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プロローグ2


資料室で見つけてしまった1冊の資料。
彼はこれをどうすれば良いのか悩んでいた。
ここに記されている事が事実であれば、王室に報告して直ちに調査してもらう必要がある。
だが……
(うちの社長は財務大臣のアドバイザーだったっけ……)
普通に報告しても握りつぶされるのが落ちだ。
ここは慎重にことを進めなければならない。
見なかったことにして、資料を元の位置に戻すと言う方法も考えたが、
不正を見逃すことが出来ない性質だったらしく、彼はその考えを一掃する。
(とりあえず、ヘンリー卿に直接話を持っていくしかない。だが、そんな機会があるだろうか……)
王室にコネなど無いただの1社員に過ぎない彼には重過ぎる問題であった。
1日、2日、3日と悩み続けながら時間だけが過ぎていく。
4日目、ここ最近の不眠状態がたたり、仕事中立ちくらみを起こし倒れてしまう。
自宅のベットで天井を見つめながら例の資料の事を考えていた。
これと言って良い考えは浮かばなかったが、これ以上考えても時間だけが過ぎていく。
さらに、時間がたてば資料が無くなった事に気づかれるだろう。
(よし!とりあえず王宮へ行ってみよう)
まろこ商事の使いで来ましたといえば何とかなるかな……
等と王宮へ入る算段を考えながら王宮へ向かうのであった。

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