KF:湖西窯跡研究会

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             文責 サロン竹森 取締役

 

 

updated on 01/10/2007 11:40:38

2007.01.10.HPにコーナー新設。(更新)2023.01.17.記事追加。

 

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20016月に静岡県湖西市生涯教育課内の

諮問機関として発足した。

湖西窯跡(こさいかまあと)研究会のHPです。

このコーナーではその歩みを記録するとともに

多くの皆様に 湖西古窯の存在 を知って頂く事を目的に、

湖西窯跡研究会の歩みを公表”していきたいと思います。

 

もちろん公表だけでは血が通いませんので、

ご高覧の皆様からご意見ご感想を戴きながら、この湖西窯が

“市民の為の文化遺産”に繋がっていく事をコンセプトに

“保存と活用策”を模索していきたいと存じます。

 

なお、注意して戴きたいのはこのHPは

“会メンバーの個人運営”ですので

戸田委員の個人的意見も含まれます、

 

あらかじめご了承ください。

 

 

 

湖西窯製“陶製五輪搭” 平安時代 重要文化財

図版491

街道をゆく -渥美半島の考古学- より写真転載。

 

2000年発行 豊橋市教育委員会 生涯学習部美術博物館

 とい合わせ〒440-0801 豊橋市今橋町3番地

 

 

 

 

@  湖西古窯を紹介・研究した過去の流れ。 2003.07.09.文責戸田

 

 

 

 

平安後期           

 

 

 

 

寛政年間

 

 

 

 

1930年頃より

 

 

19561961

 

 

増基法師(1150年〜1190年)(文献として残る最古の物)

「遠江道中記」の文中に・・・

たかし山にすえつき造るところあり・・・。

 

 

内山真龍(1790年〜1800年)

「遠江風土記」の文中に・・・笠子山 辺に

セトモノヤキ有り・・・。

 

 

静岡県史 第1巻 編纂による 調査・執筆

 

 

大沢・川尻古窯跡調査報告書  

静岡大学教育学部(島さん ほか)

 

 

 

 

 

A アッピールへのプロローグ。

 

 

 

1997.09.07

 

 

 

 

 

 

湖西西部公民館 中国文物展 記念講演会・・・に於いて。

 

弁士 @ 久保田遠江美術館館長世界陶磁史上で中国がはたした役割

 

A 戸田 古陶磁の見方、楽しみ方・湖西古窯を認めよう!

 

 

 

 

2001.02.02.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖西古窯跡の現状について湖西市長に請願   於ける市長室にて、

以下懇談の内容         請願者 小口 戸田

 

提案者

あなたの趣味は?と聞かれた時「湖西古窯の勉強中です」と答えると

「ああ琵琶湖の西に古い窯があったのですか?」と返事が返ってくる。

「いや、浜名湖の西です」と答えると「うなぎで有名な浜名湖ですか」

とあいなる。骨董品の愛好家また湖西市民の90%以上の方も同じです。

 

市長

私も東京で会議に出まして湖西市長の名刺交換を致しますと

同じ様な事があり、

説明に困っているんですよ・・・。

湖西と聞くと、やはり琵琶湖が頭に浮かぶんですかねー。

 

提案者

実は湖西の地には、5世紀後半〜13世紀に渡り「約200年」の

停滞時期はあったにせよ「実動600年に及ぶ」焼成期間があり、

その稼動した規模は前期、後期を合わせ推定「約1000基」余りを

かぞえ、日本の窯業史の中でも5本指に入るくらいなんですよ。

 

市長

そんなにすごい物があったのですか?本などでこの地域に窯跡が

在る事くらいは承知でしたが、そんなに優秀とは知りませんでした。

 

提案者

7世紀頃の流通範囲は現在確認されているだけで三重県から太平洋岸

のすべての地域の都道府県で、最北端は「青森県八戸市」で出土して、

当時の「もの造りの発信基地」を担っていた事が解って来ました。

 

市長

そうですか、当市は現代もスズキ・松下電池・ソニー・アスモなど

「もの造り」が主要産業です、古代からその下地があったのですねー。

ところでその窯跡は現状どのようになっているのですか?

 

提案者

まだ5060基はひっそりと眠っています、開発が進みこの遺産が

無くなってしまわない内に、早く手を打たなくてはと思いまして・・。

 

市長

判りました、私も教育の畑で生きてきました、少し時間を戴き

まして検討します、ゴーの時にはバックアップをお願いします。

要旨は以上

 

 

 

 

 

 

 

A  湖西窯跡研究会発足する。

 

 

 

 

2001.06.26

 

 

 

 

市民会館特別会議室  1回湖西窯跡研究会発足

 

 

 

      中日新聞の記事               静岡新聞の記事

 

 

 

 

 

2001.10.21    

 

10.24

 

11.06

 

11.19

 

 

 

 

柴垣教授を招き勉強会、日本窯業史での湖西古窯の位置付けを確認。

 

愛知県陶磁資料館近隣地区の古窯の保存現場を視察と学芸員と意見交換。

 

保護・保存・周知・活用 の方針討議始まる。

 

同上の討議、本日より“島さん”(湖西窯研究の先駆者)研究会新メンバーとなる。

 

 

 

  横顔

湖西窯跡研究会のメンバー紹介(あいうえお順)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石井 委員

  頭脳のやわらかさが武器、会議の内容が一方向に向うと

発想豊に軌道修正。

 

 

 

 

 

 

 

 

小口 座長

  日本の芸術花火界をリードする重鎮、民芸部門に精通して

豊富な知識を持つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

後藤 事務局

  湖西窯研究の第一人者、湖西市の埋蔵文化財はすべて

任せられている学芸員兼任の職員。

 

 

 

 

 

 

 

 

島 委員

  大学生時代から湖西古窯の調査に携わる、この研究会を含めると

半世紀におよぶ献身となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

戸田 委員

  焼物全般に詳しい知識を持つ、冷静沈着に構えていて

短かな発言が急所を突き会議の流れを修正していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

戸田 委員

  イノシシ年かと間違えるほど一直線、納得すればなりふり構わず

推し進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

彦坂 委員

  父良平さんから4代にも及び湖西窯に携わるサラブレット、

湖西の郷土史にも精通している。

 

 

 

2002.02.15

 

 

 

05.22

 

 

06.14

 

 

 

 

 

 

新設中学校予定地内 古窯跡の現地確認実施。

中世の窯跡・・3基  近世の窯跡・・3基 

計6基 新発見を視察。

 

平成14年度第1回会合 国体会場にて湖西窯発掘品展示方針決定

 

 

市政30周年記念式典会場玄関に“湖西の山水”飾りつけ

(窯跡研究会の家族の参加)

 

 

 

 

 

 

手造りの飾台と“湖西古窯出土の壺”に活けられた吉祥花木

(華道家元、YOHKO作品)

 

 

 

 

07.24

 

 

 

新設中学校内に所在する窯跡の保護保存の要望書 

採択 提出へ

 

 

 

 

 

 

 

 

09.06

 

 

10.24

 

 

11.27

 

 

 

 

 

 

 

 

保存活動先駆者である常滑市の古窯跡保存状況を視察、

常滑市博物館学芸員と意見交換。

 

2004年浜名湖花博参加(アッピールに最適)にむけて討議。

 

 

今後の事業(案)討議 主な議題

  H15年度事業計画(案)

  窯跡調査 修復焼成 国体に展示 ホームページ開設 市民講座検討

H16年度事業計画(案)

  発掘品整理 焼成実験 花博展示 ホームページ管理 市民講座開催

 

 

 

 

 

C  湖西窯アッピール策の実践。

 

 

 

200.03.12

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花博参加用、山野草の植付け用陶片を20ケ選出、

山野草愛好家金子さん委託。

 

(反省・植付けの準備、養成期間が最低1年欲しかった)

浜名湖国際花博覧会参加の基本構想 会期200404.0810.11まで

 

1 場所  浜名湖国際花博会場  (環浜名湖館)に展示。       

天竜市・・1ブース  引佐郡・・3ブース

浜北市・・2ブース  湖西市・・1ブース  浜名郡3ブース

      (注) 1ブースとは3.6m×3.6m のスペース

2 主管  生活文化課

3 展示方法および内容  (案)下図による。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖西市・浜名湖・遠望の富士山写真(湖西市全景のパネルを飾る)

 

 

 

炭・竹・篭(特産品)

 

 

 

陶片に息づく山野草

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミヤマツツジ

 

 

 

湖西窯の概略

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トキワマンサク

 

 

 

古刹本興寺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こでまり

 

入り口

 

湖西市観光

マップ

 

 

 

 

2003.07.09

 

07.18

 

10.14

 

 

 

 

 

 

 

 

浜北市で新発見の古窯跡見学  窯の保存方法、移転する技術視察、ほか

 

NEWわかふじ国体会場、ボランティア説明員の打ち合わせ(戸田・後藤)

 

湖西市長と懇談 湖西窯の活用方針について中間報告実施。 

市長室 小口・戸田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2003.10.26.30

国体会場2F、湖西古窯製品の展示会           報告2003.10.30 戸田

 

月日

陳列物に関心有り

パンフ持ち帰る

質問・説明

赤い羽根

その他

10.26

200

  90

   6

   3

 

10.27

80100

  77

   4

   0

 

10.28

6070

  45

   12

   1

 

10.29

50

  30

   9

   3

 

10.30

30

  25

   6

   1

宮様来場

 

 

 

この展示会に寄せられた感想・意見集約

 

1     教科書の地図に古窯祉の印があった、一度みたいと考えていた。(教師)

 

2     こんな良い文化財がある、もっと有効活用の道を探し市民の物に(選手の父兄)

 

3  北海道で年に一度薪で陶芸を楽しんでいる、この窯で火を入れるなら参加する。

 

4  湖西窯製品を見て、これに是非 花を生けてみたい。

 

5  この文化財を生かす運動は興味ある、要請あればお手伝いしたい。(市職員)

 

6  彦坂良平さんに、この文化財を大切にするよう教えて頂いた事があり懐かしい。

 

7  畑仕事をしている時 土器のカケラがよく出てきた。

 

8  1階はスポーツで汗を流し、2階は文化で頭をリフレシュ 良い企画だ。

 

9  こんな良い物(文化財)がある事を知らなかった。(10名程度)

 

10 有るとは聞いていたが、本当にあるんですねー。(5名程度)

                 意見集約 文責 戸田

 

 

 

 

 

2004.01.14.

 

01. 15

 

   02.07

 

   03.22

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

04.07

 

   04.08

 

 

 

 

新設中学校内新発見の窯跡調査 保存方法の検討

 

湖西市長ならびに商工会の一行 新設中学校内遺跡を現地確認

 

現地説明会(新古(あらこ)窯跡群)開催。 説明員 後藤学芸員

 

平成16年事業計画の検討および議決

 

1 新設中学校内窯跡調査、保存の検討・・・国指定を視野に

2 窯跡の復元計画 兵庫県の前例報告(立命館大・木立雅朗)

3 窯跡講座 @小中学生の発掘体験 A市民講座

4 新設中学校内窯跡の立地条件と公開施策

5 花博覧会での広報活動 @陶片と山野草A情報カード

 

その他 

 湖西市商工会の活動100l湖西粘土で特産品として可能性?

現地粘土の焼成実験結果・窯壁の構成確認実験結果

今後の活動・・・教育委員会・学芸員の役割分担

  近隣の陶芸家(お手伝い要請?)活動報告及び見学

 

浜名湖花博内覧会へ2「湖西古窯の陶片と山野草」展示状況視察。

 

浜名湖花博の湖西市ブースにて展示が開始される。

 

 

 

 

 

湖西市ブースの展示風景

  

左)陶片に根付くシノブと野草       右)東笠子44-8古窯出土のヘタリ壺に根付くススキと花木

 

 

(山野草愛好会・夏目さんの作品)

 

 

・・・・・・・・・・・背景の写真は浜名湖を望む湖西市全景大型写真・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

湖西市ブースの山野草について。

浜名湖の西方に位置する“湖西市”には

5世紀後期〜13世紀にかけて1.000基以上の

古窯跡が確認される、当時の大窯業地帯であった。

この須恵器は8世紀頃を頂点に太平洋岸の関東

ならびに北限は、青森県までにも運ばれていた。

当時の湖西は古代のハイテク工業地帯であった。

 

この古窯跡の物原(失敗品の捨て場)には

千数百年にも及ぶ風雪に耐えた陶片が堆積し

そのわずかな隙間に“山野草が逞しく息づく姿”は

我々に“自然の厳しさと尊さ”を教えてくれている。

 

こんな情景を愛でたいと

研究の役目を終えた陶片に“もう一度命を吹き込み”

“自然と人々の共生”をテーマに

ほんの半世紀前には湖西に自生しいていた

山野草を植え付けて、ここに表現してみました。

湖西窯跡研究会・湖西山野草愛好会

 

 

 

 

 

2004.04.02

08.04

 

 

 

 

 

 

 

 

新設中学校内、新発見古窯跡の調査を実施

 

別紙資料 新古(あらこ)古窯跡群の現地調査結果

NO1地点  78世紀 窯跡 810

NO2地点  1213世紀窯跡 46

NO3地点  89世紀 窯跡 34

NO4地点  陶土(赤・白粘土)採掘跡発見。

 

 

 

 

 

2004.5.2527

   

06.15.

   

07.13

   

07.24

   

10.13

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖西古窯跡、岡崎小学校56年生

総合学習として発掘体験269参加

 

 

知波田小学校6年生 63名参加

 

知波田小学校5年生 44名参加

 

市民対象現地説明会 30名参加

 

湖西中学郷土学習  25名参加

                          延べ431名体験

 

委員談 この中から一人でも後継ぎが出てくれないかなー。

 

 

 

 

 

 

 

引率の教師談、「○○チャンのこんな一面を始めて見た」 

 

生徒、「なぁんだ、もう終りの時間 ?」

 

 

 

 

D  新たな展開(国の史跡認定)にむけて。

 

 

 

   05.28

 

 

2004.07.14

    15

 

08.0204

 

09.04

 

   10.07

 

   12.07

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古窯の復元構想および技術習得の為

薪で焼成している“鳳来窯・引佐窯”現地視察実施

 

文化庁坂井氏一行 湖西古窯跡群の現地視察、実施される。

 

 

7世紀の湖西古窯(再現)の復元実験着手。

 

復元窯の燃焼実験を実施したが(失敗)

 

文化庁現地視察の報告・今後の進め方を討議

 

H17年度事業計画討議

 

1 新設中学校内遺跡調査(1617箇所)78世紀前半120年焼成

 

2 新設工業団地内遺跡の調査(6箇所)静岡県の委託・奈良〜平安末

 

3 湖西窯跡群の分布詳細再調査(文化庁史跡指定を視野に)

 

4 実験窯設置案・・・湖西窯跡群市民講座開催

 

 

 

 

 

2005.03.23

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H17年度事業について(差し替え含む)討議。

 

  1 新設中学校内遺跡の調査について

        H1718年度出土遺物整理・報告書の作成

 

  2 新設工業団地内遺跡の調査について(H19年度販売計画)

(注意・のちに事業計画変更される)

        窯跡6箇所・・・H1718年度出土遺物整理・報告書

                H1819年度出土遺物整理・報告書

 

  3 湖西窯跡群詳細分布の調査について

H18年度以降に実施

実験窯について

湖西粘土を陶芸愛好家に(商工会も別路線で進行)

H17年度の研究会について

 

意見 湖西窯跡を市の文化財として指定させる運動ができないか

     発掘体験好評につき鷲津地区も拡大・親子体験会も視野に

     学芸員 ○○さん1名の増員がきまる

     新設中学の保存地点を拠点に、文化教育の輪を広げることが出来ないか

 

 

 

 

2006年度 こさい情報局 湖西窯焼物体験講座 広報による受講生募集

 

【申し込み受付期間】 718日(火)〜811日(金)

湖西市内には古代・中世に栄えた窯跡が数多く残っています。

かつては、東日本の太平洋沿岸に流通するほど大規模でした湖西窯は

「湖西のモノづくりの原点」なのです。

 

湖西窯焼物体験講座は当時の焼物と同じ粘土を使って、焼物を作ろうという試みです。

講座を通じて脈々と引き継がれたモノづくりの原点を体感してみませんか。

講座は内容の異なる2コースを用意しました。

  講座日程2006.08.262007.02.17.

 

 

 

 

 

 

2006年度 湖西市商工会の取組み

 

 第1回「浜名湖 湖西焼」陶芸コンテスト作品募集のご案内
            応募申込締切 平成19110日まで

 

 

2007.01.25. 150点、余の応募がされました。

 

  01.27.  応募作品の陶芸コンテスト審査会に窯跡保存会座長小口委員出席する。

 

 

 

 

2007.02.02

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖西窯跡研究会の今日までの活動の足跡と今後の進め方を討議。

商工会の取り組んだ、湖西粘土100l使用の陶芸コンテスト作品見学。

出された意見コメント

 

(想像以上の応募者からの作品群に一同驚嘆した)

(この活動はぜひ続けてほしい)

(地元湖西市の愛好家からの応募が少ないのが気がかり)

 

 

 

2007.08.18.

 

 

 

 

同 09.05.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窯跡研究会の議題の一つであった“湖西の粘土100lで”

焼き物焼成が可能か?

の疑問に対する分析結果(岐阜県土岐市立陶磁器試験場)

大平 修氏の評価解析結果まとまる

 

1、      分析対象の粘土 2003年新古(あらこ)地区粘土(赤・青)2種類

 

2007年中尾平(なかおびら)地区粘土(赤・青)2種類

 

2、      職人による成形段階での評価(精製しない粘土)

 

  新古地区(赤・青) ベントナイト3l真空土練機を施して 菊練り ○

  中尾平 (赤)   菊練 ◎    袋物成形 ◎  1280℃まで ◎

      (青)   菊練 ○    袋物   △  1230℃まで ◎

 

3、化学分析調査による評価

@   X線解析 

新古  カオリナイトのピーク値が小さい・・・ロクロが引きにくい

中尾平 セリサイト(絹雲母)・・・・・焼き物に都合の良い鉱物が混入

 

A   粒度分析 

中尾平粘土は一般的磁器の坏土より細かい特性を持つ、

陶芸においては骨材がない事で腰の弱い粘土となる、

珪石や長石を含む原料を混入する必要がある。

 

B    示差熱分析(TG-DTA)

   TG(重量減)300℃付近で重量減を伴う吸熱ピークが見受けられる

これは湖西粘土の特徴です。

   重量減測定値   中尾平(赤)粘土10.62%  

中尾平(青)粘土8.58

   DTA(熱の出入り)信楽・ごとまきに比較し1,000℃でカオリンが

分解発熱のピーク

 

C   半定量化学分析

     石英・長石・カオリン(粘土分)の分析値をノルム計算により

三角図にして比較した。  下図参照

 

 

 

 

 

 

A)信楽・ごとまき粘土のカオリンは30%に対し、湖西は50%に達する、

ところがカオリナイトの結晶が崩れていて可塑性が低下、

結果収縮率が大・切れやすい、これが最大の特徴である。

 

B)鉄分の分析値  中尾平(赤)11% 

大森4.56%     古陶器の分析2.84.3%

 

まとめ   大平 修氏 (記事抜粋)

 

中尾平赤粘土は、可塑性に関しては新古粘土より良い可能性がある。

注意点は鉄分を11%も含み、坏土としては特殊な状況になるので、

釉薬の発色に注意する必要がある。

 

 また腰の弱い坏土の可能性があるので、骨材となるシャモットや他原料を

添加し調整が必要、その時鉄分の少ない原料を4〜5割程度加え全体が

8%以下に調整すれば古代の湖西焼に近づく。

 

 中尾平青粘土は緑泥石を含みトラブルを起こしやすい粘土で大量生産には

向かないが、その欠点が思いもよらぬ個性的な陶芸作品を生み出す可能性の

用途がある、焼成温度は1230℃を超えない範囲で使用すればよいが、

他の原料を混ぜて調整すれば一般的な使用も可能である。

 

 

 

 

 

・・・副産物の出現

神品“耀変天目”(ようへんてんもく)の発表。

 

 

 

 

 

湖西市商工会パンフより転載

 

 

 

 湖西窯跡研究会委員の 一言!

う〜ん。これはすごい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2008.02.05日〜同.08日  場所 東京ビックサイト (湖西商工会)

 

 2006年より湖西商工会が取り組んできました、湖西粘土を利用した

特産品の模索が徐々に成果を上げ結実する時が近づいてきました。

 

1)    古代釉の陶器 2006年完成

 

湖西古窯の新古(あらこ)古窯跡周辺から採掘した粘土と

78世紀前半に焼かれた灰原から採取した木灰を主成分に

灰釉を作り焼成された焼物類・・・黄瀬戸の雰囲気を持つ

 

2)    こでまり釉の陶器 2006年完成

 

湖西市が日本一の生産量を誇る“小手毬”の花これを木灰釉

の原料にして釉薬を作成し湖西の粘土を使い焼成された焼き物

・・・陶芸界の釉薬では初見に近い上品な灰白色を呈す

 

3) 耀変天目の陶器 2007年完成か?

 

まさに奇跡といえる焼き物の完成(以下写真のパンフより転載)

足利義明・信長・秀吉・家康と渡った“耀変天目茶碗は

現在国宝として三碗のみが日本に遺されています。  

・・・ 注、原産は中国

その耀変紋の発現原理や制作方法はいまだに謎です

 

 

耀変天目の研究をして謎解きを学術誌に発表し、

最初に特許申請したのが“大平 修氏”です。研究によって

湖西の土は窯変天目の粘土に適している事が解りました。

 

湖西焼復興の為に湖西粘土を試験依頼した先が

大平修氏 という偶然からの発見でありました。

 

 

 

 

 

 

 

2008.05.31

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暮らしの考古学 シリーズ@ 土器の考古学 

 

著者 後藤健一・他3名 発行者 鶴岡一郎

           発行所 KK 学生社 2007.12.20. 初版発行

 

第4章   須恵器を考える 著者 (湖西窯跡研究会委員) 後藤健一氏。

1、 窯で焼かれた器

2、 文書に現れる焼き物と現れない焼き物

3、 古代焼物の担い手と物流

 

内容

 湖西窯の窯構造の変遷、大量生産を生んだ時代背景、須恵器製作の技術革新。

 正倉院文書による器形別価格、同 器名と用口数、祖庸調(そようちょう)とは、

湖西製品の物流 湖西窯7世紀の興隆要素、量産化へ技術と技術者の動員、

中央政権の関与、船運による流通、

以上。

 

 

  ・・湖西窯に興味をお持ちの方、

  日本の土器類に関心のある方、ぜひご購読ください。

  幻の「湖西窯」の資料が掲載されています。        

             湖西窯跡研究会 戸田委員が推薦いたします。

 

 

 

注意:研究会は2008年3月で発展的解散となりましたが

湖西の粘土を使用した「耀変天目の再現技術の研鑽」

2018.12.19.現在も ・・・着実に歩んでいます。

 

 

この続編は下記のアドレスでも扱っています。

TW: 茶道 お茶碗 (biglobe.ne.jp)

 

耀変天目茶碗再現 名も無き陶工の挑戦!: サロン 竹森 (seesaa.net)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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古美術サロン 竹森(予約制)

自宅内展示ですので、ご来店の節には

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