第1回 洞仙の基本

翔水「よくきましたね威尊君」
威尊「あれ?老師は?」
翔水「本当は三界老師が来るはずだったんですが、道に迷っているようなので、
   かわりに私、翔水が来ました」
威尊「は、はぁ…………」
翔水「それでは始めましょうか。1限目は[洞仙の基本]です」
威尊「えぇ〜っ!! また基本ですかぁ〜!! 散々老師に聞かされたんですよ!!」
翔水「それでは言ってみて下さい」
威尊「え〜っと………… 洞仙とは………… 銅の線を作る…………
翔水「全然違うじゃないですか!! それでは子供と同レベルですよ!!
   いいですか? 耳の穴かっぽじって、よ〜く聞くんですよ
威尊「…………何です? それ」
翔水「いやぁ、君の声を聞いていると、つい言いたくなるんですよ。
   それはともかく…………
   洞仙とは仙窟と呼ばれる洞窟を作り、そこで生産されたエネルギーを、
   龍穴炉に注ぎ込むことによって、滅びかけた大地を蘇らせることのできる
   仙人のことを言います」
威尊「へぇ〜、そうだったんですか…………」
翔水「へぇ〜…………って、三界老師から聞かされたんじゃないんですか?」
威尊「すっかり忘れてました
翔水「そ、そうですか…………」
威尊「でも、それって変じゃないですか?」
翔水「なぜ?」
威尊「地面から取り出したエネルギーを地面に注ぎ込んでいるって事ですよね。
   何か
電力発電みたいで矛盾していますよ」
翔水「何ですか電力発電って!?…………うーん、何ででしょうねぇ?」
威尊「老師のクセにそんな事も知らないんですか?」
翔水「誰が老師だッ!! この私のどこをどう見たらそう見えるんですか!?」
威尊「あ、そうですね。でも何て呼べばいいんですか?コーチとか…………」
翔水「何でコーチ………… とりあえず、先生で結構ですよ」
威尊「じゃあ先生、教えて下さいよ」
翔水「…………洞仙には、生産力を倍増させる装置のようなものを作る事ができ、
   それによって、普段以上のエネルギーを生産することができます…………たぶん
威尊「たぶん?何か怪しいなぁ」
翔水「っだぁ〜!!うるさいッ!! とにかくこの話は置いといて、威尊君、こう聞いて、
   洞仙をどう思いますか?」
威尊「洞仙って、すごいんですね………… 自然・生命を蘇らせることができるなんて…………」
翔水「そうでしょう。でも、人間達には理解されていないんですよ」
威尊「え!? どうしてですか?」
翔水「人間達にとって、洞仙は『悪』なんですよ。大地のエネルギーを奪い大地を死に追いやる
   邪仙として見られているんですよ…………」
威尊「なぜです!? そんなの誤解じゃないですか!!」
翔水「いるんですよ実際、そういう洞仙が。もっとも、管理しきれなくなった仙窟を見捨てて
   逃げただけなんですが…………それでも、その仙窟が邪精の巣窟になったりして
   人間達を襲う以上、洞仙の責任なんですがね」
威尊「そんなことって…………」
翔水「ですから、仙窟には人間達も侵入してきます。もし侵入してきたら、彼等を退治しなくては
   いけません」
威尊「退治って…………殺せって事ですか?」
翔水「そうしなければならない時は、やむを得ないでしょう。でも、なるべくなら殺さないで下さい」
威尊「まあ、俺もできれば殺したくないけど、でもどうして?」
翔水「仙人は無益な殺生は好まない。基本ですね」
威尊「へぇ〜、そうなんですか」
翔水「以上、これが[洞仙の基本]です。何かわからない事はありますか?」
威尊「まあ、とりあえずは…………」
翔水「とりあえず、ですか…………まあいいでしょう。それでは、今回はここまでです」
威尊「今回は、って、次はいつなんですか?
翔水「……………………
威尊「先生?
翔水「それでは、次回は[仙窟の作りかた]です。忘れ物をしないで下さいね☆」
威尊「ごまかすなぁ〜〜〜!!


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