Pirate family(仮) 2

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第3章 ミドルトン家の贈り物

ロンドンにて船団を結成したイルシーダとギルスの船団は未だロンドンに滞在していた。
理由としては、

「違う違う!砲室はもっとほしいんだって。で、速力はこれくらいほしいんだよ」
「その速度だと砲室はこれが限界だって。どちらか妥協しないと無理だよ〜」
「速度を取るべきじゃないか?殲滅力なら私の船で十分補えるぞ?」
「高速船として追いついて足を止めてってのが理想なんだ。そのためには砲室がほしいんだよ」
「理想はわかるが、実際無理があるだろう?」
「伯爵権限で王室に作ってもらうよう働きかけるか……」
「許可下りるのにどれだけかかると思ってんのよ。もう良いから速度重視にしときなさいって」
「皆さんお茶が入りましたよ〜」
がちゃっと、4人分の紅茶とスコーンを持ってメルが部屋に入ってくる。
船団結成の日から3日。延々と新造船の性能をめぐって議論を繰り返していたのであった。
もちろん、船の発注もまだである。
「皆さんまだもめてたんですか?」
メルとしては軍船の性能に関してはよくわからないため、議論に参加する事も出来ない。
そのため、日中は酒場に顔を出してマスターの手伝いをしているのであった。
とりあえず、お茶が出てきたので一息入れようと言う事になり一旦切り上げる3人。
「ふぅ〜、美味しいわね。良い葉を仕入れてきたのねメル」
えへっと笑いながら、
「実はこれ、私の葉じゃないんです。先ほどどこかの執事さんが届けにこられたんです。なんでも以前お世話になったお礼とかで。
 ああ後、これをお姉ちゃんに渡してくれって預かってるよ」
そういって封筒を一つ渡してくる。
なんだろう?
と中身を確認すると、船の使用許可証であった。
「ちょ!これ。どういう……ああ、ライザか。なるほどね」
封筒の裏を見るとそこにはミドルトン家の紋章が書かれていた。
以前ルビーが船長をしていた時にミドルトン家のライザと知り合っており、
彼女の手助けをいくつかしていた。
その縁もあり、彼女とはたまにお茶を一緒に飲んだりする仲になっているのである。
「ライザには後でお礼をいっておかなきゃね〜」
とりあえず渡された船の資料をギルスに手渡す。
「こ、これは!!ちょっとまて、こんな性能ありえるのか?」
そこに書かれていた性能に驚愕して固まるギルス。
「どうしたのよ急に固まって?どれ、ちょっと見せてね」
と資料を横から覗き見したイルシーダがぴしっと石のように固まる。
その資料に書かれている船の速度はギルスの希望していた速度を超える最大時速23ノット。
そして砲室の方もこれまたギルスの希望を上回る16門×6 + 船首砲 + 船尾砲
さらに、装甲は鉄張りという豪華仕様のくせに、旋回能力は20と化け物である。
対波能力は13となっているが、13あれば嵐の中でも十分航行可能な数字である。
「ギ、ギルス?これって、現実の船なわけ?」
ありえない物を見た表情でギルスに話しかけるイルシーダ。
「お、俺に聞くな。俺の常識ではこんな船は存在しねえ」
確かにありえない数字ではある。
世界最速といわれた帆船でさえ17ノットだと聞いていた。
それをさらっと超える20ノットの帆船など聞いた事がない。
資料を読めばよむほど現実感がまったく無い船である。
「ん?おいルビー。封筒に手紙が入ってたぞ。ほれ」
資料の中に手紙を見つけたギルスはルビーに手渡す。
その手紙の中に冗談なの!とでも書いてある事を期待しているような目だ。
「えっと……」
 Dear ルビーダイス様。
 お久しぶり。いつだったか貴女の船が沈没したと聞き、胸を痛めておりました。
 船と共に海に沈んだとも聞いていたのですが……ああ、やめやめ、硬い事は抜きにしましょう。
 貴女の船が沈んだと聞いて、以前お世話になった恩返しを!と思いミドルトン家の総力を挙げて
 船を1隻建造しました。というのは冗談で。実はこの船、ずいぶん前にうちが建造したんだけどね
 ちょっといわくつきの船になっちゃったのよ〜☆
 どんないわくかというと、テスト航海中に船長が狂っちゃうのよ。
 なんでも、船に語りかけられるとか何とか……
 一応後日復活した船長に話を聞いたところ、
 「我を乗りこなす力量がそなたにあるか?」
 って聞かれたんですって。怖いわよね〜
 で、うちでは誰も乗りこなせそうに無くてドックに保管してたんだけど
 船の保管料って結構馬鹿にならないのよ!!
 それで、せっかくだしお世話になった貴女に譲っちゃおう!ってことになったのよ。
 お兄様も貴女ほどの航海士なら乗りこなせるはずだ!って言ってくれてるわよ。
 あ、ちゃんと女王陛下の許可も受けてるから問題ないわよ〜♪
 ってことで、船の引き取りよろしくね〜♪

 追伸
 狂っちゃってもミドルトン家には一切の責任はないからね〜そこんとこよろしく〜♪
 またお茶の席でもご一緒しましょう。
 ライザ・ミドルトン

今度は手紙を読み終えたルビーが固まっている。
なにやら衝撃的な内容でも書かれていたのだろうか……
さすがに、個人宛の手紙を勝手に読むわけにもいかないと全員が動けずにいた。
しばらくして、不意にルビーがフルフルと震えだし、
「ラ、ライザのやつ〜!!!」
と大声を上げてわめいたかと思ったら次の瞬間には大笑いしていた。
激しく動く状況に誰もがついていけないと思われたが、メルだけは平然と、
「お姉ちゃん、手紙見せてもらって良い?」
と動じた様子も無く手紙を受け取っていた。
「メルちゃん、よく平然としてられるな〜。俺には何がなんだか……」
「え?ああ、昔からお姉ちゃんはあんな感じでしたから。なんとなく慣れてます。
 っと、この手紙の内容からしてこの船やばいんじゃ?」
手紙をルビーに返し、その内容をギルスとイルシーダに説明する。
「船に話しかけられる?おもしれえ!おもしれえぞそれ!」
ギルス的には大いに有りな展開だったらしい。
船を譲られたルビーとしては自分には乗りこなせそうに無いとわかっていたため、
「船長が乗ってくれたほうが良いんじゃないかな。私には乗れそうに無いよ、そのスペック」
と、あっさりとギルスに譲渡する気満々であった。
イルシーダもそれに関しては異論は無いらしく、すんなりと話はまとまった。
早速その船を見に行こうという事になり、4人はそろってミドルトン家のドックに向かうのであった。



ミドルトン家のドックにはすでに話が通っているらしく、何の問題も無く船に案内された。
案内された船は見た目はまったく普通であるのだが、なにか不思議な雰囲気をかもし出している。
「内部を見たい場合はご自由にどうぞ。でわ私はこれで」
案内をしてくれた人はあまり近くにいたくないらしく、役目が終わるとささっと消えてしまった。
ドック内に残された4人は早速内部を確認しようと船に乗り込む。
船室、舵、マスト、多少の差異は見られるがそれを除けば普通の帆船にしか見えない。
この船の何処に資料に書かれていたスペックがあるのだろうか。
確かに砲室は書かれている通りの内容であった。
装甲も確かに鉄張りで硬そうである。
だが、やはり速度と旋回能力が信じられない。
「普通の船だよな〜どう見ても……」
ギルスがそう呟く、他の3人にも普通の船にしか見えない。
「そう、ちょっと変わった形はしてるけど見た目はわりと普通なのよ。見た目はね」
一通り見終わり、船を下りてドックで船を見上げていた一同の後ろからライザが声をかけてくる。
「ルビーダイス、久しぶりね。その様子だと元気でやってるようで安心したわよ」
にっこりと笑顔で右手を差し出してくる。
それをしっかりと握り返し、
「ええ、でも今は船長じゃないの。そこのギルスの副官をやってるわ。ギルスは伯爵だし、知ってるわよね?」
ギルス本人とは面識が無くても一応貴族である。
「ええ、噂は伺っておりますわ。ライザ・ミドルトンです。よろしく」
「ギルスだ。伯爵なんて称号はもってるが、しょせんは傭兵の海賊だ。気をつかわないでくれると嬉しい」
差し出された手をがしっとつかみニヤリと笑うギルス。
それに対してライザも助かったとばかりにニヤリと笑う。
「そういってくれると助かるわ。堅苦しいのは苦手なのよ。一応海軍軍人なんだけどね〜私は」
それぞれ自己紹介も終わり、すっかり打ち解けた5人は、改めて船についての話をするのであった。



「見た目はわりと普通なのよ。でも、海に出てしばらくすると船長の頭の中に声が聞こえるんですって」
ライザが言うには、航海初日に必ず船長の頭の中に例の声が聞こえるのだそうだ。
そして、3日目には「我を乗りこなす事かなわず」と聞こえてから船長が発狂するらしい。
「一応うちで1番の船乗りを船長にしてみたんだけど。結果は同じだったわ」
やれやれ、といったため息をついて紅茶を飲む。
「ねえ、ライザ。そんなやばそうな船なら解体すればよかったんじゃないの?」
「それがね〜、解体しようとすると決まって事故がおこるのよ。で、今じゃ解体を引き受けてくれる大工さんがいないってわけ」
解体作業を始めようとすると決まって船大工が怪我をするらしい。
そんな話が広がってしまい、誰も解体作業を引き受けてくれなくなったとか。
「この船、保管料も割高でさ。うちとしてもなんとかしたかったのよ。
 で、そんな時にルビーが船を無くしたって聞いたじゃない?これはチャンス!と思って
 急いで陛下に許可もらっちゃった♪
 陛下もルビーなら乗りこなせるだろうって言ってたし。大丈夫ようんうん」
ようは、厄介払いですか……。
とは口に出さないルビーであった。
しかし、
「私が乗るんじゃないけど良いのかな〜。陛下に許可までもらっておいてなんだけど、
 多分私じゃ乗りこなせないよ?だってこれ軍船でしょ?」
砲門の数や鉄張り装甲などをみてもわかるようにどう見ても軍船である。
交易専門だったルビーには扱いきれない代物なのは明白だった。
「うちとしては、すでにルビーに譲渡した後だからその後の事はどう扱ってもらっても構わないけど、
 確かに陛下に許可をもらった以上色々面倒かもね。良いわ、そっちの方は私の方から申請しなおしておくから」
とんとん拍子で話はまとまっていき、結局はギルスが試しに乗ってみて
乗りこなせるようならこれで行こうということに決まった。
船員に関しては普通にやったのでは集まらないだろうとミドルトン家の方で手配してくれていたらしくすんなりと集まってきた。
帆の色を塗り替え、トレードマークの3種の紋章を書込み
食料と水を積み込んでいよいよ試験航海の日がやってきた。
「くぅ〜、なんか燃えてきたぜ俺。よし!野郎共出航だ!!
 ってちょっとまて。そういえばこの船の名前決めてなかったぞ!」
妙な所にこだわるギルスであった。
まだテスト航海なのに名前も何も無いと思うのだが……
「船長?名前は後でいいんじゃない?とりあえず出航してから考えるでも……」
出港準備のままで待機している船員のジト目の嵐を気にしてルビーがギルスに出航を促すが、
「いいや!だめだ。船の名前は超大事!!これ決めなきゃ燃えないだろうが!!!」
なおもうんうん悩むギルスの頭に、
(面白い奴だ。我は以前はセリオスと呼ばれていたが、お前の自由にするがよい)
「ん?誰かなんか言ったか?しかしセリオス……?いまいちピンとこない名前だ。なので却下だな」
何処からか聞こえた名前をさらっと却下する。
「?船長、誰と話してるのか知らないけど、誰もセリオスなんていってないよ?」
「ん?そうか?なんかそんな名前が聞こえたんだが、まあいい。よし!決めた。ガルミッシュ号で行こう
 でわ改めて、コホン。ガルミッシュ号!出航だ!!」



「ガルミッシュ号。出航するぞ!」
総帆を開き、ロンドンを出航。
航海予定としてはお隣の国ネーデルランドの首都、アムステルダムへ向かう航路であり、
テスト航海としては丁度良い距離である。
「さて、問題の声とやらはいつ来るのかな〜。すげ〜わくわくしてきたぞ俺」
目をきらきらと輝かせて今か、今か!と待ち受けるギルス。
そんなギルスを呆れ顔で見つめながら、
「船長、何をどこぞの戦闘民族みたいな事を言ってるのか知らないけど、一応気をつけてよね?」
「ばっかだな〜、楽しみでしょうがないに決まってるだろ?どんな奴なんだろうな〜。じっくり話してえぞ俺は!」
もはや、誰にも止められ無いギルスであった。
(本当に面白い奴だ。今まで楽しみだ等と言った船長はいなかったぞ)
「いや、楽しみだろう?船に取り付いた幽霊?と話すなんてまずないぜ?」
(我は幽霊にあらず。我はこの船の意思なり。貴様達にわかりやすく言うなら精霊というのが一番近いだろうか)
「おお!精霊!なんてファンタジックな。すげ〜ぞルビー!俺、精霊と話してるらしいぞ!ってこれか!これがそうなのか〜」
傍目には独り言を大声で叫ぶ怪しい人物にしか見えない。
だが、事情をある程度把握しているルビーは遂にきたかと少し緊張の色を見せる。
「それで船長。その……精霊?はなんて?」
ルビーには精霊とやらの声は聞こえていないため、会話の内容がわからない。
なので、どういった内容の話をしてるのかを確認したのだが。
「いや、なんかよくわかんね〜。とりあえず、こいつとはなんか気が合いそうって感じはするがな」
あっはっは、と大笑いしているギルス。
ああ、この船長は最初から発狂してたんだな〜そういえば……
と再認識したルビーはため息を付くのであった。
「あっそう。もう好きにして良いや。船長ならどうなっても大丈夫な気がするしね。
 皆さんも多分大丈夫なんで。もう適当にやって下さい」
全てがどうでもよくなった感じで適当に沈まない程度に操船してくれれば良いと船員に指示を出すルビーであった。
(貴様の副官も面白いな。あの者にも我を乗りこなす力量を感じる)
「ああ、ルビーは真面目にすげ〜ぞ。欠点は白兵戦の能力の低さを海事全体の能力の低さだと思い込んでる事だ」
(なるほど、砲撃戦主体という事か)
「ちょい違うな。砲撃戦なら無敵だ。それしか出来んって事だがな」
仮に砲撃戦のみって縛りの戦闘があったとしたらあいつに勝てるやつってのは想像がつかんな。
と、結構べた褒めなギルスであった。
(なるほど、それゆえの副官船か、面白い人事だな)
「あいつになら俺の船を任せられる。絶対に沈めたりしねえからな。所で、お前名前が無いと不便だな」
(先ほども言ったが、我はこの船の精霊。ゆえに先ほど貴様がつけた船名が我の名だが?)
「長い!よし、省略してガルと呼ぼう!ってことで早速だがガル。この会話は俺とお前だけしかできんのか?」
(ふむ?また珍しい事を聞く奴だな。無論他のものとも可能だが?)
「なら、ルビーとイル、それとメルもいれとくか。にも聞こえるようにしてくれないか?」
(おいこら!我を通信機代わりにする気か?)
「まあ、いいじゃねえか。頼むぜ相棒」
(まったく……だが、面白いやつだ。良かろう必要になった時には言うが良い。我を経由して声を届けてやろう)
「へへ、助かるぜ。これで私掠中の意思疎通も完璧だな。後はまあ、数こなせば慣れるだろう」
(ようやく我を乗りこなせるものが現れて嬉しいぞ。我が力存分に振るうが良い)
そういってガルは静かになる。
恐らく、必要な時に呼べば答えてくれるだろうが、今は静かにしている時だと思ったのだろう。
こうして航海初日は無事に過ぎていくのであった。

次の日、なぜか普段は襲ってこない地方海賊が襲撃をしてきた。
(すまんな、一応わかってはいるのだが我を扱う能力があるかを試させてもらいたい)
どうやらガルがそそのかして用意しておいた相手らしい。
なんとも色々と物騒な能力を持っている精霊である。
「へ、良いぜ〜そうこなくっちゃ!よし、野郎共いつもの配置につけ!!ルビーは船長室な!」
いつもの配置と言われても今回乗っている船員はトライアンカー号の乗員ではない。
何処に行けばいいのか軽く混乱しているようである。
「ったく、あのアホ船長は……しょうがない……」
ルビーは、砲手、操舵手、白兵要員、工兵、衛生兵にさっと割り振りをすませ、
自身はさっさと船長室へ引きこもるのであった。
その様子を見ていたらしいガルがあきれたように、
(優秀な副官がいてくれて良かったの〜)
と突っ込みを入れてくる。
「だろ?ってちょ〜っと忘れてただけだろうが!!さて、面舵一杯!左舷砲撃手は俺の合図で一斉発射だ」
ギルスの指示に船員がすばやく反応する。
しかし、この船の旋回能力ときたら……
「はえ〜!何だこの旋回。ちょっとまて、早すぎだろ〜。っと、左舷砲撃手、って〜!!」
ぐにゃんとでも表現すればいいのだろうか、舵を切ってから船が回頭するまでの時間が今までの船と比べ物にならない。
それは敵船にとっても同じだったようでこちらの回頭が完了した頃には向こうはまだ回頭を始める所であった。
そのため、無防備な船首が丸見えである。
そこにギルスの合図で一斉射撃が襲い掛かる。
なんともあっさりと敵船は沈没していくのであった。
「残り2隻か」
1対2の状況ではあったが、まったく心配する要素が無かった。
船としての基本スペックがまず違いすぎるのである。
ギルスはさして苦労する事も無く2隻の敵船を沈める事に成功するのであった。
「お〜いルビー。出番だぞ〜」
戦闘終了後、いつもの如くルビーを呼び船の損害状況を確認させる。
「なにこれ……どっか傷ついたわけ??」
見た感じ何処にも被害がない。
強いて言えば、帆に穴が一つ開いたくらいだが……
「損害0といってもいいんじゃない?まあ強いて言えば、砲弾が減ったくらい?」
必要経費としてすでに計上済みの値である。
「でも、珍しいね。船長が拿捕しないで沈めるなんて」
頬をぽりぽりとかくギルス。
実際、拿捕しようとはしていたのだが、普段のように威嚇で撃った砲撃が見事に命中してしまい。
運悪くそれで撃沈させてしまったのであった。
「なんというか……この船強すぎでな。ちと扱いに戸惑ってる所だ」
「ふ〜ん、まあ、今回は試験航海だし良いんじゃない?早く慣れてくださいね」
ほんとに今回はどうでも良いらしく、適当に切り上げて部屋に戻っていくルビーであった。
こうして、試験航海も無事に終了しガルミッシュ号は正式にギルスの船となったのであった。

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