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プロローグ7


一夜明け、ロビンは自宅の前で大勢の野次馬に混ざって呆然としていた。
いや、元自宅といったほうが良いだろうか……
そこには焼け落ちた建物の残骸が残っているだけだった。
何か残ってないかと調べに行きたいが、調査のためにやってきた王宮の兵士達が
野次馬達を建物に近づけないようにガードしているため自宅の様子を確認する事も出来ない。
一体何が起こったのだろう……
呆然としているロビンの耳に隣で噂話をする男達の話し声が聞こえてくる。
「なんでも国家転覆を図ったテロリストがいたらしいぞ」
「え?俺は女王陛下を暗殺しようとするものが住んでいたって聞いたぞ?」
テロリスト?暗殺?しかも住んでいた??
何やら物騒な話題が飛び交っている。
なんとなくこの場にいるのは危険なのではないかと思ったロビンは野次馬の群れからそっと抜け出し港へ走るのであった。



「はぁはぁ……何が一体どうなってるんだ。俺がテロリスト?女王暗殺!?そんなわけ無いじゃないか!」
寝耳に水とはまさにこの事だ。
まったく身に覚えが無い。
「くそ!何がどうなってるんだ」
愚痴をこぼしながら港の市場を歩いていると、
「あれ?ロビンさんじゃないですか。おはようございます」
昨日酒場で話していたメルファリアが元気に声をかけてきた。
どうやら材料の仕入れに来ていたらしく、いきの良い鮭を買い求めていた。
「ああ、メルちゃん。おはよう。良い買い物ができたようだね」
「はい!この鮭280で買ったんですよ〜♪」
「へえ〜、それは良い買い物したね。俺の見立てだと300かなと思ったけど」
仕入れが200って所かな。
と考えていると、店主が苦笑いしながら、
「なんだ兄ちゃんにもわかっちまうのか〜、まいったな〜」
と答えてながら値札を書き換えている。
元は500だったらしい……これは悪い事をしたかな。
「所でロビンさんどうしたんですか?こんな朝早くに港に来て。今日はお仕事じゃないんですか?」
鮭のほかにエビやサンマも購入しているようで、それらを包んでもらっている間にロビンに聞いてきた。
なんと答えていいのか迷った挙句、
「あ、ああ、今日はお休みなんだ。ここの所働きづめだったからね息抜きにきたんだよ」
「なるほど〜、あ、でも値切るのは程ほどにしてくださいね。さっきから他の店主さんの目が厳しくなってきてますから」
周りを見ると他の店の店主がこちらをちらちらと確認している。
どうやら、値切りに来たと思われているようだ。
(やれやれ、そんなつもりは無いんだが……)
「ふふ、じゃあロビンさん。またお店に来てくださいね」
そういってメルファリアは購入した食材を持って帰っていった。
(手伝ってあげればよかったか……)
メルがいなくなり、なおさらに居心地が悪くなった市場を足早に後にし、造船所のところに向かった。
ここは、知り合いが数名いるためしばらく落ち着くには問題なさそうだったからである。
もちろん親方とも顔なじみである。
その親方がこちらの顔を見るなり大慌てで作業場の中に連れ込む。
一体何事が起こったのかわからず目をパチパチしていると、本人も驚きの言葉を発した。
「ロビン!お前死んだんじゃなかったのか?」


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