三角」

 「小鳥遊練無は、男だった」これが、Vシリーズに、はいって初めての衝撃でした。「気さくなお人形」でてっきりちょっと元気のいい女の子だとばっかり思っていただけに「またしても、森先生の術中に〜」と歯がみをしております。でもですね、頭の中に思い描くイメージは、やっぱりあの人なのですよ(笑)フリルの付いたワンピースなんて、絶対にPHだ。と決めつけてるし。お気に入りのキャラは、れんちゃん、しこちゃん、紅子さん、保呂草潤平かな。主要メンバ全員なのです(笑)どれも個性的すぎて一人になんて絞れません。紅子さんのイメージは、四季博士と萌絵ちゃんを足したような感じ。保呂草潤平は、松岡英明さんですね。ワイシャツとネクタイが凄く似合いそう。しこちゃんだけは、まだ思い描けないんですよね〜。でもあの関西弁がたまらなく可愛い。序章で最後の「ネルソン、秘密やよ」なんて・・・ドキドキでしたよ。Vシリーズは、「ミステリィのめぞん一刻」と森先生が講演会でおっしゃっていましたがそれがよく分かります!持ちつ持たれつの関係が凄いいいバランスで機能しているというか、それが自然体に見えてしまいます。

 そしてそして、今回も読者への宿題が提示されていました(笑)「宇宙人達は、何故会えなかったのか?」これは、只今考え中(99/05/13現在)。これには、きっと綺麗な答えがあるはずなんですよ。なんとしてでも自力で解いてみたい!顔デカ星人の顔面セーフは、すぐに分かりましたけどね(笑)

 一番 ワクワクして読んだのは、最後の保呂草潤平と紅子さんの会話でした。「行動に理由を付けるのは、安心を得るためだ」みたいな会話をしていたと思うのですがこの部分を読んでいて、今まで無意識のうちに制限されていた思考の範囲が広がったような感じです。森先生の本を読んでいると何か一つこういう考えさせられる命題がでてきますよね。それだけで4時間くらい考えられます。思考の速度もいつもの3倍だし。・・・とまぁ、新シリーズになっても森ミステリィで興奮気味なのでした。

「人形式モナリザ」 (99/09/14)

 今回は、読み終わって何を感想として書こうか凄く迷いました。特にこれといった、ミスディレクションがないように感じてしまったんですよね。後からじっくり考えたらあるのかもしれないですが、1回読んだ現時点ではそんな状態です。

 紅子さんの印象が結構変わりました。前は「萌ちゃん+四季博士」だったのですが、うーんなんていうんだろう、さらにプラスαされているというか、「大人」というものを強く感じましたね。七夏さんとの会話は、かなりどきどきでした。僕が同じようなシチュエーションになってもあそこまで自分を殺して振る舞えるか疑問です。しかし「へっ君を殺せる」発言は・・・(以下省略)。

 それから保呂草さんもかっこいいというか、新たな面がみれて新鮮でした。主人公の周りのキャラとして、盗みとかをやるなんて!!って思っていたのですが今では、そこがグーです。一応最後は、返却しているし(笑)自分の探求心を満たすためにあそこまでできるというのは、凄いです。

 練無くんと紫子さんも相変わらず良いコンビですよね〜。お子さまコンビ(笑)トランプとか花火で熱中できるところなんてもう。そういう精神がかわいいですよ。かくいう僕も先週末、合宿で花火してたし(笑)これは、お子さまコンビに仲間入りかな。

 ということで、今回は、主要キャラクタがよく分かったという感じでしょうか。「人形式モナリザ」を読んで、4人の特徴がわかる。4人とも森先生によって操られている人形たちなんだよなぁって思ってみちゃったりしちゃったりして。

「夢・出逢い・魔性」(2000/05/22)

 森先生の作品を読んで感想を書くのは久しぶりの様な気がします。今回は、まず、題名で惹かれてしまいました。「封再」同様英語版タイトルと日本語版タイトルが同じ音を踏んでいるってそう簡単には思い付かないと思うんですよね。しかもどっちのタイトルも物語の雰囲気を表しているのですから。

 そして、今回の主役は、やっぱりれんちゃんでしょう。なんというか、最後まで持てまくりだし、子供っぽさも、一段と磨きがかかったような(笑)亜裕美ちゃんのファンであると書いてあったけど、どういう気持ちかな〜なんて思ったり。見た目は女の子でも心は、男の部分があるのかな?と言う感じで。Vシリーズの中では友達にしたいキャラナンバー1です。

 犯人は、毎度のごとくあたりませんでした。すっかり騙されたし。なんというか、この物語でドキドキさせられるのは、れんちゃんが女性のフリをしてテレビ番組に出てしまおうというところだと思うのですが、読者である僕は、すでに「小鳥遊練無は、男である」ということを知っているわけで、物語のキャラクターに対して優越感みたいな気持ちを持っていたんですよね。(変かもしれないけど)でも、そのせいで稲沢探偵や伊藤さんが女性だということを見抜けなかった様な気がするんですよ。「井の中の蛙」を実感させられてほんのり恥ずかしい思いをしたり。そして、この様にタクシードライバや、探偵と聞いただけで男性と思いこんでしまうあたり、まだ世の中では男女差別があるのだなぁと深く考えさせられました。男女雇用機会均等法というものがあるけれど、果たしてどれくらい機能しているのだろう。

 


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